(2025年6月2日更新) [ 日本語 | English ]
[ はげたか | スタイル | 論理 | 用語 | ゲラ ] • 論文英語の作法は、少しずつこっちに移動
毎年毎年、同じことを言っているのに気づき、嫌気を感じざるをえない。そこで、ここにまとめておいて「これを読め」で終わりにする作戦を敢行することとする。ここに書いたような間違いだらけの原稿見ると、そちらにばかり目がいって、肝心の内容の修正が追いつかない。極めて非効率的となるので、せめてこの位は、守るべき(人に見せる時の、最低限のマナーとも言える)。全て中学校の参考書に書いてあることだから。うちらの英語なんて、あれで十分だ。
心構えパワポ使いへの警告(榊原 廣, 講談社BIZ)をもじると、Micro$oft使いな論文書きへの警告となる (2010年5月10日)。こんなことばかりしてたら、それは、ペラい論文しか書けないわな。
科学者はいかに書くべきか (溝口 1976)説明: 科学的記述における目的は説明すること
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正確: 実験は反復可能であり、全ての結論は立証できねばならない 客観性: 推測は証拠にならない。他人(大多数)の意見を事実として述べることはできない 推測を支持する結果が得られてなければ、さらなる研究の必要性を述べる。読者の想像力に任せる部分があってはならない。感情表現を記述に入れてはならない 文章は一気に書く! ⇒ 初稿が完成したときが訂正のときデータ論文 data paper実験・観測「データ」の取得・処理・保管方法等を記載した論文
科学的新知見の有無は別問題 Ex. 投稿規定・倫理規定・国際化配慮・著作権・出版料・刊行後・DOI はげたか雑誌 predatory journal= ハゲタカジャーナル、捕食ジャーナル、粗悪学術誌(学術誌じゃないのでは)昔は、気にしなくてよかったのにと思いつつ、今日日、問題になってるあれ。投稿前に確認しておかないと、後で人生終わったと感じることになりかねない。 一応の定義: オープンアクセスのビジネスモデルを悪用し、著者が支払う論文投稿料(APC = article processing charge)を狙った悪質な学術誌
知らないでMDPIのは4-5本レビューした記憶があるが。で、全てリジェクトのコメントしたけど、全て載ってたり。変だなー、と思ったら、これでした。今は、@mdpiとかがアドレスに入ってるのは迷惑メールに振り分けてるので、査読せいというメールが来る心配はないけど。 |
• いつか、出版社にこの原稿持ち込んでやる。
特に文字形式指定のない雑誌の場合は、フォントはTimes New Romanで12 ptを指定しておくと、もっとも無難である。IMRAD自分が投稿したい雑誌のスタイルに統一するのがよいとは思うが、フルペーパーであれば、IMRADは、お約束のようなもの。また、以下の点は守ってもらわないと、こちらが困る。
Abstract (雑誌によってはSummary)は必ずつける。 度(°C, ギリシア文字( α, β など)も英語フォントで出せる。算術記号(× など)も同様。スペースが日本語フォント(全角)になってると気づきにくいので特に注意する。 |
文末のピリオドの後は2(または3)スペース開ける。(最近はそうでもない雑誌も増えてるが) 属名を省略したピリオドの後は1スペース開ける(→ 学名の書き方)。 A.monoではなく A. mono 形式に入れておくけど(自分にとっては形式だけど)、以下の書き方はどこから来てるんだ(スペースはアンダースコアで示す)。日本語だとスペース空けないからなんだろうか。英語では、4 weeksはfour weeksで2単語だもんね。括弧の中のスペースは、何故なのか不明だが、全部そうしてあるということは何か意味があるんかな。
4weeks → 4_weeks |
☛ 引用と盗用
引用文献は良く読んで欲しいものだ。どう考えても、そういうことが書いてあるとは思われない論文が引用されていて、仕方なしに原著を読むとまったく逆のことが書いてあると、Discussionなんて直そうという気はもう起こらない。孫引きも、引用内容の間違いの一因であるので、必ず、原著をあたるべき。 誰がそういったかをはっきりさせるためにも、引用は重要である。何も引用されてなければ、(文章の流れで誰が言ったかが分かる場合を除き)著者が言ったことになる。極端に言えば、まったく引用のないDisucssionは、著者の思い込み、あるいは妄想だけが書いてあるということになる。 たくさんの論文を引用するのがいいことだと勘違いしていないだろうか。適切な引用が良いに決まっている。例えば、
Frost occurs in fall and spring in post-mined peatlands (Price 1996; Groeneveld and Rochefort 2005). ……… |
こんな引用なら、まったく不要である。その論文に何が書いてあるか分からないし、当たり前すぎるので、引用の必要はない。英語もすごいけど。
Plants have light-limiting strategies (Anderson et al. 1995). 見えない引用「私信 personal communication」、「資料未記載 data not shown」、「準備中 in preparation」という引用は、その論文の価値を下げてるだけだと思ってよい。これらは、本当に、他に方法がない時に使うものである。理由は、少し考えれば、分かるはず。永久に準備中の論文や、データと話が違ってたり。私信は、当人に確認をしてから引用する。昔、「某地域にアリ塚を作るシロアリはいない」と言ったはずなのに、「某地域にアリ塚を作るアリはいない(何某, 私信)」として引用され、印刷になってから、私信を述べた人が、「責任は俺か」と、ショックを受けていた。 [ データ表現 ] 図・表図表は見やすく、というのはあたりまえだけど。引用の仕方でも見やすさは変わってくる。(Figs. 1, 3 and 6)とかいう眩暈のするような引用の仕方をされてもねー。人間は一度に3つの図を見ることはできない。しかも、あちらこちらで飛び飛びに引用されてると、もう少しコンパクトにまとめられないの、と感じ、そこで読むのをやめる人も多かろう。 |
