Top
ヘッダー

(2013年2月18日更新) [ 日本語 | English ]

論理学: 論文を書く時の作法 (logic)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

• 論文英語の作法は、少しずつこっちに移動

[ はじめに | スタイル | 論理 | 用語 | ゲラ | 参考 ]

はじめに


 毎年毎年、同じことを言っているのに気づき、嫌気を感じざるをえない。そこで、ここにまとめておいて「これを読め」で終わりにする作戦を敢行することとする。ここに書いたような間違いだらけの原稿見ると、そちらにばかり目がいって、肝心の内容の修正が追いつかない。極めて非効率的となるので、せめてこの位は、守るべき(人に見せる時の、最低限のマナーとも言える)。全て中学校の参考書に書いてあることだから。うちらの英語なんて、あれで十分だ。

  1. 英語に直すこと(私は日本人よ)。直しても言うこと聞かないし。
  2. 謝辞に赤。[これ位、自分の気持ちで書いてくれ...]
    今年のを、ちらっと見たら、苗字の最初の文字が小文字だったり、Kuboと書くつもりだったんだろうけど、Kudoになってたり。ワヤだ...けど。
  3. 参考文献を1つ1つチェックすること。
    文中に引用されてて文献欄になかったり、その逆だったり。ひどすぎる。

心構え

 パワポ使いへの警告(榊原 廣, 講談社BIZ)をもじると、Micro$oft使いな論文書きへの警告となる (2010年5月10日)。こんなことばかりしてたら、それは、ペラい論文しか書けないわな。

  1. ワードで原稿を書きながら、論文そのものを考える。
  2. 論文の全体像を考える前に、ディーテールにばかり目を向けてしまう。
  3. いつもの原稿を使いまわす。
  1. オフィス、統計ソフトの機能でできないことは諦めてしまう。
  2. 「カット&ペースト」でデータ(文章)を切り貼りして、論文の流れを見失う。
  3. (解析とかグラフとかの)演出に懲りすぎて、論文の本質を忘れてしまう。

 なるほどね。

科学者はいかに書くべきか (溝口 1976)

説明: 科学的記述における目的は説明すること

  1. 明晰
  2. 完全: 知識の限界を認識する
  3. 公明正大: 論点の基礎となる仮説を明確に
  4. 論理的順序

正確: 実験は反復可能であり、全ての結論は立証できるものでなければならない
客観性: 推測は証拠にならない。他人(大多数)の意見を事実として述べることはできない

 推測を支持する結果が得られてなければ、さらなる研究の必要性を述べる。読者の想像力に任せる部分があってはならない。感情表現を記述に入れてはならない

文章は一気に書く! ⇒ 初稿が完成したときが訂正のとき

• いつか、出版社にこの原稿持ち込んでやる。

スタイル


[ 形式 (体裁) | 引用 | 単語 ]

形式 (体裁)


 特に文字形式指定のない雑誌の場合は、フォントはTimes New Roman12 ptを指定しておくと、もっとも無難である。
 自分が投稿したい雑誌のスタイルに統一するのがよいとは思うが、フルペーパーであれば、IMRADは、お約束のようなもの。また、以下の点は守ってもらわないと、こちらが困る。

 Abstract (雑誌によってはSummary)は必ずつける。
 References (雑誌によってはLiteratures cited)は必ずつける。
 これらがないと、こちらとしては直しようがない。特にDiscussionの可否の判断は不可能に近い。パラパラと、イントロとマテメソを書いたので持ってきたとかいうのは最悪に近い。

 [重要] 日本語フォントは、ファイル名を含めて、絶対に使わない(あとで泣きをみるので)

 度(°C, ギリシア文字( α, β など)も英語フォントで出せる。算術記号(× など)も同様。スペースが日本語フォント(全角)になってると気づきにくいので特に注意する。

 文末のピリオドの後は2(または3)スペース開ける。
 属名を省略したピリオドの後は1スペース開ける(→ 学名の書き方)。

 A.monoではなく A. mono

 形式に入れておくけど(自分にとっては形式だけど)、以下の書き方はどこから来てるんだ(スペースはアンダースコアで示す)。日本語だとスペース空けないからなんだろうか。英語では、4 weeksはfour weeksで2単語だもんね。括弧の中のスペースは、何故なのか不明だが、全部そうしてあるということは何か意味があるんかな。

4weeks → 4_weeks
30days → 30_days
0.5cm → 0.5_cm
1.2kw/m² → 1.2_kw/m²
(_Baskin 1990_) → (Baskin 1990)
(_Fig. 2_) → (Fig. 2)

 上と逆の場合で、%とか°Cの前は開けない。記号なので。80%, 15°Cなど。

引用


引用と盗用

 引用文献は良く読んで欲しいものだ。どう考えても、そういうことが書いてあるとは思われない論文が引用されていて、仕方なしに原著を読むとまったく逆のことが書いてあると、Discussionなんて直そうという気はもう起こらない。孫引きも、引用内容の間違いの一因であるので、必ず、原著をあたるべき。
 誰がそういったかをはっきりさせるためにも、引用は重要である。何も引用されてなければ、(文章の流れで誰が言ったかが分かる場合を除き)著者が言ったことになる。極端に言えば、まったく引用のないDisucssionは、著者の思い込み、あるいは妄想だけが書いてあるということになる。
 たくさんの論文を引用するのがいいことだと勘違いしていないだろうか。適切な引用が良いに決まっている。例えば、

