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(2016年10月17日更新) [ 日本語 | English ]

バラ科 (Rosaceae Juss.)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[ 植物分類学 | 参考文献 | エングラー体系 | ベンサム・フッカー方式 ]
[駒ケ岳フローラ (flora on Mount Koma)|フローラ (flora)]

バラ目 (Rosales Bercht. et J. Presl)


多系統群 (polyphyletic group)
1 子房上位

2 花左右相称(不整正) _____ Fabaceae, or Saxifragaceae
2 花放射相称(整正)

3 花被と雄蕊は子房の上位 _____ Crassulaceae, Platanaceae, Saxifragaceae, or Pittosporaceae
3 花被の雄蕊は子房の周位

4 果実は豆果 _____ Leguminosae (Fabaceae)
4 果実はさく果、痩果または石果

5 雄蕊は多数 _____ Rosaceae
5 雄蕊は5または10 _____ Saxifragaceae

1 子房下位

2 托葉有

3 雄蕊多数。梨状果 _____ Rosaceae
3 雄蕊少数。さく果 _____ Hamamelidaceae マンサク

2 托葉無 _____ Saxifragaceae ユキノシタ

バラ科 (Rosacaee Juss.)


1 果実袋果または朔果(雌蕊1-数個)。時に托葉ない _____ Spiraeoideae

2 葉単葉、全縁か分裂

3 托葉あり。心皮1。散房状円錐花序 _____ Stephanandra
3 托葉なし。心皮5。散房総状または円錐状花序 _____ Spiraea

2 葉羽状か3出状に複性

3: 低木 _____ Sorbaria
3. 草本 _____ Aruncus

1 果実裂開しない。托葉なし

2 果実梨状果ではない。子房上位

3 雄蕊 ≥ 10。少数でも乾果で裂開しない _____ Rosoideae
3 雄蕊1。果実石果あるいは液果 _____ Prunoideae

2 子房下位。心皮2-5。果実梨状果 _____ Pomoideae

Subfam Spiraeoideae (シモツケ)

Spiraea シモツケ
Aruncus ヤマブキショウマ
Stephanandra コゴメウツギ
Physocarpus テマリシモツケ
Pseudocydonia C. K. Schneid. カリン
Gillenia ギレニア
Quillaja キラヤ (APG: キラヤ科 Quillajaceae - マメ科近縁)

Subfam. Rosoideae バラ

Acaena L. アカエナ
Agrimonia Tourn. ex L. キンミズヒキ
Alchemilla L. ハゴロモグサ
Dryas L. チョウノスケソウ
Potentilla L. キジムシロ
Filipendula L. シモツケソウ
Fragaria L. オランダイチゴ
Geum L. ダイコンソウ (含 Waldsteinia)
Kerria (L.) DC. ヤマブキ
Potentilla L. キジムシロ
Rhodotypos Siebold et Zucc. シロヤマブキ
Rosa L. バラ
Rubus L. キイチゴ
Sanguisorba L. ワレモコウ
Waldsteinia Willd. コキンバイ

Subfam Prunoideae サクラ

Prunus L. サクラ
Prinsepia Royle ヘンカクボク

Subfam Pomoideae (Maloideae) ナシ

Amelanchier Medik. ザイフリボク
A. asiatica (Siebold et Zucc.) Endl. ex Walp. (ザイフリボク)
A. canadensis (L.) Medik. (セイヨウザイフリボクex)
Aronia Medik. アロニア
Chaenomeles Lindl. ボケ
Cotoneaster Medik. コトネアスター(シャリントウ)
Crataegus Tourn. ex L. サンザシ
Cydonia Mill. マルメロ, quince
Eriobotrya (Thunb.) Lindl. ビワ, loquat
Malus Tourn. ex L. リンゴ
Osteomeles Lindl. テンノウメ
Photinia Lindl. (カナメモチ)
Pourthiaea Decne. カマツカ
Pyracantha M. Roem. (トキワサンザシ)
Pyrus L. ナシ
Rhaphiolepis Lindl. シャリンバイ
日本在来1種 (分類見解により数種)
R. indica (L.) Lindl. ex Ker モッコクモドキ
Sorbus L. ナナカマド

Subfam Amygdaloideae モモ

= Spiraeoideae + Pyroideae + Maloideae + Prunoideae
Sorbaria (Ser.) A. Braun ホザキナナカマド
S. sorbifolia (L.) A. Br. ホザキナナカマド

オランダイチゴ (Fragaria L.)


