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(2018年1月20日更新) [ 日本語 | English ]

物理学 (physics)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

法則の立場から
19世紀末以降に物理学変革期 (それ以前 = 古典物理 vs 以降 = 近代物理)
physics
  • 古典力学(物理学) classical dynamics (physics): 独立体系である
  • 電磁気学: クーロンの法則, アンペールの法則[ビオサバールの法則], ファラデー電磁誘導法則, + マックスウェル電磁方程式
  • 熱力学: 1) エネルギー保存, 2) 熱は低温物体から高温物体に独りでに移らない, 3) 0 K下エントロピー = 0
  • 物性物理学: 固体 = 金属・半導体・磁性体・誘導体・超誘導体 … 高分子等, 液体 = 液体金属・液体He等, 気体 = ガスレーザー等

[ 宇宙 ] - 宇宙物理学 (惑星科学)
__| 相対性理論 (相対論): 動者・停者の相対性を追求
[ 星雲 ]
[ 天体 ]   ⇅ ニュートン力学
[ マクロ物体 ]
__|_┌ [ 生物 ] - 生物物理学
[ 分子 ] …… [ 物質 ] 統計力学: 実験の統計上から物事を推測判断
[ 原子 ] …… [ 元素 ] 量子力学
[ 素粒子 ] 素粒子論: 電子・陽子・中性子・μνστΛΞΣ   ?

図. 自然の階層性と各階層を記述する理論

[自然科学概論]

物質観 (原子論 atomic theory)

物理の2つの柱: 粒子particle-原子atom → 基本的粒子, 場field

原子atom: ギリシア語 ατομζ (分割されない)が語源 – 物質を形作る最小単位とした(Demokritos命名)

古代原子論: インド・ギリシアの原理論 → 独立発生
インド原子論
初期BC: パラマーヌ理論
アヌ(微小体): 運動と結合の2力 → 空間の1点を占める → 集合 → 複合体
2 c: ウマイシェーシカ学派
地水火気の異なる4実態のアヌ → 4種集まり千差万別のものが作られる
アヌの最初の力を与えたもの → 人では理解出来ない何か
6 c: プラシャスタパーダ
"句義綱要"に纏める。アヌは不可分割最小単位 - 神話と決別 = 論理的発展
中国陰陽五行説
構成要素ではなく、現象の特徴づけに留まる → 原子論は誕生しなかった

陰陽: 山の日陰、日当たり → 抽象原理
五行: 木火金土水(日常生活に欠くべかざる物質) → 宇宙を支配する自然勢力 [行: → 道・原則]

アラビア・フェニキア原子論
9-10 c アラビア: アルアシュアリ Al-Ashari, アルラーシ Al-Razi
フェニキア: モスコス Moschos
→ 言語の性質は原子論と関連?

アルファベット: 1音1音が構成要素、分解再構成可能 ⇔ 漢字: 分解不可
アルファベット圏で原子論発達 → 古代思想との1つ1つとのつながりを考察出来る

ギリシア原子論
= 自然学: ギリシア哲学の重要部分 Ex. Demokritosの原子論
自然的存在 → 運動・変化 = 自然界の個物を対象 / 変化した複雑な自然の統一認識
目的: × 自然研究そのもの ⇔ ○ 人が苦悩(恐怖)から免れ懸命に思慮深く生きること (Ex ギリシア神話)

現代の自然学の位置付け
複雑な自然の統一認識: 古代 =原子論(目的: 懸命に思慮深く生きる) ⇔ 現代 = 統一認識の新たな内容
現代の課題への答え → 現代の課題(人類の発展性) 現代自然学の最も重要なテーマ

BC600- 元素説: 物質の結合と離散により自然界は変化する
イオニア学派: 「万物の基礎」は何か
Thales (自然科学の祖): 水 =自然中に最も多い物が自然形成の基
万物は水から生じた – 全物質はその変化と流動で生成される(バビロニア・エジプトに既に概念存在)
Anaximandros: 日時計ギリシアに伝える → 時間概念
世界を構成する根源的物質は水の様な感覚できる現存物質ではない
→ 人間に見えない最も多量の物質 = ト・アペイロンaperion (無限のもの) Anaximenes: 根源的物質はアペリオンではなく"空気"
目に見える気体(雲等)の"気" = 自然に形として表れたものがト・アペイロン
空気濃度変化により全物質作り出される
Helakleitos: 流転説 = "生成消滅" 万物流転 → 物の本質 [= 時間は永遠]
根源的物質は火(万物の起源) → 火は自然界の普遍的な流動と変化を象徴
変化: 火 → 空気 → 水 → 土
BC500-
エレア学派
Parmenides: 物と運動の否定 "あるべきものはあり、ないものはない"
変化が運動のあるべき姿 – イオニア学派完成時に一時出現
Zenon: 何か目に見えぬが本質的なものは1つである
Empedokles
万物の起源(不生不滅) = 火・(空)気・水・土 → これらの結合と分離により物質が生成消滅
Aristoteles: アリストテレスの4原因(4元素)
世界全体 = 2領域

我々が生きるのは月より下の世界 → 4大元素(火・空気・地・水)からなる
月より「上の」世界はアイテル(エーテル)と呼ぶ永遠不変のもので形作られる

質料因 cansa materialis: 物を作る第一物質
形相因 cansa formalis: 第一物質を規定する計画
作用因(動力因) cansa efficiens (cansa movens): 計画実現機構の準備

– 近代的”原因”概念に近い

目的因 cansa finalis: 計画される目的
→ 4元素は、形相の作用で相互転化の可能性
→ 原子概念否定 [錬金術 alchemy 誕生]
BC420- 原子説(イオニア学派)多元化
エレア学派に対し、本質的な物は複数ありそれらは変化しないと主張
原子説: 抽象的思索に基づくが現代原子論に通じる
Anaxagoras: スペルマタ説 = 万物の根源はスペルマータ spermata
スペルマタ: 極微小で種類数無限 → それらの離合により万物生成 → 原子
スペルマタ + アヌ、愛と憎
Leukippos: スペルマタ説を発展 → 一元論復活
Demokritos: ギリシア原子説大成
万物は原子(atoma = 分割できないもの)という圧縮も分割もできない均質で微小な物質からなる

第1性質: 原子の属性 = 形状・大小・軽重・疎密・硬軟の5種
第2性質: 原子の配列により、色・香・味・冷熱等の属性が決まる

原子と原子の間に何も存在しない空間が存在する
Epikouros: Demokritosに従う
→ 自然現象に不可分の物質 = 原子の運動
物質運動の場 → 物質に占められない空間 = 空虚 → 万物の本質は物質(原子)と空虚
斜傾運動 (clinamen L.): 原子は通常空間を下に向かい進むとされるが、「全く不定な時に、又不定な位置で、進路を少しそれ運動に変化を来らすと言える位なそれ方をする」
必然や運命という「むやみに恐れられる」考えを退け、我々の自由意志を確保する説明でもある
大要: ミレトスでの理論をエレア学派の人々が批判し誕生したのがギリシア原子論(= 神話的解釈との決別)

→ 目に見えないものから理解するのではなく、目に見える物から合理的・論理的に理解
→ 自然は多様、かつ統一的。この自然の本体を知るべく、ギリシア原子論への道へ至る

総括 → デモクリトス、Epikouros

原子と空虚

変わらないものの離合集散で物は形作られる → 不変な物をギリシア哲学者は探しつづけた
ギリシア自然学の系譜

単一元素elementによる自然認識 / 生成消滅変化連動
→ 変化運動否定
→ 原子と空虚 (現代原子論と共通の概念)

空間: ギリシア哲学「空間 = 球形をなす物質宇宙」
Pythagoras: 数 = 物と物(数と数)の間には空虚が存在 → 空間
Arkithas (ピタゴラス学派): 「物体」と「物体の占める場所 = 空間」を区別
Platon: 有限な球形の宇宙が存在する無限の空間 – 等質でも等方でもない

イデアidea: 実在の最高のもの – 消滅も変化もしない
コーラ(空間): 物体のイデアの中間にある実在 [物体 ↔ コーラ ↔ イデア] (場の理論に近い)

時間: 運動(= 時間概念なしに存在しない)に関係
Parmenides: 時間は無限の存在
Zenon: 詭弁

空間は無限小を取り得る → 運動の存在否定 → 時間は実在ではない

Aristoteles

原子と空虚は永遠の存在 → 消滅した物体も再生 → 循環的時間感

  1. 時間の最小数は1 → 時間は連続であり最小の大きさはない
  2. 時間は「多い、少ない」か「長い、短い」と言わねばならない
  3. 同じ時間はあらゆる場所で同一 → 前後に同一の時間はありえない
  4. 時間で運動を計る ⇔ 運動で時間を計る
物質の原子的構成
古代原子論と近代原子論の類似
  1. 広がり有限、数種類の実際に存在する実態(イオニア学派)
  2. 不可分・量的差異・(その原子の)結合分離で全現象再現(エレア学派)
  3. 真空(= 空虚)の存在