Frost occurs in fall and spring in post-mined peatlands (Price 1996; Groeneveld and Rochefort 2005).
...
Because it is detected that disturbance has been such the effective benefits and determinant factors for vegetation dynamics, it is considered that artful disturbance, e.g. prescribed fire, is important for maintenance or conservation tool in ecosystems around the world (Leach and Givnish 1996, Van Dyke et al 2004, Hochkirch and Adorf 2007, Cox and Allen 2008) and fire is important factor (Baskin and Baskin 1998).

 こんな引用なら、まったく不要である。その論文に何が書いてあるか分からないし、当たり前すぎるので、引用の必要はない。英語もすごいけど。

Plants have light-limiting strategies (Anderson et al. 1995).

 そもそも、文章そのものが不要だし。光合成しない植物なら話は別だが。
見えない引用
 「私信 personal communication」、「資料未記載 data not shown」、「準備中 in preparation」という引用は、その論文の価値を下げてるだけだと思ってよい。これらは、本当に、他に方法がない時に使うものである。理由は、少し考えれば、分かるはず。永久に準備中の論文や、データと話が違ってたり。
 私信は、当人に確認をしてから引用する。昔、「某地域にアリ塚を作るシロアリはいない」と言ったはずなのに、「某地域にアリ塚を作るアリはいない(何某, 私信)」として引用され、印刷になってから、私信を述べた人が、「責任は俺か」と、ショックを受けていた。
図・表
 図表は見やすく、というのはあたりまえだけど。引用の仕方でも見やすさは変わってくる。(Figs. 1, 3 and 6)とかいう眩暈のするような引用の仕方をされてもねー。人間は一度に3つの図を見ることはできない。しかも、あちらこちらで飛び飛びに引用されてると、もう少しコンパクトにまとめられないの、と感じ、そこで読むのをやめる人も多かろう。

単語


基本(お約束ともいう)

 Native speakerの書いた論文で、滅多に目にしない単語を、ちょこちょこ使わない。それには、必ず理由があるので、辞書で確認すること。

 especiallyは、まず日本人が使うと直される(ピーターセン 1988)。だったら、最初から使わない方が良い(そういう単語はたくさんある)。

 単語の綴り確認については、いろいろコメントしたいことがあるが、特に注意して欲しいのは、最近のワープロの発達に伴いスペルチェッカーに綴り確認を依存(または信頼)しすぎたための間違いが良く見られる。スペルチェッカーは綴りしかみないので、このような間違いは見つけない。

ranged form 1 to 5 ⇒ from
wind seed ⇒ wind speed
M. sinensis grassland is highly heterogamous ← 今までで一番すごいと思ったが
prat surface ... ⇒ そんな表面を調べてどうするんだ
The fist ordination axis ... ← 気が変になりそうだ

 このことを話したら、「コンピュータが悪い」とのたもうた元学生もいるけど。それは、ないんでないの。さらに、キーボードの配列がよろしくないという発言も聞いてみたり。rとeが隣にあるのはよろしくないらしい。
 bvも駄目なようで。

Responses to ultrabiolet on two plant species in the early stages of succession
この人の修論タイトルなんだが、大丈夫か(表紙を見た瞬間にやる気が失せたのも事実だが)。さらに、abobe-groundとかも止めて欲しいなー。スペルチェックの気配なし。

 そういえば、日本語には子音の後に母音が入るから、以下のような綴りミスもあるらしい。

absutract
 どうせなら、abusutorakutoと書いてくれ。

専門用語
 専門用語は、業界内の世界では重要である。これを使うことによって、文章の曖昧さを大きく減らせる。大学入試では、"落葉"という単語を知らないときには、以下のように書いておけば点数はもらえるんだろうけど、業界では、勉強してない奴と思われて(実際そうなわけで)、それで終わり。

After leaves fall from branches, ...
 落葉は、defoliationといえば良い。上の文は文学の世界では、むしろ、美しい表現なのかもしれないが。
Determining factors of tree regeneration were analyzed by GLMM (Table 4).
 「決定している要因」→ 「決定要因」→ 辞書を引けばdeterminant(s)という単語があるわけだ。前置詞も変わるけど。

和製英語
 普段、何気なく使ってて英語だと思ってる言葉には注意したい。
ホチキスは ... staplerだわな。"using the pole or 3 m convex ..."って(コンベックスだけの問題じゃないけど)。アメダスAMeDASは、英語圏では普及していない言葉なのは(気象庁は、国際用語化しようと努力しているようだが)、googleとかで調べるとすぐ分かる。最初に日本語のページが出てくるのは変でしょ。

大学院入る前に
「論理学」か「自然科学概論」のどちらかは学んでおくべき

論理学 (logic)


学問の道具organonという意味 ⇒ 学問の方法(学問方法論)
言葉は本来、理性的で、人間はこの言葉としての理性の働きにより対象法則を求め見出す。法則を求め、見出す方法、この方法の正しい形式が論理である。「正しい形式」であって、内容に関知しない。法則発見方法としての推理推論の過程が必然的であるということが正しい形式ということであり、前提の真偽は形式科学としての論理学の対象ではなく、それは内容科学としての経験科学の仕事になる
学問方法論
学問方法論一般(論理学、最広義) - 学問論、科学論、科学方法論
論理学(s.l.)

