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種子植物(> 22万種): 裸子植物: 胚珠露出 ⇔ 被子植物: 胚珠子房に隠れる(包まれる) 露出胚珠が大胞子葉表面にでき、これが花粉を直接受け受精し種子になる → 定義上の果実形成はない 受精前に胚乳形成され胚乳の一部に造卵器ができ、この中の卵細胞が精核により受精。重複受精なし 木本多: 木部に導管がなく仮導管tracheidがある(長枝、短枝の2種の枝を有するものが多い)古生代二畳紀に出現し中生代ジュラ紀が極盛、以降衰退し現在に至る 62属、670種 2系統存在 葉 種子 イチョウ・ソテツ 多髄質 羽状 放射相称 マツ 多目質 小・単葉・1本脈・平行脈 左右相称 Krussmann G (1955)1. 精核は繊毛を出し運動する
2. 葉羽状複葉。小胞子葉は球状花をなす _____ Cycadopsida (Cycadales) 1. 精核繊毛がなく運動しない 2. 茎葉樹脂有。球孔筒状突出物に囲まれない。葉互生、螺旋配列、対生、輪生から緑色の鱗片状
3 種子全部か一部肉質仮種皮に包まれる。種皮外層に維管束有 _____ Taxopsida (Taxales) |
2. 茎葉樹脂無。球孔筒状突出物に囲まれる。葉対生か3輪生。鱗片状では非緑色 _____ Gnetopsida (Gnetales)
┏━ [ 被子植物 ] [被子植物] [針葉樹][グネツム] │ [イチョウ] │ │ │ [ソテツ] │ │ │ │ │ │ │ │ │ └┈┈┈┈┈┈┈┴┈┈┈┼┈┈┴┈┈┈┈┈┈┈┘ │ ├┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┘ │DNAから推定した系統樹 種子植物と異形胞子シダの比較用語の確認♂ 種子植物 雄蕊 精核 花粉 葯 花粉管 シダ植物 小胞子葉 精子 小胞子 小胞子嚢 雄性前葉体 ♀ 種子植物 雌蕊(心皮) 卵細胞 胚嚢細胞 胚珠(珠心) 胚嚢 シダ植物 大胞子葉 卵細胞 大胞子 大胞子嚢 雌性前葉体 自由核分裂(遊離核分裂) free nuclear division花粉管受精 sphonogamy: 化学物質に反応し花粉管が誘われる – 植物界の大進化遊離核分裂: 受精段階に、花粉管が出る他に雌配偶体の方もarchaegonial tube出す(archaegonium形成しない) 分裂数は、種によりある程度決まっている。分裂数は、高等な種ほど減少する傾向にある |
生活型: 木本 分布: 熱帯-亜熱帯 (古生代末-中生代繁栄) ソテツ Cycadaceae☛ Cycas revoluta Thunb. (ソテツ) |
スタンゲリア Stangeriaceae(ソテツ科から分ける場合) ザミア Zamiaceae☛ Macrozamia riedlei (Gaudich.) C. A. Gardner |
現生種: 全て木本マツ目 (Pinales)球果類の進化: 球果 cone |
Araucariaceae (ナンヨウスギ) → Pinaceae (マツ) → Taxodiaceae → Cupressaceae
Araucariaceae: 多量の胞子嚢を作る = シダと類縁関係 → 原始的 |
マオウ目 (Order Ephedrales) = マオウ科)Order Welwitschiales (= Welwitschiaceae)W. mirabilis Hook. f.サバクオモト(砂漠万年青)/キソウテンガイ(奇想天外) kharos or khurub (ナマ語), tweeblaarkanniedood (アフリカーンス語), nyanka (ダマラ語), onyanga (ヘレロ語) 1859 Welwitsch, Friedrich Martin Josef (オーストリア探検家, 1806-1872)アンゴラの砂漠で発見 絶滅危惧種葉対生で、帯状に2枚のみ出現し無限成長。子葉やがて消失
