(2014年1月9日更新) [ 日本語 | English ]
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火山特有の植物群落 → 火山の分布に対応しているため分布発達が特異
爆発噴火による被害差 + 噴出物の性質、土壌化の具合、標高等によって植物の構成と発達が異なる 火山島 (volcanic island)海洋島 oceanic island: 成立以来、大陸と陸続きになったことがない島火成岩: 火山島の基岩 - 土壌が未発達な新島では基岩の影響を植物は大きく受ける 新島誕生: 火山活動に伴うこと多 → 植物0、土壌栄養ほぼ0から始まる + 海の影響 西之島新島1973.4: 誕生1975: グンバイヒルガオ = 海流散布型種子: 現在優占 大陸中に出現した新島には、まず広域分布種が出現 Cf. 旧島: スベリヒユ、オヒシバ、ノビエ |
[三宅島, 桜島, セントへレンズ山, ハワイ, クラカタウ, カトマイ] ☛ 噴気孔・硫気孔 噴気孔植物 fumarole plant: 噴気孔および付近で生育できる植物Ex. ススキ、ツクシテンツキ 硫気孔植物 solfatara plant: 硫気孔および付近で生育できる植物Ex. イオウゴケ、カリヤスモドキ |
[火山地質 (volcanic geology)]
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[1] 1991年10月12日。スコリア。[2] 表, イタドリパッチ群(1988年11月19日); 裏, パッチ(同日)。[3] オオバヤシャブシ (同日)。
[火山地質 (volcanic geology)]
1476年(文明)、1779年(安永)、1914年(大正)、1946年(昭和)の4回に渡って大量の溶岩が流出しその上に成立している植生を調べることにより溶岩流上の植生遷移が推定されている(Tagawa 1964, 1965, 1966)。遷移を促す環境変化は土壌成熟度と土壌表面への光の浸透と考えられている
桜島における時間系列調査は、1960年から1963年にかけて、流出した年が異なる溶岩上で行われた(Tagawa 1964)溶岩名 文明 安永 大正 昭和 溶岩略号 BU BM AS AF T1H T1S T2S SK SA 噴火年 1476 1779 1914 1946 植物群集 低木 低木 草本 コケ/地衣
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50年: 草原 (イタドリ・ススキ・タマシダ等) |
[火山地質 (volcanic geology)]
種子移入 (seed immigration)散布(移入)種子 → セントへレンズ山で湿式シードトラップ(seed trap)を使って1981年に捕らえられた種子
種 species = 比率 percentage 栄養繁殖 (vegetative reproduction)噴火1年後に5-20 cmのテフラ堆積地で低木28種と草本109種の根形発達様式を調査。全低木が匍匐性prostrate or reptantの根(二次根的)を発達。草本植物は様々な根形の発達様式が見られたが、おおむね地上部に達していた。表. テフラを突き抜けることができた草本植物の根型様式 (大して重要ではない分類だと思うが) → 大事なことは、テフラ深が7-15 cmであれば、多くの多年生草本がテフラを突き抜け地上部に表れ回復可能 (Antos & Zobel 1984) A. 地表に匍匐性の芽を出す(しばしば部分的に木化している)
B. 長いストロン ___ STOL (Stroniferous) C. テフラ上に芽が出ることは殆どない
D. 埋没土壌中から再び現れる ___ DB (Dies back) |
C. テフラ中に芽は普通に生産される E. 長いライゾームを持つ
F. ライゾームのみで地表へ移動 ___ LR (long rhizomes)
G. 桿(culm)によって地表へ移動 ___ CU (Culms) E. クラウンcrown、幹caudex、あるいは短いライゾームのある植物 H. テフラ中に新しいクラウン・コーデックス・ライゾーム等形成
I. 桿からクラウンを形成(イネ科) ___ CU (Culms)
J. テフラ中に多くの根がある ___ CR(Crown and roots) H. テフラ中に明瞭なクラウン等はない
K. テフラ中に多くの根がある ___ NCR (No crown but roots) 窒素固定植物 (nitrogen-fixing plant)ルーピン (lupine): 根粒菌をつけるマメ科植物 → ある所とない所で土壌中のN, Cを測定土壌中Nには明瞭な差はなかったが、Cは有意にルーピンのある所の方で多い。Nは、ルーピン(あるいはそれについている根粒菌)が利用するため土壌中にはあまり蓄積していないのではないか |
オアフ島: アア溶岩流出で知られるように頻繁な噴火を繰り返す
記載的調査 → 遷移初期は溶岩上にコケ・地衣が定着(Egler 1947) 外来の窒素固定能力ある木本植物Myrica faya(invader)は自生植物の成長が窒素欠乏により制限されている若い火山性の場所に侵入している→ 火山遷移: 窒素固定能持つ植物の有無により遷移様式が大きく異なる
表. ハワイの疎開した林間調査区でのMyrica faya個体群の有無による窒素供給の違い(kg/ha/yr)(Vitousek et al. 1987) |
表. Metrosideros polymorphaの直径増加(mm/yr、括弧内SE)(Vitousek et al. 1987) 調査地 対照 窒素肥沃化 有意レベル 他栄養の影響 1959年火山灰 6.6(0.8) 11.6(0.9) P < 0.001 NS 1790年火山灰 0.4(0.1) 0.8(0.1) P < 0.01 NS 古い火山灰 4.4(0.7) 5.5(0.9) NS 林間疎開地 0.6(0.1) 2.4(0.3) P < 0.001窒素固定能力を有するMyrica fayaとBuddeleja asiaticaは高光合成能を有し、さらに自生植物に較べ高い葉窒素濃度を有し、落葉をたやすく堆積させた → 土壌形成促進 + 植物へのフィードバック |
年降水量2629 mm、年平均気温27.8°C 1883.5.20 噴火、8.27爆発で島北部消失 火山灰と火砕流が残った南半分に降り注ぐ(死者36417人)。形成されたガリー深100 mに達し底は噴火以前の地表に達した。全植物が絶滅かは不明 1923 火山活動再開: 中央部にアナククラカタウ島誕生アナククラカタウ島3年後 ____ 藍藻生息50年後 ___ 鳥271種, 爬虫類5(ワニ1、ニシキヘビ1), コウモリ3, ネズミ1 植生回復汀線近 = グンバイヒルガオ群落→ 内陸 = モクマオウ林 → 混交林 mixed forest → ゴバンノアシ林 → 斜面 = ナンゴクワセオバナ草原 |
斜面植生: ガリー底に生じた混交林 大ラカタ島: Neonauclea林 小ラカタ島・セルトウン島: Timonius林とDysoxylum林 山体斜面: ナンゴクワセオバナがまばらに分布 (Tagawa et al. 1985, 田川 1989) ナンゴクワセオバナ茎数 = 標高とともに指数関数的に減少低地と分布上限近くで古い地下茎が地下60 cmまで埋没 → 最近火山灰が堆積した 分布上限付近: ナンゴクワセオバナが見られない。分布境界より上: 枯れた茎が残存 → 火山活動が穏やかだった頃により広く定着し、その後火山灰堆積に耐え生残していると考えられた (Suzuki 1984) |
アラスカ (Alaska) 溶岩上無機質土壌上 = 土壌窒素殆どない → 葉状地衣類初期に定着 + 若干の藻類が地衣類と共に定着(Griggs 1933) (高校教科書の遷移系列図のもとの一つはこれ) |
定着していた地衣類を実験室で無窒素培地で成長させると、他の植物より良好な成長をし、カトマイで遷移初期に無機質土壌(溶岩)上において地衣類が定着できることを指示した(Griggs & Ready 1934) |