基本(お約束ともいう)Native speakerの書いた論文で、滅多に目にしない単語を、ちょこちょこ使わない。それには、必ず理由があるので、辞書で確認すること。especiallyは、まず日本人が使うと直される(ピーターセン 1988)。だったら、最初から使わない方が良い(そういう単語はたくさんある)。 単語の綴り確認については、いろいろコメントしたいことがあるが、特に注意して欲しいのは、最近のワープロの発達に伴いスペルチェッカーに綴り確認を依存(または信頼)しすぎたための間違いが良く見られる。スペルチェッカーは綴りしかみないので、このような間違いは見つけない。
ranged form 1 to 5 ⇒ from bとvも駄目なようで。
Responses to ultrabiolet on two plant species in the early stages of succession
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そういえば、日本語には子音の後に母音が入るから、以下のような綴りミスもあるらしい。
absutract 専門用語専門用語は、業界内の世界では重要である。これを使うことによって、文章の曖昧さを大きく減らせる。大学入試では、"落葉"という単語を知らないときには、以下のように書いておけば点数はもらえるんだろうけど、業界では、勉強してない奴と思われて(実際そうなわけで)、それで終わり
After leaves fall from branches, ... 和製英語普段、何気なく使ってて英語だと思ってる言葉には注意したい。ホチキスは ... staplerだわな。"using the pole or 3 m convex ..."って(コンベックスだけの問題じゃないけど)。アメダスAMeDASは、英語圏では普及していない言葉なのは(気象庁は、国際用語化しようと努力しているようだが)、googleとかで調べるとすぐ分かる。最初に日本語のページが出てくるのは変でしょ。 |
大学院入る前に「論理学」か「自然科学概論」のどちらかは学んでおくべき
学問の道具organonという意味 ⇒ 学問の方法(学問方法論) 言葉は本来、理性的で、人間はこの言葉としての理性の働きにより対象法則を求め見出す。法則を求め、見出す方法、この方法の正しい形式が論理である。「正しい形式」であり、内容に関知しない。法則発見方法としての推理推論の過程が必然的であることが正しい形式であり、前提の真偽は形式科学としての論理学の対象ではなく、それは内容科学としての経験科学の仕事になる 学問方法論: 一般論(論理学、最広義) - 学問論、科学論、科学方法論 論理学 (s.l.) 哲学的論理学 - カント的認識論、ヘーゲル的弁証法を含むもの 形式論理学(s.l.) = 論理学(s.s.) 演繹的論理学(論理学)
伝統的演繹論理学
形式論理学(s.s.) = 論理学(最狭義) 推論の研究(本来)BC4C アリストテレス: 推論形式の大系化 Ex. 三段論法1847 Boole, George: ブール代数開発 1879 Frege Gottob: 述語論理開発 → 命題論理・述語論理 predicate logic 1880s- 記号化・抽象化・数学化 (ラッセル、ヒルベルト、ゲーデル) 1930s- 計算論・情報科学 (チューリング、ノイマン) 1948 Quine, Willard Van Orman: 存在論抜きの論理 logic without ontology 論理: 日常的意味 = 「論理」という言葉(日常的言葉) Ex. 「納税者の論理」と「資本主義の論理」 → 論理の意味は違ってくる
納税者の論理 → 「論理」は「理屈」に近く、多少非難めいた色彩 論理とは何かを論ずる場合の理(筋道)を意味する。論ずるには、考えねばならないから、思考の筋道ということになる。ただし、筋道とは正しい形式のことである。故に、論理学とは思考の正しい形式の学、となる 問題設定1. 問題とされる事物の区分Ex. 動物 – 動物とは何か → その数(種数), Ex. 鳥 – 鳥とは何かEx. 動物 = A, 全ての動物に付随するもの = B, 種々の動物 = C, D, E C, D, EにBが付随するのは、それらがAだからである 2. 問題間の関係同一問題 Ex. 『なぜ』音が反響する、影が映る、虹が映る ⇐ 「反射」 = 共通類 |
従属関係 Ex. 「なぜナイル川は月の後半に水量が増すのか」 - 月の後半は天候が荒れ易いから________________________↑ 従属関係 「なぜ月の後半は天候が荒れ易いのか」 - 月が欠けていくから 演繹法的論理 (deduction, deductive logic)公理 axiom > 定義 definition > 定理 theorem (命題 proposition)真理必然的真理: ある条件下で、必ず成り立つ絶対的真理。状況変化しても成立Ex. 三角形の内角の和は180度 (不変・普遍) 偶然的真理: 状況により成立する真理。条件変化すると不成立もあるEx. 今、札幌で雨が降っている (経験・観察) 論理的真理: 論理体系内で前提から導かれる真理。形式論理上で成立Ex. AならばB、Aが真ならBも真 (演繹的・形式的) Def. 公理 (axiom): 自明な真理truthとして認められる = 証明せずとも真理
⇒ 他の定理・命題の基礎となる根本命題 定義 definition
Stevens SS (米), 心理学: IQは操作主義がきっかけ 専門用語(テクニカルターム technical term)
ある特定の学問分野・業界等の間でのみ使用され通用する言葉・用語群 → 多くは定義される 定理 theorem / 命題 proposition定理: 公理や定義により真偽が決められる推論の基礎になる理論的命題命題: 公理系が整備された後に問題とされた言明の内、証明されたもの
客観的命題(科学的命題): 真偽を証明・決定できる |
[ 計算機科学 ]
