(2023年5月22日更新) [ 日本語 | English ]
☛ 転石苔を生さず 蘚苔類 mosses (bryophytes) =
蘚類 Class Musci (moss), 18,000種 +
熱帯雨林保全はコケにとり重要 退行進化: Rhynia等を中心とする一群から退行進化をとげ導かれたとする 化学性分chemical component: 癌薬等。油資源・エネルギー資源 (研究中) 発生胞子発芽 → 原糸体形成 |
蘚類と苔類の比較蘚類(100%: 相対%)と苔類(10%)と葉緑体が量的に異なる蘚類胞子体は必要養分の30%を自己生産する[胞子体の独立性]。苔類ではせいぜい1%である。従って、蘚類ではある程度胞子体培養が可能である。換言すれば、配偶体に対し胞子体がある程度非依存的である Ex. ハミズゴケ Pogonatum spinulosum はGametophyte = Sporophyteの形をとる |
蘚類 | 苔類 | ツノゴケ類 | |
---|---|---|---|
配偶体 gametophyte | |||
原糸体 protonema | よく発達し、通常長い糸状でよく分枝(稀に盤状) | 余り発達せず、普通塊状、盤状、又は糸状で余り分枝しない | 苔類と同 |
体制 | 茎葉体 | 茎葉体、稀に葉状体 | 葉状体 |
仮根 rhizoid | 多細胞で分枝し、分枝よく伸びる | 単細胞、分枝稀(分枝しても短い) | 苔類と同 |
葉 | 通常放射相称に並び深裂しない 通常中肋有 | 左右相称に並び通常2-4深裂 中肋はない | 無 |
葉状体 thallus | 小 | 小 | 大 |
ピレノイド | 無 | 無 | 有 |
油体 | 無 | 通常有 | 無 |
花被 | 無 | 通常有 | 無 |
帽 | 有 | 無 | 無 |
胞子体 sporophyte | |||
蒴柄 | 通常硬く丈夫で蒴完成前に伸長 | 柔らかく、蒴形成後伸びる | 無 |
気孔 air pore | 通常有 | 無 | 通常有 |
軸性 | 有 | 無 | 通常有 |
弾糸 eletor | 無 | 有 | 有 |
口環 | 通常あり | 無 | 無 |
蒴歯 | 通常あり | 無 | 無 |
蒴の閉口 | 通常蓋がとれて開口する | 通常縦に4裂する | 縦に2裂 |
実用的区別法 - 知っておくと便利
「何々コケ」と呼ぶ植物は蘚苔植物でないもの含む。Ex. モウセンゴケ(Drosera)、サギゴケ = 顕花植物。クラマゴケ(Selaginella)、ウチワゴケ = シダ。ウメノキゴケ、ハナゴケ = 地衣類(コケ類と大きさ・生息場所似て、多くの種に「何々コケ」と和名がつけられ注意)
苔類 | 蘚類 | ||||||
Marchantia ゼニゴケ | Fmullaria シダレヤスデゴケ | Phaeoceras ニワツノゴケ | Haplomitrium コマチゴケ | Sphagnum ミズゴケ | Andreaea クロゴケ | Funaria ヒョウタンゴケ | |
仮根 rhizoid | 単細胞 | 単細胞 | 単細胞 | 無 | 多細胞 | 多細胞 | 多細胞 |
葉状体 thallus | 葉 | 茎・葉 | 葉 | 茎・葉 | 茎・葉 | 茎・葉 | 茎・葉 |
背腹性 dorsiventrality | + | + | + | ? | - | - | - |
軸柱 columella | - | - | + | - | + | + | + |
胞子散布 spore dispersal | 裂 | 裂 | 裂 | 裂 | 蓋 | 蓋 | 蓋 |
弾糸 elater | + | + | + | + | - | - | - |
採集と観察野外観察蘚苔類と判断できたら
生育形状・環境をチェック 葉形・葉縁と葉先端の形状 毛尖 hair point: 毛状に尖る葉先(しばしば透明)。中肋突出する場合と葉身伸出す場合 |
腹葉 underleaf (苔類): 茎葉体に葉が3列に配列 背腹性あれば軸の腹面に位置する葉
中肋(蘚類) 標本標本とする前にも観察しておく方がよい 実体顕微鏡 (6-40倍)生物顕微鏡 (40-400倍): 細胞観察 ピンセット、剃刀、シャーレ、スポイト、スライド・カバーガラス、キムワイプ |
1) 茎葉体 (leafy shoot)茎と葉が明瞭に区別できる(蘚類では区別困難な種もある)↔ Hepaticae = 葉状体 thallose 2) 茎頂端細胞(apical cell) 構造と分裂様式時計逆回りに4面が順に分裂し分裂面から葉を形成 → 典型的な螺旋状spiral葉配列3) 葉序 phyllotaxis一般に螺旋葉序と称されるが、詳細は属で異なる。ツチゴケ等は茎葉体が極めて短いが螺旋状である。例外として、ホウオウゴケ Fissidens は葉が互生するが、shoot apexを見ると(2)の底3分裂面のうち1つが極めて小さく、やはり分裂形態が特殊なだけで螺旋状の変形にすぎない4) (2)の第4分裂面が葉を形成Central strandの構成は羊歯とは大きく異なるHébant C "Conducting tissue" 若くして自殺: EMでcentral strandを観察 → 厚膜小形細胞はH cellとD cellの2種類があることを示す H cellは比較的細長く、原形質連絡糸が存在し、細胞間のつながりは斜 D cellはH cellに比べて薄い皮膜でやはり原形質連絡糸が存在し、細胞間のつながりは横 両者には、膜の構成および原形質量に差があり、水分移動に関与している。H cellは導管的でD cellは師管的である。H cell、D cellは総じてcentral strandは原始的なvascular bandleと考えた(Hébant 1977) → Central strandとvascular bandleの質的な差を調べる Central strandはリグニン成分を含まずlipoic acidを蓄積するのに対し、vascular bandleは二次肥厚にリグニンを蓄積する。Rhyniaのvascular bandleはcentral strand的である → 蘚苔類とRhyniaのつながり葉のつながりあるいは形成過程を見ると種子植物ではmacrophyllous typeでありleaf gapが存在する。一方、蘚苔類は特殊なもので中肋を有する。また、発生的にも異なる → コケの葉と種子植物の葉は異なるものであり、コケの葉に対しては偽葉phyllidと言う用語を用いることもある 5) 仮根 rhyzoid→ 分類的特徴多い1つのrhizoidは1つの表皮細胞起源であり多細胞である(コケ類では1細胞のことがある)。1つの仮根細胞は水を吸収するが、一列の細胞であるため通導組織とはいえない 仮根細胞は独立性非常に高く数細胞の断片からでも再生可能 6) 葉属、種等のレベルでの分類学上重要特性。形、大きさ、構造等横断面 cross section (破線部) H cell, D cell等の分化起こっていない == 機械的皮下組織 特殊化: costaを失った葉、翼細胞aller cellを有する等の形態
