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(2019年10月20日更新) [ 日本語 | English ]

論理学: 論文を書く時の作法 (logic)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

• 論文英語の作法は、少しずつこっちに移動

[ はじめに | スタイル | 論理 | 用語 | ゲラ | 参考 ]

はじめに


 毎年毎年、同じことを言っているのに気づき、嫌気を感じざるをえない。そこで、ここにまとめておいて「これを読め」で終わりにする作戦を敢行することとする。ここに書いたような間違いだらけの原稿見ると、そちらにばかり目がいって、肝心の内容の修正が追いつかない。極めて非効率的となるので、せめてこの位は、守るべき(人に見せる時の、最低限のマナーとも言える)。全て中学校の参考書に書いてあることだから。うちらの英語なんて、あれで十分だ。

  1. 英語に直すこと(私は日本人よ)。直しても言うこと聞かないし。
  2. 謝辞に赤。[これ位、自分の気持ちで書いてくれ...]
    今年のを、ちらっと見たら、苗字の最初の文字が小文字だったり、Kuboと書くつもりだったんだろうけど、Kudoになってたり。ワヤだ...けど。
  3. 参考文献を1つ1つチェックすること。
    文中に引用されてて文献欄になかったり、その逆だったり。ひどすぎる。

心構え

 パワポ使いへの警告(榊原 廣, 講談社BIZ)をもじると、Micro$oft使いな論文書きへの警告となる (2010年5月10日)。こんなことばかりしてたら、それは、ペラい論文しか書けないわな。

  1. ワードで原稿を書きながら、論文そのものを考える。
  2. 論文の全体像を考える前に、ディーテールにばかり目を向けてしまう。
  3. いつもの原稿を使いまわす。
  1. オフィス、統計ソフトの機能でできないことは諦めてしまう。
  2. 「カット&ペースト」でデータ(文章)を切り貼りして、論文の流れを見失う。
  3. (解析とかグラフとかの)演出に懲りすぎて、論文の本質を忘れてしまう。

 なるほどね。

科学者はいかに書くべきか (溝口 1976)

説明: 科学的記述における目的は説明すること

  1. 明晰
  2. 完全: 知識の限界を認識する
  3. 公明正大: 論点の基礎となる仮説を明確に
  4. 論理的順序

正確: 実験は反復可能であり、全ての結論は立証できるものでなければならない
客観性: 推測は証拠にならない。他人(大多数)の意見を事実として述べることはできない

 推測を支持する結果が得られてなければ、さらなる研究の必要性を述べる。読者の想像力に任せる部分があってはならない。感情表現を記述に入れてはならない

文章は一気に書く! ⇒ 初稿が完成したときが訂正のとき

• いつか、出版社にこの原稿持ち込んでやる。

[ 形式 (体裁) | 引用 | 単語 ]

スタイル


形式 (体裁)


特に文字形式指定のない雑誌の場合は、フォントはTimes New Roman12 ptを指定しておくと、もっとも無難である。
IMRAD
自分が投稿したい雑誌のスタイルに統一するのがよいとは思うが、フルペーパーであれば、IMRADは、お約束のようなもの。また、以下の点は守ってもらわないと、こちらが困る。

Abstract (雑誌によってはSummary)は必ずつける。
References (雑誌によってはLiteratures cited)は必ずつける。
これらがないと、こちらとしては直しようがない。特にDiscussionの可否の判断は不可能に近い。パラパラと、イントロとマテメソを書いたので持ってきたとかいうのは最悪に近い。

[重要] 日本語フォントは、ファイル名を含めて、絶対に使わない(あとで泣きをみるので)

度(°C, ギリシア文字( α, β など)も英語フォントで出せる。算術記号(× など)も同様。スペースが日本語フォント(全角)になってると気づきにくいので特に注意する。

文末のピリオドの後は2(または3)スペース開ける。(最近はそうでもない雑誌も増えてるが)
属名を省略したピリオドの後は1スペース開ける(→ 学名の書き方)。

 A.monoではなく A. mono

形式に入れておくけど(自分にとっては形式だけど)、以下の書き方はどこから来てるんだ(スペースはアンダースコアで示す)。日本語だとスペース空けないからなんだろうか。英語では、4 weeksはfour weeksで2単語だもんね。括弧の中のスペースは、何故なのか不明だが、全部そうしてあるということは何か意味があるんかな。

4weeks → 4_weeks
30days → 30_days
0.5cm → 0.5_cm
1.2kw/m² → 1.2_kw/m²
(_Baskin 1990_) → (Baskin 1990)
(_Fig. 2_) → (Fig. 2)

上と逆の場合で、%とか°Cの前は開けない。記号なので。80%, 15°Cなど。

引用と盗用

引用


引用文献は良く読んで欲しいものだ。どう考えても、そういうことが書いてあるとは思われない論文が引用されていて、仕方なしに原著を読むとまったく逆のことが書いてあると、Discussionなんて直そうという気はもう起こらない。孫引きも、引用内容の間違いの一因であるので、必ず、原著をあたるべき。
誰がそういったかをはっきりさせるためにも、引用は重要である。何も引用されてなければ、(文章の流れで誰が言ったかが分かる場合を除き)著者が言ったことになる。極端に言えば、まったく引用のないDisucssionは、著者の思い込み、あるいは妄想だけが書いてあるということになる。
たくさんの論文を引用するのがいいことだと勘違いしていないだろうか。適切な引用が良いに決まっている。例えば、

Frost occurs in fall and spring in post-mined peatlands (Price 1996; Groeneveld and Rochefort 2005).
...
Because it is detected that disturbance has been such the effective benefits and determinant factors for vegetation dynamics, it is considered that artful disturbance, e.g. prescribed fire, is important for maintenance or conservation tool in ecosystems around the world (Leach and Givnish 1996, Van Dyke et al 2004, Hochkirch and Adorf 2007, Cox and Allen 2008) and fire is important factor (Baskin and Baskin 1998).

こんな引用なら、まったく不要である。その論文に何が書いてあるか分からないし、当たり前すぎるので、引用の必要はない。英語もすごいけど。

Plants have light-limiting strategies (Anderson et al. 1995).