Def. 記号論 semiotics: 記号」とその意味作用を研究 Def. 記号 sign: 何かを指し示すもの Ex. 赤信号 → 「止まれ」を意味
Def. 指示対象 referent: 記号が指す実体や概念
緑・茶線部は別文章で置き換えても正しい推論得る → 重要なのは「形」で「意味」ではない
Def. 表現 representation: 命題記号か述語記号により記号化すること
表. 形式言語とその存在論的・認識論的立場
言語
存在論的立場
認識論的立場 述語論理(学) predicate logic量化子(∀, ∃)導入 = 命題論理拡張 → 対象(個体)とその性質・関係を記述 ⇒一階述語論理 first order predicate logic (述語論理, s.s.)Def. (形式)言語 (formal) language: 厳密に構成された記号体系個体変項 個体定項(固有名辞) 述語(記号) 論理記号
∀, 全称量化記号(全称記号) universal quantifier
束縛変項 bound variable |=A (Aが妥当であること) ⇔ |-A (Aが証明可能である) ⇒ - 二階・高階述語論理: 述語・関数にも量化命題論理 propositional logic命題の構造や真理値を扱う反例 (カウンターモデル) counter-model Ax. 反射律 reflexivity: ∀x(x = x) ⇒ 推論規則1-3
1. 交換律 commutativity: (s = t)/(t = s) Ex. ○; 空気は水より重い、× 速く走れ 基本命題: 最も基本的な命題結合命題: 論理記号で構成された命題 → 部分命題: 結合命題の構成分子 合成命題: 2つの命題を組合わせ1つの命題を作ったもの Ex. 「明日、気温は30°Cを越す」「明日私は泳ぐ」 → 「明日気温が30°Cを越せば私は泳ぐ」 命題P, Qにおける論理記号命題を結び付ける強さの順序 ⇒∧ and, ∨ or → then, ≡, ~ ⇒ 回路 (circuit) 否定 not: ~P, ¬P or ⌈P (Pでない) 「命題Pが偽」 論理和(離接): P ∨ Q (PまたはQ) 「命題P, Qの少なくとも一方は真」 論理積(合接): P ∧ Q (PかつQ) 「命題P, Qが共に真」 条件文: P ⇒ Q, or P → Q (PならばQ) 「命題Pが真なら必ずQも真」 (Pが偽の場合は何も言ってない) 論理式以下の記号を用いて表示 Ex. ∃x ∈ N, x2 – 5x + 6 = 0
変要素記号: x, y, z, … Def. (記号)論理記号 logical symbols: 論理語の意味を記号で表したもの ∀: ∀x P(x): 任意の/全てのxに対しP(x)が成立 (∀x) P(x) ⇒ Q(x) or (∀x : P(x)) Q(x): P(x)を満たす任意のxに対しQ(x)が成立 ∃ (∃1, ∃!): 一意的に存在(する)∃x ∈ S; P(x) or ∃x P(x) とも書かれ、集合S中に命題P(x)成立する元xが唯一存在 / あるxが存在してP(x)が成立 ∴ 従って, ゆえに, よって (結論)文頭に記され、その文の主張が前述の内容を受けて述べられる ∵ なぜならば (理由・根拠)文頭に記され、その文の内容が前述の内容の理由説明である :=, :⇔ ~とおく (定義)「A:= X」、「A:⇔ X」は、Aという記号の意味するところをXと定義する Def. 命題演算 proposition operation: 記号を用い命題に演算を施すこと
p ~p 双条件文 p ↔ q ≡ (p → q) ∧ (q → p) 「pならばq、かつqならばp」
p q p∨q p∧q p→q (p→q)∨(q→p) p ⇒ q : 諺成立 + それ以外のことには何も言及していない 即ち、「~p, 塵が積もらない」場合には「山となる」は真でも偽でもよい → p ⇒ ~q以外は全て真 限定記号 =∀ (全称限量記号, 任意の~に対して) + ∃ (存在限量記号, 存在する)
p(x): 集合Sに関する命題(関数) → 要素xを与えることで真偽の判定が下せることがある 同値(⇔, iff: ~のとき且つそのときに限って, 同値 if and only if): 「P ⇒ Q」はPとQの真偽が必ず一致 同値 (⇔, iff): p → q ⇔ ~p → ~q, q → p ⇔ ~p → ~q
┌────────┐ ┌──┼───┐ │ ↓ ↓ ↓ ↓ p q p→q q→p ~q→~p ~p→~q 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 0 0 1 1 1 1基本命題の真偽の如何にかかわらず 循環論法(恒真式) tautology: q → (p∨q) 常に真 ↑↓ 真にも偽にもなる 恒偽命題(矛盾命題) ~[p → (q → p)]: 常に偽 – 論理的に偽な命題 Def. パラドクス(逆理, 逆説) paradox: 論理的に正しく見えるが、矛盾生じる命題や状況 - 自己言及・循環論法、論理体系内不整合により発生Def. 自己言及のパラドクス self-referential paradox ≡
ある命題が自身の真偽を決定できない 三段論法 syllogism[(p → q) ∨ (q → r)] → (p → r): 演繹法代表(2個以上の前提 ⇒ 1結論導く)
表. 三段論法 結論 conclusion, p → r = c ⇒ 三段論法は論理的に真な命題 = 妥当的 valid: 思考形式の正しさ ↔ 非妥当的 invalidEx. クレタ人の嘘吐き Ex. プロタゴラスとエウアトロスの論争 Ex. ゼノンの逆理(詭弁) paradox of Zenon: 命題「飛ぶ矢は動かぬ」「1点から他点へ行き着けない」「アキレスは亀を追い越すことはできない」 (p∧q) ⇒ (p→q): p∧qはp→qを導く 必要十分条件 necessary and sufficient condition, N.S.C. 条件(題) A, B, A ⇒ B 真__矢印の先は必要 (覚え方)
BはAである(B ≡ A)ための必要条件 necessary condition, N.C.