= イチゴ, フラガリア
花: 白。副萼と萼裂片とは共に巾が狭い
エゾヘビイチゴ F. vesca L.

花弁: 白 5-6

ノウゴウイチゴ F. iinumae Makino

花弁: 白 7-8

エゾクサイチゴ F. yezoensis H. Hara: 道南

花弁: 白 5

オランダイチゴ F. × ananassa Duchesne ex Rozier

花弁: 白

キジムシロ (Potentilla L.)


ヘビイチゴ (Duchesnea Smith)

Potentilla L.に含める
花柱花後落ちる。花黄色、副萼は萼裂片より幅広く大きい)

スモモ/サクラ (Prunus L.)


(北村・村田 1979)

Key for subgenera

1. 果実は縦に凹みあり、粉白、時に有毛、葉片巻きか2つ折り

2. 葉腋につく芽1、頂芽ない。葉片巻き(または2つ折り) ___ Prunus スモモ
2. 葉腋につく芽3、側生の芽は花蕾である、頂芽ある。花1-2、葉2つ折り ___ Amygdalus モモ

1. 果実は縦に凹みなく、粉白ではない。葉2つ折り、頂芽ある

2. 花 = 1-少数. 時に短い総状花序につく、常に著しい苞がある ___ Cerasus サクラ
2. 花 ≥ 12. 長い総状花序につく、苞小さい

3. 葉落葉性、花柄に葉がある ___ Padus ウワミズザクラ
3. 葉常緑、花柄に葉ない ___ Laurocerasus バクチノキ (P. zippeliana)

Subgen. Cerasus Pers
1. 葉腋につく芽は3、花柄は普通短い ___ Sect Microcerasus Webb ユスラウメ (P. tomentosa)
1. 葉腋につく芽は1

2. 萼裂片は直立か開出。葉に鋭鋸歯

3. 花は1-4個、散房花序または散形花序につく。花弁の先凹む ___ Sect Pseudocerasus Köhne サクラ

4. 葉の腺は通常葉の基部につく。花には総柄がない。萼、若枝に毛がある ___ Ex. チョウジザクラ、マメザクラ、エドヒガン
4. 葉の腺は通常葉柄の上部につく。花にしばしば総柄がある。萼、若枝に毛がない ___ Ex. カスミザクラ

3. 花5-10、総状花序につく。花弁先円形、総苞(花蕾鱗片)早く落ちる。苞宿存。葉二重鋸歯縁 ___ Sect Phyllomahaleb Köhne ミヤマザクラ (P. maximowiczii)

2. 萼裂片反り返る。葉に短鈍鋸歯。花弁先円形。総苞(花蕾鱗片)宿存。散形花序 ___ Sect Cerasus セイヨウミザクラ

開花
順番は内地では、概ね「梅 → 桃 → 桜」で北上するが、北海道に来るとほぼ同じ時期となるので目安にならない
ウメ × アンズ: 雑種


純粋梅 (小梅, 青軸)
杏性梅 (白加賀, 長束, 藤五郎, 南高)
中間梅 (養老, 紅加賀, 鈴木白, 太平)
梅性杏 (小杏, 豊後)
純粋杏 (平和, 新潟大実, 李小杏)

P. dulcis (Mill.) D. A. Webb (アーモンド)
P. armeniaca L. (アンズ apricot)
P. salicina Lindl. (スモモ)
P. persica (L.) Batsch (モモ)

f. stellata (Siebold et de Vriese) Makino (ゲンペイキクモモ)