スギゴケ: 最も特殊化した1種 → 葉 - 多層細胞。Peristom発達しない 孔辺細胞に葉緑体なく、また開閉作用もない(進化的意味づけできていない) 7) 胞子体sporophyte生活史はコケ全体でほぼ共通Wichtige punkte 1. Sporophyteに葉緑体を含む 2. 蒴、首に気室孔air pore(stomaのmorphosisでstoma的役割を止めたもの)がある |
カリプトラ calyptra: 変形した造卵器の壁。苔類、蘚類、羊歯植物の胚状の造胞子を暫くの間つつむ。特に蘚類では蘚帽という a. 蒴 capsule蓋(蘚蓋) operculum (pl. -a): 蒴の蓋様になった頂部。口環で離脱する 蒴歯(縁歯) peristome: 外歯teeth + 内歯innter segment。16区画に分かれる → 科、属レベルでの分類上の重要なキー 湿った状態で閉じ、乾燥状態で広がるという開出運動をする。ある一定条件で急激に変化し、その際に胞子を飛ばす。蒴中の胞子数は決まっており最低4 (100 μm)、最大はシッポゴゲの10万(8-10 μm)程度である 柄: 入れ子状になっている → 柄は細胞数が決まっており、その伸長成長で柄を作る(liverwortsも同様) cp. ツノゴケb. 胞子 (n) 基本的に単細胞。種によって一定の数細胞からなる。大きさ: 平均10-20 μm、最大140 μm、最小5 μm 8) 原糸体/糸状体 (protonema, pl. protonemata)胞子が発芽した結果Protonemaの形態タイプ: fan, block, filament (= normal)
カウロネマは構造が極めてrhizoidに似て、実際filamentだけでは区別がつかないこと多 蘚類の生活史。胞子体は配偶体の上で生活し、配偶体より小さく、配偶体の光合成に依存している Fig. 蘚類: A, B: 胞子嚢(1, : 偽足, クロゴケ Andreaea rupestris var. fauriei). E: 蒴歯(キンシゴケ Ditrichum pallidum), G: 蒴歯 (ホウオウゴケ Fissidens japonicus), J: 葉細胞(12, 葉縁細胞, 13, 透明細胞 hyaline cell, J, L: オオミズゴケ Sphagnum palustre), L: 葉断面*, O: 蒴歯(11: 葉縁細胞, ヒノキゴケ Rhizogonium dozyanum) 分類蘚類綱 Class Musci
ミズゴケ (Sphagnidae) |
[サロベツ湿原]
成熟朔は偽足 pseudopodium に持ち上げられる
Order Sphagnales茎: 先端(頭部)は、多くの短枝がでて丸い房状頭部から下で茎伸び、茎の所々から枝が数本ずつでる → 横に広がる枝 + 茎の上に垂れ下がる枝 葉: 顕微鏡観察 → 葉の中央付近: 透明細胞 hyaline cell + 緑色細胞
透明細胞(貯水細胞) hyaline cell: 大きなサツマイモ様の形 → 細胞中身無くなり空洞化 + 表面や裏面に大小の丸い穴(孔) 観察・同定準備: ミズゴケから、頭部や枝が付く1本の茎を取り出す。乾燥標本なら茎を水につけ十分にもどす肉眼・ルーペ: 植物体大小、色(緑色-赤)、枝長短、太さや曲り方、枝葉先端反り返るか 顕微鏡: 茎表皮細胞の螺旋肥厚有無、茎葉・枝葉全形、枝葉横断面形態、枝葉の孔の状態
Sphagnaceae (ミズゴケ)成熟個体: 仮根を欠く葉: 葉緑体含む小細胞が生きていない貯水細胞と交互にある - 薄緑色 造胞体: 縁葉欠き、造胞子組織は半球状 Sphagnum L. (n < 1 古コケ名) ミズゴケ peat moss 7節、日本35種 (鈴木 1958) 約40種と考える - 主に湿原 = 泥炭(peat) 1. 茎表皮細胞に細い螺旋状肥厚。枝葉広卵形-円状楕円形。葉縁に歯 = Sect. Palustria オオミズゴケ
S. palustre L.オオミズゴケ: 低-山地普通。湿原(酸性)。先端成長し基部枯枯死し泥炭化促進。開出枝と下垂枝からなる。鱗状の1片1片が葉。緑色細胞は三角形で底面が腹面側に開く 大型。AK内陸部ポーカーフラットでは普通に生える。サロベツにもいる 1. 茎表皮細胞に螺旋状肥厚はない。枝葉は卵形-披針形。葉縁は普通全辺2. 枝葉先端幅広く切頭、横断面で葉縁細胞は小さく楕円形、背腹両側とも表面に出ない
3. 枝葉広卵形で茎葉とほぼ同長、枝表面透明細胞に大きなレトルト状細胞と無小孔細胞の2種 = Sect. Truncata キレハミズゴケ節 (S. aongstroemii C. Hartm.キレハ-: かなり大型) S. compactum DC. ex Lam. et DC. キダチミズゴケ (var. imbricatum Warnst.カワラミズゴケ) 2. 枝葉先端は狭く鋭頭-切頭(時に広円頭)、横断面で葉縁細胞は普通一方又は両側で表面に出る 3. 枝葉透明細胞背側に多小孔が膜に沿い並ぶ。側方枝も茎に沿う下垂枝も、ほぼ同長湾曲 = Sect. Subsecunda ユガミミズゴケ
S. subsecundum Nees ex Sturm.ユガミミズゴケ |
3. 枝葉透明細胞背側の孔は数少ない。茎に沿い下垂する枝は側方に広がる枝よりずっと長く、その差明瞭 4. 葉縁細胞横断面で腹側により広く開く。植物体緑-赤-褐色、光沢殆ど無 = Sect. Acutifolia ホゴバミズゴケ節
S. girgensohnii Russ. ホソバミズゴケ (var. squarrosulum Russ.チャボホソバミズゴケ, var. strictum (Lindb.) Russ): アラスカ内陸酸性クロトウヒ林(Picea mariana forest)優占種。茎先端に造卵器つけた多数の枝生じ、個々に1個の胞子体形成(球形・黒色)。胞子体柄は茎先端が伸長したもの(この部分に葉つかない)で、配偶体の一部。他蘚類と著しく形態異なる 4. 葉縁細胞は横断面で背側により広く開く。植物体緑色-黄-褐色 5. 茎葉縁には数列の細長い細胞からなる舷がある = Sect. Cuspidata ハリミズゴケ節
S. tenellum Ehrh. ex Hoffm. ワタミズゴケ (var. rufescens Grav. ex C.Jens.) 5. 茎葉の舷は基部に限られる = Sect. Squarrosa ウロコミズゴケ S. squarrosum Crome ウロコミズゴケ(var. immersum Beck. ex Warnst. オオウロコミズゴケ): オオミズゴケに似るが、枝葉先端が顕著に反り返る。茎表皮細胞に螺旋状肥厚はない |
高山岩上に黒塊として生息。胞子体が苔類に似る
Order AndreaeidaeAndreaeaceaeAndreaea (m < p, 蘚類学者アンドレア) |
A. rupestris クロゴケ: ハイマツ帯-高山帯岩場。匍匐部、斜上部に分かれ匍匐部は所々から多細胞仮根出す。葉は匍匐部、斜上部共に同形態。背腹性 (dorsiventrality) なく一層の細胞からなる