BはAであるための必要十分条件 A.__B ⇒ A [x = 1 ⇒ x2 = 1] 真 … AはBであるための必要条件。よって、 A ⇒ B [x2 = 1 ⇒ x = 1] 偽 … AはBであるための十分条件 Q. x2 = 0 (A)とx = 0 (B)の関係A.__B ⇒ A [x = 0 ⇒ x2 = 0] 真 vs A ⇒ B [x2 = 0 ⇒ x = 0] 真 ∴ A ⇒ B 真. B ⇒ A 真 … AはBの必要十分条件, and vice versa |
格と式 figure and mood定言的三段論法 = (1)中概念の位置と(2)判断の質量、2面から見ること可能格 = 中概念の位置から見られた三段論法の形式
概念: 中概念 middle concept, M. 大 major -, P. 小 minor -, S
M – P P – M M – P P – M
式はA, E , I, Dを3つずつ組合わせ(重複可能)できる: 43 = 64。格が4つで64 × 4 = 256 第一格 AAA (AAI) AII EAE (EAO) EIO
Ex. 第二格: 全物体は空間性有する(= A)。全精神は物体ではない(= E)。故に全ての精神は空間性有しない(= E) → AEE 帰納的論理(帰納法) induction, inductive logic類推 analogy → 帰納的推理 = 蓋然的推理 probable inference帰納法の分類 (Mill 1843) 1) 一致法 agreement
Ex. 1 A B C → a b c Ex. 2 A D E → a d e
Ex. 同種の植物を以下の条件で育てる
Ex. 1 A B C → a b c Ex. 2 B C → b c
Ex. 一方に鉄を含む正常な栄養(A)を与え、一方は例えば鉄のない栄養を与える
Ex. 1 A B C → a b c
Ex. 1 A B C → a b c
科学実験においてもっともよく使われる – 量的統計的検定にも向いている
原因と結果形相因と始動因形相因と始動因であるもの = 原因と結果が同時的なものはこうなるEx. 月食 = 月と太陽の間に地球が入る ⇒ 本質 = 形相因 (= 地球が間に入ることが原因 = 始動因でもある) 月食があれば、月と太陽の中間(中項、中概念)に地球が入っている = 進行中の現在の出来事。このことは、月食が過去の出来事であっても、未来に生ずる出来事であっても同じこと Ex. 氷 = 凝結した水 ⇒ 本質 = 形相因 (= 凝結が原因 = 始動因でもある)
水 = C, 凝結 = A, 中項(原因) = 熱の完全な欠如 = B
困難点: 推論 → 結果から原因推測(過去の生起が完了事態として現在内に含まれる)。Aが生じBが結果するのに時間がかかるので、Bが生ずることが結論として帰結したかは言えない。未来についても言える Ex. 過去形で示される命題の両端の項と同じ族の中概念は現在形で示されるものにはない ∵ 2. 生じてしまったものと生じつつあるものと接触していないということはできない。即ち、生じつつあるものは可分割であるが、生じたものは点のようなもので、不可分なものであるから、両者が接続することはない 原因 – 結果: 相互随伴関係Ex. 落葉 = A, 葉の広い植物 = B, ブドウ = C
BについてAがある。CについてBがある。故にCについてBがある。(Bが中概念としての原因) Ex. 地球がつきと太陽の中間に来る[先] → ∴ 月食[後] 一つであることについて多数の原因があるか。Ex. AについてBとCである。DについてBである。EについてCである → AはDとEについてである 原因は[DにとってはB]、[EにとってはC]である。 ⇒ Aという結果がある ≠ 全ての原因の実在が必然 本質本質についての推論や論証があるか本質 = 定義により示される ⇔ 定義 = 主語Sと述語Uの置換可能なもの Ex. 人間Sは理性的な動物であるU → 理性的な動物は人間である そうであるならば、本質について推論や論証はありえない Ex. 理性的動物Bは2本足動物である。人間Cは理性的動物であるA。故に人間Cは理性的動物Aである
⇒ 推論で「人間は2本足動物である」が定義 → 主述置換可能 分割法定義を推論しうるか分割法は定義の方法 ⇒ 定義と推論して得るものではない → 分割法 ≠ 推論 Ex. 人間 ○ 動物 × 無生物
基礎定立本質固有要素の総体 – 本質を推論しうるかEx. 人間は理性的な動物である → 「理性的」と「動物」の総体が基礎定立 → 中概念を必要とする推論をすることなしに、基礎定立を立てること自体で本質を述べている 定義する者は本質を証明するか: 本質は明かにされた前提から出発するから、推論は本質を明かにできない結局、(1)定義 ≠ 推論、(2)それらが同じものについてあるものではない、(3)定義は何一つ論証せず、証明せぬこと、(4)「事物の何であるか」は定義によっても論証によっても認識しえない 本質を認識する道1. そのものの原因がそのもの自体と異なるものについて
事物が何かについては、推論も論証も成立しえない。しかし、それは推論を通じて明かにされる
Aとは雲間における火の消去 Ex. 算術学者は「1つ」が「何であるか(本質)」と「1つ」が「あること」を共に論証の基礎として決定する ⇒ 本質を知り同時に「ある」ことを知る 3. 定義の3種(帰結)
a. 言葉、句の意味を証明 (我々に許された)類推の根拠と類推の可能限度類推 = 類縁関係の考察結果帰納法的限界 → KJ法 and/or アプダクション → 類推の合理化 Ex. 世界観 - 相似と相違(地球中心的世界観)。生命観 - 構造・環境。生物学的理論 - 社会・歴史 ホーリズム(全体主義 wholism): 全体像 → 起源論の出現 |
自分が言いたいことを主張するのは大事だが、以下の単語を用いざるを得ない時には注意。Resultsで言えない妄想をひたすら書くのは考察ではない。