Amygdalus L. (モモ) when established

A. dulcis (Mill.) D. A. Webb
A. persica L.

f. stellata

梅・桃・桜の見分け方
cherry vs peach vs plum

サクラ品種 (cherry cultivars)


サトザクラ群 (P. lannesiana group)
八重咲品種多い
利用: 庭園・公園・並木
アサヒヤマ(旭山/朝日山)
アズマニシキ(東錦)
アマノガワ(天川)
アマヤドリ(雨宿)
アヤニシキ(松前綾錦)
アラカワニオイ(荒川匂)
アラシヤマ(嵐山)
アラタマ(松前新珠)
アリアケ(有明)
イチヨウ(一葉)
イツカヤマ(早晩山)
イトククリ(糸括)
イモセ(妹背)
イヨクマガイ(伊予熊谷)
イワイザクラ(祝桜)
ウコン(鬱金), 淡黄色の花
ウズザクラ(渦桜)
ウスズミ(薄墨)
エイゲンジ(永源寺)
エド(江戸)
オオサワザクラ(大沢桜)
オオシバヤマ(大芝山)
オオタザクラ(太田桜)
オオヂョウチン(大提灯)
オオムラザクラ(大村桜)
オムロアリアケ(御室有明)
カリギヌ(狩衣)
カンザン/セキヤマ(関山)
キクザクラ(菊桜)
キクシダレ(菊枝垂)
キナシチゴザクラ(鬼無稚児桜)
キブネウズ(貴船雲珠)
ギョイコウ(御衣黄)
キリン(麒麟)
クシマザクラ(玖島桜)
クルマドメ(車駐)
ケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)
コウエンジシロヤエザクラ(光善寺白八重桜)
コウカ(紅華)
コウダイジ(高台寺)
コガネイウスベニザクラ(小金井薄紅桜)
コケシミズ(苔清水)
ココノエ(九重)
コシオヤマ(小汐山)
ゴショザクラ(五所桜)
ゴショミクルマガエシ(御所御車返)
コチョウ (胡蝶)
ゴテンニオイ(御殿匂)
コマツナギ(駒繋)
コンゴウザン(金剛山)
シオガマ(塩釜)
シズカ(松前静香) シバヤマ(芝山)
シブヤコンノウザクラ(渋谷金王桜)
ショウゲツ(松月)
ショウナンデン(小南殿)
シラユキ(白雪)

= イマジュクザクラ(今宿桜)?
= オキナザクラ(翁桜)?

シロタエ(白妙)
スイショウ(水晶)
スザク(朱雀)
スマウラフゲンゾウ(須磨浦普賢象)
スミゾメ(墨染)
スルガダイニオイ(駿河台匂)
センダイシダレ(仙台枝垂)
センリコウ(千里香)
タイハク(太白)
ダイミン(大明)
タオヤメ(手弱女)
タカサゴ(高砂・南殿・奈天・武者桜)
タグイアラシ(類嵐)
チハラザクラ(千原桜)
チョウシュウヒザクラ (長州緋桜)
ツクバネ (平野突羽根)
テマリ(手毬)
トウキョウザクラ (東京桜)
トラノオ(虎尾)
ナジマザクラ(名島桜)
ナデシコザクラ(撫子桜)
ニソンインフゲンゾウ(二尊院普賢象)
バイゴジジュズカケザクラ (梅護寺数珠掛桜)
ハクカサン(白華山)
ハクサンオオデマリ(白山大手毬)
ハクサンハタザクラ(白山旗桜)

