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(2024年2月19日更新) [ 日本語 | English ]

化石 (Fossil)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

化石化 fossilization
陸水域や海水域で起こること多
断片: 葉、茎、幹、果実、種子、花(花粉)、球果、胞子

葉、幹、胞子は化石化しやすい

化石堆積年代 - 古くなるほど化石の持つ情報が減るのが普通
化石fossil
再構成rework: 1. 不完全性, 2. 二面性, 3. 異地性
化石産物で現在残っているもの

軟体部/硬体部。又、その物質交代が見られるものもある
炭化(carbonization), silicification, pyritization, haematitization
交代には再結晶化含む = 交代とは物質変化表わしmineralization含む
組織、器官、体制: 化石として残りやすいものが重要
皮膚・骨格(外骨格、内骨格) Ex. 三葉虫 Phacops

連続切片は有効な方法 Ex. 甲冑魚: 神経配列観察可(発電機?)

ナノ化石 nanofossil: これらの微細構造単位で用いられる化石

化石生痕学(古生痕学) palaeoichnology or ichnolithology
生痕化石 tracks or trackwayに関する研究
1912 Abel: Lebensspuren (life spur) = 過去の生痕

足跡 footprints、這跡 trails、巣穴 blurrows、穿孔跡 borings、糞石 coprolite、苦悶死、病型、共生、胃石 gastrolite

足痕学 pedalogy: 足跡 Ex. 化石人類学
糞形学 coprology: 糞(排泄物)研究 - 食性・腸の形と機能
古病理学 palaeopathology: 化石に残る病型・奇形 (Moodie 1923)
化石残存形態
  1. 圧縮 compression: 嫌気的状態で炭化したもの(花粉及びendodermsは嫌気状態で炭化しにくく沈殿物sedimentとして残る)
  2. 石化 petrifaction: 水中でCaCO3 (ashed wood)やSiO2 (silicate wood)の沈着による。保存状態はSiO2沈着の方がよい
  3. 外皮 increstation: 生物の外皮が岩上に痕跡として残る ↔ トクサ等は茎中空なため内部がつまると内部構造も残る
型: 化石でまさに形だけが残るもの
分類: 化石上の個体と種
完全個体復元 - 1個体認められ、1種とし記載

器官属 organ genus: 器官ごとに与えた属名
形態属 form genus: 系統関係不明で、ある形態持つ化石を属とし記載

≠ 生物学的分類群 taxon
Ex. Tabulata 蛇体石、Michelinia 床板サンゴ、梅花石 ≠ 系統性・分類学的名称

理想分類体系: 一種一学名 (1 species = 1 scientific name)

あるカテゴリー(類型化、階層)に従い、人為性ないもの

索引
相同 homology / 相似 analogy → 形態によって機能を類推するphenotype
成長: 化石上は硬組織のできる度合いgrowth rateを主にさす

環境(温度、水分等)を反映する成長様式存在 → 古生態・古生物地理

古生物: 分類結果 ⇒ numeical taxonomy ≈ classical taxonomyとなること多
視点を変えると、古生物では化石の不完全性が問題

Ex. Desmostylus mirabiris Nagao (desmo- 束の, stylus 歯): 樺太第3紀中新世地層中
非常に大型、歯があり、臼歯が特殊である哺乳類
国際命名規約記載 = 完模式標本holotype必要

→ 古生物学: 雌雄片方発見 → 一方でよいがholotype記載必要

組織保存
硬組織保存 → 軟組織
Rugosa: カルサイト形成。絶滅種
化石の問題 = 後世変形(化石形成後の化石変形) → 化学作用、熱作用る変形は多く考慮した再現必要
Goreau: サンゴの代謝 → 日中はCaCO3吸収盛んだが夜は静か

現在のサンゴの1年にできる縞数 ≈ 360
昔のサンゴ Holophragma > 360 → 地球の公転あたりの自転回数多(420日/年) → chronometerに利用