may / might: 妄想を書く時に使う。1ページに5つもあると「もう読まんでいいわ」という気分になれる。 In addition, DISCUSSION is not a section for excuse but a section for creative arguments. 循環論法 (tautology)日本語で書くと気づきやすいのだが、英語で書くとなぜか多発する。これは、絶対に止めねばばらない。実は、当人は、そうは思ってないので直せないのだが。例えば、循環論法の代表例に、「赤いリンゴは赤い。」があり、それは証明できるのだろうか。科学者たるものの、なすべきことではない。この原因の一つに英語力が大きく関係しているとは思うが、それ以上に思考回路を変えるべき。同じことを、文章を変えて何回も何回も何回も書いてある原稿を見るが、結局、その話で循環してて、論理は存在しない。 文章も悲惨だが、これは完璧な循環論法。なぜ気づかぬ。 Bare peat showed with the highest percent un-vegetated in these mined sites. 拡大解釈Ex. 張紙禁止 → 張板ならよい? → 張板も張紙の1種張紙は禁止である。張板は張紙の1種である。故に張板も禁止である |
階型理論 type theory (バートランド・ラッセル 1903): 張り紙禁止 → この文面は、この張り紙に及ばない
二重標準 double standards: Ex. 大人は飲酒が許されるが、子供は飲酒が禁止される 懐疑論 scepticism (Gr. Skepsis)1) s.l.: 普遍的な心理を確実にとらえることは人間には不可能とする論2) s.s.: ある特定の領域について、確実な真理をとらえる可能性を否定する論 相関関係と因果関係 (correlation vs causal relation)観察研究中での因果関係判断基準: 統計的 vs 相関関係 ≠ 因果関係妄想 (delusion)心理学では根拠のない主観的信念であり、事実の経験や論理により訂正されないものをいう。根拠がないということは、社会的条件を考慮し判定すべきで、未開人の根拠のない信念は妄想ではなく、迷信も妄想ではない。主観的信念は、知性の不足等によるものではなく、内的欲求すなわち、妄想欲求に基づくものである。一方、科学とは全ての人が真理と認める知識体系であり、客観的経験を基礎とし成り立ち、具体的に証明されうるものである。科学の際立った特徴は観察と実験ができることである(サーフライダー21 1998)とかく愛国あるいは何々の主義だといって議論して歩く間はよく聞こえるけれども、これを実地に行う時は、翻訳が間違いやすい故に我々が卑しくも理想を抱くという以上、その理想なるものを実現するにあたって、理想の品位を下げぬように行為に現すにあらざれば理想でなく、妄想である …(新渡戸 1929) 格言 「今日、科学者であろうとなかろうと、知的な仕事をしている人は、自然科学の問題と関わらない訳には行かない。」 (ミヒャエル・エンデ 1991) |
ゲラが来たら、よく読もう。日本人の宿命として、直されてた部分は、英語としておかしいことが普通だが、こちらの意図した意味が変わっていないかどうかを確認するだけの英語力が必要となる。ゲラの直し方は、雑誌によって違うし、ネット上でやることが多くなってるが、ゲラに、赤を直接入れる場合には、ある程度の ルール ![]() 公用文等における日本人姓名のローマ字表記令和元年10月25日 関係府省庁申合 グローバル社会進展に伴い、言語文化多様性を人類全体が意識し生かすことが重要となり、この観点から姓名ローマ字表記は「姓名」という日本伝統に即した表記が大切である。各府省庁作成公用文等(公用文)において、姓名ローマ字表記時は、原則「姓名」順表記し取り扱う。本件対応にシステム改修を要する等、特別の事情がある場合は、当分の間これによらずともよい記
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外国式氏名表記についてパスポート(旅券)上の氏名: 原則, 戸籍上氏名をヘボン式ローマ字表記
Ex.スミス 花子: 姓 = SUMISU, 名 = HANAKO 1. 非ヘボン式氏名表記 (外国式氏名が戸籍記載あり)
戸籍上氏名が外国式綴り → 外国式綴り(非ヘボン式)表記可能
戸籍非記載外国氏名を旅券に記載希望 → 戸籍上氏名の後にカッコ書き併記可能 Ex. 米国旅券米人父姓、戸籍母姓: SATO (WILLIAMS) PATRICIA |
「人間はいかに生きるべきか」を扱う (科学倫理が話題になってるようだが)
⇒ 人類学的人間 道徳 morality社会生活の秩序を保つための行為の規準 Ex. 交通道徳、公衆同毒
→ 倫理: 社会的行動の規範体系 Ex. 職業倫理、政治倫理 倫理理論結果主義: 「結果が全て」 = 行動・考え方が将来起こりうる結果に判断される望ましい結果を生むのは良い行動 (and vice versa) 1) エゴイズム個人の利益・幸福最優先 → いかなる行動も個人の幸福を最大化する限り可人間本性論人間は幸福に生活する全技能と能力備える - 能力が行動の評価判断基準快楽主義: 個人の快楽最大化か、苦痛最小化に行動 (典型エゴイズム) 2) 功利主義 utiliarianismBentham: 「最大多数の最大幸福」 + Milla) 行為功利主義: 選択に先立つ全行為の結果 = 最大多数への最大利益 b) 規則功利主義: 最大多数に対し最大の幸福に従う規則を求める
