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(2013年2月10日更新) [ 日本語 | English ]

種子発芽 (seed germination)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

休眠解除 ≠ 発芽
休眠解除シグナル dormancy-break signal + 発芽シグナル germination signal → 発芽 germination

発芽パターン: 発芽する前に分化が起こっている → 異化過程 catabolic process, 同化過程 anabolic process

[ 発芽と成長 ]

発芽刺激

温度 temperature
光 light
物理的種皮処理 mechanical scarification
メス等で種皮に傷をつける - 多くのマメ科植物で有効
索引
heat
乾式処理: 乾燥器に放り込むこと

Desmodium, Stylosanthesから7種: 80° 30分 - 効果は種により異なる
ササゲ: 70°C 7日間/75°C 4日間 - 効果なし (長井・竹内 1987)
ラッカセイ: 70°C 2日間/70°C 3日間 - 効果なし

湿式処理: 湯につけること。熱湯に数分から数時間が多い
smoke

種子発芽 (seed germination)


(Gummerson 1986)

発芽時間の水ポテンシャル-温度モデル

Hydrothermal time model (HTT model)

発芽に温度と水ポテンシャルの閾値thresholdがあることを仮定
1. 温度
1986 Covell et al.

1/t = [TTb]/θ1

t: (積算)時間 (days)
Tb: 基準温度 base temperature (これより低い温度は積算温度とならない)
T: 与えた温度
θ1: 発芽必要時間 thermal time

2000 Moot et al.

gr = b0 + b1x (発芽-時間関係が直線となる範囲)
Tb, Tt(熱を与えた時間)は下式で与えられる
Tb = -b0/b1
Tt = 1/b1

2006 Black et al.: 2000 Moot et al.改変版

積算温度 thermal time (°C d) = Σ{(Tmax + Tmin)/2 - Tb}

Tmax, Tmin: 日最高・最低気温 (Tmin > Tbでないと変だが)

2. 水ポテンシャル 給水: [土壌] → 水ポテンシャル → [種子] → 代謝活性化

↓ 吸水期: 吸水し膨潤
↓ 発芽始動期: 吸水緩やかとなり代謝系活性化(タンパク質合成)
↓ 成長期: 幼根・幼芽成長開始

3. 水ポテンシャル-温度 hydrothermal time
2009 Meyer & Allen, 2009 Blooming et al.

θHT = (ψψb(g))(TTb)tg

θHT: HTT要求量 → 発芽に要するHTT積算量
tg: gにおける発芽までの時間
ψ: 水ポテンシャル
ψb(g): gにおける発芽までの水ポテンシャル
T: 発芽までの温度
Tb: 基準発芽温度(積算温度を求める場合にゼロとする温度)

→ プロビット変換
Probit(g/gm) = [ψψb(50) – θHT/((TTb)tg]/σψb

g/gm: その個体群中にある生存種子率
ψb(50): その個体群中での基準水ポテンシャル平均値(中央値)
σψb: その個体群中での基準平均水ポテンシャルの標準偏差

[ 種子 | 埋土種子 | 休眠 ]

種子休眠 (seed dormancy)


発芽に適した条件下においても発芽しない (環境適応の結果) ⇒
種子が不適当環境で発芽 → 幼植物死亡率↑
環境に適応した植物は成長に適した環境においてのみ発芽成長できる(曖昧な表現)

True dormancy: 何をしても休眠が打破できない場合
Main rest or middle rest
Predormancy:成長能力を完全には失っていないもの
dormancy
このようなものでは、真の休眠は存在しない(Vegis 1964)
Ex. Amaranthus: 発芽ピーク40°C, Betula: 30°C = 時間とともに発芽温度域徐々に広がり0-30°Cで発芽

種子休眠タイプ types of seed dormancy

分類は色々あるが
  1. 自発休眠 innate dormancy (一次休眠primary dormancy, simply dormancy): 種子発達段階で既に休眠機構形成されたもの
    1. 種子形成後一定の後熟期間必要
    2. 発芽に生化学的引金(ホルモン等)必要
    3. 種子中に発芽抑制物質を貯蔵し、これが減少すると発芽する
    4. 種皮が物理的に水分やガスの種子中への吸収を抑制しているため休眠する
  2. 誘発休眠 induced dormancy (二次休眠secondary dormancy): 親個体から離れた後の環境要因により種子内部に変化が起こり誘引された休眠

    種子休眠 seed dormancy (s.s.): 種子を傷つけたり胚を取り出すと発芽する
    胚休眠 embryo dormancy: 胚を取り出しても発芽しない

    = 強制休眠 enforced formancy: 光・水欠如・環境中発芽抑制物質の存在等により強制的に発芽抑制された休眠

    発芽必須3条件が揃えば発芽する種子は光非依存種子 light-independent seeds

    1. 光 light → 発芽促進種子light-sensitive seeds / 発芽抑制種子 light-hard seeds
      → ファイトクロームphytochrome関与。light-sensitive seedsは雑草に多
      レタス種子における光要求性種子発芽の研究
      光: 土壌数 cmで届かない → 深所への種子移動は短寿命種子に生存上不利(Roberts & Feast 1972)
    2. CO2

(Harper 1977)

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