→ 類似点: 多様性と統一性の根拠を、自然(実際)を直接見て得た論理的考察による必然的帰結
結論の導きかたは現代原子論とギリシア科学は全く同じ。ここから、現代原子論は導かれたともいえる

Q: 基本的存在から自然は生成 → (試考変化) → 生成消滅 = 自然の本性 _____________________________↑ エレア学派の論理的排反
_______________________________→ 「真空」の存在
索引
A: 不変的存在は多数存在する → 原子論に通じる(→ 近代原子論)
※ ここへの統一・到達過程が論理的に行われる必要 → 現代原子論で、原子が不可分・安定物に対し問題が出る(Ex. Proton 92まで安定 → それ以上幾つまで存在するか不明)
Proton, Neutronがある数の時は安定だが、その組み合わせの元では巨大原子の形成(存在)可能性がある

自然状態下での安定度を知る事はさらに重要

誕生した課題 = 原子の発見
原子 → 多様な物質(どうして多様な物質を作るのか)
原子 → 熱現象(可逆的運動をする物がどうして不可逆的な物を作りえるのか)
量子法則 → 実験と論証

相対性理論への歴史

電磁気学-相対性理論
電磁波媒質に関する検討からアインシュタインは相対性理論を発表
物質が高温になって電磁波や光を発する研究から、量子力学(原子の世界を明らかにする物理)へ発展
BC600頃 Greek
琥珀(エレクトロン)と毛皮を擦り合わせると(静電気生じ)引き合う → 電気 electolicity語源
マグネシアという所で産出される石が鉄を引きつける → 磁気magnet語源
Gilbert, William 1546-1603, 英: 物理(医者)
「電気の父」、「磁気学の父」: 近代的電気・磁気研究開始
a) 魔術・占い手段であった電気磁気現象をまとめる
b) 北極に近づくと磁石が地面指す → 地球は1つの磁石 (Keplerに影響)
Gray, Stephen 1666-1736, 英
静電気実験 = 物体を摩擦し導体・不導体を区別。電気流動発見
Musschenbroek, Pieter van 1692-1761, 蘭
高温計発明。ライデン瓶Leyden jarの原理を発見

1745 ライデン瓶(オランダ、ライデンの学者により発明) = 電気貯蔵装置 → キャパシタ(コンデンサー)

Nollet, Abbe Jean Antoine 1700-1770, 仏: 電位計発明。ライデン瓶改良
Franklin, Benjamin 1706-1790, 米: 政治家・科学者 – 凧で雷の電気をライデン瓶に導く実験(1752)
Romas, Jacques de 1713-1776, 仏: 雷の実験
Aepinus, Franz Ulrich Theodor Hoch 1724-1802, 独: 蓄電器創案
18世紀 Newton力学完成

→ 重力と同様に電気や磁気の力の大きさを測る試み

Coulomb, Charles Augustin de 1736-1806, 仏
土木工学・物理学。静電磁気学基本的法則確立
精密な測りを発明し、電気・磁気の力の大きさを測るまで技術が進む
→ 重力同様に力の大きさは電気・磁気量に比例し、距離の2乗に反比例
Galvani, Luigi 1737-1798, 伊: 解剖学(医学)
ガルバーニの実験(1780): カエル筋肉の電気運動

2金属張合わせたピンセットで筋肉に触れると筋肉収縮 → 筋肉運動に(生物)電気関係 → Volta電池

1800 ガルバーニの実験現象 – 電気はピンセット側で作られると考える
Volta, Allessandro (1745-1827), 伊
Volta 1799 ボルタの電池 Voltaic cell: 2種金属(Zn, Cu)と酸(食塩水を含む綿)を積み重ねた

2種金属を酸中につけ酸の外で端を繋ぐ = 電流発生
⊖Zn|H2OO4|Cu⊕ (イオン化傾向: Zn > Cu)

⊖ Zn → Zn2+ + 2e-______ 電子製造
_____________↓ 外線___電子運搬
______2H+ + 2e- → H2↑ 電子消費
Total: Zn + 2H+ → Zn2+ + H2__≡ 亜鉛が希酸に溶ける式

一瞬だけ得た電流を連続し流せる = 定常電流 [イオン化傾向大 ⇒ ⊖ ]
実験可能: 電気盆・検電器・蓄電器発明

1) 電気分解発見: 水は分解不可能とされた - 電流流すと2種類の気体発生
2) 電流による磁界形成発見: 電気と磁気は別現象ではなく互いに関係
Ritter, Johann Wilhelm 1776-1810: 水を電気分解 → 酸素と水素が発生
Carlisle, Anthony 1768-1840, 英: 水の電気分解
Davy, Humphry 1778-1829, 英: 電気分解で化合物形成(元素発見)
→ 化学的引力 = 電気的性質
Berrelius, Joens Jakob 1779-1848
各元素を静電気性と負電気性のものに分け、正負は引き合う
Örsted HC 1777-1851, デンマーク: 電流が磁石に力を及ぼす(1820)
→ 個別に研究がなされていた電気と磁気は別々ではなく互いに関係
Ampére, André Marie 1775-1836, 仏: 物理学・数学
電流単位、アンペア(A)は彼の名
1820 アンペールの法則 Ampére's rule: 電流の流れる平行導線間に力が働く → 電流間に力が働く
Biot, Jean Baptiste 1774-1862, 仏: 数学・物理学・天文学
円偏光、双軸結晶を発見 Savart, Félix 1791-1841, 仏: 医師
楽器理論。サヴァール(水晶)板、振動数測定器サヴァール車
1820 ビオー・サヴァールの法則 Biot-Savart law: 長い真直ぐな導線近傍の磁束密度は導線を流れる電流に正比例し導線からの距離に反比例
Ohm GS 1787-1854, 独: 電気抵抗概念提出
1827 オームの法則
Faraday, Michael 1791-1867, 英: 化学・物理学(電磁気学)
電気量単位、ファラデーは彼の名
1831 電磁誘導仮説: 電気磁気相互作用 → 磁界変化 → 導線輪に電圧発生

電気・磁気は周りに場を作り、その力を周りに及ぼす
(現在) 電荷・電流はその周りに場を作り、場は近くや遠くに力を及ぼすと考える(場は電磁気学で最重要)

1833 電気分解法則
1837 電磁場概念
Röhmkorff, Heinrich Daniel 1803-1877, 独: 誘導コイル発明
Lenz, Heinrich Friedrich Emil 1804-1865, 独
温度による電気抵抗の変化発見
レンツの法則 = 電磁誘導の向きに関する法則
Pouillet, Claude 1790-1868, 仏: 正弦検流計、正切検流計、日射計等発明
プイエの法則 = 抵抗含む回路の発電機起電力 = 発電機内部電流 × 外部抵抗電流
Crookes, Sir William 1832-1919, 英, 化学物理
スペクトル分析でタリウム発見、ラジオメータ(放射計)発明
1874 クルックス管考案 - 真空放電vacuum dischrge研究で陰極線直進観測

クルックス管 Crookes tube: 真空放電実験を行う、内部に陰極をもつ真空ガラス管(真空度 < 0.1 T)

Maxwell, James Clerk 1831-1879, Scotland: ファラデーの場の考え受継ぐ
1861 マックスウェル方程式4法則 (電磁場基本方程式)

→ ファラデーやマックスウェルの理論認められる
→ 電磁気学: マックスウェル完成 → 相対性理論

光学
Biot, Jean Baptiste 1774-1862, 仏: 数学・物理・天文
円偏光、双軸結晶を発見
Goethe, Johann Wolfgang von 1749-1832, 独: 詩人・小説家(劇作家)
色彩論、光学 →
「若きウェルテルの悩み」 – シュトゥルム・ウント・ドランク運動。ワイマールの宰相を勤めた後、イタリア旅行。シラー(1759-1805)とドイツ文学古典主義確立
Kerr, John 1824-1907, 英
カー効果 Kerr effect – 物質の電気光学・磁気光学現象研究
Verdet, Marcel Emile 1824-1866, 仏
偏光理論
Moseley, Henry Gwyn-Jeffreys 1887-1915, 英
X線分光学基礎確立

電磁気学の応用

Hertz HR 1857-1894, 独
1888 電磁波の存在証明
Marconi G
1896 最初の無線通信に成功 (1901 大西洋横断無線通信成功)
電池 cell
a) 1次電池 primary cell
Leclanché, Georges 1839-1882, 仏: 乾電池 dry cell (ルクランシェ電池)
⊖Zn|NH4Cl(ZnCl2)-H2O|MnO2, C⊕ (6.30) → 起電力1.5 V

⊖ Zn → Zn2+ + 2e-____________電子製造
_____________↓ 外線________ 電子運搬
______2H+ + 2e- → 2H (H2)↑__電子消費
_________┌─────┐
減極剤 (MnO2) 2H + O → H2O__水素消費
Total__Zn + 2H+ + O → Zn2+ + H2O

b) 2次電池 secondary cell (= 蓄電池 storage cell, battery)
電気エネルギーを化学物質変換貯蔵 = 充電 charging
1836 Daniell, John Frederic (1790-1845), 英
Ex. 湿電池 wet cell (ダニエル電池 Daniell cell)