民主主義: 基本的人権尊重 → 多数決による意思決定「全ての人を1人と数え、誰をも1より多くに数えるべきではない」(ベンサム) 3) 利他主義行為の結果が、行為者以外の全ての人に好ましい = その行動は正しい義務論カント (Kant): 「人格の尊重」行動の結果ではなく、行動の動機を問題 → 動機正しければ、その行為は善 結果主義・義務論共に ⇒ 「結果」、「動機」が正しいと判断する基準ない Ex. 癌告知: 義務 (義務論) ⇔ 患者がより幸せならしなくてよい (功利主義)当為論行為そのものに善悪があり、合理的な倫理的判断は人が下すEx. 「嘘をつく」 - いかなる動機であろうと、その行為そのものが悪 道徳情緒説倫理上の言説は真でも偽でもなく証明できない相対主義: 普遍的な道徳基準の存在を否定 功利主義 utilitarianism (Benthamism)貢献応報刑主義: 目には目を教育刑主義: 見せしめの効果 (過酷な量刑の可能性) 功利主義に基づく量刑: 最小限で十分抑止効果 → 最小限規制を除けば自由 Ex. 10人に対し1人分しかない特効薬を「平等に」割り当てる倫理理論
「生存率を最大にせよ」が正義の大原則
社会的ジレンマ: サバイバル・ロタリーが実施されると … 「健康な人」1名選択 → その生命と引換えに「不健康な人」10人が延命 フリーライダー問題: 不健康になろうとする人が増える
社会全体では不摂生な人、不健康な人の割合が高まる可能性 問題点
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社会と個の潜在的対立「群」を作る動物としての人間 ↔ 「個」として生きる人間⇒ 「社会」への関心、「集団」への依存、「利己性、利他性、権力関係、富・リスク分配の不均一性」 = 「社会的ジレンマ」と「合理的選択計算」 個人が他者と相互行為 → 利害対立孕んだ社会的関係発生 ⇒ 倫理・道徳 世代間倫理/正義/衡平(性) intergenerational, ethics, justice or equity)70 年代: 国際社会で越境する環境問題が一大テーマ80 年代: 「持続可能な発展sustainable developmentという言葉が時代のパラダイムを表す言葉 持続可能な発展上、現在世代と未来世代が享受する自然環境からの恩恵(水やエネルギー資源等)に差異があってはならない世代間公平性 環境ファシズム: トム・レーガン(環境思想)造語
レーガンの思想: 個々の個体に権利 生命倫理学 bioethicsDef. 生物学発展から生じた種々の倫理的問題を研究バイオテクノロジー革命(BT革命) 1980 遺伝子操作された微生物に対する特許の可能性認める 1990 ヒトゲノム計画 予防・診断・治療: 生気論vitalismと機械論mechanism
動物実験 (vs 食肉用家畜) (Huxley 1932「すばらしい新世界」) 生殖技術: 全て優生学への流用可能
人工授精 artificial insemination (試験管ベビー) 精子低濃度、性的不能 • 非配偶者間人工授精 artificial insemination with donor seemen, AID 無精子症、遺伝病、夫婦血液型不適合
体外受精 in vitro fertilization, IVF + 胚移植 embryo transfer, ET 脳死 - 医学的「死」とは何か → 植物人間 全脳死説 vs 脳幹死説 vs 大脳死説
1997 臓器の移植に関する法律
遺伝子治療
生命(活)の質 (QOL, quality of life)と生命の尊厳 (SOL, sanctity of life) 死への準備教育 death education インフォームド・コンセント informed consent説明と同意 (十分な説明を受けた上での同意) ⇒ 人口制限 (+ 家族計画 + 教育)環境倫理学 environmental ethics経済活動と環境保全は両立するのか → 生態系サービス自然の生存権保全生物学・保全生態学: 人為による種絶滅・生物多様性低下 - 倫理的に許されないという価値観 (鷲谷・矢原 1996)⇒ 生物多様性条約 世代間倫理地球全体主義 |
不正行為 (FFP)Def. 捏造 fabrication: 存在しないデータ、研究結果等を作成Ex. ピルトダウン事件 Piltdown hoax Eoanthropus dawsoni (ピルトダウン人/ドーソン人/曙人) - 贋作 Def. 改竄 falsification: 結果を変更し加工 図表: 正当な理由なく行ってはいけない操作
オーサーシップ authorship著作権や原作者の権利 → 学術研究: 論文著者としての責任
筆頭著者 first author: 研究に最も貢献した人 著作権 copyright不適切な発表方法二重投稿・出版サラミ出版(ボローニャ出版): 研究を複数の小研究に分割し細切れ出版 業績水増 利益相反 conflict of interest (COI)安全保障貿易管理研究インテグリティ: 研究の健全性・公正性 - 自律的確保必要目的: 日本を含む国際的な平和及び安全の維持
法律↓__外国為替及び外国貿易法(外為法) リスト規制: 対象となる品名・仕様をリスト化 - リストにあれば規制 合体マトリックス: リスト検索を容易にしたもの |
キャッチオール規制: リスト規制非該当でも需要者・用途の観点から規制 デュアルユース: ある技術が民生用・軍事用に使用可 Ex. 爆薬, インターネット, GPS, 遺伝子改変技術
大量破壊兵器キャッチオール規制 経済安全保障 → 安全保障輸出管理 - 北大ルールはここから … みなし輸出管理強化 技術: 設計 → 製造 → 使用提供形態: 技術データ・技術支援 ⇒ 違反は罰則 生物兵器米国再輸出規制日本を含め域外適用される再輸出: 米国 ☞ 日本 ☞ 第三国 (赤の部分が再輸出) _____________ ☟ (≈ みなし輸出) ____________外国人 みなし輸出: 大学で一番問題となる部分の一つ 留学生受入: これまで法的には半年以上滞在すると居住者 = みなし輸出対象からはずれていた - 居住者の定義を変える必要
海外調査 研究費不正インフォームド・コンセント/個人情報保護研究不正防止と告発先取権 priority同時発見(多重発見): 同時期に複数の同じ発見 → 先取権 = 一番乗りEx. Darwin: 自然淘汰説はWallaceが同時期に発案