そもそも、文章そのものが不要だし。光合成しない植物なら話は別だが。
見えない引用
「私信 personal communication」、「資料未記載 data not shown」、「準備中 in preparation」という引用は、その論文の価値を下げてるだけだと思ってよい。これらは、本当に、他に方法がない時に使うものである。理由は、少し考えれば、分かるはず。永久に準備中の論文や、データと話が違ってたり。
私信は、当人に確認をしてから引用する。昔、「某地域にアリ塚を作るシロアリはいない」と言ったはずなのに、「某地域にアリ塚を作るアリはいない(何某, 私信)」として引用され、印刷になってから、私信を述べた人が、「責任は俺か」と、ショックを受けていた。
図・表
図表は見やすく、というのはあたりまえだけど。引用の仕方でも見やすさは変わってくる。(Figs. 1, 3 and 6)とかいう眩暈のするような引用の仕方をされてもねー。人間は一度に3つの図を見ることはできない。しかも、あちらこちらで飛び飛びに引用されてると、もう少しコンパクトにまとめられないの、と感じ、そこで読むのをやめる人も多かろう。

単語


基本(お約束ともいう)

 Native speakerの書いた論文で、滅多に目にしない単語を、ちょこちょこ使わない。それには、必ず理由があるので、辞書で確認すること。

 especiallyは、まず日本人が使うと直される(ピーターセン 1988)。だったら、最初から使わない方が良い(そういう単語はたくさんある)。

 単語の綴り確認については、いろいろコメントしたいことがあるが、特に注意して欲しいのは、最近のワープロの発達に伴いスペルチェッカーに綴り確認を依存(または信頼)しすぎたための間違いが良く見られる。スペルチェッカーは綴りしかみないので、このような間違いは見つけない。

ranged form 1 to 5 ⇒ from
wind seed ⇒ wind speed
M. sinensis grassland is highly heterogamous ← 今までで一番すごいと思ったが
prat surface ... ⇒ そんな表面を調べてどうするんだ
The fist ordination axis ... ← 気が変になりそうだ

このことを話したら、「コンピュータが悪い」とのたもうた元学生もいるけど。それは、ないんでないの。さらに、キーボードの配列がよろしくないという発言も聞いてみたり。rとeが隣にあるのはよろしくないらしい。
 bvも駄目なようで。

Responses to ultrabiolet on two plant species in the early stages of succession
この人の修論タイトルなんだが、大丈夫か(表紙を見た瞬間にやる気が失せたのも事実だが)。さらに、abobe-groundとかも止めて欲しいなー。スペルチェックの気配なし。

そういえば、日本語には子音の後に母音が入るから、以下のような綴りミスもあるらしい。

absutract
 どうせなら、abusutorakutoと書いてくれ。

専門用語
専門用語は、業界内の世界では重要である。これを使うことによって、文章の曖昧さを大きく減らせる。大学入試では、"落葉"という単語を知らないときには、以下のように書いておけば点数はもらえるんだろうけど、業界では、勉強してない奴と思われて(実際そうなわけで)、それで終わり。

After leaves fall from branches, ...
 落葉は、defoliationといえば良い。上の文は文学の世界では、むしろ、美しい表現なのかもしれないが。
Determining factors of tree regeneration were analyzed by GLMM (Table 4).
 「決定している要因」→ 「決定要因」→ 辞書を引けばdeterminant(s)という単語があるわけだ。前置詞も変わるけど。

和製英語
普段、何気なく使ってて英語だと思ってる言葉には注意したい。
ホチキスは ... staplerだわな。"using the pole or 3 m convex ..."って(コンベックスだけの問題じゃないけど)。アメダスAMeDASは、英語圏では普及していない言葉なのは(気象庁は、国際用語化しようと努力しているようだが)、googleとかで調べるとすぐ分かる。最初に日本語のページが出てくるのは変でしょ。

大学院入る前に「論理学」か「自然科学概論」のどちらかは学んでおくべき

論理学 (logic)


学問の道具organonという意味 ⇒ 学問の方法(学問方法論)
言葉は本来、理性的で、人間はこの言葉としての理性の働きにより対象法則を求め見出す。法則を求め、見出す方法、この方法の正しい形式が論理である。「正しい形式」であって、内容に関知しない。法則発見方法としての推理推論の過程が必然的であるということが正しい形式ということであり、前提の真偽は形式科学としての論理学の対象ではなく、それは内容科学としての経験科学の仕事になる
学問方法論
学問方法論一般(論理学、最広義) - 学問論、科学論、科学方法論
論理学(s.l.)

哲学的論理学 - カント的認識論、ヘーゲル的弁証法を含むもの
形式論理学(s.l.) = 論理学(s.s.)

演繹的論理学(論理学)

伝統的演繹論理学
記号論理学

形式論理学(s.s.) = 論理学(最狭義)
帰納論理学(帰納法) - 類比、類比推理

⇒ 論理学との間連分野: 思考思理学、文法学、言語学、数学他
推論の研究(本来)
BC4C アリストテレス: 推論形式の大系化 Ex. 三段論法
1847 Boole, George: ブール代数開発
1879 Frege Gottob: 述語論理開発 → 命題論理・述語論理 predicate logic
1880s- 記号化・抽象化・数学化 (ラッセル、ヒルベルト、ゲーデル)
1930s- 計算論・コンピュータ科学 (チューリング、ノイマン)
論理
→ 日常的意味: 「論理」という言葉 = 日常的言葉
Ex. 「納税者の論理」と「資本主義の論理」 → 論理の意味は違ってくる

納税者の論理 → 「論理」は「理屈」に近く、多少非難めいた色彩
資本主義の論理 → 資本主義を貫く法則といった意味にもとれる

Logic
Gr. Logos = 1. 言葉、2. 理性、3. 法則 を意味する

論理とは何かを論ずる場合の理(筋道)を意味する。論ずるには、考えねばならないから、思考の筋道ということになる。ただし、筋道とは正しい形式のことである。故に、論理学とは思考の正しい形式の学、となる。

問題設定

1. 問題とされる事物の区分
Ex. 動物 – 動物とは何か → その数(種数), Ex. 鳥 – 鳥とは何か
Eg. 動物 = A, 全ての動物に付随するもの = B, 種々の動物 = C, D, E

C, D, EBが付随するのは、それらがAだからである

2. 問題間の関係
同一問題

Ex. 『なぜ』「音が反響する」、「影が映る」、「虹が映る」のか ⇐ 「反射」 = 共通類

従属関係

Ex. 「なぜナイル川は月の後半に水量が増すのか」 - 月の後半は天候が荒れ易いから__________________________↑ 従属関係

「なぜ月の後半は天候が荒れ易いのか」 - 月が欠けていくから

演繹法的論理 (deduction, deductive logic)

公理 axiom > 定義 definition > 定理 theorem (命題 proposition)
真理
必然的真理
偶然的真理
論理的真理
公理 (axiom)
自明な真理truthとして認められる = 証明せずとも真理
⇒ 他の定理・命題の基礎となる根本命題