⊖Zn|ZnSO4(aq)|CuSO4(aq)|Cu⊕ → 起電力1.1 V

Ex. 鉛蓄電池 lead battery

__________________放電/2e-
Pb + PbO2 + 2H2SO4 → PbSO4 + PbSO4 + 2H2O

充電 (battery) charge: 放電の逆反応

c) 燃料電池 fuel cell
1800初頭 Davy H (英): 原理提唱
1839 Grove WR (英): 燃料電池による水の電気分解
1950代 Bacon FT (英): 水素-酸素燃料電池
Ex. アルカリ型燃料電池: 燃料として純水素のみ利用 (-)H2|KOH(aq)|O2(+)

放電機構
__________ 2H2 → 4H2O + 4e-
⊕ O2 + 2H2O + 4e- → 4OH-
Total____2H2 + O2 → 2H2O

力学 (dynamics, s.l. or mechanics)


= 動力学 dynamics (s.s.) + 静力学 statics

物理的性質(物理的特性) physical property +
物理変化(物理的変化) physical change

質点 mass point (or material point)の力学

古典力学 (Newton力学): 時間(実数)をパラメターに(3次元ユークリッド)空間に値を持つ質点運動を考察
Def. 質量 mass (molarity): MKS → kg, CGS → g

慣性質量 inertial mass: 動かし難さから定義
重力質量 gravitational mass: 万有引力による重さの度合いとして定義

Def. 質点: 質量を持つ点 → 質点系: 質点の集合

→ 質点, s: 3次元ユークリッド空間に値を持つ時間tの関数
Ex. s = s(t)] = 質点の全部分が同じ運動 motion

絶対空間 absolute space: Newton力学の根本概念 → 瞬間的に力が伝わる。固定できる座標がある

変化量(変化) variation
速度 velocity, v: ベクトル (速さ speed, v: 速度の大きさ, スカラー)
vv(t) = s'(t) = limΔt→0{v(t + Δt) – v(t)}/Δt = ds/dt
平均速度 average velocity, v = s/t (瞬間速度 instantaneous velocity)

dynamics
Δr(t) = r(t + Δt) – r(t) → v(t) = limΔt→0Δr(t)/Δt = Δr/dt

Def. 接線単位ベクトル tangential unit vector ≡ et(t) → v(t) = v(t)et(t)

(一般にv, etも時間と共に変化) [以降t省略]
ex, ey, ez: 単位ベクトル(絶対値は1)
v = vxex + vyey + vzez, vx = dx/dt, vy = dy/dt, vz = vz/dt
v = [(dx/dt)2 + (dy/dt)2 + (dz/dt)2]1/2

= limΔt→0(1/Δt)·[(Δx)2 + (Δy)2 + (Δz)2]1/2
= limΔt→0st) = ds/dt

Ex. 円運動: 円周 circumferrence上の運動
→ 中心を座標原点と一致 → r ≡ 回転半径 radius of gyration
dynamics er: 位置ベクトルr方向の単位ベクトル(時間と共に変化)
eφ: 角度方向への単位ベクトル

v(t) = dr(t)/dt·er(t) + r(tder(t)/dt
Δer = er(t + Δt) – er(t)
Δer/dt = limΔt→0Δert = (limΔt→0Δθt)eθ = ωeθ

O: 回転軸(回転の中心) pivot point

vector
O: 回転軸 axis
(of rotation)

Def. 角速度 angular velocity (rad/sec): 角が時間と共に変化する割合,

ω/dtv = eφ, v =
記号: 反時計回り 正(+) / 時計回り 負(–)
ホドグラフ hodograph: 速度ベクトルが張る空間上で、時間と共にv(t)が変化するその端点が描く曲線

v(t)の無限小時間変化 →
Def. 加速度 acceleration, αdv/dt = d2r/dt2 [α = v' = r'']

α > 0: 正の加速度 ↔ α < 0: 負の加速度 negative accelaration

平均加速度 average acceleration

vector
平行四辺形の法則
parralleogram law

= 力の立体的考え方: ベクトル

AB = C, A = B + C

向心加速度 centripetal acceleration,

α = –2er = –(v2/r)er
rと逆向きに平行

Set: r(t) = (x, y, z),

r(t + Δt) = (x + Δx, y + Δy, z + Δz)
Δθ = ωΔt, Δv = vΔθ = 2Δt
v = limΔt→0{(r(t + Δt) – r(t))/Δt} = limΔt→0Δr/dt = dr/dt
vx = lim{x(t + Δt) – x(t)}/Δt = dx(t)/dt = x'(t), vy = y'(t), vz = z'(t)

方向が変化するための加速度 α = Δv/Δt = rω2

α = limΔt→0vt) = dv/dt

α = dv/dtαx = d2x(t)/dt2 = x''(t), αy = y''(t), αz = z''(t)

v (or α)各成分がx'(t)等(x''(t) …) → x, y, z座標が慣性系である必要

運動論 kinetic theory (運動法則 laws of motion)


ニュートンの3大法則 (Newton's three laws of motion)

第1法則 first law (慣性の法則 law of inertia)
外力 external force (f)を加えなければ物体bodyは等速直線運動 uniform motion (linear motion) (含静止 at rest)を持続(向きの変化にも力が必要)
⇒ 力: 質点sに及ぼされる(一般には時間に依存)= 3次元ベクトル
慣性系: 力を受けない物体が等速度で運動しているようにみえる(= 慣性力 inertial force (force of inertia))、固定したあるいは力の働かない座標系

慣性(座標)系 inertia (coordiante) system: 慣性の法則が成り立つ座標 Ex. 等速度 = 慣性系
↔ 非慣性 系noninertial system (noninertial frame of reference)

地球上 ≈ 慣性系 → 公転 α = 0.006 m/s2, 自転(赤道) α = 0.034 m/s2

→ 重力9.8 m/s2に比べ十分小

経験的法則: 2つの質点が近くにあり、その間のみで作用及ぼし合う (Mach)

→ 加速度は両質点を結ぶ直線に沿い互いに逆向きで、その大きさの比は質点運動状態によらず一定

Def. 慣性質量, m: 加速度 α1, α2 に反比例する量 kinetic

m1/m2 = α2/α1m1α1 + m2α2 = 0
m1v1 + m2v2 = m1v1' + m2v2'

m1(v1v1') + m2(v2v2') = 0

m1Δv1 + m2Δv2 = 0

m1m1'   m2m2'
 ↓f1           ↓f2

慣性質量, m: 運動方程式に表れる ⇔ 重力質量, m': 万有引力に表れる

f1 = km1', f2 = km2':
m1', m2’も重力加速度と同じg
km1' = f1 = m1g, km2' = f2 = m2g
km'1/km'2 = m1g/m2gm'1/m'2 = m1/m2, m'1/m1 = g/k = constant
→ 重力 = 慣性質量: 実験結果(一般相対性理論の基礎)

第2法則 second law
Newtonの運動方程式 equation of motion: 運動量の時間的変化 = 外力
⇒ 力 f は運動量 momentum p(= mv)の時間的変化に比例
f = dp/dt (仮定: 質量が時間と共に変わらない) = mα = m·dv/dt

m: 比例定数 (運動で慣性 inertia を表わす慣性質量)
Ex. バネによる力 = 手で押す → 直感的な力, (目で見えない力) → 直感的でない力

質量 mass (m'): 重力に関係し現れる物質の量

Ex. バネ秤で測定される物質の量 (物理量 physical quantity)

Def. 重力質量

グラム重 gram-weight (gram-atomic weight): 質量1 gの物体に作用する重力の大きさ, [単位] g重

Law. ニュートンの法則: 力、質量を(ほぼ)定義したもの

基準物体により単位重量(1 kg)を定める

Def. 単位 N (newton): 1 N ≡ fの力を加え1 m/sec/sec

= 1 m/sec2の加速度を生じる

第3法則 third law (作用・反作用の法則 law of action and reaction)

  ●
  ↓    f ≡ 作用: 地球が石を引く
  ↑   -f ≡ 反作用: 石が地球を引く

作用反作用の力 action-reaction forces (action-reaction pairs)
作用 action と反作用 reaction は大きさが等しく向きは反対
= 同時に作用する力 concurrent forces:

作用点 point of action → 作用線 line of action

f12 = –f21, fij: ijに及ぼす力

(作用の力 action force ↔ 反作用の力 reaction force)
dp1/dt = f12, dp2/dt = f21dp1/dt + dp2/dt = 0

Law 運動量保存則 law of conservation momentaum:

運動量の和 p1 + p2 = constant
積分実行 p2p1 = t1t2fdt = J
Def. 力積 impulse (撃力 impulsive force), J

作用・反作用は1つの力を両側から見た名称で、作用・反作用が釣合う等という言い方statementは誤り kintetic

Ex. 磁力(磁気力) magnetic force:
+– = 引き合う ↔ ++ = 反発する(抵抗する) repel

Def. 重力 gravity, g: 地球がBを引く(f)
Def. 垂直抗力normal component of reaction, R

= 垂直力(法線力) normal component (of force)
→ 接触面を通して面に垂直に相手の物体に作用する力
Ex. R: DBを押し上げる(fRが釣り合ってBは静止)

fの反作用 = -f (BがEを引く) ↔ Rの反作用 = -R (BDを押上げる)