哲学的論理学 - カント的認識論、ヘーゲル的弁証法を含むもの
形式論理学(s.l.) = 論理学(s.s.)

演繹的論理学(論理学)

伝統的演繹論理学
記号論理学

形式論理学(s.s.) = 論理学(最狭義)
帰納論理学(帰納法) - 類比、類比推理

⇒ 論理学との間連分野: 思考思理学、文法学、言語学、数学他
推論の研究(本来)
BC4C アリストテレス: 推論形式の大系化 Ex. 三段論法
1847 Boole, George: ブール代数開発
1879 Frege Gottob: 述語論理開発 → 命題論理・述語論理 predicate logic
1880s- 記号化・抽象化・数学化 (ラッセル、ヒルベルト、ゲーデル)
1930s- 計算論・コンピュータ科学 (チューリング、ノイマン)
論理
→ 日常的意味: 「論理」という言葉 = 日常的言葉
Ex. 「納税者の論理」と「資本主義の論理」 → 論理の意味は違ってくる

納税者の論理 → 「論理」は「理屈」に近く、多少非難めいた色彩
資本主義の論理 → 資本主義を貫く法則といった意味にもとれる

Logic
Gr. Logos = 1. 言葉、2. 理性、3. 法則 を意味する

論理とは何かを論ずる場合の理(筋道)を意味する。論ずるには、考えねばならないから、思考の筋道ということになる。ただし、筋道とは正しい形式のことである。故に、論理学とは思考の正しい形式の学、となる。

問題設定

1. 問題とされる事物の区分
Ex. 動物 – 動物とは何か → その数(種数), Ex. 鳥 – 鳥とは何か
Eg. 動物 = A, 全ての動物に付随するもの = B, 種々の動物 = C, D, E

C, D, EBが付随するのは、それらがAだからである

2. 問題間の関係
同一問題

Ex. 「なぜ音が反響する」、「なぜ影が映る」、「なぜ虹が映る」のか ⇐ 「反射」 = 共通類

従属関係

Ex. 「なぜナイル川は月の後半に水量が増すのか」 - 月の後半は天候が荒れ易いからである__________________________↑ 従属関係

「なぜ月の後半は天候が荒れ易いのか」 - 月が欠けていくからである

演繹法的論理 (deduction, deductive logic)

公理 axiom > 定義 definition > 定理(命題) proposition

公理: 一般に自明な真理truthとして認められ、他命題を証明する前提になる原理

証明図の一番上に置いて良いもの

定義: 概念化 generalization すること(s.s.) ⇒ 「定義」 ≠ 「推論(推定) inference」
定理: 公理や定義により確かめられた、推論の基礎になる理論的命題
命題: 公理系が整備された後に問題とされた言明の内、証明されたもの

真理
必然的真理
偶然的真理
論理的真理
公理 (axiom)
証明しなくても真理とされ、ほかの定理や命題の基礎となる根本命題

Ex. Euclid幾何の公理

定義 definition
  1. 概念的定義 conceptional definition: 概念によってなされる定義 = 種差と類による定義(本来的定義)
  2. 原因による定義(論証) Ex. 月食とは地球が太陽の光を遮る現象だ  地球が間に介在することが原因 間に介在するものがあると光は遮られる。地球が[太陽と月の]間に介在する。故に(月の)光は遮られる
  3. 操作的定義 operational definition: 実験操作による具体的定義 = 自明的な習慣的定義(明白な明辞による) Ex. 「概念」とは「大体」のこと
操作主義(Bridgeman P 1882-1961, 米): 操作 = 定義 Ex. 長さ = 測る操作があって成り立つ

Stevens SS (米), 心理学: IQは操作主義がきっかけ

専門用語(テクニカルターム technical term)

ある特定の学問分野・業界等の間でのみ使用され通用する言葉・用語群 → 多くは定義される
→ 国語辞典(一般用語)と専門用語事典(特定分野定義)で定義が異なることがある → 背景が異なる

記号論理学 (数学的論理学), (symbolic logic)


推論 Ex. 三段論法: 風吹けば 桶屋が儲かる風は吹いた。よって桶屋は儲かった

緑・茶線部は別な文章で置き換えても正しい推論が得られる → 重要なのは「形」であり「意味」ではない
⇒ 記号化可能 = 論理の汎用性

モデル model: 対象領域(与えられた領域)の抽象表現

表現 representation: 命題記号(または述語記号)により記号化を行うこと
解 釈interpretation: 記号化の逆 → 命題論理(あるいは述語論理)の分が与えられた時にモデルにおける意味を与える