cv. hatazakura or cv. vexillfera

ハナガサ(松前花笠)
バンリコウ(万里香)
ヒグラシ(日暮)
ヒヨドリザクラ(鵯桜)
ヒラノネザメ(平野寝覚)
フクザクラ(福桜)
フクロクジュ(福禄寿)
フゲンゾウ(普賢象・普賢堂)
フサザクラ(房桜)
フダンザクラ(不断桜)
ベニガサ(松前紅笠)
ベニシグレ(松前紅時雨)
ベニユタカ(松前紅豊)
ベンドノ(弁殿)
ホウリンジ(法輪寺)
ホクホウ(北鵬)
ホタテ(帆立)
ボタン(牡丹)
マザクラ(白花真桜)
マスヤマ(増山)
マツマエ(松前)
マツマエアイゼン(松前愛染)
マツマエオオシオ(松前大潮)
マツマエカザンイン(松前花山院)
マツマエハナゾメイ(松前花染衣)
マツマエハヤザキ(松前早咲・血脈桜)
マツマエフウキ(松前富貴)
マツマエベニヒゴロモ(松前紅緋衣)
マツマエヤエコトブキ(松前八重寿)
ミクルマガエシ(御車返・御車還・桐ケ谷)
ミッカビザクラ(三ヶ日桜)
ムラサキザクラ(紫桜)
メイゲツ(明月)
ヤエアケボノ(八重曙)
ヤエニオイ(八重匂)
ヤエベニトラノオ(八重紅虎尾)
ヤエムラサキザクラ(八重紫桜)
ヤダケムラサキ(矢岳紫)
ヨウキヒ(楊貴妃)
ランラン(蘭蘭): 上野動物園パンダ名
リュウウンインベニヤエ(龍雲院紅八重)
ワシノオ(鷲尾)

エドヒガン群 (P. pendula group)
野生種
エドヒガン(江戸彼岸)
モチヅキザクラ(望月桜)
ヤマモチヅキザクラ(山望月桜)
園芸種 アマギヨシノ(天城吉野)
アケボノ(曙)
イズヨシノ(伊豆吉野)
ウジョウシダレ(雨情枝垂)
ウスゲオオシマ(薄毛大島)
オオクサエザクラ(大臭桜)
オモイガワ(思川)
カッテザクラ(勝手桜)
カバザクラ(樺桜)
クマガイ(熊谷)
クラマザクラ(鞍馬桜)
コシノヒガンザクラ(越野彼岸桜)
コヒガン(小彼岸・彼岸桜・千本彼岸)
コマツオトメ(小松乙女)
サイホウジザクラ(西法寺桜)
サクヤヒメ(咲耶姫)
シキザクラ(四季桜)
シダレオオクサエザクラ (枝垂大臭桜)
シダレザクラ(枝垂桜・糸桜)
シダレソメイヨシノ(枝垂染井吉野)
ジュウガツザクラ(十月桜)
ショウジョウ(猩々)
ショウワザクラ(昭和桜)
シラタキザクラ(白滝桜)
シラタマ(白玉)
ジンダイアケボノ(神代曙)
スルガザクラ(駿河桜)
センダイヨシノ(仙台吉野)
ソトオリヒメ(衣通姫)
ソメイニオイ(染井匂)
ソメイヨシノ(染井吉野)
タカトオコヒガン(高遠小彼岸)
タマナワザクラ (玉縄桜)
タキノザクラ(滝野桜)
トモエザクラ(巴桜)
ハヤザキオオシマ(早咲大島)
フナバラヨシノ(船原吉野)
ベニシダレ(紅枝垂)
ベニツルザクラ(紅鶴桜)
ホザキヒガンヤエザクラ(穂咲彼岸八重桜)
マツマエウスガサネソメイ(松前薄重染井)
ミカドヨシノ(御帝吉野)
ミシマザクラ(三島桜)
ミズタマザクラ(水玉桜)
ミスミオオヒラザクラ(三隅大平桜)
ミドリヨシノ(緑吉野)
モニワザクラ(茂庭桜)
モリオカシダレ(盛岡枝垂)
ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)
ヤエベニヒガン(八重紅彼岸)

秋色桜 (Chushiki Cherry Tree)