(機械や道具に)加える力/作用させる力 effort (effort force)

一次元(直線上)運動 [非直線運動 nonlinear motion]

1) 加速度-力-運動 f = constant [m : スカラー、速さによらず一定]

v(t) = dx(t)/dt, v(0) = constant, f = mα   (α = d2x(t)/dt2)
両辺tで積分 (t = 0 - t) → 0tfdt = ft,   0t{m·d2x(t)/dt2}dt = m[dx(t)/dt]0t

= m{v(t) – v(0)}

0tfdt = m{x(t) – x(0)} – mv(0)t, 0t(0tfdt)dt = 1/2·ft2
x(t) = f/2m·t2 + v(0)t + x(0)

m·d2x(t)/dt2 = f = constant … (1),
m·dv(t)/dt = f = constant … (2) 微分方程式 ⇒ tで積分 →
m{dv(t)/dt}dt = mv(t) + v0' … (3)
fdt = ft + v0'' … (4)

[v0', v0'': 積分定数、初期条件initial condition (IC)によって定まる]

(3) = (4) ∴ mv(t) + v0' = ft + v0''

mv(t) = ft + v0'' - v0' ≡ ft + v0''' [v0'' - v0' = v0''']

IC: t = 0, v(0) = v0mv(0) = mv0 = v0''' ∴ v(t) = f/m·t + v0
α = dv/dt = f/m [v(t) = f/m·t + v0)]
x(t) = v(t)dt + v0 = 1/2·(f/mt2 + v0t + x0 [xはICで定まる: x(0) = x0]
a·d2x(t)/dt2 + b·dx(t)/dt + c = f(t) … (5)

a, b, c: constant, f(t): 既知関数, x(t): 未知関数 → 求めたい関数

積分: 定数2個を含む関数 φ(t; a, b)が(5)を満足 → φ(t; a, b)は(最も)一般解

Ex. a = m, b = 0, c = -f, f(t) = 0 … (6),
___φ(t; a, b) = 1/2·f/m·t2 + v0t + x0 … (7),
___A = v0, B = x0

(7)式は(6)式のもとに(5)式の微分方程式を満足する

Ex. 一定速度で走る自動車に加わる力: f = mα = 0, α = 0

f = 0 → 合力 resultant force = 0: 実際は空気抵抗(R)等の抵抗存在

Ex. 発進(停止)時に物体(自動車等)に加わる力: v(t) = αt, f = mα
a) 落下運動 falling (action) →

自由落下free fallする物体質量(m)
ガリレイ「全ての石の落下加速度は等しい」

Law. 重力の法則 law of gravity: 重力の相互作用 gravitational interaction

重力, gmα = mg, dx(t)/dt =dz(t)/dt = v(t)
α = Δvt = dv/dt, v = Δzt = dz/dt = -2ktα = d2z/dt2 = -2k

自由落下物体加速度 = constant = g

重力加速度 gravity acceleration, acceleration of gravity) ≈ 9.8 m/s2
→ 等加速度直線運動 linear motion of accerelaration

等加速度運動 uniform accelerated motion

b) 抵抗力 resistance force ☛ 流体力学
Def. 粘性抵抗(摩擦抵抗) viscosity or viscous resistance, βv

≡ 速度vに比例する抵抗(粘性から生じる摩擦力) ⇒
βvvβv = η·v   (η ≡ 粘性抵抗係数 - 物質の形状・大きさに依存)

Stokes, George Gabriel (1819-1903, Ireland)
Law. ストークスの法則(ストークスの抵抗法則) Stokes law: βv = -6πηrv

速度vで運動する半径rの球状物体に対する気体・液体のβv

成立条件: Re (レイノルズ数) < 1-2

Def. 慣性抵抗(圧力抵抗) inertial (inertia) resistance, βv2

≡ 速度vの2乗に比例する抵抗
密度ρの液体・気体中を速さvで運動する物体の βv2 = -1/2·CρAv2
Ex. 飛行中の飛行機が受ける抵抗力

force Ex. 無風の空気中を落下する雨滴:

雨滴の受ける力 f = mgR = mg - βv
R: 空気抵抗 air resistance
m(d2z(t)/dt2) = mgβv … (1) 積分定数2個, or
m(dv(t)/dt) = mgβv … (2) 積分定数1個
物理的結果予測: t = 0, v(0) = 0, t → ∞, dv(t)/dt → 0

v(∞) = mgβv = 0 ∴ v(∞) = mg/β //

Def. 終端速度 terminal velocity: 等速落下運動をする時の速度, v(t) = mg/β
Ex. ρ: 水密度, r: 雨滴半径, βv: 粘性抵抗(= -6πηrv) → 質量 m = (4π/3)·ρr3

終端速度, v(t) = mg/β = {(4π/3)(ρr3)g}/(6πηr) = (2r2g)/9

Th. 1. v(t) ∝ m
Th. 2. v(t) ∝ r2
Def. 運動量, pmvdp/dt = m·dv/dt = mα = f
Def. 力積, J = f·Δt: 力fとその力の働いた微小時間Δtの積

= 運動量の変化 → 力が働けばJは必ず変化
ΔJ: a, b共に同じ → Δta > ΔtbJa < Jb
mv0の運動量を持つ物体に瞬間的な力fを加えると、運動量変化し値がmv1に変わる

角力積 angular impulse

Eq. 力積-運動量の関係式 impulse-momentum theorem

f·Δt = mv1mv0 [運動量の変化は力積に等しい]
momentum Ex. 等速円運動
Ex. 滑かな束縛力 (ジェットコースタ: 元の高さに上がる → 全エネルギー変化しない)
滑かな束縛力は仕事0: この場合抗力Rが束縛力

仕事-運動エネルギー関係式 work-kinetic energy theorem → W

= 1/2·mv2 – 1/2·mv02

力学的エネルギー mechanical energy, E


E = EK + EP
Law. 仕事の原理(仕事の法則) law of work
Def. エネルギーenergy: 何らかの仕事をする能力
Def. (重力)位置エネルギー (ポテンシャルエネルギー potential energy) (s.l.) (gravitational) potential energy, Ep

Ep = mgz: xに無関係
→ (重)力に垂直な方向に働いても位置エネルギー不変

Def. 力場: 物体位置で定まる力の働くような場

Ex. 重力場、クーロン力、バネ力(力場ではない Ex. 摩擦力)

Def. 仕事 work, W: 物体に外力 external force を加え物体を動かす時、外力が物体に「仕事」をしたという

= 外部からの仕事(外からされた仕事) external work
W = Fd,

energy

F: 物体を動かした力,
d: 物体の移動距離
単位: Nm (= J = kg·m2/s2)

移動距離が0 → 力を加えても仕事は0

Def'. W = Fdcosθ (θ > π/2)

Ex. 重量挙げ: 持ち上げた高さh

W = gmh → 位置エネルギー
落下させれば、運動エネルギーに変化
→ 地面に衝突すれば熱や音のエネルギーに変化

Def. 仕事率 power (工学, 出力/動力): 単位時間当たりの仕事量

P = W/t,

単位: 1 J/s = 1 W (ワット)

ABに物体が運動エネルギーを(殆ど)持たない程度にゆっくり運ぶに要する仕事

WABが途中の筋道に無関係な時、この力場は仕事エネルギーを持つ
A-B点の位置エネルギー差: U(B) – U(A) = WAB > 0 → 保存力場
energy

Ex. 1 重力場 gravitational field:

WACB = WAC + WCB = WAB = mgz

Ex. 2 中心力場(万有引力 gravitation)

Law. 逆2乗の法則 inverse-square law: 定量値発生源からの距離の2乗に反比例

→ 光強度、万有引力、クーロン力

Ex. 3 バネの力 (= 中心場力): f = kx
Def. 弾性エネルギー, EP

= 弾性力による位置エネルギー elastic potential energy,
EP = 1/2·kx2

保存力場における運動 → 力学的エネルギーは保存

Def. 運動エネルギーkinetic energy, EK

EK = 1/2mv2 (v2 = |v→2| = v·v = v2cosθ = v2 (∵ θ = 0))
→ 1) EKm, v2
→ 2) 係数1/2がないと保存力は見出せない

[E] = [M2LT-2] ⇔ [W] = [LF] = [L·MLT-2] = [M2LT-2] 次元は[E] = [W]
Law. (力学的)エネルギー保存の法則 law of conseveration of (mechanical) energy: エネルギー総量変化しない

|  ↑
|  ● -g

Ex. 鉛直投げ上げ運動 → 鉛直上方への加速度-gの等加速度直線運動

t = t0, x0, v0t = t, x, vv2v02 = 2α(xx0)

保存力 ≡ Ep + Ek = constant → 1/2·mv2 + mgz = constant ↔ 非保存力 dissipative forces

2次・3次元移動

スティブヌス 1548-1620, 蘭: ベクトルvectorを力の問題に導入
→ 運動方程式をベクトル式として理解
f = mα, m: スカラー energy