形態研究法

化石発見
石灰岩
泥灰岩
石灰質
砂、頁岩

産状記録採集運搬
礁構造
化石層
産出頻度
保存状況

試料調整登録
水洗(超音波)
整形・切断
研磨・薄片
ピール・電顕レプリカ
骨格物質

写真→        

盃部上 × 1
側面 × 1
横断面 × 2-10
縦断面
その他微細構造等

計測
統計
変異
成長

観察記録個体発生
骨格微細構造
床板の具合
外形(成長型)
泡沫組織の具合
軸構造の具合

古生態・古気候
共生
リーフ
季節成長

古地理分布
地理的分布
地史的分布

系統

古環境復元
生活圏 biotope (≠ ビオトープ): 化石となる古生物の本来の生息地

種の生活型・行動・習性を知る必要 Ex. 二枚貝水生動物

遺骸圏 thanatope: 遺骸の分布範囲

異置性 allochthonous: 生活圏 ≠ 遺骸圏
現地性 authochthonous: 生活圏 = 遺骸圏

痕跡化石(生跡化石) trace fossil Ex. 這跡、足跡、巣穴

特徴(形状・大きさ)等から種と適応度・環境再現 - 行動 fossil behavior
(化石足跡学 palaeocoprology)

環境 (耐性: 広 eury-. 狭 steno-)
深度: 広深性 eurybathyal ↔ 狭深性 stenobathyal
鹹(塩)度: 広鹹(塩)性 ↔ 狭鹹(塩)性
食物: 広食性 euryphagic ↔ 狭食性 stenophagic
温度: 広温性 eurythermal ↔ 狭温性 stenothermal
. 鹹度による水域区分

  淡水    低(貧)鹹水 中鹹水 高(多)鹹水  海水
-------→|←--------→|←---→|←---------→|←----
          0.1             1.0     10.0            17.0   塩分 (g/l)
         0.18            1.8     18.0           30.63  S成分($)

技術

巨視的: 材、動物骨等 + 微視的: 花粉、細胞
A. 石化標本: 有機物が鉱物に置き換わり化石化された標本
接線法によるセクション: 横断面 - 葉形, 縦断面 - 内部形 = 組織調査 → レプリカ法 replica method (剥ぎ取り法 peel method)

葉化石: Case. 組織(表皮、柵状組織、海綿状組織、維管束等)を保存

角皮 cuticle: 酸化剤処理で残る(他は分解) - 気孔含む表皮構造

シダ植物では表皮も分解(= 角皮が残るのは種子植物) ⇒

シダ種子植物とシダ植物の判別に使える

B. 岩石標本: (地質学の)研究教育のために集められた様々な種類の岩石
a) 浸漬法 maceration method
細胞や組織間の結合を機械的、超音波、酸、アルカリ、キレート、酵素等により分離する。化石では、表面構造を観察しやすくするため用いる
b) レプリカ法 peel method
表面磨き希酸エッチング → 表面に凹凸 → レプリカreplica

i) 炭化葉: 石から剥がす peel → シュルツ溶液 Schultz solution 浸漬 → 水洗 → 10% KOH → 水洗 → 表皮残る → プレパレーション preparation

ii) 炭化材: HF浸漬 → KOH 2-3日浸漬 → ミクロトーム薄片作成 → プレパレーション

C. 印象標本 impression: 生物の形状や構造が岩石に残されたもの
内部形態観察不可能 → 外部形態観察(植物: 外部形態で脈系詳細観察可)
コロジウム法: EtOH + コロジウム → impressionを写し取る

古菌類学 (paleomycology)


古地質時代菌類(古菌類)研究 → 菌類起源・進化解明

化石菌類研究法

1. 産地産状
産地: 菌類多くは植物体内外付随 &symp; 植物化石産地(= 良質葉・材化石)
= 河口泥質物・花粉含む地層等 + 石炭(= 植物化石)