= 証明図の一番上に置いて良いもの
Ex. Euclid幾何の公理

定義 definition
  1. 概念的定義 conceptional definition: 概念化による定義 = 種差と類による定義(本来的定義, s.s.) ≠ 「推論(推定) inference」
  2. 原因による定義(論証) Ex. 月食とは地球が太陽の光を遮る現象だ → 地球が間に介在することが原因
    間に介在するものがあると光は遮られる。地球が[太陽と月の]間に介在する。故に(月の)光は遮られる
  3. 操作的定義 operational definition: 実験操作による具体的定義 = 自明的な習慣的定義(明白な明辞による) Ex. 「概念」とは「大体」のこと
操作主義(Bridgeman P 1882-1961, 米): 操作 = 定義 Ex. 長さ = 測る操作があって成り立つ

Stevens SS (米), 心理学: IQは操作主義がきっかけ

専門用語(テクニカルターム technical term)

ある特定の学問分野・業界等の間でのみ使用され通用する言葉・用語群 → 多くは定義される
→ 国語辞典(一般用語)と専門用語事典(特定分野定義)で定義が異なることがある → 背景が異なる

定理 theorem / 命題 proposition
定理: 公理や定義により真偽が決められる推論の基礎になる理論的命題
命題: 公理系が整備された後に問題とされた言明の内、証明されたもの

客観的命題(科学的命題): 真偽を証明・決定できる
主観的命題(価値的命題): 真偽は価値観に依存 - 真偽決定できない

記号論理学 (数学的論理学, symbolic logic)


推論 Ex. 三段論法: 風吹けば 桶屋が儲かる風は吹いた。よって桶屋は儲かった

緑・茶線部は別な文章で置き換えても正しい推論が得られる → 重要なのは「形」であり「意味」ではない
⇒ 記号化可能 = 論理の汎用性

モデル model: 対象領域(与えられた領域)の抽象表現

表現 representation: 命題記号(または述語記号)により記号化を行うこと
解 釈interpretation: 記号化の逆 → 命題論理(あるいは述語論理)の分が与えられた時にモデルにおける意味を与える

. 形式言語とその存在論的および認識論的立場
  言語          存在論的立場          認識論的立場
                (世界に存在するもの)  (事実に対する認識の仕方)
  命題論理      事実                  真・偽(・未知)
  述語論理      事実、オブジェクト    真・偽(・未知)
  時制論理      事実、オブジェクト、  真・偽(・未知)
                関係、時間
  ファジイ論理  真偽の度合い          0 … 1の確信度

述語論理 predicate logic

一階述語論理 first order predicate logic
Def. 言語
個体変項
個体定項(固有名辞)
述語(記号)
論理記号

∀, 全称量化記号 universal quantifier
∃, 存在量化記号 existential quantifier

Def. 一階論理式(文法)
  1. S(*, …, *) ≡ n-項述語記号 →
    t1, t2, …, tn ≡ 項 ⇒ S(t1, t2, …, tn) ≡ 原子論理式 atomic formula
  2. A, B → 論理式 ⇒ (AB), (AB), (AB) → 論理式
  3. A → 論理式 ⇒ (~A) → 論理式
  4. A → 論理式 x ⇒ (xA), (xA) → 論理式
Def. 束縛関係

束縛変項 bound variable
自由変項 free variable

Th. 完全性定理 completeness theorem

|=A (Aが妥当であること) ⇔ |-A (Aが証明可能である)

命題論理

反例 (カウンターモデル) counter-model
Ax. 反射律 reflexivity: x(x = x)

推論規則
1. 交換律 commutativity: (s = t)/(t = s)
2. 推移律 transitivity: {(s = t)(t = u)}/(s = u)
3. {(s = t)A(t)}/A(s)

命題 proposition: その内容が真(+, T, 1)であるか偽(-, F, 0)であるか、いずれかのもの

Ex. ○; 空気は水より重い、× 速く走れ

基本命題: 最も基本的な命題
結合命題: 論理記号によって構成された命題 → 部分命題: 結合命題の構成分子
合成命題: 2つの命題を組合わせて1つの命題を作ったもの

Ex. 「明日、気温は30°Cを越す」「明日私は泳ぐ」 → 「明日気温が30°Cを越せば私は泳ぐ」

命題P, Qにおける論理記号
命題を結び付ける強さの順序 ⇒
∧ and, ∨ or → then, ≡, ~ ⇒ 回路 (circuit)

否定 not: ~P, ¬P or ⌈P (Pでない)

「命題Pが偽」

論理和(離接): PQ (PまたはQ)

「命題P, Qの少なくとも一方は真」

論理積(合接): PQ (PかつQ)

「命題P, Qが共に真」

条件文: PQ, or PQ (PならばQ)

「命題Pが真なら必ずQも真」 (Pが偽の場合は何も言ってない)

論理式

以下の記号を用いて表示される Ex. xN, x2 – 5x + 6 = 0

変要素記号: x, y, z, …
特殊記号:___0, 1, φ, U
関係記号:___=, >,⊂, ⊥ …
写像記号:___+, ×, log, cos, f, …
論理記号:___~, ∨, ∧, →, ↔, ∀, ∃

記号論理記号
1, ∃! 一意的に存在する (一意的に存在)

しばしば∃1x∈S; P(x)と書かれ、集合S中に命題P(x)を成立させる元xが唯1つ存在する

従って, ゆえに, よって (結論)

文頭に記され、その文の主張が前述の内容を受けて述べられる

なぜならば (理由・根拠)

文頭に記され、その文の内容が前述の内容の理由説明である

:=, :⇔ ~とおく (定義)

A:= X」、「A:⇔ X」は、Aという記号の意味するところをXと定義する

命題演算 proposition operation
記号を用い命題に演算を施すこと

p ~p
1_0__pが真 → ~pは偽
0_1__pが偽 → ~pは真

ブール代数

真理表 truth table
双条件文 pq ≡ (pq) ∧ (q → p) 「pならばq、かつqならばp
    p  q  pq  pq  pq    (p→q)∨(qp)
    1  1   1     1     1        1   1   1
    1  0   1     0     0        0   0   1
    0  1   1     0     1        1   0   0
    0  0   0     0     1        1   1   1
Ex. 合意文: 諺, 塵も積もれば山となる: p = 塵も積もる, q = 山となる

pq : 諺成立 + それ以外のことには何も言及していない

即ち、「~p, 塵が積もらない」場合には「山となる」は真でも偽でもよい → p ⇒ ~q以外は全て真

限定記号 =
∀ (全称限量記号, 任意の~に対して) + ∃ (存在限量記号, 存在する)

p(x): 集合Sに関する命題(関数) → 要素xを与えることで真偽の判定が下せることがある
xS, p(x)は「いかなるxについてもp(x)である」 集合Sの任意の元xに対し命題P(x)が成立
xS, p(x)は「あるxについてp(x)である」 集合S中に命題P(x)を成立させるような元xが少なくとも1つ存在