A = (Ax, Ay, Az)
|A| = Ax2 + Ay2 + Az2
(A ± B) = (Ax ± Bx, Ay ± By, Az ± Bz)

ベクトル分解 vector resolution (resolution of forces (vectors))

分力(力の成分) component force (component of force) 力の合成 composition of forces ↔ 力の分解 decomposition of force

energy
運動方程式: x, y, z座標系
→ 静止または慣性座標系inertial frame of referenceが条件 立て方と解き方
  1. 運動方程式を立てる物体を決める。その物体に働く全ての力を示す
  2. 適当な座標系を設ける
  3. 物体の加速度の向きを座標系(x, y, z)をもとに表す
  4. 内力は打ち消しあうので、物体全体の運動を考えるときには無関係なので無視してよい
Ex. 1. 重力場における質点の放物運動運動方程式 (z軸 = 鉛直方向): axis

初期条件v0 = (vx0, 0, vz0) → y方向考える必要なし
r(0) = (0, 0, 0)
fx = 0 = mx''(t),
fy = 0 = my''(t) … (1)
fz = –mg = mz''(t) … (2) → 垂直軸 vertical axis

y(t) = constant
x(t) = vx0t … (3)
z(t) = –1/2·gt2 + vz0t … (4) → 垂直方向の速度 vertical velocity
(3), (4)からtを消去するとz(t)とx(t)との関係が求まる
t = x(t)/vx0z(t) = –1/2·(x(t)/vx0)2 + vz0·x(t)/vx0
空気抵抗を入れると破線のようになる: R = -βv

Def. 角加速度 angular acceleration (rad/s2), α

α = /dt = d2θ/dt2,

ω: 角速度.
θ: 角位置 → : θ時間変化率

Def. 角運動量 angular momentum, L = rp = mrω = mrv
Ex. 3. 円錐振子 conical pendulum:

長さlの紐の一端に質量mの石結び他端を天井に固定
石を水平面で回転

x-y軸: 石の回転する水平面
z軸: 天井の紐固定点から鉛直線の方向にとる(正は上向き)

→ 座標軸は方程式が簡単になるよう設定
axis
運動方程式: F =
F = msinθ = = mrω2 … (1)

向心力 centripetal force

r = lsinθ … (2)
Tsinθ = mlsinθω2T = mlω2
水平面で回転 → z(t) = const ∴ fz = 0 … (3)
fz = -mg + Tcosθ = 0 ∴ T = mg/cosθ … (4)
(3), (4)からmg/cosθ = mlω2
∴ cosθ = g/2 ≤ 1 ∴ ω2g/l

(↔ 動滑車 moving pulley)

Ex. 4. (定)滑車(プーリー) fixed pulley: m1, m2の運動 pulley

滑車の摩擦 friction = 0
T1 = T2
m1 > m2 m1: down, m2: up, m1 = m2 静止
m2 > m2, m1の加速度 < g: m2g < T < m1g
運動方程式 (m1, m2について立てる):

zの原点はm1,
m2が同じ高さの点(z1 = z2)

m1·d2z1(t)/dt2 = -m1g+T … (1)
m2·d2z2(t)/dt2 = -m2g+T … (2)
z2(t) = -z1(t) … (3) 未知数 z1(t), z2(t), T(t)の3つであるので解決可能

力の釣合いと見かけの力 equilibrium of force and pseudo-force (fictittious force)

一般に慣性系に対し加速度を持つ系に移ると"みかけの力Fα''が現れる
pulley ⇔ 真の力 net force → 3次元: oa = ob

→ 力は釣り合っている

1) 遠心力(見かけの力) centrifugal force, fr or r

fr = r = mrω2

r: 回転半径 (e.g., cm)
ω: 回転角速度 (e.g., rad/s)
大きさ = 向心力(求心力), 向き = 向心力と反対

pulley

T: 糸の張力, mg: 重力

a) 加速度系(非慣性系) = 回転台上から見る → 遠心力

等速円運動を行う振子pendulumは静止して見える
→ 張力/遠心力/重力の3力が釣り合う

b) 静止系(慣性系) = 回転台の外から見る → 向心力

振子が等速円運動をしている
→ 求心力が働き、求心力は重力と糸の張力と糸の角度で決まる

2) 電車への力: 停車中列車ABBに乗りBが動き出す

→ 駅を見ずAを見る → Aが動き出したと感ずる

3) ロープの切れたエレベータ中(重力が消失した感じ)

→ "重力"もみかけの力 (一般相対性理論), α0 = –g
エレベータ内の質量mの物体に作用するみかけの力, F0 = –mα0 = +mg
物体に作用する重力, F = –mgF + F0 = 0

4) コリオリ力 Corioli's force

回転体の内周と外周の速度差から外側(内側)へ向かう運動物が回転体から見て"みかけ上"方向を変える力

Def. コリオリ力: mv·4π/T (m 質量, T 回転周期, v 物体速度)

f = 4π/T (コリオリパラメータ) → mfv
フーコー Foucault, Jean Bernard Leon (1819-1868), 仏: 光速度測定, フーコーの振子により地球自転証明

振動と減衰


Def. 周期運動 periodic motion: 一定の時間が経過するたびに同じ状態を繰り返す運動
Ex. 等速円運動 → 法線加速度 normal acceleration, 接線加速度 tangential accelerarion oscillation

l (円周) = 2πr
v = 2πrfR, fR: 回転数/単位時間

(ex. 秒, s-1)

fR = v/2πr
rv [vは接線上となる]
|α| = 2πvfR = (2πfR)2r = v2/r

Def. 向心加速度, α = dv/dt = -(2πfR)2r
Def. 向心力, F = = m·(v2/r) = m(2πfR)2r

F = -m(2πfR)2r

F, m, α, v, fR, r間の関係式 → 殆どの場合を解くことが可能となる
Q. 半径100 m (r)のカーブを72 km/h (v)で走る車 oscillation

→ 摩擦0となる路面の傾き(θ)

A. v = 72 km/h = 20 m/s →

α = v2/r = 202/100 = 4 (m/s2),
mg = 重力,
N = 垂直抗力
摩擦0の条件 →

Ncosθ = mg,
Nsinθ = mv2/r = mgtanθ

v2/r = gtanθ ∴ tanθ = v2/rg = 0.4, θ = 22°
かなりの急斜面でない限り車は転倒しない

Def. 周期 cycle: 周期運動で同じ状態を繰り返す(一定の)時間, T = 1/fR

fRT = 1, fR = 1/T

Q.半径5 mのメリーゴーラウンドが周期10秒で回転

(1) 回転数(fR)
(2) 中心から4 mの所の木馬速さ(v)
(3) (2)の木馬の加速度(α)
(4) αは重力加速度(g)の何倍か

A.__fR = 1/10 = 0.1 /s

v = 2πrfR = 2π × 4 × 0.1 = 2.5 m/s
α = v2/r = 2.52/4 = 1.6 m/s2
(1.6)/(9.8) = 0.16 (倍)

Def. 振動 vibration (振動運動 vibrational motion): 物体が釣り合いの位置の周りで同じ道筋を動く周期運動
Def. 単振動(調和振動, 往復運動) simple harmonic oscillation (motion): 釣合い位置からのずれ ∝ 復元力 → 振動

Def. 減衰振動: 外部から力を与えないと振幅が小さくなる振動 ↔ 強制振動 forced oscilation (vibration)

Def. 波動 undulation: 振動が伝わっていく現象 Ex. 地震
単振子(振子) simple pendulum

長さl、質量mの重り(分銅) weightの他端を天井につけ固定し振動させたもの
Ex. 質量mの物体が水平直線上でx(t) = asin(ωt)で表わされる単振動 → mに働く力

Def. 弾力(弾性力) elastic force (adv. elastically弾性的に): f, or c (e~ – s~を結ぶ係数, テンソル): 外力を取り除いた時にもとの形に戻る力
Law. フックの法則 (Robert Hooke 1635-1703), f = -kx → 力が変位 displacement に比例

k: 弾性係数 elastic coefficient

(バネならバネ定数 → 本質的な弾性率の1つ)

x: 変形量
α = d2x/dt2 = dv/dt,
v(t) = dx/dt = ωacos(ωt),
α(t) = dv/dt = –ω2asin(ωt) = -ω2x,
f(t) = mα = -2x = -kx

Q. 水平な回転盤上の中心軸に質量m (kg)の球が長さl1 (cm)のバネで結ばれている。この円盤を1分間にx回転(x rpm)させたら、球も同じ回転数で回転し、バネの長さはl2に伸びた。この時の、

(1) 球の向心加速度と、
(2) 球に対するバネの弾力、
(3) バネ定数、
を求めよ

A.__(1) 回転数 fR = x/60 (/sec) →

球の向心加速度 a = r(2πfR)2 (m/s2), (r = l2)

(2) 球の向心力 f = = m·r(2πfR)2
(3) バネ定数 k = f/(l2l1)