大形サルノコシカケ、泥質物濾過により得る硬質の子嚢菌子実体等は植物体から離れ産出多
湖底・河口の動植物体破片集積物(化石堆)中 → 多量の胞子・菌糸・子実体断片等含む
昆虫化石表面にはラブルベニア化石が付随する可能性 → 調査必要
上記以外の産地産状で菌類様化石が得られるが、非菌類化石に注意

Ex. サンゴの一群のフンギアは一見ハラタケ化石に似る
Ex. 生物体集積沈澱物からなる先カンブリア時代チャートに混在する菌糸状化石は藍藻と区別困難
Ex. 菌類胞子や菌糸と見誤りやすい微化石に、糸状繊毛虫類、藻類シオグサ類、接合藻類化石がある
2. 採集法
植物化石に付随する菌類化石採集法に準ずる = 植物化石含む堆積岩をツルハシ等で掘り取る
植物化石痛めないよう採集 → 植物化石含むと期待される石はトンカチで割る
植物化石部位は割れやすく、菌類化石付随箇所は見当がつかないことが多く、痛めないよう採集し持ち帰る
3. 標本作成法と保存法
菌類化石の状態に応じ作成法を選択
採集資料: 多くは湿り、新聞紙や布に包み放置 - (現世)カビ生え化石菌類と見誤られ十分注意
泥中糞化石等: 乾くとヒビ入り原形失う - 採集後早く観察用プレパラート作成
→ 作成標本は、データ付けプレパラート整理箱や紙箱、ガラス瓶等に保存
a. 菌類化石付随する葉化石(葉コンプレッション化石)からの標本作成
母岩から剥ぎ取れる場合
ピンセット等用い簡単に剥取れる
カセイソーダ(NaOH)に浸漬し葉化石を母岩から遊離 + 同時に脱色

剥取った葉化石はポリビニール・ラクトフェノールを十分量用い封入
脱色液 = 5-10% NaOH(or ハイター, 菌糸溶けることがある)

母岩から剥ぎ取れない(のが困難な)場合 → 全く困難なコンプレッション化石や印象化石 = そのまま標本保存

コロジオン被膜を葉化石表面に作り、溶媒蒸散後、慎重に剥しバイオライトで封入しプレパラート作成
※ コロジオン液中の酢酸アミル等の溶媒で葉化石や菌糸溶ける
※ 葉化石: 母岩に付随したまま乾く → ひび入り断片化し脱落 → 劣化

b. 岩石中菌類化石: ダイヤモンドカッターと研磨装置を用い薄片作り、カナダバルサム等で封入しプレパラート作成

c. 泥質物中菌類化石: 篩を用い粒状物をふるい分け、その粒状物の中から菌類化石を選び出し78-80%C2H5OHや4-5%ホルマリンに浸漬保存

菌類化石

菌類起源有力証拠提供する例稀(先カンブリア紀水中生物化石中未発見)

化石発見困難: 多くの菌類は肉眼観察困難 + 大型キノコは腐り易く化石化しにくい
第3紀始新世以後の樹木化石につく菌類化石 → 北米テネシー州第3紀層菌類化石は詳細研究
栃木県塩原第4紀層の樹木葉に付く寄生菌類化石は割合容易に発見

菌類起源・進化研究に必要な古地質時代原始的性質持つ菌類化石極少

先カンブリア紀: 細菌や藍藻化石に混じる2種菌糸化石(最古菌類化石)

菌類は20億年以上昔の先カンブリア紀に水生菌とし出現?