リンネ学会で同時発表 Darwin没後に敬意を表し自然淘汰をDarwinismと呼ぶ Ex. Joule vs Mayer vs Helmholtz: 熱力学の第一法則Mayer: Helmholtz盗用訴える → Mayer: 精神疾患 Ex. Newton vs Leibniz: 微分法創始者争い |
情報社会進展がもたらす文化の変容情報社会理解の基礎: 情報科学 information science, コンピュータサイエンス computer science理解 ≠ 情報機器や応用ソフトapplication software操作方法の暗記 基礎は応用範囲が広く、個々の時代をリードした事柄を時代背景中で考え、心の営みを通じ感じ取るのに大切である。芸術表現も科学技術のあり方に深く関係し、新画材、楽器の発展抜きに新芸術活動生まれず、科学技術も芸術鑑賞に似た気持ちで学ばねば、功罪の真の姿は見えない。コンピュータと通信が結び付く影響は、ビジネス効率化に留まらず、新コミュニケーション出現から始まり人間関係自身にも及ぶ。インターネット技術の普及は間違いない。豊かな人間関係を保ち生きるため、考えるべきことを見る マスメディアと個人の情報発信新聞・TV等マスメディアや、直接会話、電話手紙による伝達から情報を得る。しかし、個人と情報の関わりは、マスメディアと電話手紙は大差がある。個人が無許可ラジオ・TV局を開設すれば違法である。ある事柄に関する意見を新聞・テレビに投書しても、掲載されるとは限らず、掲載されても、発表時期、形態、校正等は、新聞社やテレビ局というマスメディア編集編成方針に沿うものになる。同じことが投書記事に対する反響や反論が、発信者に戻る時にも起る。一方、自費出版本やミニコミ新聞は、金額がかかり、日本中、世界中への配布は困難である。従来社会情報産業といわれるマスメディアは、広く社会の情報を個人に伝える機能は充実するが、個人が情報を社会に向かい発信するには適さない。情報の流れが個人に向かい片方向に流れる。一方、電話や手紙といったメディアは、情報発信者と受信者とが相互に入替われる。つまり、情報が双方向に流れるマスメディアにない利点を持つが、その広がりは個人対個人、あるいは仲間内といった狭い世界に過ぎず、マスメディアが社会に与える影響の広がりには適わないQ 新聞投書欄記事の投書数に対する採用割合と採用基準を調べよ 「知」が共有される社会情報社会化で、W³など個人が小資金で情報発信できる状況が生まれた。W³は、閲覧者(情報受信者)がページ作成者(情報発信者)に意見等の情報を送れ、情報発信者(私)と情報受信者(他者)が双方向に繋がる。疑問意見をW3ページや電子掲示板に乗せ情報発信すると、発信者の質問意見に対し見知らぬ人から答が届くことは普通になった。逆に、自分がW3ページを見る立場に立ち情報検索していると、新知識を得たり解答者になる情報社会: 国境超え従来社会にない低費用短時間で直接双方向に繋がる
「知」を時間空間超え共有 → 情報関連平等性↑ = 独裁社会抑制機能↑ 情報判断力と(新しい)情報発信モラル個人が世界に向かい情報発信できることは素晴らしいが問題もあるEx. 電子メールサービス: 会話や電話や手紙に見られなかった種類の誤解
従来のマスメディア報道: 報道内容の真実性等を専門家に確認する、記事の裏付けをとる等が行なわれる Eメール、電子ニュース、W³ページ等を通した情報発信 - 与える影響知る必要 Ex. 他者著作物無断流用等は著作権法違反 = 倫理に反しない情報発信必要インターネット - 簡単に広く素早く世界に情報発信可能 → 発信情報責任↑ Ex. 事件: 私信で噂話をする感覚で自分のW3ページに記事掲載 ⇔ W³ページ上の記事を鵜呑みしない「情報選択能力」重要自由・平等・公正: 情報は、取り扱い方で他者権利侵害や、自己権利侵害される結果を招く。情報処理技術の社会影響と、ネットワーク社会での「公平・公正・責任」と「インターネット社会参画態度」を検討する。インターネット社会も、私達の社会である。各国政府が、個々の考え方で国を治める。日本国内での常識的権利義務や、財産権、発言自由等も国により制限される。異国を結ぶインターネット社会での社会常識も考える 自由: RFC準拠通信ネットワークでの「自由」は、どのコンピュータ、ソフトウェアを用いても構わず、他者権利を侵害しない限り、どんな行動も許され、国際社会の「自由」と同等である。逆に、「他人の権利を侵害する行動」を知らねば善悪判断できず「自由を知る」ことは「他者権利を知る」こととなる |
平等: インターネット社会では、発言者は全て平等である。大統領のEメールでも、国王のWebページでも、インターネットに出れば他のメッセージより優先処理されることはない。「バリアフリー」も必要である 公正: 行動に常に自己責任求められ、発言には実名付け虚偽内容の発信をしない。発言後は、利用者からの反応に責任を持つ対処求められる。他人の情報を盗んだり、ネットワーク通じ他人のコンピュータ破壊行為を行なわない W³上での問題コンピュータ技術が高い柔軟性 → 悪意を持つ人が発信者と受信者間に割り込む → 危険性を知る乗取侵入者が発信者コンピュータに入り込みネットワーク情報を加工し、本来の発信者意図とは異なる内容を受信者が受け取るよう細工 間違え易いURL: URLホスト名は、商標法等で保護されず、悪意持つ者が著名企業組織連想させる名称利用件取得し利用者が誤解するページ公開 他人ページ取込: Webページ内部へ別Webページ埋込表示を利用し他人ページを自分のページのように利用 情報操作や「騙り」: 誰でも好きな情報公開可能な点を利用し、偏った情報公開したり、別人を装うページを公開 盗聴・改竄: フォーム利用時には、通信傍受したり、その内容を電子的に書き換える等し、プライバシー情報を得たり、それを犯罪に利用可能 注意すべきは、コンピュータがなくても起こり得る問題行為の「コンピュータ版」という点である。ネットワーク経由で居ながら世界中とやりとりできるコンピュータ技術が、問題を増幅している側面がある盗聴改竄防止 → 暗号技術である程度防げる。通信文を暗号化すれば傍受しても意味が取れず、書換えると元文に戻らなくなり書換えが分かってしまう Q 上記の様な問題が起こった場合、どのような点に注意し復旧すべきか 電子メール/ネットニュース(NN)使い分けその情報は誰に価値があるか?[問題] インターネットメッセージ → 余り印刷されない → 独言的お喋り・不問に付すべきメッセージ発信傾向 → メッセージ作成原則: 「価値ある情報発信」、「読手を考慮」を意識する