単振動方程式 (調和方程式)

f = mα = –kx (k > 0: バネ定数), ω := √(k/m) → α = -ω2x
α = d2x/dt2d2x/dt2 = -ω2x → 単振動の微分方程式

Ex._m·d2x(t)/dt2= f = -kx(t): 単振動方程式 … (1)

a = m, b = 0, c = +k, f(t) = 0 → x(t) = x0cos(ω0t + α) … (1')
dx/dt = -ω0x0sin(ω0t + α)
d2x/dt2 = -ω02x0cos(ω0t + α) = -ω02x(t) … (2)
(2) → (1): m·d2x(t)/dt2 = –02x0cos(ω0t + α)
02 = k or ω0 = √(k/m) … (3)

(3)式を満足すれば(1')のx(t)は(1)式の微分方程式を満足する
(1)式の解はx(t) = x0cos(ω0t + α)。x0, αはICにより決まる

f = -kx = -02x

t =0, x(0) = 0, v(0) = v0 (-02 = k: バネ定数)

0 = x0cosα (α = π/2)
v(t) = -ω0x0sin(ω0t + α)
v(0) = v0 = -ω0x0sinα = -ω0x0 [sinα = sin(π/2) = 1]
x0 = -v(0)/ω(0) = -v0/ω0
x(t) = -(v0/ω0)cos(ω0t + π/2) = (v00)sin(ω0t) //

Ex. 鉛直面内の"円周上の運動"
→ 一端に石を結び付けた紐の他端を固定し鉛直面内に回転させる oscillation

fx = x … (1),
fy = y … (2),
fx = -Tcosθ … (3),
fz = -mg - Tsinθ … (4)
α = x''(t), x(t) = rcosθ (r = constant = l)
x'(t) = -lsinθ·θ'(t), x''(t) = -lcosθ·θ2 - lsinθ·θ''
y - z: ay = y''(t)
y(t) = lsinθ, y'(t) = lcosθ
y''(t) = –lsinθ'2 + lcosθ·θ'' – Tcosθ = (–lcosθ·θ'2lsinθ·θ'') × m … (5)
mgTsinθ = (–lsinθ·θ'2 + lcosθ·θ'') × m … (6)
y''(t) = –lsinθ'2 + lcosθ·θ''
(5) × sinθ - (6) × cosθ
mgcosθ = (–lsin2θ·θ'' – lcos2θ·θ'') × m

= –mlθ''(sin2θ + cos2θ) = –mlθ'' … (7)

(7)式はθ(t)についての微分方程式 → 解ければ運動方程式求まる
θ(t) = -π/2 + δ(t) (δ ≤ 1)
cos(-π/2 + δ(t)) = -sinθ
θ''(t) = δ''(t)
(7)式 -mgsinδ(t) = ld''(t)
近似 sinδ ~ δ: ml·(d2δ(t)/dt2) = –(g/lδ(t) … (8)
→ (8) = 単振動(調和振動)方程式

δ(t) = Acos(ω0t + r), ω0 = √(g/l) (A, r, 初期条件で決定)

クラドニ図形 Chladni's figures (独, 18世紀末, 音響学の父)

水平に置いた板や膜 = 横振動 → 上に砂を撒く → 砂は節線(殆ど振動しない部分)に集まる → クラドニ図形 (ギター胴板の振動を調べる時等に使う)

Ex. 等速円運動 uniform circular motion: l (原点の取り方にで異なる) = constant, |l| = constant = rp = mrv = mr2ω oscillation

等速円運動 → 円の中心に向かって向心力が働く → これは中心力なのでlは一定
→ 等速直線運動: 原点位置によりlの大きさは異なるが時間的には一定
運動方程式(相対論力学でも成立)

単振子: l, 糸の長さ. m: 振子の重りの質量 →

f = -mgsinθ
Case. 振子の振幅小 → 近似: 重りはx軸上を動くとみなせる
運動方程式 = m·(d2x/dt2) = -(mg/lx

α = (d2x/dt2) = -(g/lx

ω := √(g/l) → α = (d2x/dt2) = -ω2x
→ 単振子の運動は単振動である
振動数, f = ω/2π = 1/2π·√(g/l) → 周期, T = 2π/ω = 2π·√(g/l)

→ 単振子の周期Tlのみで決まる

→ 振子の等時性 (1583年にガリレオがピサの大聖堂の時計を観察し発見, 逸話?)

Q. 周期が1秒の振子の長さ
A. l = gT2/4π2 = (9.8 × 12)/(4 × π2) = 0.25 m

g = (4π2l)/T2 → 重力加速度(g)を正確に求めることが可能

リップルタンク(水波投影機) ripple tank: 波動を観察するタンク

メカトロニクス (mechatronics)


= 機械工学 + 電子工学
機構と運動: 機構明確 → 効率良いシステム構築に有効 →
Def. 機械: 構成各要素が限定された運動を行う

対偶 pair: 複数要素 element が互いに接触し限定された運動を行う組み合わせ
機構 mechanism: 対偶の組み合わせ → 機械の運動を伝達したり、動作の変換等を行う

機械は、機構に着目すると構造を理解しやすい

理想機械 ideal machine → 不可能

運動の伝達と変換 transformation

mechatronics 節 node: 運動を与える側 = 原動節 driver →

[伝達・変換] → 受ける側 = 従動節 follower
Ex. 歯車: 原動節と従動節で回転の向き・速さが変換

→ 回転の平衡(回転のつりあい) rotational equilibrium

潤滑材 lubricant: 機械の磨耗を防ぐため用いる物質
Def. 摩擦(力) friction ≡ F → 動かない間 f = -F

Ex. 机の上の物体を指で押す: fが小さい間は物体は動かない → F存在
摩擦係数 coefficient of friction

mechatronics 1) 静止摩擦 static friction: 静止している物体の摩擦力
Def. 最大摩擦力 Fmax: 物体が動きだす限界時点の摩擦力
Eq. Fmax = μN, N: 垂直抗力 →
Def. 静止摩擦係数 coefficient of static friction ≡ μ s

接触する物体の材質、粗さ、乾湿等の状態で決まる定数
μ < 1 → 引きずる方が楽, μ > 1 → 持ち上げて運ぶ方が楽

Def. 粗面: 摩擦の無視できない面 ⇔ 滑面: 摩擦を無視してよい面

Ex. 斜面上の物体(0° ≤ θ ≤ 90°): N = Wcosθ, F = Wsinθ
mechatronics

静止の条件 FμN = μWcosθ ∴ tanθ = sinθ/cosθμ
Ex. θ = 30° → μ ≥ 0.58, θ = 45° → μ ≥ 1.0

摩擦角 angle of friction: 傾斜を増し物体が滑り出す時の角度

2) 滑り摩擦(運動摩擦, 動摩擦) sliding friction: 接触する2つの物体間の速度差を減らす摩擦
Eq. Fmax = μ'N
Def. (運)動摩擦係数 coefficient of sliding friction ≡ μ' [一般則] 0 < μ' < μ
Ex. 斜面を物体が滑り出す: N = Wcosθ, F = μ'N = μ'Wcosθ, W = mg

物体に作用する力の斜面方向成分, F//

= WsinθF = mg(sinθμ'cosθ)

加速度, α = F///m = (sinθμ'cosθ)/g
→ 落ち始めてからt秒後の速度, v = αt = (sinθμ'cosθ)/t
→ 滑り落ちた距離, s = (α/2)t2 = (g/2)(sinθμ'cosθ)/t2

Ex. 自動車

前進させる力 = エンジンの働きで誘起された道路による前向きの摩擦力
停止させる力 = ブレーキの中の動摩擦力により誘起された道路による後ろ向きの摩擦力

滑り接触 sliding contact: 複数要素が面(点)で接触しつつ運動 → 接触面(点)に相対速度の生ずる接触

Ex. 直線運動(直動) liner motion, 揺動 shaking, swing

3) 転がり摩擦 rolling friction

→ 回転中心 center of rotation と瞬間中心 instantanueous center: 円以外では異なる
転がり接触 rolling contact: 相対速度の生じない接触

Ex. 回転rotation, revolution, 旋回gyration

1. 歯車(ギア) gear 伝動装置
回転円盤側面に動力伝達のための凹凸を付けたもの Ex. モータ
a. 軸位置関係: 二軸が平行/二軸が直交/その他
b. 歯形状: 軸心に平行/弦巻状/その他
[標準平歯車の計算式] 歯車規格 →
モジュール(歯の大きさ) m (mm), 歯数 Z, 歯幅 B (mm)等で表す gear

ピッチ円直径 diametral pitch, mm, Dp = m·Z
歯先の丈 addendum, mm, H1 = m
歯元の丈 dedendum, mm, H2 ≥ 1.25 × m
歯先円直径, mm, D2 = m(Z + 2)
二軸の中心間距離, mm, C = (Dp1 + Dp2)/2

= m(Z1 + Z2)/2

Def. 速度比speed ratio, i = N1/N2 = Z2/Z1

応用:
水車 water turbine
はずみ車(フライホイール) flywheel: 回転維持に使う重い車

Ex. ゼンマイ、ガソリンエンジン gasoline engine

2. リンク機構 link mechanism
link 運動形態変換装置: 回転運動 → 他の運動に変換
3節以上の節を、主に回り対偶、滑り対偶により連結した組み合わせ