背腹性: 扁平で面ができその表と裏に差異があること (adj. dorsiventral) |
主に蒴歯形態により目を分類Order Tetraphidales ヨツバゴケ蒴歯4枚GeorgiaceaeGeorgia (f < p, 露 Georgi) 廃止Tetraphis Hedw. ヨツバゴケ T. pellucida Hedw. ヨツバゴケ) Tetrodontium Schwaegr.コヨツバゴケOrder Fissidentales ホウオウゴケFissidetaceaeFissidens (< 1 fissilis 割れる + dens 歯 = 歯様な葉根元が裂けている)Order Archidiales ツチゴケArchidiaceaeArchidium (n < g arche 昔 - 古型のコケであるため)Order Dicranales シッポゴケDitrichanceae キンシゴケCeratodon ヤノウエノアカゴケ (m < g ceras 角 + odon 歯)C. purpureus (Hedw.) Brid. ヤノウエノアカゴケ: 火災跡地や噴火跡地に良くみられる (アラスカ蘚苔類リスト moss flora at Poker Flat, AK) Distichium Ditrichum (n < g di 2 + trihtos 糸) Pleuridium Saelania アオゴケ Bryoxiphaceae エビゴケBryoxiphium (n < g bryum コケ + Xyphium - 葉の集まり方がIris xyphiumと似る): B. norvegicum (Brid.) Mitt. ssp. japonicum (Berggr.) Löve et Löve エビゴケSeligeriaceae コシッポゴケBlindia: B. japonica コシッポゴケBrachydontium キヌシッポゴケモドキ Seligeria キヌシッポゴケ Order Dicranales シッポゴケDicranaceae シッポゴケArctoa B. S. G.Brothera Bruchia Schwaegr. Campylopodium (C. Muell.) Besch. ヘビゴケ (C. medium (Duby) Giese et J.-P. Frahm ヘビゴケ: 暖地の火山岩や土上) Campylopus Brid. Dicranella (C.Muell.) Schimp. Dicranodontium B.S.G. Dicranum Hedw. シッポゴケ n<g dicranos(又状の)。種により葉裏主脈上に2又状の鋭刺が付く?] (湿原) Holomitrium Brid. Leuchonloma Onchophorus (Brid.) Brid. Rhabdoweisia B.S.G. [Weisia f<p Weis記念], Trematodon Michx. [m<g tremato(孔のある) + odons (歯) LeucobryaceaeオキナゴケLeucobryum [n<g leuco(白い) + bryon(コケ)。全体白っぽい]Order Pottiales センボンゴケCalymperaceae カタシロゴケCalymperesSyrrhopodon Pottiaceae センボンゴケAnoectangium Schwaergr. メンボウゴケAstomum Hampe ツボゴケ Barbula Hedw. ネジクチゴケ B. unguiculata Hedw. ネジクチゴケ Hyophila Brid. ハマキゴケ Timmiella (DeNot.) Limpr. センボンウリゴケ Tortella Limpr. ヨリイトゴケ Tortula Hedw. ネジレゴケ Trichostomum Bruch クチヒゲゴケ Weissia Hedw. コゴケ Scopelophila ligulata (Spruce) Spruceイワマセンボンゴケ Encalyptaceae ヤリカツギEncalyptaOrder Grimmiales ギボウシゴケGrimmiaceae ギボウシゴケ日本5属Grimmia [f < p, Grimm (Col)] G. antarctici Card. ナンキョクギボウシゴケ: 南極 Ptychomitrium チヂレゴケ Racomitrium Brid. シモフリゴケ [n < g racos 弁 + mitra 僧帽。蘚帽基部割れ弁状] 茎中心束欠く。葉身普通1細胞層(時に葉縁で2層) (岩月 2001) 1. 葉身細胞腔上にパピラある。葉基部葉縁に矩形細胞殆どない 2. 葉パピラは毛尖だけにある。蒴柄はパピラで覆われる ___ シモフリゴケ 2. 葉パピラは毛尖を含む葉全体にある。蒴柄は平滑 3. 葉基部に高いパピラがある ___ エゾスナゴケ 3. 葉基部細胞に殆どパピラないか、あっても疎らで低い ___ コバノスナゴケ 1. 葉身細胞腔上にパピラ欠くか、縦壁上にパピラがある。葉縁基部に矩形細胞列がある 2. 葉毛尖ない。葉身細胞のパピラ顕著 3. 葉身中部細胞矩形。中肋細い 4. 体壮大、茎は長い枝持つ。葉基部に皺出る ___ ナガエノスナゴケ 4. 体中型、茎は短い枝持つ。葉基部に皺ない ___ ミヤマスナゴケ 3. 葉身中部細胞横形の矩形-方形。中肋太い 4. 葉先鋭頭-鈍頭で、しばしば極短い透明尖となる。葉は折れ畳まれる ___ チョウセンスナゴケ 4. 葉先丸み帯び鈍頭で、葉は殆ど折れ畳まれない 5. 葉卵状披針形-広披針形、中肋は葉頂に達する ___ マルバスナゴケ 5. 葉長楕円状披針形、中肋は葉頂下に終わる ___ ナミカワスナゴケ 2. 葉に普通毛尖ある。葉身細胞平滑 3. 葉上部葉縁は2細胞層 4. 中肋は葉先から超出する ___ ヒメスナゴケ 4. 中肋は葉頂下に終わる ___ ハリスナゴケ 3. 葉は普通1細胞層 4. 葉腋に多細胞で球形の無性芽もつ ___ コモチシモフリゴケ 4. 葉腋に無性芽を欠く 5. 葉縁基部細胞縦壁波打つ。葉中部細胞短い矩形 ___ クロカワキゴケ 5. 葉縁基部の1列の細胞縦壁波打たない。葉中部細胞長い矩形 6. 透明尖長い。葉縁基部の1列の波上に肥厚しない細胞は10-15個 ___ トカチスナゴケ 6. 透明尖短い。葉基部の葉縁の波上に肥厚しない細胞は10個以下 ___ テリカワキゴケ R. lanuginosum (Hedw.) Brid シモフリゴケ: 暗緑色の葉身と白色の透明尖とで霜降り状。高山の岩上や地上に大群落。渡島駒記録ありR. japonicum (Dozy et Molk.) Dozy et Molk. エゾスナゴケ(古くはスナゴケ): 街中-高地、園芸利用(苔玉), 有珠山西山火口 Erpodiaceae ヒナノハイゴケAulacopilum Wils.Glyphomitrium Brid. サヤゴケ [n < g glypho 掘る + mitrion 帽子。蘚帽に縦溝が掘れている] (G. humillimum (Mitt.) Card. サヤゴケ) Venturiella C. Muel. [f < gn Venturia縮小形] Ptychomitriaceae チジレゴケAulacomitrium [n < g aulax 溝 + mitrion 帽子。蘚帽に多数の縦溝がある]Order FunarialesDisceliaceaeDisceliumEphemeraceae カゲロウゴケMicromitriumFunariaceae ヒョウタンゴケEntosthodonFunaria [f < 1 funis(綱)。朔(草冠+朔)の柄が乾くと綱状に捩れる]