上野は、江戸の初めから桜の名所で知られた。数多くの桜樹の中には、固有の名を付けた樹も何本かあり、代表的なものが「秋色桜」である。

井戸ばたの 桜あぶなし 酒の酔

Shushiki
台東区上野公園一番

句は元禄の頃、日本橋小網町の菓子屋の娘お秋が、花見客で賑わう井戸端の様子を詠んだもの。桜の枝に結ばれたこの句は、輪王寺宮に賞せられ、一躍江戸中の大評判となった。お秋は当時13歳と伝えられる。俳号を菊后亭秋色と号した。以来この桜は、「秋色桜」と呼ばれる。ただし、当時の井戸は摺鉢山の所ともいい正確な位置は定かではない。
お秋は、九歳で室井其角の門に入り、其角没後はその点印を預かる程の才媛であった。享保十年(1725)没と伝えられる。碑は、昭和15年10月、聴鶯荘主人により建てられた。現在の桜は、昭和52年に植え接いだもので、およそ九代目にあたる。
平成八年七月 (台東区教育委員会)

不二桜

「紅枝垂れ桜」
To-ji 樹齢120年 目通1.5 m 樹高13 m 枝張7 m (平成18年2月現在)
この桜は「紅枝垂れ桜」と呼ばれ、エドヒガン系の園芸品種で色の濃い一重咲きの華麗な花を咲かせる。移植できるサクラでは国内最大級の大きさで開花は4月中旬。岩手県盛岡市の旧家で育てられたが、平成6年秋田県を経て、三重県鈴鹿市の農園が譲り受け大切に育てられた。平成18年が弘法大師入唐求法の旅より帰朝せられ、1200年の記念年であることから、東寺信徒総代で森紙業株式会社最高顧問の藤定輝好氏により寄贈され、この直径15 mの円形花壇に移植された。名前は弘法大師の「不二のおしえ」から「不二桜」と命名された。日本一高い五重塔を背景に、百年二百年後も美しい花を咲かせ続けることを祈る。(真言宗総本山 東寺)

ソメイヨシノ (Prunus × yedoensis Matsum. 'Someiyoshino')

= Cerasus × yedoensis (Matsum.) Masam. et Suzuki 'Somei-yoshino'
生活型: 落葉広葉高木。樹高10-15 m
起源:
1912 Köhne: 済州島にエイシュウザクラ(P. yedoensis var. undiflora Köhne)

自生 - ソメイヨシノに似る (済州島起源説)

1916 Wilson: エドヒガン × オオシマザクラ (雑種起源説)
1932 小泉: 済州島で自生ソメイヨシノ確認 - 原産地?
1933 竹中: 済州島のソメイヨシノ?は1個体のみ確認 - 雑種起源

1962 交配実験 F1にソメイヨシノ様個体

2種分布が重なる伊豆半島・房総半島南部で採取 -
伊豆半島船原峠でソメイヨシノ様個体発見

1995 Innan et al.: 母樹 = エドヒガン × 父樹 = オオシマザクラ

単一樹起源 - 全てが1クローン

温暖化: 桜前線(cherry blossom front) - 標本木

目安として:
600°Cの法則 ⇒ 2月1日以降の日最高気温合計が600°C < 開花
400°Cの法則 ⇒ 2月1日以降の日平均気温合計が400°C < 開花

遺伝子汚染: ソメイヨシノによる野生サクラとの雑種形成

シモツケ (Spiraea L.)


1. 花複合花序

2. 円錐花序 ___ ホザキシモツケ
2. 複散房花序

3. 葉広楕円形・円頭 ___ S. betulifolia マルバシモツケ
3. 葉卵形-被針形・鋭頭

4. 葉質薄、二重鋸歯著しい ___ エゾノシロバナシモツケ
4. 葉質厚、鋸歯縁 ___ シモツケ

1. 花散状総状花序または散房花序 ___ (略)
S. betulifolia Pallas
葉: 1.5-5.5 cm l
以下は分ける場合 (分けないことが多い)
var. aemiliana (C. K. Schn.) Koidzumi (エゾノマルバシモツケ)

葉15-25 mm l。短毛(やや)多

var. glabra Hara (マルバシモツケ)

葉小型。花序・萼・袋果無毛
Syn. f. glabra (Hara) Ohwi

spiraea

ダイコンソウ (Geum L.)