Ex. (三節リンク = 構造体), 四節リンク = 運動変換に利用, (多節リンク = 動き限定できない)
回転節: クランク crank = 回転運動を行なう節

Ex. クランクシャフト crankshaft

揺動節: レバ lever = 限定された範囲を揺動する節
連接節: ロッドconnecting rod = 原動節と従動節を連接する節

3. カム機構 cam mechanism

link
円盤カム

(主に)回転運動-直線運動の変換を行う

円板カム plate cam: 回転円板の円周側面に従動節設けたもの
確動カム positive cam: 従動節運動を往復ともに強制的に駆動する

Ex. エンジンのカムシャフト

立体カム solid cam: 回転球体表面や三次元形状による変位を利用し従動節駆動
平面カム plane cam: 回転体平面部分に設けた溝・突起を利用し従動節を変位

ピストン piston: 機関・ポンプのシリンダー内部で往復運動をする栓
軸受け(ベアリング) bearing: 回転軸を支えるよう作られた受け機構
てこ lever
支点 fulcrum、作用点 load、力点 effortの位置を変化させ、力の大きさを変える器機 link

加える力の腕の長さ effort arm (effort distance)
固定端 fixed end: 固定され自由に変位できない場合の系の呼び名 → 自由端 free end

Def. 力のモーメント moment of force (トルク torque), N = rf (外積) link

N:: ものを回すときの強さ(とイメージ) → 力の能率
r: 作用点から回転の中心までの距離と方向(OP),
f: 力,
p: 運動量

r: 腕の長さ torque arm

N = rsinθ [中心力 central forceならばr = constant]
「モーメントが釣り合っていれば回転しない」
[トルク単位] ニュートンメーター newton-meter, N·m (稀, kg·m)

1) 作用線が一致 (Ex. てこ)

link
P1[P2]の力によるO点に関するモーメント M1 = +P1l1 [M2 = -P2l2]
O点に関するモーメント, MO = +P1l1P2l2
→ Case. MO = 0 → モーメントが釣り合っている(回転しない)

P1/P2 = l2/l1, or P1l1 = P2l2

2) 作用線が不一致: 2つ以上の平行な力が働くときの合力

link
Oに関するモーメントMOを考える

MO = -P1l1 - P2l2 -P3l3 + Pxlx = 0 [釣り合う場合]
Px = - P1 - P2 - P3
lx = (P1l1 + P2l2 + P3l3)/(P1 + P2 + P3) → 合力のOからの距離

W = Σi=1nmig = mg := 0 → 重心が求まる

道具類

クランプ(つかみ) clamp: 物(Ex. 梁と梁)を繋ぐため等に打つ金具。両端を直角に曲げたコの字型をする
エンジン engine
→ 吸入行程 intake stroke
→ 爆発行程 power stroke
→ 排気行程 exhaust stroke:

圧縮過程 compression stroke
スパークプラグ spark plug: 爆発に必要な火花を出す装置
ラジエータ radiator: 暖房装置の放熱器、水冷エンジンの冷却器
自動推進体(発射体) projectile Ex. ロケット

駆動力 driving force: 円運動の回転方向にかかる力(↔ 制動力 damping force) → 摩擦力発生方向により定義

Ex. アクセル → 車加速 → 働く摩擦力 = 駆動力
Ex. ブレーキ(制動機: 機械としてのブレーキ) → 車減速 → 駆動力と逆向きに働く摩擦力 = 制動力
Def. 減速度 deceleration, α = f·(g/W), W: 過重, f: ブレーキ力, g: 重力

質点系・剛体の力学


質点系の運動量と角運動量

Def. 剛体 rigid body: 力を加えても、変形しない物体(理想)

剛体として扱えるか否かは問題による
Ex. 鉄球(鋼、鋼鉄 steel)の転がり運動 = 剛体

vs 鉄球を叩くときに出る音 = 弾性体(変形し音が出る)

全体としてのエネルギー(重心の運動エネルギーと重心の周りの運動エネルギー)が無視できる位小さい

m1, F1__m2, F2
____

内力: 考える系内部のみで働く力 ⇔ 外力: 系以外からの力

外力に応じ単体で存在し得ず、発生しても合力は0
力発生 → 物体に内力と反対方向に大きさが同じ力発生 (運動第3法則) → 力は物体内部伝達
F1 = –F2
m1·d2α1/dt2 + m2d2α2/dt2 = 0, 外力0 → 全運動量の保存 conservation of total momentum
第2, 3法則から導出 - 内力の性質によらない(保存力 conservative forces: 摩擦力等いかなる力でも可)

弾性衝突 elastic collision: 運動エネルギーが保存する衝突
↔ 非弾性衝突 inelastic collision: 熱・変形
重心 center of gravity (質量重心 center of mass)
重心質量は外力のみで決定

→ 質量は全質量が重心に集まった様に振る舞う

重心の性質
  1. 重心の運動は全質量が重心に集まり、全外力が重心に集中したと考えた質点運動と同じ(内力無関係)
  2. 重力場における位置エネルギーは全質量が重心に集まったときのそれに等しい
  3. 重力における重心の回りのモーメントはD
body 1) 回転運動: 剛体: 大きさを持つ → 質点と異なり各点で速度が異なる
Ex. 円盤 → 剛体を多数の質点miの集合と考える → ri:mi点の半径

miにおける運動エネルギー, EKi

= 1/2·mivi2 = 1/2·mi(riω)2

→ 円盤全体の運動エネルギー, EK

= Σ1/2·mi(riω)2 = 1/2·ω2Σmiri2 := 1/2·ω2I

Def. 慣性モーメント moment of inertia, I = Σmiri2 = mr2
body Ex. 円筒の中心軸の回りにおける慣性モーメント:

ρ = kg/m3, M = ρV = ρπl(b2 - a2)
I = Σmiri2 = abr2ρdr·2πr = 2πlρabr3dr = 2πlr[r4/4]ab

= 1/2·πlr(b2 + a2)(b2a2) = M/2·(b2 + a2)

慣性モーメントは中心軸を指定しておく必要

Th. 平行軸の定理
質量 m, 剛体内の1点Oを通る回転軸(z軸)の周りの慣性モーメント I
重心Gを通りz軸に平行な軸の周りの慣性モーメント IG

I = IG + md2, d: Gz間の距離

body
細長い棒: IG = 1/12·mL2

ボルダの振子: 金属球 →

半径 R, 質量 M. 振子針金 → 長さ L, 質量 m (L > R)
IG = 2/5·MR2, d = L + R
→ 振子の慣性モーメント, I1 = IG + M(L + R)2
→ 針金の慣性モーメント, I2 = 1/3·mL2
I = I1 + I2 = IG + M(L + R)2 + 1/3·mL2

body
細長い棒: I = 1/3·mL2

Ex. 半径 r, 質量 m の剛体 → 円運動

接線方向の運動方程式 Ft = t
Ftr = N = tr = m()r = mr2α
剛体を点集合と仮定 → Ni = miri2α
N = ΣiNi = Σimiri2α = (Σimiri2)α = = N, I(d2θ/dt2) = N
剛体では微小部分間に働く力は釣り合う → 内力は考えないでよい

Def. 外力のモーメント, N = ΣiNi
2) 歳差運動 precession: 回転軸が時間と共に変化する運動

→ 外力による → dI/dt ≠ 0

Law. 角運動量保存の法則: 回転軸の周りの外力モーメントが0

→ 物体固定軸の周りの角運動量は一定

Ex. 駒の首振運動, スケートのスピン, 水泳飛込み回転

回転の慣性 rotational inertia
Ex. 駒を回す → 静かに立てても立たない → 回転している時は直立続く

3) 平面運動: 剛体の全ての点が同一平面状を動く運動
body 剛体の位置は、重心座標(X, Y)と重心の周りの回転角θが分かれば決まる
運動方程式 mα = F (x = Fx, y = Fy)

α: 重心加速度,
F: 剛体各部分に作用する外力の合力(ベクトル和)

IGα = IG(d2θ/dt2) = N

IG: 剛体の重心を通りz軸に平行な直線の周りの慣性モーメント
N: 剛体に作用する外力のこの直線の周りのモーメント和
α: 重心の周りの回転角加速度

a) 滑り(並進 translation)運動: 質点の運動と同じく考えられる

r: 円柱(円筒・球・球殻)の半径
G: 円柱の重心
ω: 重心の周りの角速度

body
(a) 速度vの並進運動__(b) 角速度 ω = v/rの重心__(c) = (a) + (b)
_____________________の周りの回転運動
_____________________- = -V
b) 転がり運動

滑らない → 摩擦熱はない = 力学的エネルギー保存
V: 重心速度(並進速度)

Case (b)

-: 点Pにおける回転速度
vP = 0: vP, 接点Pにおける速度 → 滑らないので0
V = → 重心速度と回転速度は打ち消しあう → ω = V/rの回転運動
→ (c) = (a) + (b)