デボン紀中期泥炭層: 接合菌亜門接合菌綱アツギケカビ科(?)菌類化石

デボン紀に菌類は陸上植物出現に付随し陸上に出現
化石証拠上は現生菌類までにギャップ → デボン紀-第三紀間未詳
先カンブリア紀-デボン紀に菌類は今日の他生物との関係を形成

北米石炭層: サルノコシカケの1種の化石発見

産出状況: 種類により菌類化石は沢山産出 → 葉表面や内部に生える子嚢菌類や不完全菌類多

大形キノコ化石: 多くはサルノコシカケ類。植物化石含む堆積岩(途中段階含む)中産出。サルノコシカケ以外にハラタケ類や腹菌類(ツチグリ)等があるが日本からは未報告
日本普通産出キノコ化石: 植物葉化石に付く極小さな子嚢菌類や不完全菌類のキノコ化石。小さなキノコ化石の回りには菌糸・胞子もよく見られる。菌糸・胞子化石は、植物化石上に普通に見られ菌糸化石を伴わない植物化石の方が少ないが、化石表面に後から生えたカビ由来あり注意
日本産大形キノコ化石: 1987年のカワラタケやツヤウチワタケに似たサルノコシカケ化石が唯一。神戸市付近中新統中部(1500万年前)から

1万年前-現在: 沖積世地層 キノコ遺体(× 化石). 日本: コフキサルノコシカケ

[ 生命の起源 ]

初期生物型 (earlier biological type)


化石による証拠

1965-70: 先カンブリア紀化石が低変成岩から多出

先カンブリア紀の岩は殆ど変成を受けた塩基性岩
年代推定は14C法: 岩石変成激しくなければ年代推定精度高
カンブリア紀以前: 化石非常に少ないが胞子様、バクテリア様形態確認

a) ストロマトライト (原核生物化石) stromatoliferous

藻類葉状体様 like-algal leaf = 藍藻
藍藻: 原始的微生物で海中・多湿土壌中等、現地球上でも至る所に生存
葉緑素有し光合成行う → 酸素発生・蓄積に生命必要 → 原始的微生物存在が酸素の供給源
20億年前地球大気は現在量の1%位の酸素濃度(推定)
カンブリア紀以降に生物化石多く発見 → 遅くとも6億年前には、相当量の酸素が大気中に蓄積
酸素蓄積は、酸素出現以前に繁殖した微生物にとり生存危機となる。黒海やサンフランシスコ湾等の海底泥中に住むメタン生産菌は、酸素害を避け現在まで生き延びた原始的微生物と考えられる
(原始バクテリアと無機物をつなぐ生命誕生の系は未詳)

a') アクリターク acritarchs: 有機質の壁で囲まれた微化石

→ 藻類の生殖シスト?

b) Bacteria chain spot: indirect proof and doubtful
c) 石墨 graphite: denatured formation
d) Chemical fossils
カンブリア紀: 無脊椎動物多出 → O2の変化が原因と考えられる
1) 先カンブリア紀初期 early pre-cambrian

化石は(南)アフリカから産出。全てが球状藻類

a) Onverwach group (3.2 × 109 yr, or 3.4 × 109 yr)

ローデシア最古の化石
チャート中から微生物(球状 10-100 μm)

b) Fig tree group (3.1 × 109 yr)

Onverwach groupの上層、スワジランド Swaziland system
HNO3処理後球状藻類確認 = 藍藻(バクテリア様細胞壁) = 古藍藻eobacteriumと呼ぶ

c) Bulawayan group (2.8 × 109 yr)

ローデシア
ストロマトライトstromatoliteと呼ぶ石灰岩(ドロマイト)中より胞子と思われる化石と藍藻化石確認

⇒ 光合成生物が表れている
2) 先カンブリア紀中期 middle pre-cambrian
a) Witwatersrand super group (S-group) (2.2-2.2 × 109 yr): 南アフリカ

帯状-紐状フィラメント

b) Vallen group (2.0 × 109 yr)

硫黄バクテリア(?) – 多種化 (12種8属)

c) Gunflint (iron) formation (1.9 × 109 yr): カナダ、シューペリオール湖

採取した鉄分豊富なチャートから植物化石多 – 最低藍藻6種と細菌2種
最古の植物(s.s.)化石 Eg. Kakabekia: 環境指標として使われる

d) Lower Belcher group (1.7 × 109 yr): ハドソン湾黒色チャート

球状フィラメント

3) 先カンブリア紀後期
a) Beck spring Dolmite (1.3 × 109 yr): 南カルフォルニア

藍藻とフィラメント 5-10 μm球状体 – 被核細胞

b) Skilogalee Dolmate (1.0 × 109 yr): 南・中央オーストラリア

球状かフィラメント(緑藻化石 – 染色体持つ = Eukaryotes化石)

c) Bitter spring formation (0.9 × 109 yr)