1. 地這う低木。花白。花柱関節なし → 花後伸びる。葉常緑 ___ G. pentapetalum (L.) Makino チングルマ
1. 多年生。花黄色。葉夏緑

2. 花柱関節なし。下葉頂小葉大/腎心形 + 側小葉極小 ___ G. calthaefolium Smith var. nipponicum (F. Bolle) Ohwi ミヤマダイコンソウ
2. 花柱上部関節あり曲がり、そこから上は落ち残った先が鉤化

3. 果実鉤刺に腺毛なし。果托毛長さ1 mm。果実集まり楕円形、幅15-20 mm。托葉広卵形長さ15-25 mm、小欠刻 ___ G. aleppicum Jacq.オオダイコンソウ

3. 果実鉤刺に腺毛。果実の集まり円形

4. 果托毛長さ1 mm、果実幅15-20 mm。托葉被針形長さ7-15 mm、全縁-1対鋸歯 ___ G. macrophyllum Willd. var. sachalinense (Koidz.) Hara カラフトダイコンソウ
4. 果托毛長さ2-3 mm、果実幅15 mm。托葉卵形長さ7-12 mm、欠刻-鋸歯縁 ___ G. japonicum Thunb. ダイコンソウ

ナシ (Pyrus L.)


起源
中国西部・南西部発祥: 2つのルート ⇒ 西 (ヨーロッパ、近東、西アジア) = セイヨウナシ
東 (多雨東アジア) = チュウゴクナシ(ウスリーナシ) + ニホンナシ

中国原生ナシ類 = 十数種
ウスリーナシ P. ussuriensis Maxim.群: 東北
白梨 P. bretschneideri Rehd.群: 黄河流域/河北省多
砂梨 P. pyrifolia Nakai群: 揚子江流域多 - ヤマナシに形態似る
他種は一部地域

セイヨウナシ (Pyrus communis L.)
葉: 表面光沢、卵形-長楕円形、鈍鋸歯、先短尖
果実: 倒円錐球-卵形、果皮に「さび」(傷様褐色斑)
石細胞: 少
ウスリーナシ (P. ussuriensis Maxim.)
生活型: 10-15 m - 幼樹刺多、若枝毛密生
葉: 大きく広卵-卵円形で鋭鋸歯
果実: 球形で萼残す (後熟性) - 果皮: 緑黄色(青ナシ)多
石細胞: 多、芳香(耐凍性高い)
白梨群
生活型: 8-13 m、枝: 開張性で小枝無毛-微柔毛
葉: 大きく卵円形で鋭鋸歯
果実: 大きく倒卵球-長球形で宿存萼無いか僅か

果皮緑黄色(淡紅色帯びるものもある)
非後熟性

石細胞: 小さく密に分布し、香り少
Ex. 鴨梨、秋白梨
ニホンナシ (P. pyrifolia (Burm. fil.) Nakai,)
基本種: ヤマナシ(日本原産), 一部 イワテヤマナシ混じる
葉: 楕円-卵形で全縁か鋸歯
花: 白色(淡紅色, 稀)、香り悪い
果実: 球、扁球、長球形等 (200-500 g)で普通は萼残さない
果皮: 赤ナシ(褐色) - 中間色 - 青ナシ(緑黄色)
石細胞: 多く肉質硬い (新品種改良続く)
品種:
魚津梨(品種ではないが): 富山県魚津で栽培される北アルプスの名水で低農薬有機栽培で作られる梨らしい。1879年に木下六右衛門が旧下野方村友道に梨苗を栽培したのが始まり。

収獲期間 (布本果実園 魚津市友道1903番地)
幸水: 8月中旬-
豊水: 9月上旬-
新星: 9月中旬-
あきづき: 9月中旬-
二十世紀: 9月中旬-

バラ (Rosa L.)