. 形式言語とその存在論的および認識論的立場
  言語          存在論的立場          認識論的立場
                (世界に存在するもの)  (事実に対する認識の仕方)
  命題論理      事実                  真・偽(・未知)
  述語論理      事実、オブジェクト    真・偽(・未知)
  時制論理      事実、オブジェクト、  真・偽(・未知)
                関係、時間
  ファジイ論理  真偽の度合い          0 ··· 1の確信度

述語論理 predicate logic

一階述語論理 first order predicate logic
Def. 言語
個体変項
個体定項(固有名辞)
述語(記号)
論理記号

∀, 全称量化記号 universal quantifier
∃, 存在量化記号 existential quantifier

Def. 一階論理式(文法)
  1. S(*, ···, *) ≡ n-項述語記号 →
    t1, t2, ···, tn ≡ 項 ⇒ S(t1, t2, ···, tn) ≡ 原子論理式 atomic formula
  2. A, B → 論理式 ⇒ (AB), (AB), (AB) → 論理式
  3. A → 論理式 ⇒ (~A) → 論理式
  4. A → 論理式 x ⇒ (xA), (xA) → 論理式
Def. 束縛関係

束縛変項 bound variable
自由変項 free variable

Th. 完全性定理 completeness theorem

|=A (Aが妥当であること) ⇔ |-A (Aが証明可能である)

命題論理

反例 (カウンターモデル) counter-model
Ax. 反射律 reflexivity: x(x = x)

推論規則
1. 交換律 commutativity: (s = t)/(t = s)
2. 推移律 transitivity: {(s = t)(t = u)}/(s = u)
3. {(s = t)A(t)}/A(s)

命題 proposition: その内容が真(+, T, 1)であるか偽(-, F, 0)であるか、いずれかのもの

Ex. ○; 空気は水より重い、× 速く走れ

基本命題: 最も基本的な命題
結合命題: 論理記号によって構成された命題 → 部分命題: 結合命題の構成分子
合成命題: 2つの命題を組合わせて1つの命題を作ったもの

Ex. 「明日、気温は30°Cを越す」「明日私は泳ぐ」 → 「明日気温が30°Cを越せば私は泳ぐ」

命題P, Qにおける論理記号
命題を結び付ける強さの順序 ⇒
∧ and, ∨ or → then, ≡, ~ ⇒ 回路 (circuit)

否定 not: ~P, ¬P or ⌈P (Pでない)

「命題Pが偽」

論理和(離接): PQ (PまたはQ)

「命題P, Qの少なくとも一方は真」

論理積(合接): PQ (PかつQ)

「命題P, Qが共に真」

条件文: PQ, or PQ (PならばQ)

「命題Pが真なら必ずQも真」 (Pが偽の場合は何も言ってない)

論理式

以下の記号を用いて表示される Ex. xN, x2 – 5x + 6 = 0

変要素記号: x, y, z, ···
特殊記号:___0, 1, φ, U ···
関係記号:___=, >,⊂, ⊥ ···
写像記号:___+, ×, log, cos, f, ···
論理記号:___~, ∨, ∧, →, ↔, ∀, ∃

記号論理記号
1, ∃! 一意的に存在する (一意的に存在)

しばしば∃1x∈S; P(x)と書かれ、集合S中に命題P(x)を成立させる元xが唯1つ存在する

従って, ゆえに, よって (結論)

文頭に記され、その文の主張が前述の内容を受けて述べられる

なぜならば (理由・根拠)

文頭に記され、その文の内容が前述の内容の理由説明である

:=, :⇔ ~とおく (定義)

A:= X」、「A:⇔ X」は、Aという記号の意味するところをXと定義する

命題演算 proposition operation
記号を用い命題に演算を施すこと

p ~p
1_0__pが真 → ~pは偽
0_1__pが偽 → ~pは真

ブール代数

真理表 truth table
双条件文 pq ≡ (pq) ∧ (q → p) 「pならばq、かつqならばp
    p  q  pq  pq  pq    (p→q)∨(qp)
    1  1   1     1     1        1   1   1
    1  0   1     0     0        0   0   1
    0  1   1     0     1        1   0   0
    0  0   0     0     1        1   1   1
Ex. 合意文: 諺, 塵も積もれば山となる: p = 塵も積もる, q = 山となる

pq : 諺成立 + それ以外のことには何も言及していない

即ち、「~p, 塵が積もらない」場合には「山となる」は真でも偽でもよい → p ⇒ ~q以外は全て真

限定記号 =
∀ (全称限量記号, 任意の~に対して) + ∃ (存在限量記号, 存在する)

p(x): 集合Sに関する命題(関数) → 要素xを与えることで真偽の判定が下せることがある
xS, p(x)は「いかなるxについてもp(x)である」 集合Sの任意の元xに対し命題P(x)が成立
xS, p(x)は「あるxについてp(x)である」 集合S中に命題P(x)を成立させるような元xが少なくとも1つ存在