球状かフィラメント – 細胞分裂中と思われる化石が混じる

カンブリア爆発 the Cambrian explosion (or radiation)

バージェス頁岩 Burgess shale
スティーブン累層の一部を構成する5億3千万年前(中期カンブリア紀)堆積層
妙ちくりんな奴ら weird wonder (Gould 1989)
軟体性化石の保存状態良い

鱗甲虫 Halkieriid: カンブリア紀(絶滅) - 環形・腕足・軟体動物等の起源?
カテドラル海底崖 Cathedral escarpment: バージェス頁岩時代に、大陸棚と深海を分けた崖

多くが現生動物と共通形質もつ - 現生動物の殆どが認められる

視覚器官を持つ → 食物連鎖(食う-食われるの関係)始まる

後に南アフリカ、シベリア西部等で類似した動物群発見
エディアカラ動物群 Ediacara (or Ediacaran) fauna
≈ エディアカラ生物群 Ediacara biota
全球凍結解除後に突然現れる = 5億6千万年前(原生代最後期)化石群
構成種の殆ど軟体性(刺胞動物?) = ベンドビオンタ

骨格ない軟体性動物の化石化は珍しい - 泥流等により生き埋め?

体制はコラーゲンにより維持 - 大量の酸素必要

⇒ 全球凍結解除と光合成 → O2濃度上昇急激 → 大進化(仮説)

Phylum Arcaeocyatha 古盃類
先カンブリアン(絶滅)。海綿質(珊瑚礁)。日本はカンブリアン地層欠

藻類の進化 (evolution of algae)


先カンブリア紀: 生物全て海産
カンブリア紀: 藻類 → 半海水・湖・淡水に進出

珪藻・シャジク藻を除き藻類は出そろう

藻類化石出現 = 3.2-3.4 × 109 yr (問題: 陸上植物の起源?)

= どのように淡水に適応したのか?

陸棲藻: 緑藻 - 葉緑体含む

Ex. Fritshiella: 生活様式形態は蘚苔類近縁 vs 生殖細胞大きく異なる
Ex. Coleochaete: フラスコ型生殖器 - 蘚苔類造卵器に似る

仮説: 緑藻 → 陸上植物(4 × 108 yr出現)

陸上植物 = 中心柱 stele → 輸送器官 transportive tissue

水, 蒸散 evaporation, 土壌栄養 soil nutrients

☛ 代: 古生代

古生代 (Paleozoic)


日本

秩父古生層(シルル紀): 北上山地古生層 = 最古に近い →

サンゴ類 Ex. ハチノスサンゴ Favosites、クサリサンゴ Halysites
+ 層孔虫類 Stromatopora + 三葉虫 Encrinurus + 石灰藻 Solenopora

⇒ 秩父古生層は海に堆積 = 古生代に日本は海
1950 橘 行一: Leptophloeum 岩手県上部デボン系(古生リンボク)

シルル(シルリア)紀 Silurian 588-416 Mya

デボン紀 Devonian 416-367 Mya

初期: 古生マツバラン(後期絶滅)、古生リンボク、古生トクサ程度 - 単純

Hyenia(古生トクサ): 15 cm h

中期-石炭紀初期(期間4千万年): 陸上植物多種多様に分化

古生裸子植物、シダ種子植物出現 > 385 Mya
数千万年間に様々な群が出現

種皮発達 = 環境変化(乾燥等)耐性↑ + 捕食↓ + 休眠

Calamophyton: 0.8-4 m h 有節茎(トクサ的)、多条中心柱(シダ的)