バラ品種群

Approximately 200 wild species and more than 40,000 cultivars
原種系
R. acicularis Lindl. (オオタカネイバラ)
R. anemoniflora Fortune ex Lindl. (three-leaved rose), in France
R. banksiopsis Baker (Baker rose)
R. bracteata J.C.Wendl. (カカヤンバラ, ヤエヤマノイバラ)
R. californica Cham. et Schldl. (pasture rose, California wildrose)
R. canina L. (dog rose)
R. chinensis jacq. (コウシンバラ, China rose), in southeast China
R. cinnamomea L. (cinnamon rose), syn. R. majalis Herrm.
R. conica Chabert ex Cariot
R. davidii Crèp. (father David's rose), in China - Tibet
R. foetida Herrm., syn. R. lutea Mill. (Austrian briar rose)
R. fujisanensis (Makino) Makino (フジイバラ), syn. R. luciae var. fujisanensis
R. gallica L. (gallic rose, French rose)
R. gigantea Collett ex Crèp., syn. R. xanthocarpa G. Watt ex E. Willm., in India - Yunnan
R. giraldii Crèp.
R. hirtula (Regel) Nakai (山椒茨)
R. horrida Fisch.
R. hugonis Hemsl. (father hugo rose, golden rose of China)
R. jasminoides Koidz. (モリイバラ)
R. laevigata Michx., syn. R. sinica (ナニワイバラ, cherokee rose or camellia rose)
R. laxa Retz., syn. R. gebleriana Schrenk.
R. marretii H. Lev. (カラフトイバラ), syn. R. amblyotis C. A. Mey., R. davurica auct. non Pall.
R. maximowicziana Regel (Regel rose), syn. R. glandulosa Bellardi
R. mollis Sm. (soft downy-rose), syn. R. villosa mollissima
R. moschata Herrm. (musk rose)
R. moyesii Hemsl. et E. H. Wilson (moyes rose), in China
R. multibracteata Hemsl. et E. H. Wilson
R. multiflora Thunb. (ノイバラ)
R. nipponensis Crèp. (タカネバラ)
R. nutkana C. Presl (bristly rose), in western north America R. onoei Makino (ヤブイバラ/ニオイイバラ, s.l.)
R. paniculigera (Koidz.) Makino ex Momiy. (ミヤコイバラ), south to Honshu (endemic)
R. penzanceana Rehder (lady penzance)
R. phoenicia Boiss. (rambling rose)
R. primula Boulenger (incense rose)
R. rubiginosa L., syn. R. eglanteria Mill. (sweet briar), in Europe - western Asia
R. rubrifolia (Sect Caninae), syn. R. glauca (吉野鈴茨, red-leaved rose)
R. rugosa Thunb. (ハマナス)
R. sambucina Koiz. (ヤマイバラ)
R. sancta A. Rich., syn. R. richardii Rehder (holy rose, St.John's rose)
R. sempervirens L. (evergreen rose)
R. setigera Michx. (prairie rose)
R. spinosissima L. (Scotch rose)
R. suffulta Greene (sunshine rose)
R. virginiana Mill. (Virginia rose) R. wichuraiana Crep, syn. R. luciae Rochebr. et Franch. ex Crèp. (テリハノイバラ)
園芸品種
R. banksiae: cv. lutea (キモッコウバラ), cv. alba (白木香, lady banks)
R. canina: cv. Andersonii, cv. inerimis
R. chinensis: cv. alba (白長春), cv. major, cv. minima (fairy rose), cv. mutabilis, cv. viridiflora
R. foetida: cv. bicolor (Austrian copper rose), cv. persiana (銅香, Persian yellow rose)
R. gallica L.: cv. officinalis
R. hirtula: cv. hagoromo (羽衣)
R. laevigata: cv. rosea (ハトヤイバラ, red cherokee)
R. moschata: cv. nepalensis (Himalayan musk rose)
R. moyesii: cv. fargesii, cv. rosea
R. multiflora: cv. cathayensis (桜茨), cv. platyphylla (七姉妹, seven sisters rose), cv. watsoniana (ショウノスケバラ, キンシイバラ)
R. nipponensis: cv. akanefuji (茜富士)
R. pendulina L.: cv. oxyodon, syn. R. oxyodon Boiss.
R. rugosa: var.alba (白花, empress of north), cv. plena (八重咲), cv. albo-plena (白花八重, Japanese rose white double)
R. spinosissima: cv. lutea (old yellow Scotch), cv. altaica (rosa Altaica)
R. xanthina: cv. spontanea (Canary bird)
R. villosa Pall.: cv. pomifera, R. pomifera Herrm. (apple rose)
R. virginiana: cv. plena (rose d'Amour, St. Mark's rose)
R. × fortuniana (double cherokee rose)
R. × harisonii rivers (yellow rose of Texas, Harison's yellow)
R. × maikai (攻瑰, mei gui)
北海道
Consared: R. davurica ♀ × R. rubrifolia
Kitaayama (北彩): R. rubrifoliaR. rugosa
Prettyshine: R. rugosa plena ♀ × R. multiflora
Northtopia: ditto