1) 相手に役立つ、意味ある、嬉しい情報・話題を提供 メッセージは公表人制御不能な範囲まで伝達され思わぬ反応もある。MLは、一定目的を持つ人の集団で「特定多数」と言える。Eメール、NN、W³特性を使い分け、価値ある情報発信をする。全メッセージに「価値」は必要ではないが、送信者に有価値でも受信者には無価値なことも メッセージ内容を評価する人: 特定人 = Eメール ↔ 不特定多数 = NN・W³メッセージに関すること書いたら読む人を想像し1回は読み直す。端末は何? 気分は? どんな人が読む? こういった想像を巡らすだけで、メッセージ内容が他者に優しくなる1行何文字: 昔、PC表示画面は英字80文字だった。Windowsは、幅80文字に拘らないため普及したが、80文字幅で見にくい文書は避けた方がよい。読みにくいことを心配し1行おきに書く人がいるが、むしろ迷惑である。「多行表示不可端末」使用者は1行おき文章は段落等が分かりにくい 相手が読める文書: 相手PC画面で読める形式 → 「機種依存文字」や中継時不具合ある「半角片仮名」避ける。EメールやNNは本来、バイナリデータ送付を想定しないのでテキストデータ変換し送るべきだが、受信側利用可能変換方法も調べておく サイズ: 大きいメッセージは、通信時間(料金)や保存領域の無駄でありサイズは「小さく」する。多くのサーバは、誤操作・誤動作等による非常識サイズ送信防ぐため、上限設定がある。MLでは、1通が大量通信を引き起こすことも注意 Webページ設計: 回線、機種、OS、ソフトウェア等が異なる環境でWebページは見られ、読み手環境差を意識したHTMLを書くべき。 Ex. 画面サイズ、使用色数、ソフトウェア等、ページを見る必要条件減らす 個人情報: メッセージ内容に「個人情報」に関する話題を書くべきではない 挨拶・お礼?: 挨拶・お礼のみメッセージは、大抵無視される。MLやNNは「投稿に相応しい内容」に気をつけ、Eメールで個別に返事を書く方が良いことも 白熱した議論も程々に: NNでは、個々人が自分の意見を表明するばかりで議論噛み合わず、相手の発言内容よりも表現に意識が集中することがあり、「フレーム(炎)」といい危険状態となる フェイスマーク face mark: 感情表現記号列 Ex. (^_^)/", :-)。フェイスマークと異なるが、文中に「(笑)」等も使われる。意思疎通を補助する有効手段だが、過剰使用は面白み損なう FAQ, frequentry asked question: よくある質問 |
社会への影響: 文書の社会影響を公開時に検討すべき。暴動・戦争を扇動しかねない主張、違法内容、名誉毀損相当内容、虚偽等の掲示は、コンピュータ上でもメディアの一種として扱われる。犯罪行為を招く書き込みや、行なった又は行なおうとする違法行為公表は厳禁である
Ex. 「テレビ番組ダビングさせて」 → 放映権侵害行為 個人情報(プライバシー)保護個人情報は、名前、容姿(顔等部分含)、住所、電話番号、生年月日、勤務先、経歴、宗教等の固有情報全てを指し、公開範囲は本人制御可能とするのが一般的となる。個人情報取扱は慎重な対応が必要で、W3は、悪人が廉価・大規模に情報収集する危険があるどの組織でも、個人情報保護規定を設けている。組織員だけが規定に拘束されるのではなく、非組織員の顧客・学生も、その会社のプライバシー事項を公開すべきではない。顧客が手違い等で、非公開企業・学校情報を知った場合等は情報公開を避けるべき。写真や動画等は、自ら撮影したものは自由に利用可と誤解しがちだが、被写体肖像権や意匠権を侵害しない配慮も必要である。情報が広く公開されるため、プライバシー相当の個人情報、他者に負のイメージ抱かせる様な情報公開は謹む 名誉毀損の際にしばしば話題になるのは、事実性だが、判例では事実でもイメージダウンとなる時は名誉毀損となり損害賠償を命ぜられた Ex. 具体的危険: 誰かが、あなたの1) 年齢が分かり悪戯電話を掛ける。2) 名前を騙り借金・商品購入等詐欺行為を働く。3) 名前を騙りネットワーク上で不快行為を行い(Ex. 悪口メッセージ送信)名誉を落とさせる このような危険を考えると、個人情報取扱いには十分な注意が必要と分かるQ 個人情報で何が他人に知られた場合、どう悪用されるか列挙せよ バリアフリーと他者との共存インターネット社会 = コンピュータ操作不可欠操作困難 ≠ 豊かさ享受 ≈ 年寄や障害者等 = 情報弱者 → 情報格差発生 |
ネットワーク利用時障害者: 身体機能障害者だけでなく、高速通信未確保、白黒ディスプレイ使用等使用コンピュータ機種やソフトウェア等 → 差別あってはならずネットワーク社会では障害者となり得る
政治の違い国地域間: 文化・政治異 → 社会的価値判断、「マナー違反」「法律違反」も異ある国家で自由文書が別国家では禁止という状況ある Ex. 国家・政府によりある種情報流通を法律規制 + ネット文書: 配布可能 = インターネット文書公開(特にW3)では配慮必要
内容形式に良識が作用し自由情報流通を最大限確保しつつ、法的規制が最小限なことが望ましい セクシュアル・ハラスメント, SH女性Webページやメール等に受取人を不快にさせる行為が行われることネットワークだけの問題ではなく、根本解決する有効対策はない Ex. 性別隠す ≠ 根本解決 + ネットワーク社会は女性少ないことも一因? 健全な解決には、女性が特別視されない社会を作るしかないQ コンピュータでバリアフリーがなされていない物を取り上げ、改善方法を考えよ。外国の人とEメール等を使い情報交換をする時に行なうべきでない発言を国毎に調べよ。性差別以外に起こり得る差別について考えよ |