同値(⇔, iff: ~のとき且つそのときに限って, 同値 if and only if): 「PQ」はPQの真偽が必ず一致

同値 (⇔, iff): pq ⇔ ~p → ~q, qp ⇔ ~p → ~q

logic
logic

基本命題の真偽の如何にかかわらず

トートロジー (循環論法, 恒真命題) tautology: q → (pq) 常に真

↑↓ 真にも偽にもなる

恒偽命題(矛盾命題) ~[p → (qp)]: 常に偽 – 論理的に偽な命題

パラドックス(逆理, 逆説) paradox

「次の文は誤りである。前の文章は正しい」 = 循環論法
「全ての規則には例外がある」

三段論法 syllogism

[(pq) ∨ (qr)] → (pr): 演繹法の代表

→ 2個以上の前提から1個の結論を導く
前提 premise, p (p1 = pq, p2 = qr)
結論 conclusion, pr = c

    p  q  r  p →q ∧ q → r     q → r
    1  1  1  1 1 1  1 1  1 1  1  1  1 1
    1  1  0  1 1 1  0 1  0 0  1  1  0 0
    1  0  1  1 0 0  0 0  1 1  1  1  1 1
    1  0  0  1 0 0  0 0  1 0  1  1  0 0
    0  1  1  0 1 1  1 1  1 1  1  0  1 1
    0  1  0  0 1 1  0 1  0 0  1  0  1 0
    0  0  1  0 1 0  1 0  1 1  1  0  1 1
    0  0  0  0 1 0  1 0  1 0  1  0  1 0

⇒ 三段論法は論理的に真な命題 = 妥当的 valid: 思考形式の正しさ ↔ 非妥当的 invalid

Ex. 1. クレタ人の嘘吐き
Ex. 2. プロタゴラスとエウアトロスの論争
Ex. 3. ゼノンの逆理 (詭弁): 「飛ぶ矢は動かぬ」「1点から他点へ行き着けない」「アキレスは亀に追いつかない」

(pq) ⇒ (pq): pqpqを導く

必要十分条件: 題 A, B

AB [BAであるための必要条件, ABであるための十分条件]
AB, BAAB [ABであるための必要十分条件]

格と式 figure and mood
定言的三段論法は(1)中概念の位置と(2)判断の質量、との2面から見ることができる
= 中概念の位置から見られた三段論法の形式

中概念 middle concept, M. 大概念 major concept, P. 小概念 minor concept, S
全称肯定判断 – A, 全称否定判断 – E, 特称肯定判断 – I, 特称否定判断 – D
式 = 判断の質および量からみた形式

           M – P     P – M     M – P     P – M
           S – M     S – M     M – S     M – S
           -----     -----     -----     -----
        ∴ S – P  ∴ S – P  ∴ S – P  ∴ S – P
           第1格     第2格     第3格     第4格

式はA, E , I, Dを3つずつ組み合わせて(重複可能)できる: 43 = 64。格が4つで64 × 4 = 256
このうち正しいものは24 (弱勢式 weakened mode を除けば19)

        第一格  AAA  (AAI)  AII  EAE    (EAO)  EIO
        第二格  AEE  (AEO)  AOO  EAE    (EAO)  EIO
        第三格  AAI  AII    EAO  EIO    IAI    OAO
        第四格  AAI  IAI    AEE  (AEO)  EAO    EIO

Ex. 第二格: 全ての物体は空間性を有する(= A)。全ての精神は物体ではない(= E)。故に全ての精神は空間性を有しない(= E) → AEE
Ex. 第三格: 全てのゴリラは理性を持たない(= A)。あるゴリラは賢い(= I)。故にある賢いものの中には理性を有したものがある(= I) → AII

帰納的論理 (帰納法)

類推 analogy → 帰納的推理 = 蓋然的推理 probable inference
帰納法の分類 (Mill 1843)
1) 一致法 agreement

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A D E → a d e
_____ 両方の事例で一致するのはA → a

Ex. 同種の植物を以下の条件で育てる
1) 暗室内、低温、必要栄養十分
2) 暗室内、適温、必要栄養不十分 → 両結果とも葉の退色 ⇒ 光欠乏が原因と考えられる

2) 差異法 difference: 一致法の逆

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 B C → b c
_____A → a
_____ A → a

Ex. 一方に鉄を含む正常な栄養(A)を与え、一方は例えば鉄のない栄養を与える
→ 鉄を与えなかった方のみ退色 ⇒ 鉄欠乏が原因と考えられる

3) 一致差異併用法 agreement and difference

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A B D → a b d: Ex 1 + Ex 2 → 一致法 ⇒ A B → a b
Ex. 3 B → b Ex 1 + Ex 3 → 差異法 ⇒ A → a
_____ A → a

4) 剰余法 residues

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A → a
Ex. 3 B → b
_____ C → c

5) 共変法 concomitant variation

科学実験においてもっともよく使われる – 量的統計的検定にも向いている
Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A' B C → a' b c
Ex. 3 A'' B C → a'' b c
_____ A → a

帰納法による起こりうる誤り
  1. 無観察non observation – 本来帰納法ではない
  2. 不当観察mal-observation – 観察精度
  3. 一般化の誤り – 先入観
  4. 因果関係認定の誤り – (共変量的な)多数要因が関与する場合に起こる

原因と結果

形相因と始動因
形相因と始動因であるもの = 原因と結果が同時的なものはこうなる
Ex. 月食とは – 月と太陽の間に地球が入ること = 本質 = 形相因 = 地球が間に入ることが原因なので始動因でもある