大型化: HyeniaCalamophytonCalamites

フローラ (石炭紀-二畳紀)

シダ種子植物の時代

石炭紀 Carboniferous 367-289 Mya

下部 = 陸上(石炭形成) ⇔ 上部 = 海洋

隠花植物全盛 (Cycadales, Ginkgoales, Coniferales出現 → Permian繁栄) → 石炭70-80%この時期に形成    ☛ 炭球

高温多雨: シダ植物による森林形成 Ex. ロボク、リンボク、フウインボク
Equisetopsida (s.s.) トクサ類
Calamites ロボク(蘆木): 植物全体と樹幹の化石の属名

最大高 20 m。茎中央に維管束、外側に細胞増やし成長
Annularia, Lobatannularia = 葉
Calamostachys, Palaeostachys = 胞子嚢穂

Lycopsida ヒカゲノカズラ類
担根体rhizophore有: 二叉分枝することより分かる
Lepidodendraceae リンボク*: 石炭紀-二畳紀。湿地林要素。肥大成長活発
Lepidodendron リンボク(鱗木): 植物全体と樹幹の化石の属名

= 茎, 30 m h, 1-2 m d, 葉枕leaf cushion螺旋形
Lepidophylloides(Lepidophyllum) = 小葉 (2 cm), 原生中心柱, 葉枕
Stigmaria = 根(地下部 ≈ root): 石炭紀下部?、根毛root hair僅かにある
Lepitostrobus = 胞子嚢穂 cone

異型胞子(大胞子 600 × 16 spores, 小胞子 20 × 1000 spores)

Triletes = 胞子

strobila strobilb
Fig. 1. (a) Diagrammatic longitudinal sections of strobils (球果) of Lepidostrobus (left) and Calamostachys (right). (b) 球果から種子様器官を取り出したもの。外皮(integument)と種子
かなり種子に近い形態

Sigillariaceae: Sigillaria Raf. (L. gilliam = seal) フウインボク(封印木)

strobil
Fig.
A: Sigillaria
elegans,
B: S. micaudi

Lepidodendronに似るが、分枝0-2回程度
葉枕六角形、横長菱形-円形

二畳紀 Permian 290-251 Mya

シダ植物森林衰退 - 乾燥が原因?

植物分布の多様性 (diversity of plant distribution)


ライニーフローラ(植物群) Rhynie flora

1913 Mackie SJ発見: 当初デボン紀中期と推定 - デボン紀前期(4億年前)

ライニー(Scotland)付近の厚さ約2.5 mのチャート層 Rhynie chert
保存状態良好 - 茎・繁殖器官構造観察可

1917 Kidston & Lang: Rhynia, Horneophyton, Asteroxylon発見
古生代植物群の変遷
石炭紀 = レピドデンドロプシス植物群 + アンガラ植物群
石炭紀終-ペルム紀 = ゴンドワナ + アンガラ + ユーラメニア + カタイシア

ユーラメリカフローラ(欧米植物群) Euramerican flora

デボン紀 (カレドニア造山運動: シルル紀終期-デボン紀初)

Archaeopteris
湿地帯発達

アンガラフローラ Angara, Siberia or Kuznetsk flora

石炭紀-二畳紀: クズネツク盆地(露)-シベリア-沿海州
全体として気候大変化が種分化と分布に大きな影響

寒冷 ≈ ゴンドワナフローラ
シダ状植物 - 欧米植物群と異なる。球果綱植物稀

カタイシアフローラ Cathaysia or Gigantopteris flora

石炭紀-二畳紀: カタイシア大陸 = 現中国大陸が中心
Gigantopteris: 二畳紀以降特徴的 - 現生広葉樹に似た単葉
Cathaysia
Fig. 1. Cathaysiopteris whitei (山西, デボン紀上部), 2. Gigantopteris largreli (1同), 3. G. cordata (福建, 二畳紀上部), 4. G. nicotinaefolia (朝鮮平安道, 二畳紀上部), 5. 4の復旧, 6. Neuropteridium polymorphum (山西, 二畳紀上部)