遊離核分裂行なわない (2022年2月6日 咲くやこの花館) 1 原産地 奇想天外のふるさとキソウテンガイの故郷は、遠くアフリカはナミブ砂漠。ナミビアとアンゴラに跨るナミブ砂漠にのみ自生する。現地語で「ナミブ」とは「何もない」を意味し、キソウテンガイは、この過酷で「何もない砂漠」の海岸線150 km以内にある。ナミブ砂漠は、世界で一番古い砂漠といわれ、8000万年間、南西風を受け砂丘が砂漠に変化したといわれる。年間降水量20 mm程度で、大変暑く、砂漠の表面温度は平均40-70°Cに達することもある。2 植物 奇想天外ってどんな植物?キソウテンガイは、オーストラリアの外科医でもあり植物研究家でもあるヴェルヴィッチ氏(Friedrich Welwitsch)によって1983年9月30日にこの風変わりな植物が発見された。世界的に長命な植物として有名で、本葉は海藻のコンブや革ベルトを思わせる形態をしており、炭素14年代測定法によると5000年以上もの間、2枚の本葉だけが成長を続け、葉長が10 m、葉幅1 mを越える個体も存在する。他の植物にはみられない形態を示すため、「頭(頂芽)を失った植物」とも表現され、園芸名の「奇想天外」は、その不思議な生態と形態に由来する。また、「一生涯に2枚の葉だけで長生きする植物」として有名だが発芽してからの約1年間、本葉以外に子葉が2枚存在するため、一生涯とうことになれば、合計4枚の葉を有することになる。 現地では、長い生育年月の間に葉が裂けたり、ちぎれたりするため、1枚から複数の葉がでているように見える。そのグロテスクな姿は、海に漂う巨大なタコにも、朽ちた切り株にも例えられる。 |
灼熱の太陽が照りつけるナミブ砂漠で生き抜くために、キソウテンガイは、様々な機能を身につけた。根は地面と平行に15 m以上になることもあり、広範囲の地面から大量の水分を吸い上げる。コルク質の茎も水分貯蔵に一役買う。大量の水を必要とするのは、葉の冷却のためで、活発な蒸散によりピーク時で1時間当たり約30%の水が入れ替わる。 種子は、母株近くでは発芽しない。これは、親株が発芽抑制物質を出すためといわれる。着地場所が栽培に適していれば、十分な雨が降ったあとで成功している。しかし、種子から育てた株が最初に種子を作り出すまで、早いもので10-25年かかる。 3 害虫 奇想天外が受けている大きな脅威キソウテンガイは雌雄異株で、マツやソテツと同じ裸子植物。花は中央部にある成長帯につく。雌花は開花すると、雄芯の柱頭から蜜を分泌し、昆虫を誘因するとともに、風で運ばれてきた花粉を付着しやすい状態で待機する。昆虫はキソウテンガイにとって、受粉の手助けをしてくれるよきパートナーという訳ではなく、カメムシの一種(Probergrothius sexpunctatis)は、雌花序に群がり、幼種子から吸液する害虫でもある。このカメムシは吸液の際、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)という菌類を媒介する。アスペルギルスには、さらに病原菌が寄生しており、その病原菌がキソウテンガイに影響を与え、種子発芽率が低下し、近年では新しいキソウテンガイ群落が発生しずらくなっている。 キソウテンガイは原産地ナミビアでは保護対象種になっている。キソウテンガイの全体または一部の損傷や採集に対しては、裁判所から厳罰が科せられる。しかし、病原菌「アスペルギルス」という大きな脅威が存在することに変わりはない。病原菌に侵されていないキソウテンガイをきちんと栽培管理し、その危機的状態を啓発していくのも、植物園の担う役割として大切である。 Order Gnetales (= Gnetaceae)Fig. Gnetum gnemon L. (ユミヅルノキ, 弓弦ノ木), タイプ標本 熱帯に多い蔓性植物 葉対生で肉厚鋭頭、網状脈がある 木部xylen – 導管vessel |