月食があれば、月と太陽の中間(中項、中概念)に地球が入っている = 進行中の現在の出来事。このことは、月食が過去の出来事であっても、未来に生ずる出来事であっても同じこと

Ex. 氷とは – 凝結した水である = 本質 = 形相因 = 凝結が原因であるから始動因でもある

水 = C, 凝結 = A, 中項(原因) = 熱の完全な欠如 = B
CについてBがある。BについてAがある。∴ CについてAがある

質料因(始動因): 原因と結果が継起するもの

困難点: 推論 → 結果から原因推測(過去の生起が完了事態として現在内に含まれる)。Aが生じBが結果するのに時間がかかるので、Bが生ずることが結論として帰結したかは言えない。未来についても言える
∵ 1. 過去、現在、未来の出来事のそれに共通な中概念はない

Ex. 過去形で示される命題の両端の項と同じ族の中概念は現在形で示されるものにはない

∵ 2. 生じてしまったものと生じつつあるものと接触していないということはできない。即ち、生じつつあるものは可分割であるが、生じたものは点のようなもので、不可分なものであるから、両者が接続することはない

原因 – 結果: 相互随伴関係
Ex. 落葉 = A, 葉の広い植物 = B, ブドウ = C

BについてAがある。CについてBがある。故にCについてBがある。(Bが中概念としての原因)
ところが、ブドウの葉が広いことは落葉を通じて論証もできる
CについてAがある。AについてBがある。故にCについてBがある。

しかし、真の原因は先なるものである

Ex. 地球がつきと太陽の中間に来る[先] → ∴ 月食[後]

一つであることについて多数の原因があるか。

Ex. AについてBとCである。DについてBである。EについてCである → AはDとEについてである

原因は[DにとってはB]、[EにとってはC]である。

⇒ Aという結果があるからといって、すべての原因の実在が必然なのではない

本質

本質についての推論や論証があるか
本質 = 定義により示される ⇔ 定義 = 主語Sと述語Uの置換可能なもの
Ex. 人間Sは理性的な動物であるU → 理性的な動物は人間である

そうであるならば、本質について推論や論証はありえない

Ex. 理性的動物Bは2本足動物である。人間Cは理性的動物であるA。故に人間Cは理性的動物Aである

という推論において「人間は2本足動物である」が定義であれば、主述置換可能となり
→ 2本足の動物は人間である。とすると、
理性的動物は人間である。2本足の動物は理性的動物である。故に2本足の動物は理性的動物である。
とできる。ところが、ここで小前提「二本足動物は理性的動物である」が置換可能なものとして定義となっている。よって、定義のために予め定義を行っている ⇒ petitio principii (論点先取のfallacy)

結論: 定義は本質を証明、論証、推理できない
分割法
定義を推論しうるか>br /> 分割法は定義の方法であるが、定義と推論して得るものではない → 分割法は推論ではない
Ex. 人間	
    ○ 動物        × 無生物
    ○ 陸上のもの  × 水生のもの
⇒ 「人間は陸上に住む動物である」と定義できる。定義により、分割法が可能となる。つまり、分割法で定義を述べるのは、推論の結論を述べているのではない。分割法で定義構成するため3点に留意せねばならない
  1. 事物の「何であるか」に含まれる要素を述べる(述語を取り上げること)
  2. それらの述語の内で、どれが第一のものであり、どれが第二のものであるかを順序立てること
  3. これらがこれらで全てであるようにする(内包)
基礎定立
本質固有要素の総体 – 本質を推論しうるか
Ex. 人間は理性的な動物である → 「理性的」と「動物」の総体が基礎定立

→ 中概念を必要とする推論をすることなしに、基礎定立を立てること自体で本質を述べている

定義する者は本質を証明するか: 本質は明かにされた前提から出発するから、推論は本質を明かにできない

結局、(1)定義 ≠ 推論、(2)それらが同じものについてあるものではない、(3)定義は何一つ論証せず、証明せぬこと、(4)「事物の何であるか」は定義によっても論証によっても認識しえない

本質を認識する道
1. そのものの原因がそのもの自体と異なるものについて

事物が何かについては、推論も論証も成立しえない。しかし、それは推論を通じて明かにされる
Ex. 雲(C), 火の消去(B), 雷鳴(A)

Aとは雲間における火の消去
__↔ Aの理由: 雲間における火の消去: 同時発生
________↓理由となっている
音響(雷鳴)(A)
B(雲間における火の消去) – A(雷鳴)
CにBが起こる ∴ CにAが起こる ∴ CにAが起こる原因はBである