仮根 rhizoid: 一列の細胞よりなる多細胞(分類的特徴) 茎 stalk, stem: 直立。radial asymmetry。中肋costaは多層、端は1層 葉 leaf: 断面はcentral strand - 維管束植物ほどの組織分化ではないが、ある程度の分化はしている 雌雄同株異苞 精子 sperm: 鞭毛2本、鞭型。先に球形の付属体を持つ Physcomitrium Splachnaceae オオツボゴケOedipodium, Splachnum, Tayloria, TetraplodonOrder Schistostegales ヒカリゴケSchitostegaceae ヒカリゴケSchistostega ヒカリゴケ [f < g schisto(裂けた) + stegio (包皮)。植物体全体を縁の切り込んだ包葉に見立てた?] |
Order Eubryales ホンマゴケBryaceae ホンマゴケ (ハリガネゴケ)Bryum Hedw.B. argenteum Hedw. (ギンゴケ): 街中でもコケは多様である。と思った時 B. capillare Hedw. (ハリガネゴケ) Brachymenium, Bryum (n < 1 コケ - 限定使用) Leptobryum Pohlia ヘチマゴケ P. nutans (Hedw.) Lindb. ヘチマゴケ, nodding thread-moss: 郵便局前で煙草を加えてたら、目の前のコンクリー塀にに生えているのに気づく。極言すると、どこでも生えているらしい Rhodobryum (n < g rhodon(バラ) + bryum (コケ)。葉が茎上部に車座に集まるのをバラに譬えた) Mniaceae チョウチンゴケMnium [n < g mnion(コケ・海藻等を一括し古くGrで呼んだ名を転用 → mnoos (柔らかくする)に関係], Orthomniopsis, Plagiomnium ツルチョウチンゴケ (P. acutum (Lindb.) T. J. Kop. コツボゴケ), Rhizomnium, Trachycystis [f < g trachys(ざら付く) + cyst (袋)]Aulacomniaceae ヒモゴケAulacomnium (Hedw.) Schwaegr ヒモゴケ. (A. palustre オオヒモゴケ, 湿原. A. turgidum フトヒモゴケ)Rhizogoniaceae ヒノキゴケRhizogonium [n < g rhiza(根) + gonion (膝)。茎下半が立ち上がり,その上一面に根生ずる]Timmiaceae クサスギゴケTimmiaBartramiaceae タマゴケBartramia タマゴケ (f < p, 北米植物学者W. Bartram 1739-1823)B. pomiformis Hedw. タマゴケ: 松島御島にて。コケを研究している人の気持ちが少し分かったような気がした Philonotis Plagiops Order Orthotrichales タチヒダゴケOrthotrichaceae タチヒダゴケAnphidium, Macromitrium [n < g macro (大きな) + mitria (帽子)。子嚢の帽子形から], Orthotrichum, Ulota, ZygodonOrder Isobryales イヌマゴケ13科 → 蒴歯形状が1-3間で異なる1. 水中や水際で茎が長く伸びて生育 ___ カワゴケ 2. 林床の腐植土上。茎が腐植土中をはい、先端が樹状に立ち上がる Climaciaeae コウヤノマンネングサ Climacium コウヤノマンネングサ, (n < g klimax(階段)。内縁歯に孔が沢山一列に並び階段様): C. japonicum Lindb. コウヤノマンネングサ: 図鑑で「美しい」と説明されるコケ Pleuroziopsidaceae フジノマンネングサ, Pleuroziopsis (f<gn Pleurozia (gn) + opsis 似たもの) (+ 1部のオオトラノゴケ科) 3. 樹幹や岩上など乾燥し易い環境 → 他10科a) 2次茎が長く伸び、樹幹や枝、岩壁から垂れ下がる
• Cryphaeaceae イトヒバゴケ: 葉身細胞がより短く菱形。Cryphaea (f < g cryphio(隠れる)。胞子嚢が葉に隠れる), Cyptodontopsis, Forsstroemia, Pilotrichopsis (f < gn Pilotrichum属に似た)
• Cryphaeaceaeの一部
• Hedwigiaceae ヒジキゴケ: Hedwigia (f < p, 独隠花植物学者Romanus Adolf Hedwig(1772-1806): 低地の日当りよい岩上にしばしば生育。葉や雌包葉、蒴が特異な形態もち、肉眼区別可 Rhacopilaceae ホゴケRhacopilumFontinalaceae カワゴケDichelyma, Fontinalis L. ex Hedw. (f < 1 fontis(泉)。泉や清流中に生える)Prionodontaceae タイワントラノオゴケ関東以南の石灰岩壁。極稀Leucodontaceae イタチゴケ2次茎が尻尾状で殆ど枝出ない。樹幹や岩壁から下垂し、2次茎先端が上方に湾曲Dozya, Leucodon Pterobryaceae ヒムロゴケ一部に2次茎分枝少ない(枝が見えない)が、葉形が特徴的で区別は容易Order HookerialesDistichophyllum, Hookeria, Hookeriopsis Hypopterygiaceae クジャクゴケCyathophorella, Hypopterygium (n < g hypo(下に) + pteris (翼)。腹葉が茎下面に並ぶのを翼に見立てた), LopidiumOrder Hypnobryales シトネゴケTheliaceae ヒゲゴケFauriellaFabroniaceae コゴメゴケFabronia, Habrodon, SchwetschkeaLeskeaceae ウスグロゴケLeskea, OkamuraeaThuidiaceae シノブゴケAbietinella, Anomodon, Boulaya, Claopedium, Miyabea, ThuidiumAmblystegiaceae ヤナギゴケAmblystegium, Campylium (C. polygamum (Schimp.) C.E.O. 