転がり運動の運動エネルギー, EK = 1/2·IGω2 + 1/2·mv2 = 1/2·(IG/r2 + m)v2

これは質点の運動エネルギーmv2/2の[1 + (IG/mr2)]

body Q. 斜面の転がり運動: ゆで卵はなぜ生卵より早く転がるか
A. 位置エネルギー, mgh =

1/[1 + (IG/mr2)] + (IG/mr2)/[1 + (IG/mr2)]
右辺第1項 = 重心運動の運動エネルギー
右辺第2項 = 回転運動の運動エネルギー
→ 重心の速さ: 斜面を滑り落ちる場合の1/√{1 + (IG/mr2)}倍

IG/mr2 大 → 遅く落ちる

2つの質点の運動(質点間に力が働くとき)

Ex. 地球と太陽
1) 2つの質点の衝突collision: 働く力 = 内力のみ body

衝突前速度: v1, v2 → 衝突後速度: v1', v2'

→ 運動量 p1 = m1v1, p2 = m2v2, p'1 = m1v'1, p'2 = m2v'2

運動量保存則 p1 + p2 = p1' + p2'
内力の具体的振る舞いを知ればv1', v2' が求まる
(そうでなければ、求まらない)
v1'式が与えられれば反撥係数を用いv2'を求められる

Def. 反撥係数(跳ね返り係数) coefficient of restitution, e: 衝突前の速さに対する衝突後の速さの比

body
1球の衝突での反撥係数 e = v'1/v1, 0 ≤ e ≤ 1
2球の衝突での反撥係数 e = (v'1v'2)/(v1v2)

Ex. m1v1 + m2v2 = m1v'1 + m2v'2, e = (v'1v'2)/(v1v2), v1 > v2

v'1 = {(m1e·m2)v1 + m2(1 + e)v2}/(m1 + m2)
v'1 = v1 – {m2(1 + e)/(m1 + m2)}/(v1v2)
v'2 = {m1(1 + e)v1 + (m2e·m1)v2}/(m1 + m2)
v'2 = v2 –{m1(1 + e)/(m1 + m2)}/(v1v2)
v'1v1, v'2v'2, v'1v'2
Case, m1 = m2, e = 1 → v'1 = v2, v'2 = v1 → 速度交換
Case, v2 = 0 → v'1 = (m1m2e)/(m1 + m2v1 → 跳ね返る

2つの質点の相対運動 relative motion (内力のみ)

μ = m1m2/(m1 + m2), or 1/μ = 1/m1 + 1/m2

Def. μ: 換算質量 reduced mass
m2m1: μ ~ m1 vs m2m1:μ ~ m2

2体の運動は1体の運動と重心の運動に分離出来る
= 2つの質点の運動までは完全に解ける (3つ以上では特別の場合を除き解けない)

偶力 couple (of force): 作用線が平行で、互いに大きさが等しく、方向が反対向きの2つの力の組 (F, -F)

2つの力によるモーメントは、それぞれの力の作用する点間を位置ベクトル rN = r × F

N: 偶力モーメント moment of a couple, F: 力(偶力), ×: 外積

剛体に働く任意の力は、1組の偶力と、剛体の重心を並進させる力に分解できる

(剛体の力学的)運動エネルギー, EK

= Σ1/2·mivi2 = 1/2Σmi(ri)ω2 = 1/2Σ(miri)ω2 – 1/2·2
剛体の運動エネルギー E = 1/2·MvG2 + 1/2·I'ω'2

I': 重心を回る軸の回りの慣性モーメント, ω': 重心の回りの角速度

一般に dL/dt = N … (1) → dL'/dt = N' … (1'), N·d2L/dt2 = F … (2)
  1. 問題に応じ(1) + (2)又は(1') + (2)を組み合わせ解く
  2. (2)式は抗力Rを求めるため使われること多
  3. (1), (1')式どちらを使うかは出来るだけRを含まないように選ぶと良い
    但し(2)が複雑にならない場合はこの限りでない
    Ex. 1 斜面を転がる円筒, Ex. 2 実体振子

惑星運動 (planetary motion)


無重力状態 null gravitional state (無重量状態 weightless state): 重力に逆らって働く力がない
= 重力加速度で自由落下してる状態

微小重力 microgravity: 無重力に近似可能な状態 [近似可能な状態]

Q. エレベータ: 下向き加速度 = 1 m/s2, 乗る人の体重 m = 50 kg

→ 床から受ける垂直抗力Nを計算

A. 人に働く地球の重力, W = mg = 50 (kg) × 9.8 m/s2

= 490 kg·m/s2 = 490 N (= 50 kgf)
1) 静止 → 重力 = 抗力 → 抗力 = 490 N, or 50 kgf
2) 降下 → 人の運動方程式: = WN = mgN

N = mg = m(gα) = 50 (9.8 – 1) N = 440 N = 45 kgf

→ エレベータが降下している間、体重が5 kg軽くなったように感じる

万有引力 universal (constant of) gravitation →
万有引力の法則 law of universal gravitation (universal law of gravitation)
Law. ニュートンの万有引力の法則 Newton's law of universal gravitation

planet
2物体間に働く万有引力attractionの大きさF

1) 2物体の質量Mmの積のMmに比例
2) 物体間の距離rの2乗に反比例

F = G·Mm/r2
Def. G: 重力定数(万有引力定数) (uiversal) gravitational constant

= 6.67259 (≈ 6.67) × 10-11 Nm2/kg2
Case 地球: M = ME, r = rEmg = G·mME/rE2

Q. 質量1 kgの2個の金球の中心を5 cm離しておく

2個の球間に働く万有引力の大きさF

A. F = G·m·m/r2 = 6.67·12/0.052 = 2.7·10-8 N
Q. rE = 6.37·106 m → 地球の質量を求める
A. ME = grE2/G → 6.0·1024 kg
人工衛星: ニュートンが予測(プリンキピア中に見られる)

人工衛星の結合エネルギー binding energy of a satellite

一方的な中心力 Ex. 地球・人工衛星の軌道 orbit (trajectory)
Def. 中心力: 固定点と作用する物体を結ぶ直線に沿って働く力

→ 固定点 = 力の中心
Ex. O: (地球の)中心, r: (地球の)半径, m: (人工衛星の)質量

mg: 重力 = 中心力

v: 人工衛星速度 → 運動方程式: mg = mv2/rv2 = rg
地球: r ≈ 6370 km

v = √{(6.37 × 106 m) × (9.8 m/s2)} = 7.9 × 103 m/s

軌道上の速度 orbital velocity: 人工衛星は7.9 km/s (= 周期84分)で動く

地球と月
moon gM: 月が地球に向かい落下してくる加速度, rM: 地球の中心と月の中心間の距離,
RE: 地球の半径
rM = 60·RE

gM/g = RE2/r2
gM = (RE2/rM2g = (9.8 m/s2)/3600

= 2.7 × 10-3 m/s2

TM: 月の公転周期 (27.3日 = 2.36 × 106 s),
vM: 月の速さ

vMTM = 2πrM

αM: 地球の周りの円運動向心加速度

αM = vM2/rM = (2πrM/TM)2·(1/rM) = 60RE·(2π/TM)2
αM = 60 × 6.37 × 106 m × 2π/(2.36 × 106 s) = 2.7 × 103 m/s2

αM = gM → 万有引力
万有引力による位置エネルギー: 中心力 = 保存力

→ 位置エネルギー存在, E = EK + EP = constant
距離rの2物体をゆっくり無限大(∞)まで引き離す時に外力がする仕事,

W = rG·(mM/r2)drG·(Mm/r)

距離rの2物体間の万有引力による位置エネルギー, U(r) →

W = U(∞) – U(r) = -U(r)
U(r) = -G·(Mm/r)

物理的考察
E < 0: r1rr2________楕円
E = 0: rmr → ∞, r' → 0_放物線
E > 0: rm < r → ∞, r' → 0_双曲線 hyperbola

Def. 有効位置エネルギー: 運動エネルギーに変換されうる位置エネルギー
ケプラーの惑星運動の法則 Kepler's laws of planetary motion
地球の衛星(= 月)および人工衛星は一般に楕円軌道を回る

遠地点 apogee: 軌道上で地球から最も遠ざかった点(人工天体: 地表-遠地点までの高さを扱うこと多)
近地点 perigee最も近づいた地点
→ 遠地点・近地点および地球の重力中心は一直線をなし、この直線は楕円の長軸に一致

太陽の周りを回る天体(惑星、小惑星、彗星、人工惑星等)に対し: 近日点 perihelion ↔ 遠日点 aphelion
一般的な天体に対し: 近点・近星点 periapsis ↔ 遠点・遠星点 apoapsis

摂動 perturbation: 惑星等がその引力によって他の惑星等の運動を乱すこと
→ 多体問題 many body problem: 互いに相互作用する3体以上からなる系を扱う問題

2体問題: 厳密に解ける (Ex. 太陽-地球) → 月の運動も考える = 3体問題
3体問題 problem of three bodies , three body problem → 解けない(限定条件下では解存在)

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