同値(⇔, iff: ~のとき且つそのときに限って, 同値 if and only if): 「PQ」はPQの真偽が必ず一致

同値 (⇔, iff): pq ⇔ ~p → ~q, qp ⇔ ~p → ~q

logic

                   ┌────────┐
             ┌──┼───┐        │
             ↓    ↓      ↓        ↓
    p   q   pq   qp   ~q→~p   ~p→~q
    1   1     1      1       1        1
    1   0     0      1       0        1
    0   1     1      0       1        0
    0   0     1      1       1        1
基本命題の真偽の如何にかかわらず

トートロジー (循環論法, 恒真命題) tautology: q → (pq) 常に真

↑↓ 真にも偽にもなる

恒偽命題(矛盾命題) ~[p → (qp)]: 常に偽 – 論理的に偽な命題

パラドックス(逆理, 逆説) paradox

「次の文は誤りである。前の文章は正しい」 = 循環論法
「全ての規則には例外がある」

三段論法 syllogism

[(pq) ∨ (qr)] → (pr): 演繹法の代表

→ 2個以上の前提から1個の結論を導く
前提 premise, p (p1 = pq, p2 = qr)
結論 conclusion, pr = c

    p  q  r  p →q ∧ q → r     q → r
    1  1  1  1 1 1  1 1  1 1  1  1  1 1
    1  1  0  1 1 1  0 1  0 0  1  1  0 0
    1  0  1  1 0 0  0 0  1 1  1  1  1 1
    1  0  0  1 0 0  0 0  1 0  1  1  0 0
    0  1  1  0 1 1  1 1  1 1  1  0  1 1
    0  1  0  0 1 1  0 1  0 0  1  0  1 0
    0  0  1  0 1 0  1 0  1 1  1  0  1 1
    0  0  0  0 1 0  1 0  1 0  1  0  1 0

⇒ 三段論法は論理的に真な命題 = 妥当的 valid: 思考形式の正しさ ↔ 非妥当的 invalid

Ex. 1. クレタ人の嘘吐き
Ex. 2. プロタゴラスとエウアトロスの論争
Ex. 3. ゼノンの逆理 (詭弁): 「飛ぶ矢は動かぬ」「1点から他点へ行き着けない」「アキレスは亀に追いつかない」

(pq) ⇒ (pq): pqpqを導く

必要十分条件: 題 A, B

AB [BAであるための必要条件, ABであるための十分条件]
AB, BAAB [ABであるための必要十分条件]

格と式 figure and mood
定言的三段論法は(1)中概念の位置と(2)判断の質量、との2面から見ることができる
= 中概念の位置から見られた三段論法の形式

中概念 middle concept, M. 大概念 major concept, P. 小概念 minor concept, S
全称肯定判断 – A, 全称否定判断 – E, 特称肯定判断 – I, 特称否定判断 – D
式 = 判断の質および量からみた形式

           M – P     P – M     M – P     P – M
           S – M     S – M     M – S     M – S
           -----     -----     -----     -----
        ∴ S – P  ∴ S – P  ∴ S – P  ∴ S – P
           第1格     第2格     第3格     第4格

式はA, E , I, Dを3つずつ組み合わせて(重複可能)できる: 43 = 64。格が4つで64 × 4 = 256
このうち正しいものは24 (弱勢式 weakened mode を除けば19)

        第一格  AAA  (AAI)  AII  EAE    (EAO)  EIO
        第二格  AEE  (AEO)  AOO  EAE    (EAO)  EIO
        第三格  AAI  AII    EAO  EIO    IAI    OAO
        第四格  AAI  IAI    AEE  (AEO)  EAO    EIO

Ex. 第二格: 全ての物体は空間性を有する(= A)。全ての精神は物体ではない(= E)。故に全ての精神は空間性を有しない(= E) → AEE
Ex. 第三格: 全てのゴリラは理性を持たない(= A)。あるゴリラは賢い(= I)。故にある賢いものの中には理性を有したものがある(= I) → AII

帰納的論理 (帰納法)

類推 analogy → 帰納的推理 = 蓋然的推理 probable inference
帰納法の分類 (Mill 1843)
1) 一致法 agreement

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A D E → a d e
_____ 両方の事例で一致するのはA → a

Ex. 同種の植物を以下の条件で育てる
1) 暗室内、低温、必要栄養十分
2) 暗室内、適温、必要栄養不十分 → 両結果とも葉の退色 ⇒ 光欠乏が原因と考えられる

2) 差異法 difference: 一致法の逆

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 B C → b c
_____A → a
_____ A → a

Ex. 一方に鉄を含む正常な栄養(A)を与え、一方は例えば鉄のない栄養を与える
→ 鉄を与えなかった方のみ退色 ⇒ 鉄欠乏が原因と考えられる

3) 一致差異併用法 agreement and difference

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A B D → a b d: Ex 1 + Ex 2 → 一致法 ⇒ A B → a b
Ex. 3 B → b Ex 1 + Ex 3 → 差異法 ⇒ A → a
_____ A → a

4) 剰余法 residues

Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A → a
Ex. 3 B → b
_____ C → c

5) 共変法 concomitant variation

科学実験においてもっともよく使われる – 量的統計的検定にも向いている
Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 2 A' B C → a' b c
Ex. 3 A'' B C → a'' b c
_____ A → a

帰納法による起こりうる誤り
  1. 無観察non observation – 本来帰納法ではない
  2. 不当観察mal-observation – 観察精度
  3. 一般化の誤り – 先入観
  4. 因果関係認定の誤り – (共変量的な)多数要因が関与する場合に起こる

原因と結果

形相因と始動因
形相因と始動因であるもの = 原因と結果が同時的なものはこうなる
Ex. 月食とは – 月と太陽の間に地球が入ること = 本質 = 形相因 = 地球が間に入ることが原因なので始動因でもある

月食があれば、月と太陽の中間(中項、中概念)に地球が入っている = 進行中の現在の出来事。このことは、月食が過去の出来事であっても、未来に生ずる出来事であっても同じこと

Ex. 氷とは – 凝結した水である = 本質 = 形相因 = 凝結が原因であるから始動因でもある

水 = C, 凝結 = A, 中項(原因) = 熱の完全な欠如 = B
CについてBがある。BについてAがある。∴ CについてAがある

質料因(始動因): 原因と結果が継起するもの

困難点: 推論 → 結果から原因推測(過去の生起が完了事態として現在内に含まれる)。Aが生じBが結果するのに時間がかかるので、Bが生ずることが結論として帰結したかは言えない。未来についても言える
∵ 1. 過去、現在、未来の出来事のそれに共通な中概念はない

Ex. 過去形で示される命題の両端の項と同じ族の中概念は現在形で示されるものにはない

∵ 2. 生じてしまったものと生じつつあるものと接触していないということはできない。即ち、生じつつあるものは可分割であるが、生じたものは点のようなもので、不可分なものであるから、両者が接続することはない