周極), Calliergon, Cratoneuron, Drepanocladus (D. uncinatus (Hedw.) Warnst. カギハイゴケ 周極), (Repanocladus fluitans ウマミカマゴケ, 湿原), HygrohypnumBrachytheciaceae アオギヌゴケBrachytecium ネズミノオゴケ: (n < g brachys(短) + theca (箱)。胞子嚢短い) (B. plumosum (Hedw.) Schimp. ハネヒツジゴケ)Bryhnia Homalothemium Myuroclada Rhynchostegium Entodontaceae ツヤゴケEntodon, OrthoteciumPlagiotheciaceae サナダゴケAptychella, Brotherella, Clastobryella, Heterophyllium, SematophyllumHypnaceae ハイゴケCtenidium, Homomallium, Hypnum, Ptilium (partially syn. Hypnum), Stereodon (m<g stereo硬直な + odons歯)Ptilium crista-castrensis (Hedw.) De Not. (syn. Hypnum crista-castrensis) ダチョウゴケ feather moss Rhytidiaceae フサゴケGollania Broth.ラッコゴケ, Rhytidiadelphus (Limpr.) Warnst.フサゴケ, Rhytidium (Sull.) Kindb. フトゴケ (R. rugosum (Hedw.) Kindb. フトゴケ, n = 10, 腐植土壌上, ヒマラヤ-北米)Hylocomiaceae イワダレゴケ日本8種, 中型-大型1. 茎に毛葉(パラフィリア paraphyllia = 葉間茎表面に生じる不規則分枝した小形葉状物)ある
2. 茎葉に強い横皺、葉先部基部くびれない、枝葉中肋はは中部以上に達し先は1個の刺 H. splendens (Hedw.) Schimp. イワダレゴケ, step moss, (splendid) feather moss, fern moss): 北半球, NZ 1. 茎に毛葉ない2. 中肋2本,、葉中部以下で終わる: Pleurozium Mitt., nom. cons., Macrothamnium, Rhytidiadelphus P. schreberi (Brid.) Mitt. タチハイゴケ, red-stemmed feather moss, n = 5: 茎赤色長い。北半球。イワダレゴケとともに亜高山帯針葉樹林林床に大きな群集を作る 2. 中肋1本、葉中部かそれ以上に達する: Phytidium, Neodolichomitra |
1目: 煙管(キセル)様な胞子体 茎短く、円形に開く葉により殆ど見えない。葉の中肋は葉先端より長く糸状に伸びる。蒴は円形で葉の間に埋もれる Order BuxbaumialesBuxbaumiaceaeBuxbaumia (f < p, コケ研究家 Buxbaum) |
Subclass Diphysciidae (イクビゴケ)キセルゴケ亜綱から独立(1科1属)させる時Order Diphysciales (イクビゴケ)Diphysciaceae (イクビゴケ)Diphyscium D. Mohr (f < g di 2 + physcium 胃袋。胞子嚢形似る), Theriotia |
杉小枝様葉
Order Polytrichales スギゴケPolytrichacae スギゴケ (杉苔/杉蘚)仮根束 rhizoid bundle: 仮根が太い束を作る処々から芽を出し、芽が成長すると基部から仮根束を出す Atrichum P. Beauv タチゴケ (syn. Catharinaea (f < p, Catharin): A. crispulum Schimp. ex Besch. チジレスギゴケ, A. rhystophyllum (C.Mull.) Par. ヒメスギゴケ, A. tenellum (Roehl.) Bruch et Schimp. in B. S. G. ミヤマチョウチンゴケ, A. undulatum (Hedw.) P. Beauv.ナミガタスギゴケ, A. undulatum var. gracilisetum Besch.ムツスギゴケ, A. yakushimense (Hor.) Miz. ヤクシマスギゴケBartramiopsis フウリンゴケ: B. lescurii (James) Kindb. フウリンゴケ Oligotrichum Lam. et Cand. タチゴケモドキ: O. aligerum Mitt.イボタチゴケモドキ, O. hercynicum (Hedw.) Lam. et Cand.フナバハグルマゴケ, O. parallelum (Mitt.) Kindb. タチゴケモドキ, O. parallelum f. laxifolium Nog.エゾタチゴケモドキ Pogonatum P. Beauv. ニワスギゴケ (n < g pogon (髭)。地面に密生するのを髭に見立てた?): P. camusii (Ther.) Touw ヒメハミズゴケ, P. capillatum, P. cirratum (Sw.) Brid. ホウライスギゴケ, P. contortum (Brid.) Lesq. コセイタカスギゴケ, P. dentatum (Brid.) Brid. ケスジスギゴケ, P. inflexum (Lindb.) Lac. コスギゴケ (茎直立、茎葉分化、雌雄異株), P. japonicum Sull. et Lesq. セイタカスギゴケ, P. neesii (C.Mull.) Dozy ヒメスギゴケ, P. nipponicum Nog. et Osadaシンモエスギゴケ, P. otaruense Beschチャボスギゴケ, P. spinulosum Mitt. ハミズゴケ, P. urnigerum (Hedw.) P.Beauv. ヤマコスギゴケ |
Polytrichastrum G. L. Smith ミヤマスギゴケ: P. alpinum (Hedw.) G. L. Smith ミヤマスギゴケ, P. formosum (Hedw.) G. L. Smith オオスギゴケ, P. formosum var. densifolium (Mitt.) Iwats. et Nog., P. longisetum (Hedw.) G. L. Smith ホンスギゴケ, P. ohioense (Ren. et Card.) G. L. Smith エゾスギゴケ Polytrichum Hedw. スギゴケ hair moss or haircap moss (n < g polys多 + trichos毛。地上に密生した状態を毛に譬えた?) 1. 葉縁全辺