2. そのものの原因がそのものと同じものについて

Ex. 算術学者は「1つ」が「何であるか(本質)」と「1つ」が「あること」を共に論証の基礎として決定する ⇒ 本質を知り同時に「ある」ことを知る

3. 定義の3種(帰結)

a. 言葉、句の意味を証明
b. なぜ事物は存在するのかの証明
c. 無中概念の言葉の定義はその本質についての非論理的な陳述

(我々に許された)類推の根拠と類推の可能限度
類推 = 類縁関係の考察結果
帰納法的限界 → KJ法 and/or アプダクション → 類推の合理化

Ex. 世界観 - 相似と相違(地球中心的世界観)。生命観 - 構造・環境。生物学的理論 - 社会・歴史

ホーリズム(全体主義 wholism): 全体像 → 起源論の出現

考察


 自分が言いたいことを主張するのは大事だが、以下の単語を用いざるを得ない時には注意すべき。Resultsで言えなかった妄想をひたすら書くのは考察ではない。

may / might: 妄想を書く時に使う。1ページに5つもあると「もう読まんでいいわ」という気分になれる。
believe: 他人が何を言おうと、自分はこれが正しいという信念(あるいは宗教)を持っているときに使う。

 逆に、Resultsがダメな言い訳をひたすら書くのは考察ではない。このレフェリーコメントいいねー。
In addition, DISCUSSION is not a section for excuse but a section for creative arguments.

循環論法 (tautology)

 日本語で書くと気づきやすいのだが、英語で書くとなぜか多発する。これは、絶対に止めねばばらない。実は、当人は、そうは思ってないので直せないのだが。例えば、循環論法の代表例に、「赤いリンゴは赤い。」があり、それは証明できるのだろうか。科学者たるものの、なすべきことではない。
 この原因の一つに英語力が大きく関係しているとは思うが、それ以上に思考回路を変えるべき。同じことを、文章を変えて何回も何回も何回も書いてある原稿を見るが、結局、その話で循環してて、論理は存在しない。
 文章も悲惨だが、これは完璧な循環論法。なぜ気づかぬ。

Bare peat showed with the highest percent un-vegetated in these mined sites.

拡大解釈

Ex. 張り紙禁止 → 張り板ならよい? → 張り板も張り紙の1種

張り紙は禁止されている。張り板は張り紙の1種である。故に張り板は禁止である。

階型理論 type theory (バートランド・ラッセル 1903): 張り紙禁止 → この文面は、この張り紙に及ばない

二重標準 double standards: Ex. 大人は飲酒が許されるが、子供は飲酒が禁止される


懐疑論 scepticism (Gr. Skepsis)

1) s.l.: 普遍的な心理を確実にとらえることは人間には不可能とする論
2) s.s.: ある特定の領域について、確実な真理をとらえる可能性を否定する論

妄想 (delusion)


 心理学においては根拠のない主観的な信念であり、事実の経験や論理により訂正されることのないものをいう。根拠がないということは、社会的条件を考慮して判定すべきであり、未開人の根拠のない信念は妄想ではなく、迷信も妄想ではない。主観的な信念は、知性の不足などによるものではなく、内的欲求すなわち、妄想欲求にもとづくものである。一方、科学(science)とはすべての人が真理と認める知識の体系であり、客観的な経験を基礎としてなりたち、具体的に証明されうるものである。科学のもっともきわだった特徴は観察と実験ができることである。

サーフライダー21 (1998)

 とかく愛国あるいは何々の主義だといって議論して歩くあいだはよく聞こえるけれども、これを実地に行うときは、翻訳が間違いやすいゆえにわれわれがいやしくも理想をいだくという以上、その理想なるものを実現するにあたって、理想の品位を下げぬように行為に現すにあらざれば理想でなく、妄想であることを一言したい。

新渡戸 (1929)

格言

「今日、科学者であろうとなかろうと、知的な仕事をしている人は、自然科学の問題と関わらないわけには行きません。」 ミヒャエル・エンデ (1991)

ゲラ page proofs


 ゲラが来たら、よく読もう。日本人の宿命として、直されてた部分は、英語としておかしいことが普通だが、こちらの意図した意味が変わっていないかどうかを確認するだけの英語力が必要となる。ゲラの直し方は、雑誌によって違うし、ネット上でやることが多くなってるが、ゲラに、赤を直接入れる場合には、ある程度の ルール P がある。かなり日本のゲラと赤の入れ方が違うので注意したい。

倫理学 (ethics)


 科学倫理とやらが問題(話題)になってるようだが。

道徳 morality

社会生活の秩序を保つための行為の規準 Ex. 交通道徳、公衆同毒

→ 倫理: 社会的行動の規範体系 Ex. 職業倫理、政治倫理
⇒ 心理 → 意識 → 法

倫理理論

結果主義: 「結果が全て」 = 行動・考え方が将来起こりうる結果に判断される

→ 望ましい結果を生むのは良い行動(and vice versa)

1) エゴイズム
個人の利益、幸福を全てに優先 → いかなる行動も個人の幸福を最大化する限り可
2) 功利主義
「最大多数の最大幸福」
a) 行為功利主義: 選択に先立つ全行為の結果を考慮 = 最大多数にとっての最大利益
b) 規則功利主義: 最大多数に対し最大の幸福に従う規則を求める

民主主義: 基本的人権尊重 → 多数決による意思決定「全ての人を1人と数え、誰をも1より多くに数えるべきではない」(ベンサム)
自由主義: 個人意思重んじる。個人の社会活動(思想・信仰・信条)の自由
→ 問題: 功利主義・民主主義・自由主義間に利害関係があることがある