原因 – 結果: 相互随伴関係
Ex. 落葉 = A, 葉の広い植物 = B, ブドウ = C

BについてAがある。CについてBがある。故にCについてBがある。(Bが中概念としての原因)
ところが、ブドウの葉が広いことは落葉を通じて論証もできる
CについてAがある。AについてBがある。故にCについてBがある。

しかし、真の原因は先なるものである

Ex. 地球がつきと太陽の中間に来る[先] → ∴ 月食[後]

一つであることについて多数の原因があるか。

Ex. AについてBとCである。DについてBである。EについてCである → AはDとEについてである

原因は[DにとってはB]、[EにとってはC]である。

⇒ Aという結果があるからといって、すべての原因の実在が必然なのではない

本質

本質についての推論や論証があるか
本質 = 定義により示される ⇔ 定義 = 主語Sと述語Uの置換可能なもの
Ex. 人間Sは理性的な動物であるU → 理性的な動物は人間である

そうであるならば、本質について推論や論証はありえない

Ex. 理性的動物Bは2本足動物である。人間Cは理性的動物であるA。故に人間Cは理性的動物Aである

という推論において「人間は2本足動物である」が定義であれば、主述置換可能となり
→ 2本足の動物は人間である。とすると、
理性的動物は人間である。2本足の動物は理性的動物である。故に2本足の動物は理性的動物である。
とできる。ところが、ここで小前提「二本足動物は理性的動物である」が置換可能なものとして定義となっている。よって、定義のために予め定義を行っている ⇒ petitio principii (論点先取のfallacy)

結論: 定義は本質を証明、論証、推理できない
分割法
定義を推論しうるか>br /> 分割法は定義の方法であるが、定義と推論して得るものではない → 分割法は推論ではない
Ex. 人間	
    ○ 動物        × 無生物
    ○ 陸上のもの  × 水生のもの
⇒ 「人間は陸上に住む動物である」と定義できる。定義により、分割法が可能となる。つまり、分割法で定義を述べるのは、推論の結論を述べているのではない。分割法で定義構成するため3点に留意せねばならない
  1. 事物の「何であるか」に含まれる要素を述べる(述語を取り上げること)
  2. それらの述語の内で、どれが第一のものであり、どれが第二のものであるかを順序立てること
  3. これらがこれらで全てであるようにする(内包)
基礎定立
本質固有要素の総体 – 本質を推論しうるか
Ex. 人間は理性的な動物である → 「理性的」と「動物」の総体が基礎定立

→ 中概念を必要とする推論をすることなしに、基礎定立を立てること自体で本質を述べている

定義する者は本質を証明するか: 本質は明かにされた前提から出発するから、推論は本質を明かにできない

結局、(1)定義 ≠ 推論、(2)それらが同じものについてあるものではない、(3)定義は何一つ論証せず、証明せぬこと、(4)「事物の何であるか」は定義によっても論証によっても認識しえない

本質を認識する道
1. そのものの原因がそのもの自体と異なるものについて

事物が何かについては、推論も論証も成立しえない。しかし、それは推論を通じて明かにされる
Ex. 雲(C), 火の消去(B), 雷鳴(A)

Aとは雲間における火の消去
__↔ Aの理由: 雲間における火の消去: 同時発生
________↓理由となっている
音響(雷鳴)(A)
B(雲間における火の消去) – A(雷鳴)
CにBが起こる ∴ CにAが起こる ∴ CにAが起こる原因はBである

2. そのものの原因がそのものと同じものについて

Ex. 算術学者は「1つ」が「何であるか(本質)」と「1つ」が「あること」を共に論証の基礎として決定する ⇒ 本質を知り同時に「ある」ことを知る

3. 定義の3種(帰結)

a. 言葉、句の意味を証明
b. なぜ事物は存在するのかの証明
c. 無中概念の言葉の定義はその本質についての非論理的な陳述

(我々に許された)類推の根拠と類推の可能限度
類推 = 類縁関係の考察結果
帰納法的限界 → KJ法 and/or アプダクション → 類推の合理化

Ex. 世界観 - 相似と相違(地球中心的世界観)。生命観 - 構造・環境。生物学的理論 - 社会・歴史

ホーリズム(全体主義 wholism): 全体像 → 起源論の出現

考察 discussion


自分が言いたいことを主張するのは大事だが、以下の単語を用いざるを得ない時には注意。Resultsで言えない妄想をひたすら書くのは考察ではない。

may / might: 妄想を書く時に使う。1ページに5つもあると「もう読まんでいいわ」という気分になれる。
believe: 他人が何を言おうと、自分はこれが正しいという信念(あるいは宗教)を持っているときに使う。

逆に、Resultsがダメな言い訳をひたすら書くのは考察ではない。このレフェリーコメントいいねー。
In addition, DISCUSSION is not a section for excuse but a section for creative arguments.

循環論法 (tautology)

日本語で書くと気づきやすいのだが、英語で書くとなぜか多発する。これは、絶対に止めねばばらない。実は、当人は、そうは思ってないので直せないのだが。例えば、循環論法の代表例に、「赤いリンゴは赤い。」があり、それは証明できるのだろうか。科学者たるものの、なすべきことではない。
この原因の一つに英語力が大きく関係しているとは思うが、それ以上に思考回路を変えるべき。同じことを、文章を変えて何回も何回も何回も書いてある原稿を見るが、結局、その話で循環してて、論理は存在しない。
文章も悲惨だが、これは完璧な循環論法。なぜ気づかぬ。

Bare peat showed with the highest percent un-vegetated in these mined sites.

拡大解釈

Ex. 張紙禁止 → 張板ならよい? → 張板も張紙の1種

張紙は禁止である。張板は張紙の1種である。故に張板も禁止である

階型理論 type theory (バートランド・ラッセル 1903): 張り紙禁止 → この文面は、この張り紙に及ばない

二重標準 double standards: Ex. 大人は飲酒が許されるが、子供は飲酒が禁止される

懐疑論 scepticism (Gr. Skepsis)

1) s.l.: 普遍的な心理を確実にとらえることは人間には不可能とする論
2) s.s.: ある特定の領域について、確実な真理をとらえる可能性を否定する論

相関関係と因果関係 (correlation vs causal relation)


妄想 (delusion)