P. piliferum Hedw. ハリスギゴケ: 駒ヶ岳山頂部の1996年水蒸気爆発の影響を受けた地域に設定した永久調査区内に見られる
P. formosum Hedw. オオスギゴケ (var. densifolium (Mitt.) Osada オオスギゴケモドキ) Order DawsonialesDawsoniaceae ネジクチスギゴケ |
形態 morphology1. 茎葉体 leafy shoot
L = L and (L = V, or L > V)の3分裂にはサイズ上の関係がある。MusciiのFicidensでも3辺のうち1辺が極端に小さくなるものがみられた
腹葉 ventral-origin leaf a. 茎 表層以外の分化はない。稀に菌根細胞が存在するが、これは菌類が寄生し2次的に分化したもの 割と大きな柔組織を有する。D cell, H cellがその個体のparenchyma中に存在する。Takakia, Plagiochila, Bazzania等のグループではcortex, parenchyma分化が明瞭でD cell, H cellが散在しているのが良くみられる。他のliverwortsでは未詳。茎が退化し、断面で3-5細胞のみからなるものが苔類では割と多い。クサリゴケ科Lejeuneaceaeの約半分の種は茎退化型で、普通の茎断面では直径上に10-30位の細胞が見られる b. 分枝 branching頂生分枝terminal branching: 頂端細胞が分裂したもの (primitive) 側生分枝 lateral branching: Musciiは全て側生分枝。頂端細胞は分枝に関係しない場合(evolutionary)
単細胞。Rhizoidは決して分裂しない。ものに当たると分枝するだけ 葉緑体はほとんどなく、液胞が大部分を占め、生理的機能はほとんどない Rhizoidからの培養は現在のところ不可能 d. 葉 側葉 lateral leaf 腹葉 under leaf 蘚類に比べて単純で lateral leaf, under leaf ともに単層の葉。例外的に葉の縁に2-3層構造を示すものがある。葉の形は変異性に富む
葉緑体 chloroplast
→ 苔類の90%が油体を有する 茎葉の区別なし 頂端細胞は4面体。各分裂面は等質で、体組織だけが形成される。当然、L, Vの区別ない。しかし、2次的な表皮細胞の変化した器官、例えば、鱗片のようなものはできる。だが、これは発生上関係がない。したがって、体制上は組織分化がまったくないものから著しいものまでの間に様々な段階の種がある
組織分化なし: ミズゼニゴケ類 僅かに表皮の分化が認められる程度
中肋的なものが分化: クモノスゴケ類、フタマタゴケ類 中肋的_________________体の中心に中肋様のものがある
数層の組織が分化: ゼニゴケ類 l.m.: lateral merophyte: ここからも頂端細胞から離れ成長するとrhizoid出す ↑↓ 両者のrhizoidは形質的に異なる v.m.: ventral merophyte
2. 繁殖器官有性生殖、無性生殖: 基本的には蘚苔類全般同じa. 雌雄性 ♂: 雄性器官は外側に多いがあろうとなかろうと = antheridium ♀: 雌性器官の外側に被服細胞jaket layerのあるもの = archegonium (雌性器官の外側に覆いのないもの = oogonium)
受精後に卵が造卵器の中に留まることがコケ以上発達した植物(シダ、種子植物)では普通に見られる(藻類との相違点)
• 精子 sperm: 鞭毛9 + 2型 葉緑体が僅か → 独立性低く寿命短い Air poreは存在せず、組織分化していない 朔中に胞子と弾糸を形成 弾糸はMusciiでのperistome的役割を果たしていると考えられる 原胞子細胞 →
4つに分裂し胞子を飛ばす
(Inoue 1975) 系統 phylogenyClass Hepaticae (苔類綱)Subclass Calobryidae (コマチゴケ亜綱)Order TakakialesTakakiaceae Stech et W. Frey ナンジャモンジャゴケ Takakia S. Hatt. et Inoue ナンジャモンジャゴケ T. lepidozioides Hattori et Inoue ナンジャモンジャゴケ |
1952 高木典雄: 白馬岳にて採取
thallusが分裂し成長する栄養生殖のみが知られる
1958 Persson: 造卵器archegonium確認 ⇒ 蘚苔類 (有性生殖未確認) = Takakia ceratophylla ⇒ Takakia 1属2種確認
1966 Schuster: 染色体 n = 4
1989 造精器antheridium発見 1990 胞子体sporophyte発見 退行進化: n = 5 ⇒ n = 4 Order CalobryalesHaplomitriaceae Ded.コマチゴケHaplomitrium (Syn. Calobryum n < g callos 美しい + bryum コケ。小野小町意訳) H. mnioides (Lindb.) Schus. コマチゴケ: 背腹性わずかにあり。仮根なし Subclass Jungermanniidae ウロコゴケ亜綱苔類の大部分: 世界(科/属/種)56/309/7500、日本37/113/580植物体形態多様。葉身細胞に油体。造卵器は花被に包まれる 茎葉分化する = 茎葉体体制 造卵器頸部: n細胞列(横断面: 中心の1細胞周囲をn個の細胞が取巻く) n = 4 → コマチゴケ目 ⇔ n = 5 → ウロコゴケ目 茎葉分化しない = 葉状体体制 - フタマタゴケ目: 造卵器頸部5-9細胞列Order Jungermanniales (Acrogynae) ウロコゴケHerbertaceae Fulf. et Hatch. キリシマゴケHerberta Blepharostomataceae Blepharostoma, Pseudolepicolea Isotachidaceae ヤクシマゴケ Isotachis Ptilidiaceae テガタゴケ Mastigophora Nees オオサワラゴケ, Ptilidium Nees テガタゴケ (n < g ptilon(柔羽毛)縮小形。