3) 利他主義
行為の結果が、行為者以外の全ての人に好ましい → その行動は正しい

義務論

行動の結果ではなく、行動の動機を問題 → 動機正しければ、その行為は善

結果主義・義務論共に ⇒ 「結果」、「動機」が正しいと判断する基準ない

当為論

行為そのものに善悪があり、合理的な倫理的判断は人が下す

Ex. 「嘘をつく」 - いかなる動機であろうと、その行為そのものが悪

人間本性論

人間は幸福に生活する全ての技能と能力を備える ? この能力が行動の評価判断基準となる

快楽主義: 個人の快を最大化するか、苦痛を最小化することを目的として行動する(エゴイズムの典型)

道徳情緒説

倫理上の言説は真でも偽でもなく証明できない

相対主義: 普遍的な道徳基準の存在を否定

功利主義

貢献
応報刑主義: 目には目を
教育刑主義: 見せしめの効果(過酷な量刑の可能性)
功利主義に基づく量刑: 最小限で十分な抑止効果 → 最小限の規制を除けば自由 Ex. 10人に対し1人分しかない特効薬を「平等に」割り当てる倫理理論
  1. 籤引(手続的平等・確率論的平等主義)
  2. 一番高い支払いのできる者(自由市場主義)
  3. 最も生存余命が長い者(社会的功利主義)
  4. 社会に最も貢献しそうな者(社会的功利主義)
  5. 社会に最も貢献した者(功績主義)
  6. 道徳的に最も相応しい者(道徳主義)
  7. 均等割り → 全員が例え死ぬことになっても(結果平等主義)
⇒ サバイバル・ロタリー survival lottery: 生存籤引共済制度
「生存率を最大にせよ」が正義の大原則
  1. 最大多数の最大生存という原理が道徳の基礎
  2. 行為は生存率の促進に役立つのに比例して正しく、生存率を下げるのに比例して悪
  3. 善 = 生存率の最大と、死亡率の減少 ↔ 悪 = 死亡率の最大と生存率の喪失
→ 「脳死者から臓器提供を受ける制度」を廃止し、臓器提供者は健全な市民からくじ引きで選ぶ
社会的ジレンマ: サバイバル・ロタリーが実施されると···

「健康な人」が選択され、健康な1人の生命と引き換えに「不健康な人」10人が生き延びる
なるべく不健康になろうとする人が増える = フリーライダー問題
社会全体としては不摂生な人、不健康な人の割合が高まる可能性
エゴイズムのみでは、社会的利益が全体としては徐々に損なわれていく

問題点
  1. 単一原理主義破綻: 「最大多数の最大幸福」 → 価値判断基準単一ではない - 一義的確定できない
  2. 幸福加算の不可能性: 幸福は、人、時(状況)により変わり加算的ではない
  3. 個体基準不在: 誰についての「最大多数」かは状況で変化する Ex. 国際化
  4. 義務への動機不在: 自分の不利益を省みずに義務を果たす「義務を越える自己犠牲」を説明できない
  5. 配分原理不在: 個々の人への幸福の配分量の適正値を算出する原理を持たない
社会と個の潜在的対立
「群」を作る動物としての人間 ↔ 「個」として生きる人間

⇒ 「社会」への関心、「集団」への依存、「利己性、利他性、権力関係、富・リスク分配の不均一性」
= 「社会的ジレンマ」と「合理的選択計算」
個人が他者と相互行為 → 利害対立をはらんだ社会的関係発生 ⇒ 倫理・道徳が必要

世代間倫理
70 年代: 国際社会で越境する環境問題が一大テーマ
80 年代: 「持続可能な発展sustainable developmentという言葉が時代のパラダイムを表す言葉

持続可能な発展の上で現在世代と未来世代が享受する自然環境からの恩恵(水やエネルギー資源等)に差異があってはならないとする世代間の公平性

環境ファシズム: トム・レーガン(環境思想)造語

レーガンの思想: 個々の個体に権利
↔ 環境の全体主義 = 「環境ファシズム」: 生態系全体・種全体に支障なければ、個々の生物の殺害・迫害を許容
(s.s.) 繁殖し生態系を乱す外来種減らすこと
(s.l.) 環境保護優先し、人権・経済的不平等等、他要素犠牲にする強権的対策・措置

参考


  • Barrass R. 1978. Scientists must write. A guide to better writing for scientists, engineers and students. Chapman and Hall, London. 富岡秀雄・伊沢康司(訳). 1983. 科学者のための文章読本. 南江堂, 東京 163 p.
  • エンデ・ミヒャエル. 1991. エンデの文明砂漠 ミヒャエル・エンデと文明論, アインシュタインロマン 6. 日本放送出版協会
  • Mill JS. 1843. A system of logic, Ratiocinative and inductive. JW Parker, London. (ミル JS (大関将一訳). 論理学体系. 春秋社
  • 新渡戸稲造. 1982. 自警録 心のもちかた. 講談社学術文庫. 339 pp.(定本 新渡戸稲造. 1929. 自警録. 実業之日本社)
  • サーフライダー21 (編). 1998. ゴジラ生物学序説. 扶桑社文庫. 357 pp.
フッター