心理学では根拠のない主観的信念であり、事実の経験や論理により訂正されることのないものをいう。根拠がないということは、社会的条件を考慮して判定すべきであり、未開人の根拠のない信念は妄想ではなく、迷信も妄想ではない。主観的信念は、知性の不足等によるものではなく、内的欲求すなわち、妄想欲求に基づくものである。一方、科学(science)とは全ての人が真理と認める知識の体系であり、客観的経験を基礎として成り立ち、具体的に証明されうるものである。科学の最も際立った特徴は観察と実験ができることである(サーフライダー21 1998)。
とかく愛国あるいは何々の主義だといって議論して歩く間はよく聞こえるけれども、これを実地に行うときは、翻訳が間違いやすいゆえに我々がいやしくも理想を抱くという以上、その理想なるものを実現するにあたって、理想の品位を下げぬように行為に現すにあらざれば理想でなく、妄想であることを一言したい(新渡戸 1929)

格言

「今日、科学者であろうとなかろうと、知的な仕事をしている人は、自然科学の問題と関わらないわけには行きません。」 (ミヒャエル・エンデ 1991)

ゲラ page proofs


ゲラが来たら、よく読もう。日本人の宿命として、直されてた部分は、英語としておかしいことが普通だが、こちらの意図した意味が変わっていないかどうかを確認するだけの英語力が必要となる。ゲラの直し方は、雑誌によって違うし、ネット上でやることが多くなってるが、ゲラに、赤を直接入れる場合には、ある程度の ルール P がある。かなり日本のゲラと赤の入れ方が違うので注意したい。

倫理学 (ethics)


「人間はいかに生きるべきか」を扱う (科学倫理が話題になってるようだが)

⇒ 人類学的人間

道徳 morality

社会生活の秩序を保つための行為の規準 Ex. 交通道徳、公衆同毒

→ 倫理: 社会的行動の規範体系 Ex. 職業倫理、政治倫理
心理 → 意識 → 法

倫理理論

結果主義: 「結果が全て」 = 行動・考え方が将来起こりうる結果に判断される

望ましい結果を生むのは良い行動 (and vice versa)

1) エゴイズム

個人の利益・幸福最優先 → いかなる行動も個人の幸福を最大化する限り可
人間本性論
人間は幸福に生活する全ての技能と能力を備える - 能力が行動の評価判断基準

快楽主義: 個人の快最大化か、苦痛最小化を目的に行動 (エゴイズムの典型)

2) 功利主義 utiliarianism

ベンサム: 「最大多数の最大幸福」
ミル
a) 行為功利主義: 選択に先立つ全行為の結果を考慮 = 最大多数にとっての最大利益
b) 規則功利主義: 最大多数に対し最大の幸福に従う規則を求める

民主主義: 基本的人権尊重 → 多数決による意思決定「全ての人を1人と数え、誰をも1より多くに数えるべきではない」(ベンサム)
自由主義: 個人意思重んじる。個人の社会活動(思想・信仰・信条)の自由
→ 問題: 功利主義・民主主義・自由主義間に利害関係があることがある

3) 利他主義

行為の結果が、行為者以外の全ての人に好ましい → その行動は正しい

義務論

カント (Kant): 「人格の尊重」
行動の結果ではなく、行動の動機を問題 → 動機正しければ、その行為は善

結果主義・義務論共に ⇒ 「結果」、「動機」が正しいと判断する基準ない

Ex. 癌告知: 義務 (義務論) ⇔ 患者がより幸せならしなくてよい (功利主義)

当為論

行為そのものに善悪があり、合理的な倫理的判断は人が下す

Ex. 「嘘をつく」 - いかなる動機であろうと、その行為そのものが悪

道徳情緒説

倫理上の言説は真でも偽でもなく証明できない

相対主義: 普遍的な道徳基準の存在を否定

功利主義

貢献
応報刑主義: 目には目を
教育刑主義: 見せしめの効果 (過酷な量刑の可能性)
功利主義に基づく量刑: 最小限で十分抑止効果 → 最小限の規制を除けば自由
Ex. 10人に対し1人分しかない特効薬を「平等に」割り当てる倫理理論
  1. 籤引 (手続的平等・確率論的平等主義)
  2. 一番高い支払いのできる者 (自由市場主義)
  3. 最も生存余命が長い者 (社会的功利主義)
  4. 社会に最も貢献しそうな者 (社会的功利主義)
  5. 社会に最も貢献した者 (功績主義)
  6. 道徳的に最も相応しい者 (道徳主義)
  7. 均等割り → 全員が例え死ぬことになっても (結果平等主義)
⇒ サバイバル・ロタリー survival lottery: 生存籤引共済制度
「生存率を最大にせよ」が正義の大原則
  1. 最大多数の最大生存という原理が道徳の基礎
  2. 行為は生存率の促進に役立つのに比例して正しく、生存率を下げるのに比例して悪
  3. 善 = 生存率の最大と、死亡率の減少 ↔ 悪 = 死亡率の最大と生存率の喪失
→ 「脳死者から臓器提供を受ける制度」を廃止し、臓器提供者は健全な市民からくじ引きで選ぶ
社会的ジレンマ: サバイバル・ロタリーが実施されると …

「健康な人」が選択され、健康な1人の生命と引き換えに「不健康な人」10人が生き延びる
なるべく不健康になろうとする人が増える = フリーライダー問題
社会全体としては不摂生な人、不健康な人の割合が高まる可能性
エゴイズムのみでは、社会的利益が全体としては徐々に損なわれていく

問題点
  1. 単一原理主義破綻: 「最大多数の最大幸福」 → 価値判断基準単一ではない - 一義的確定できない
  2. 幸福加算の不可能性: 幸福は、人、時(状況)により変わり加算的ではない
  3. 個体基準不在: 誰についての「最大多数」かは状況で変化する Ex. 国際化
  4. 義務への動機不在: 自分の不利益を省みずに義務を果たす「義務を越える自己犠牲」を説明できない
  5. 配分原理不在: 個々の人への幸福の配分量の適正値を算出する原理を持たない
社会と個の潜在的対立
「群」を作る動物としての人間 ↔ 「個」として生きる人間

⇒ 「社会」への関心、「集団」への依存、「利己性、利他性、権力関係、富・リスク分配の不均一性」
= 「社会的ジレンマ」と「合理的選択計算」
個人が他者と相互行為 → 利害対立をはらんだ社会的関係発生 ⇒ 倫理・道徳が必要

世代間倫理
70 年代: 国際社会で越境する環境問題が一大テーマ
80 年代: 「持続可能な発展sustainable developmentという言葉が時代のパラダイムを表す言葉

持続可能な発展の上で現在世代と未来世代が享受する自然環境からの恩恵(水やエネルギー資源等)に差異があってはならないとする世代間の公平性

環境ファシズム: トム・レーガン(環境思想)造語

レーガンの思想: 個々の個体に権利
↔ 環境の全体主義 = 「環境ファシズム」: 生態系全体・種全体に支障なければ、個々の生物の殺害・迫害を許容
(s.s.) 繁殖し生態系を乱す外来種減らすこと
(s.l.) 環境保護優先し、人権・経済的不平等等、他要素犠牲にする強権的対策・措置