中生代以降この地域は乾燥化進む

ゴンドワナフローラ(植物群) Gondwana or Glossopteris flora

二畳紀上部 upper Permian の氷河(氷堆積・擦痕)から記録 - 冷涼

石炭紀後期: ゴンドワナ大陸とみなせる地域のみから産出

Glossopteris相: 舌状単葉・網状脈 - 全体の9割占める

+ 大葉類: Palaeovittaria, Gondwanidium
+ 有節類: Schizoneura
+ 楔葉類: Trizygia (Sphenophyllum)
+ 針葉樹: Noeggerathiopsis
⇒ 欧州・北米・華南(カタイシア)要素 - 植物移動可能 = 大陸存在

種子植物の進化 the evolution of seed plants


種子の起源: 裸子植物 gymnospermae vs 被子植物 angiospermae

単系説 vs 多系説

同型胞子と異型胞子 homosproy and heterospory

デボン紀 – 胞子 = Homospory 50 μm in diameter (Ex. Rhynia, Psilotum, Tmespteris) – primitive
→ 50 μm / 100-200 μm = 2系胞子
ただし、デボン紀の胞子化石は母体から離れ出現 = 母種不明
最初の陸上植物 = homospory → 複数種で胞子大型化 → 胚珠覆う = 種子
異型胞子 heterospory
  1. Licopsida: デボン紀下部
    Lepidostrobus: 大胞子数減少、大きさ増す
    Lepidodendron: 器官に包まれる = megasporangium
  2. Spheropsida: デボン紀上部 - Calamostachys
  3. Progimnospermae: デボン紀上部 - 針葉様木本
  4. 胞子散布: シリル紀上部
⇒ 種子の起源は多系? (Homospory → Heterospory → Seed)
シダ状種子植物 seed ferns
1903 Oliver F & Scott D: シダ状種子植物(Pteridosperms)提案

Archaeosperma: デボン紀末、最古種子様化石(他石炭紀以降) = 石果

幹: Lyginopteridales(真正中心柱型)/Medullosales(多条中心柱型)

Lyginopteris: 樹状シダ種子の茎 =

Sphenopteris 葉 + Lagenostoma ♀繁殖器官 + Crossotheca

1963 Archangelsky: パタゴニアの白亜紀前期の植物化石

多くのシダ状植物化石はシダ種子植物
Ex. Ticoa harrisii - 表皮はソテツと区別困難

1968 Pettit & Beck: 種皮 seed coat確認

種子は不完全な盃状体に囲まれ、種子先端は分裂し4個の大胞子はシダ植物の様に四面体状に配列
ソテツ類の起源? → ソテツシダ類(目) Cycadofilicales

seed plant
種子の起源
大葉植物の進化 = テローム説

種子 seed

癒合 seeds in fruit: integument → seed coat
起源
  1. 大胞子嚢が将来種皮になる珠皮内に閉じ込められている仕組み
  2. 種子または種子群がさらに心皮carpel
    = 子房ovaryに閉じ込められている仕組み

陸上植物の系統的起源 (origin of terrestrial plants)


巨大化石(macro-fossil)と微視化石(micro-fossil)がある
4億7500万年前: 上陸 - オゾン層形成により紫外線弱まる

蘚苔類 → 体制: 幹 - リグニン蓄積 → 維管束発達

1) 巨大化石 macro-fossil (蘚苔類 vs 羊歯類 ☛ 退行進化)
2) 微視化石 micro-fossil

Pollination – 花粉学 palynology: pollen or spore, epidermis
a) 同型胞子 homospory (Ex. ferns), spore = 50 μm in diameter → 異型胞子 heterospory
b) デボン紀下層: 嚢 saccus (pl. sacci)出現

terrestrial plant
主な維管束植物の出現年代 (伊藤 2012)