体全体の感じ) (P. pulcherrimum (Web.) Vainio オオサワラゴケ, 針葉樹樹皮. P. ciliare (L.) Hampeケオオサワラゴケ, ハイマツ林縁地上に緩いマット形成, 北米, NZ) Neotrichocoleaceae Neotrichocolea )f < g + gn neos 新しい + Trichocolea (gn), Trichocoleaとの比較で付いた名), Trichocoleposis Trichocoleaceae Trichocolea ムクムクゴケ (f < g thrix, trichos 毛 + colea 莢) Leidolaenaceae Lepicoleaceae Lepidoziaceae ムチゴケ Bazzania (f < p, コケ学者Bazzani), Kurdia, Lepidozia Calypogeiaceae ツキヌキゴケ Calypogeia, Metacalypogeia Lophoziaceae Anastrepta, Anastrophyllum, Barbilophozia, Chandonanthus, Eremonotus, Gymnocolea, Hattoria, Jamesoniella, Lophozia, Tritomaria Jungermanniaceae ツボミゴケ Cryptocoleopsis, Jungermannia, Mylia, Nardia (N. succulenta (Rich ex Lehm et Lindenb コスタリカ、アレナル火山 the volcano Arenal) Spreng), Notoscyphys, Jungermannia vulcanicola (Schiffn.) Steph. チャツボミゴケ Gyrothyraceae Marsupellaceae Gymnomitrion, Marsupella Scapaniaceae Diplophyllum, Macrodiplophyllum, Scapania (f < g skapeion 掘るもの。円形様葉をシャベルに譬えた?) Balanthiopsidaceae Schistochilaceae Schistochila Delavayellaceae Lophocolaeaceae Chiloscyphus, Geocalyx, Harpanthus, Heteroscyphus, Lophocolea Plagiochilaceae ハネゴケ 日本12種 Pedinophyllum Plagiochila (f < g plagios 斜めの + cheilos 唇。歪む葉の2片を唇に譬えた) P. sciophila Nees ex Lindenb. コハネゴケ, P. hakkodensis Steph. ミヤマハネゴケ PlagiochilionXenochila Acrobolbaceae T. A. Hodgs. Acrobolbus Antheliaceae Anthelia Cephaloziaceae Alobiellopsis, Cephalozia, Cladopodiella, Hygrobiella, Iwatsukia, Nowellia, Odontoschisma, Pleuroclada, Schiffneria, Zoopsis Cephaloziellaceae Cephaloziella Adelanthaceae Jackiella, Marspidium Perssoniellaceae Radulaceae Radula Pleuroziaceae Pleurozia (n < g pleura 肋 + ozia 枝。体両側に肋骨状に多枝を分かつ) Porellaceae Macvicaria, Porella Frullaniaceae Lorch Frullania Raddi (f < p Frullan) F. tamarisci シダレヤスデゴケ
枝先端にperianthつき出てsporophyte保護。先端裂けspore, elatorが出る。枝下部には単細胞の仮根をつける Jubulaceae (Lejeunaceae) ヒメウルシゴケ Jubula, Neohattoria, Nipponolejeunea, Archilejeunea, Dicranolejeunea, Lopholejeunea, Mastigolejeunea, Ptychanthus (m < g ptychos 襞のある + anthos 花。花被に縦皺がある), Ptychocoleus, Spruceanthus, Thysananthus, Trocholejeunea, Tsuzibeanthus, Cheilolejeunea, Drepanolejeunea, Lejeunea, Leptolejeunea, Leucolejeunea, Cololejeunea (f < g colo 短縮 + Lejeunea (gn)), Colura, Tuyamaella Order Metzgeriales (Anacrogynae) フタマタゴケ Phyllothalliaceae ウロコゴケダマシ Treubiaceae トロイブゴケ: Treubia Fossombroniaceae ウロコゼニゴケ: Fossombronia Blasiaceae ウスバゼニゴケ: Blasia (f < p, Blas), Cavicularia (f < g cavicule 孔 縮小形。体先に半月形孔ある) Dilaenaceae ミズゼニゴケ: Calycularia, Makinoa (f < p, 牧野記念し三宅驥一博士命名), Moerckia, Pallavicinia (f < p, Pallavicini), Pellia (f < p, Pelle) Aneuraceae スジゴケ Aneura Dumort. ミドリゼニゴケ Riccardia S. Gray スジゴケ R. multifida クシノハスジゴケ, R. canaliculata (Nees) Schiffn. Ricciaceae ウキゴケRiccia L. ウキゴケ: 枝状、archegonium, antheridiumはthallus中に埋もれ形成
R. glauca L. ハタゴケ: 表皮細胞には葉緑体がない R. natans (L.) Corda イチョウウキゴケ: Ginkgo-typed thallus、先端に紫色のscale、田などの水中に生育 Metzgeriaceae: Metzggeria (f < p, Heidelberg 植物園長Johann Metzger 1852没)Subclass Marchantiidae (ゼニゴケ亜綱)植物体は多細胞層からなる葉状体体制 → 普通、葉状体背面に気室孔と気室が発達(肉眼で小さな白点)仮根は単細胞。葉状体腹面に複数列に規則正しく配列した鱗片(しばしば濃赤紫色に着色)と仮根が発達 造卵器と造精器は特別の枝(= 雌器托と雄器托 → 葉状体が変形した部分と解釈される)につく。造卵器は偽花被で包まれる 蒴壁1層 (ウキゴケ科では造卵器も造精器も葉状体に埋もれ形成され、蒴も無柄でゼニゴケ類では特異な形態) Order MarchantialesMonosoleniaceae: MonosoleniaTargioniaceae: Targionia Cyathodiaceae: Cyathodium Grimaldiaceae: Asterlla, Mannia, Plagiochasma, Reboulia (f < p, 19C前半,伊植物学者Eugende Reboul) Conocephalaceae ジャゴケ(蛇苔): Conocephalum (n < g conos 円錐形 + cephale 頭。雌株に生ずる雌器托が円錐形) Lunulariaceae: Lunularia Sauteriaceae: Athalamia, Peltolepis, Sauteria Marchantiaceae ゼニゴケ Dumortiera (f < p, 植物学者 Barthelemy Charles Dumortier ベルギー, 1797-1887) Marchantia L. ゼニゴケ (f<p Nicolas Marchant 仏, 1678没, Bt) 1. 腹鱗片約6列、葉状体内部に厚膜細胞ない ___ セニゴケ M. polymorpha 1. 腹鱗片4列、葉状体内部に厚膜細胞がある 2. 杯状体外面は平滑、腹鱗片の付属物は全縁でない