生命倫理学 bioethics

予防・診断
治療: 生気論vitalismと機械論mechanism

動物実験 (vs 食肉用家畜)
人体実験 - 治療目的なら許される?
1964 ヘルシンキ宣言 (2008 ソウル修正版)

生殖技術

人工授精
• 配偶者間人工授精 artificial insemination with husband seemen, AIH
• 非配偶者間人工授精 artificial insemination with donor seemen, AID
体外受精 in vitro fertilization, IVF + 胚移植 embryo transfer, ET
生殖補助技術 assisted reproductive technology, ART
クローン

移植医療

脳死 - 医学的「死」とは何か → 植物人間

全脳死説 vs 脳幹死説 vs 大脳死説

1997 臓器の移植に関する法律
2009 改定

遺伝子技術

遺伝子治療
遺伝子診断 → 出生前診断(胎児診断) → 人工妊娠中絶
優生保護法 → 母体保護法 - 胚とは? 胎児とは?

安楽死 euthanasia

生命(活)の質 (QOL, quality of life)と生命の尊厳 (SOL, sanctity of life)
治療行為中止 - 安楽死

ターミナルケア (≈ 緩和医療 palliative medicine)

死への準備教育 death education

インフォームド・コンセント informed consent

説明と同意 (十分な説明を受けた上での同意)

環境倫理学 environmental ethics

経済活動と環境保全は両立するのか → 生態系サービス
自然の生存権
保全生物学・保全生態学: 人為による種絶滅・生物多様性低下 - 倫理的に許されないという価値観 (鷲谷・矢原 1996)

生物多様性条約

世代間倫理
地球全体主義

研究倫理 (research ethics)


不正行為 (FFP)

捏造 fabrication
存在しないデータ、研究結果等を作成
改竄 falsification
結果をを変更し加工
図表: 正当な理由なく行ってはいけない操作
  • もともとある特徴が見えなくなるような操作
  • 写真修正の技術を使った切り貼り
  • 非線形の変換
  • 画像の一部分に対する処理
盗用 plagiarism
他者の研究内容等を了解なく流用

オーサーシップ authorship

著作権 copyright

不適切な発表方法

二重投稿・出版
サラミ出版(ボローニャ出版): 研究を複数の小研究に分割し細切れ出版
業績水増

利益相反 conflict of interest (COI)

安全保障貿易管理

デュアルユース: ある技術が民生用にも軍事用にも使える

爆薬, インターネット, GPS, 遺伝子改変技術

研究費不正

インフォームド・コンセント、個人情報保護

研究不正防止と告発

情報倫理 information ethics


Eメール、電子ニュース、W³ページ等を通した情報発信 - 与える影響知る必要

Ex. 他者著作物無断流用等は著作権法違反

= 倫理に反しない情報発信必要
インターネット - 簡単に広く素早く世界に情報発信可能 → 発信情報責任↑

Ex. 事件: 私信で噂話をする感覚で自分のW3ページに記事掲載

⇔ W³ページ上の記事を鵜呑みしない「情報選択能力」重要
自由・平等・公正: 情報は、取り扱い方で他者権利侵害や、自己権利侵害される結果を招く。情報処理技術の社会影響と、ネットワーク社会での「公平・公正・責任」と「インターネット社会参画態度」を検討する。インターネット社会も、私達の社会である。各国政府が、個々の考え方で国を治める。日本国内での常識的権利義務や、財産権、発言自由等も国により制限される。異国を結ぶインターネット社会での社会常識も考える
自由: RFC準拠通信ネットワークでの「自由」は、どのコンピュータ、ソフトウェアを用いても構わず、他者権利を侵害しない限り、どんな行動も許され、国際社会の「自由」と同等である。逆に、「他人の権利を侵害する行動」を知らねば善悪判断できず「自由を知る」ことは「他者権利を知る」こととなる
平等: インターネット社会では、発言者は全て平等である。大統領のEメールでも、国王のWebページでも、インターネットに出れば他のメッセージより優先処理されることはない。「バリアフリー」も必要である
公正: 行動に常に自己責任求められ、発言には実名を付け虚偽内容を発信してはいけない。発言後は、利用者からの反応に責任を持った対処求められる。他人の情報を盗んだり、ネットワーク通じ他人のコンピュータを破壊する行為を行なわない

W³上での問題

コンピュータ技術が高い柔軟性 → 悪意を持つ人が発信者と受信者間に割り込む → 危険性を知る

乗取侵入者が発信者コンピュータに入り込みネットワーク情報を加工し、本来の発信者意図とは異なる内容を受信者が受け取るよう細工

間違え易いURL: URLホスト名は、商標法等で保護されず、悪意持つ者が著名企業組織連想させる名称利用件取得し利用者が誤解するページ公開

他人ページ取込: Webページ内部へ別Webページ埋込表示を利用し他人ページを自分のページのように利用

情報操作や「騙り」: 誰でも好きな情報公開可能な点を利用し、偏った情報公開したり、別人を装うページを公開

盗聴・改竄: フォーム利用時には、通信傍受したり、その内容を電子的に書き換える等し、プライバシー情報を得たり、それを犯罪に利用可能

注意すべきは、コンピュータがなくても起こり得る問題行為の「コンピュータ版」という点である。ネットワーク経由で居ながら世界中とやりとりできるコンピュータ技術が、問題を増幅している側面がある
盗聴改竄防止 → 暗号技術である程度防げる。通信文を暗号化すれば傍受しても意味が取れず、書き換えると元文に戻らなくなり書き換えが分かってしまう
Q 上記の様な問題が起こった場合、どのような点に注意し復旧すべきか
電子メール/ネットニュースの使い分け
その情報は誰に価値があるか?
[問題] インターネットメッセージ → 余り印刷されない → 独言的お喋り・不問に付すべきメッセージ発信傾向
→ メッセージ作成原則: 「価値ある情報発信」、「読み手を考える」を意識的に心がける

1) 相手に役立つ、意味ある、嬉しい情報・話題を提供
2) 相手に読み易いメッセージ
3) 誤解なく丁寧に書く

Eメール = 特定メッセージ読者 → 最大の相違 → ネットニュース・W³ = 不特定読者(読者予測不可)

メッセージは公表人が制御できない範囲まで伝達され思わぬ反応もある。メーリングリストは、一定目的を持つ人の集団で「特定多数」と言える。Eメール、ネットニュース、W³特性を使い分け、価値ある情報発信をする。メッセージ全てに「価値」は必要ではないが、送信者に価値があっても受信者に価値があるとは限らない