いずれも選抜 (Sato 2006)


Rosa rubrifolia Vill.

cv1 cv2 ルブリフォリアバラ (red-leaved rose or redleaf rose)
生活史: 低木 (高さ1-3 m)
分布: 中央および南部ヨーロッパ
異名:

Rosa glauca Pourret


[1-5] 2016年7月7日、北大樹木園(ポプラ並木側)にあるルブリフォリアバラの園芸品種(交配種)。
cv3 cv4 cv5

Rosa cv bokrammi (magical miracle, マジカルミラクル)

cv1 cv2 cv3
[1-3] 2019年11月5日、札幌市北区北20条西2丁目ビル脇にて (beside a building in N20/W4, North Ward, Sapporo, on November 5 2019)

ボケ (Chaenomeles Lindl.)


落葉低木-高木
枝: 良く分枝 (小枝はしばしば刺)

1. 花は束上に出て、葉より先か同時に咲く。萼裂片は直立して全縁、托葉大 ___ Sect. Chaenomeles (ボケ節)

2. 葉は疎に鈍鋸歯縁、鈍頭かやや鋭頭、2年枝は小凸起がある。枝はしばしば地につく ___ クサボケ (C. japonica)
2. 葉は鋭鋸歯縁、鋭頭、2年枝は平滑、枝は斜上 ___ ボケ (C. speciosa)

1. 葉は単生し、葉と同時に開く。萼裂片は小鋸歯縁、反り返り、托葉小 ___ Sect. Pseudocydonia (カリン節) = カリン (Pseudocydonia sinensis)


マボケ (C. cathayensis): 分枝ボケより少。樹高 3 mになる。若枝に褐毛 - 後に平滑。葉は披針形、長さ12 cmになり細鋭鋸歯縁

ワレモコウ (Sanguisorba L.)


1. 花下から上に咲く (= 無限化序) ___ タカネトウウチソウ
1. 花は全て上から下に咲く

2. 雄蕊6-12個 ___ カライトソウ
2. 雄蕊4個

3. 花序短い (= 1-2 cm)。花暗紫色 ___ ワレモコウ (S. officinalis L.)
3. 花序円柱状。長さ2-7 cm

4. 茎高80-130 cm。上部多分枝。花序白色(-やや紅色) ___ コバナワレモコウ (S. tenuifolia Finch var. parviflora Maxim.)
4. 茎高30-70 cm。分枝少。花序数個 ×

S. tenuifolia Fisch. var. parviflora, confusing group

北村: 分類キーがない
大井: S. tenuifoliaとして分けてない

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