3. 葉状体背面中央縞なし ___ トサノゼニゴケ M. tosana Steph. 2. 杯状体外面に小乳頭がある。腹鱗片の付属物は全縁 ___ ツヤゼニゴケ M. paleacea Bertol. ssp. paleacea (フタバネゼニゴケ - ssp. diptera (Nees et Mont.) Inoue M. polymorpha ゼニゴケ: ゼニゴケ中最も分化雌雄異株: ♂ = 雄器托(造精器托) antheridiophore, ♀ = 雌器托(造卵器托) archegoniphore ♂: n = 8 + Y, ♀: n = 8 + X 胞子体 sporophyte: 無葉緑素であり完全に寄生的Protonema stageは短く、数細胞程度でdiscになる 葉の表に杯状体cupuleを作り、その中に無性芽gemmaを作る 札幌街中でも生える(2009.10.26)。火山でも生える。森林火災跡でも生える。先駆種でもある → 培養 培養法 (大和他 2009)
光量: 連続光 50-60 μmol/m²/s (20-30 cm離し2-3本の40W白色蛍光灯) 有珠山噴気孔近くにて。[左/中] 2021年6月17日 [右] 2022年4月25日 Preissia アカゼニゴケ (Marchantiaから分ける場合) Wiesnerella アズマゴケ Exormothecaceae ジャゴケモドキ Ricciaceae ウキゴケ: Riccia ウキゴケ(f < p, 18C伊貴族 P. F. Ricci), Ricciocarpus イチョウウキゴケ(m < g Riccia(gn) + carpon (果実)。子嚢形がRicciaのに似る) |
種少: 本質的に蘚類・苔類と異なる点多。全てthallose。組織分化ない 細胞内に葉緑体が1-3個であり、大型のものがある。葉緑体数は属段階で決まっていることが多い。EMレベルで見ると、この大型葉緑体は小型の葉緑体が集合aggregateしたものに見える(Proskauer 1953)。いずれにせよ、この葉緑体はcompoundである。胞子体は1-3個の葉緑体を有し独立性が強い Sprogenous tissue → 偽弾子 pseudoelator: 細胞肥厚に螺旋状に数個の細胞が連なる |
生殖器官(♀♂)Acrogynous, Anacrogynousと関係無しに葉状体の組織内に沈生する。造卵器、造精器、精子は蘚苔類と同
(Inoue 1975) 系統説1. ツノゴケは蘚苔類中最も原始的説2. 蘚苔類と同じ門divisionに入れるものではなく、別なAnthophyteという門におくべき Class AnthocerotaeOrder AnthocerotalesAnthocerotaceae: Anthoceros (f < g anthos(花) + ceros (角)。角状の胞子嚢付く), Dentrocedros, Megaceros, Notohyllas, PhaeocerosPhaeoceros laevis (Syn. Anthoceros laevis) ニワツノゴケ: 庭・畑等の土上にロゼット形成。裏面にunicellular rhizoid形成。世界各地 |
(中坪 1997) 変含水性 poikilohydric: 湿度に応じ細胞内含水率を変動させる
細胞外の水(湿度) 根系未発達: 土壌が不安定な立地には定着できない |
1) 藻類起源説淡水藻、特に緑藻あるいは車軸藻が起源
緑藻 → (上陸) → コケ → (気孔、維管束、外皮獲得) → 羊歯 反論
コケ化石古生代上部デボン紀: Hepaticites devonicus W Hueber 1949→ 体制は現世クモノスゴケPallavicinaに良く似て、葉状体腹面に仮根がある デボン末期-石炭紀のコケ化石は現世コケと共通体制を有するものが殆ど 1 2 3 図1. 古代デボン紀化石コケ植物Sporogonites exuberans復元(Andrews 1960)。葉状体は比較的薄く維管束系は見当たらない 図2. 古生マツバランRhyniaからツノゴケ類への進化(推定) (Schuster 1966) 図3. 中生代三畳紀化石コケ植物Naiadita lalnceolata復元(Harris 1939)。葉分化見られ、無性芽器も示される |
進化一般法則 = 複雑化complex ⇔ コケ: 化石記録を見る限り向上進化できなかったように思える。進化速度が遅いか、あるいは0といえる。問題は、なぜ進化方向が他系統群と異なるのか説明できない(環境要因、淘汰圧等を調べる必要) 藻類起源説ではコケ → 羊歯への進化がコケ出現後に起こらねばならないが、その間にはギャップが多い。例えば、生活史が極端に異なり連続的変化の接点見出せない。また、そのほかの体制も異なる 2) 古生マツバラン起源説 (退行進化説)a) Psilophytales or Psilopsidaはコケ型の形態および生活史を有するb) 生活史の進化
古生マツバラン類 [化石植物] ex. Rhynia (i) 新生説 antithetic theory: 胞子体Sは有性生殖の結果生まれた。それ以前は配偶体Gのみの生活史だった。Gは原始的か地史的に古いもので元来Sは存在せず有性生殖過程で生じた2n個体が特殊化したのがSだとする = コケ起源説 (藻類 → コケ → 羊歯) (ii) 相同説 homologous theory: S, Gは同形質を持ち独立であったので、基本的には同じもの。このSとGが陸上化に伴い癒合した。藻類等と比較すると、この説の方が有力である。即ち、藻類ではS, Gが独立し存在し、対等の立場にあり陸上化の説明はhomologous theoryでないと説明できない
= 退行進化説 (古生マツバラン → コケ/羊歯)
S = G (水中) → Rhynia型 (G/S癒合) → (S複雑化/G縮小) 羊歯型
遺伝子量: S = 2n, G = n → 複雑化するには遺伝子量の多い2nの方、つまり胞子体の方が有利であり進化速度(変異速度)が速い。一方Gを複雑化したコケは進化速度が遅い。それと関連して羊歯から種子植物が生まれたと考えられる。進化観点を複雑化からみるならば、2n (= S)を複雑化させることになる。ところがコケにおいてはSを単純化させており、この点からはコケは退行進化している
蘚苔類化石 退行進化 (コケの系統)古生マツバランのSporogonitesはコケであるという説もある |