→ メッセージ内容を価値あると評価する人: 特定人 = Eメール ↔ 不特定多数 = ネットニュース・W³
メッセージに関すること
書いたら読む人を想像し1回は読み直す。端末は何? 気分は? どんな人が読む? こういった想像を巡らすだけで、メッセージ内容が他者に優しくなる
1行何文字: 昔、コンピュータ表示画面は英字80文字だった。ウィンドウシステムは、幅80文字に拘らないため普及したが、80文字幅で見にくい文書は避けた方がよい。読みにくいことを心配し1行おきに書く人がいるが、むしろ迷惑である。「多行表示不可端末」使用者は1行おき文章は段落等が分かりにくい
相手が読める文書: 相手PC画面で読める形式 → 「機種依存文字」や中継時不具合ある「半角片仮名」避ける。EメールやNNは本来、バイナリデータ送付を考慮しないのでバイナリデータをテキストデータ変換し送るべきだが、受信側利用可能変換方法も調べておく
メッセージサイズ: 大きいメッセージは、通信時間(料金)や保存領域の無駄でありメッセージサイズは「小さく」する。多くのサーバは、誤操作・誤動作等による非常識サイズのファイル送信を防ぐため、ファイルサイズ上限設定をしている。MLでは、1通のEメールが大量の通信を引き起こすことにも注意すべき
Webページ設計: 回線、機種、OS、ソフトウェア等が異なる環境でWebページは見られ、読み手環境差を意識したHTMLを書くべき。 Ex. 画面サイズ、使用色数、ソフトウェア等、ページを見る必要条件減らす
個人情報: メッセージ内容に「個人情報」に関する話題を書くべきではない
挨拶・お礼?: 挨拶やお礼だけのメッセージは、無駄で大抵無視される。MLやNNは、「投稿に相応しい内容」に気をつけ、Eメールで個別に返事を書く方が良いこともある
白熱した議論も程々に: 特にNNでは、個々人が自分の意見を表明するばかりで議論が噛み合わず、相手の発言内容よりも表現に意識が集中してしまうことがあり、「フレーム(炎)」といい危険状態となる
フェイスマーク face mark: 感情表現に用いる記号列。(^_^)/", :-)等。フェイスマークと異なるが、文中に「(笑)」等も使われる。意思疎通を補助する有効手段だが、過剰使用は面白みを損なう
FAQ, frequentry asked question: よくある質問

ネットワーク社会の安全と危険


社会への影響

 文書の社会影響を公開時に検討すべき。暴動・戦争を扇動しかねない主張、違法内容、名誉毀損相当内容、虚偽等の掲示は、コンピュータ上でもメディアの一種として扱われる。犯罪行為を招く書き込みや、行なった又は行なおうとする違法行為公表は厳禁である

Ex. 「テレビ番組ダビングさせて」 → 放映権侵害行為
Ex. 「制限速度無視しオートバイ競走した」「電話のタダがけ方法教えて」等の文書公開謹む

個人情報(プライバシー)保護

個人情報(プライバシー)は、名前、容姿(顔等部分含)、住所、電話番号、生年月日、勤務先、経歴、宗教等の固有情報全てを指し、公開範囲は本人制御可能とするのが一般的となる。個人情報取扱は慎重な対応が必要で、W3は、悪人が廉価・大規模に情報収集する危険がある
どの組織でも、個人情報保護規定を設けている。組織員だけが規定に拘束されるのではなく、非組織員の顧客・学生も、その会社のプライバシー事項を公開すべきではない。顧客が手違い等で、非公開企業・学校情報を知った場合等は情報公開を避けるべき。写真や動画等は、自ら撮影したものは自由に利用可と誤解しがちだが、被写体肖像権や意匠権を侵害しない配慮も必要である。情報が広く公開されるため、プライバシー相当の個人情報、他者にマイナスイメージを抱かせるような情報公開は謹むべきである
名誉毀損の際にしばしば話題になるのは、事実性だが、判例では事実でもイメージダウンとなる時は名誉毀損となり損害賠償を命ぜられた

Ex. 具体的危険: 誰かが、あなたの1) 年齢が分かり悪戯電話を掛ける。2) 名前を騙り借金・商品購入等詐欺行為を働く。3) 名前を騙りネットワーク上で不快行為を行い(Ex. 悪口メッセージ送信)名誉を落とさせる

このような危険を考えると、個人情報取扱いには十分な注意が必要と分かる
Q 個人情報で何が他人に知られた場合、どう悪用されるか列挙せよ

バリアフリーと他者との共存

インターネット社会 = コンピュータ操作不可欠
操作困難 ≠ 豊かさ享受 ≈ 年寄や障害者等 = 情報弱者 → 情報格差発生
ネットワーク利用時障害者: 身体機能障害者だけでなく、高速通信未確保、白黒ディスプレイ使用等使用コンピュータ機種やソフトウェア等 → 差別あってはならずネットワーク社会では障害者となり得る
  • コンピュータ-人間関係も注意 Ex. 打鍵遅い人、色識別しにくい人
  • W3等の掲示に際し身体機能・通信環境障害環境を考慮しデザイン
  • ブラウザは、音声読み上げ、文字表示だけのもの等種類があり、同一W3ページでも視聴ブラウザで表示方法異なる → プレゼン作成時: 様々な読者環境を考慮し、情報の本質部分は全ての人に伝わる配慮
    Ex. 赤緑色盲の人は多く、赤と緑の違いで何かを表現するのは避ける
    Ex. 古いディスプレイで多色画像表示できず、正常色表示されたプログラムの色を変えることもある
バリアフリー: 情報弱者も情報を容易に得られる社会を築くこと。人々が共に暮らし易い社会を作るための考え方

政治の違い

国・地域間で文化・政治異なり、社会的価値判断、「マナー違反」「法律違反」も異なる
ある国家で自由文書が別国家では禁止という状況ありえる Ex. 国家・政府によりある種情報流通を法律規制
+ ネット上作成文書は、世界中配布可能なためインターネット文書公開(特にW3)では配慮必要

内容形式に良識が作用し自由情報流通を最大限確保しつつ、法的規制が最小限なことが望ましい
→ 「ネットワーク社会における表現の自由」等を常に考え行動起こす必要

セクシュアル・ハラスメント, SH

女性Webページやメール等に受取人を不快にさせる行為が行われること
ネットワークだけの問題ではなく、根本解決する有効対策はない

Ex. 性別隠す ≠ 根本解決 + ネットワーク社会は女性少ないことも一因?

健全な解決には、女性が特別視されない社会を作るしかない
Q コンピュータでバリアフリーがなされていない物を取り上げ、改善方法を考えよ。外国の人とEメール等を使い情報交換をする時に行なうべきでない発言を国毎に調べよ。性差別以外に起こり得る差別について考えよ
フッター