巨大化石 macro-fossil

カンブリア紀-オルドビス紀
Aldonophyton: 陸上植物特性有するが藻類・動物の可能性もある
Pridolian or Downtonian (400-395 mya)
Cooksonia: 維管束植物最古の化石
原始的sporocarp有 - 初期陸上植物体制は単純
primitive sporocarp → dichotomous branching (dichotomy)
デボン紀 Gedinnian (395-390 mya)
Cooksonia, Zosterophyllum: slit, spiral spore
気孔: gurad cellがある → [進化] → Taeniocorda: lateral
デボン紀シーゲニアン Siegenian (390-374 mya)
Dichotomous branching → Monopodial branching (developing axis)
Leaf-like organ or follicle (origin of macrophyll or microphyll) → venation, telom
Development of stele and/or protostele = wood → 中心柱 stele: 外原形、中原形、内原形の3タイプ出現
Botryopteris (古生シダ): 種によって維管束形成が外原型exarchと内原型endarchをとるものがある
→ exarch, endarchは二次的な形質?
Stele Telomeで中心柱進化は説明可 → Psilopsidaは一系統と考える

Merker (1957-58), Pant (1960): 枝につく造卵器 → Lemoigne (1967-68): Merker, Pantを支持

Sporocarp → Cone(?)
デボン紀エムシアン Emsian (374-370 mya)
葉平坦化し癒合起こる
チャート岩中から化石産出: Rhynia, Psilophyton, Taeniocrada, Cooksonia, Sporogonites

体制: Cooksonia_____Rhynia________Sporogonites

body ← 葉状体
体制上当然大きな差はない

1. EM観察: 横走茎(匍匐茎か葉状体)に造卵器形成 + 若胞子体胚存在

⇒ 横走茎 = 配偶体 + 直立体 = 胞子体
body
表皮系的_________造卵器の構造
他の切片では若い胞子体の胚があった

2. 直立茎基部にフレアskirtがある。これは直立茎が二次的(内性的)に出来たことを示している

body

3. 単純維管束系存在: 単純すぎコケのcentral strandに似る。縦断面は単純な初期的螺旋構造も見られる

シダ植物門 Division Pteridophyta

森林誕生: 前期デボン紀以前の「テローム植物」は、根・葉なく、高さ1 m程度だが、その後の数千万年間に複数群で根・葉を独立に進化させ、二次肥大成長を行い巨大な体を維持できるよう進化した。3億8千万年前までに「森林」が誕生したが、優占種は、小葉植物や羊歯植物である。

裸茎植物亜門 Subdivision Psilophytina

小葉植物亜門 Subdivision Lepidophytina

無舌綱 Class Aglossposida
有舌綱 Class Glossopsida
原シダ亜綱 Subclass Primofilicidae*
デボン紀中期以降、石炭紀繁栄
Angiosperm, Gymnosperm程大繁栄しない(= 地球上覆うほどではない)

概して高温好む傾向 Ex.シダ係数 pteridophyta index

一般的形態
茎 stem: 短縮、根茎 – 地表面に茎殆どない(鱗片有無、形態も種の特徴)
葉 leaf

単葉___________羽状複葉
leaf
______________1回_________2回__________3回, 4回 …

小羽片葉脈

1) Open type (primitive)_2) Closed type
____leaf

Order Protopteridales* (古生シダ) デボン紀-石炭紀
1970 Beck CB: 殆どがCladoxylales (Cladoxylalesに移動)
Order Cladoxylales* (クラドキシロン) デボン紀中期-石炭紀
胞子体のみ(×): 地上茎直立、叉状-不規則分枝、先端に樹冠形成

大部分が古生裸子植物 ≠ 古生シダ ⇔ 中心柱複雑: 分類再考必要

Cladoxylaceae クラドキシロン: Cladoxylon Unger
Pseudosporochnaceae
Pseudosporochnus (Stur) Potenié et Bern.
Order Coenopteridales* (コエノプテリス) デボン紀中期-二畳紀
胞子体のみ: 最終分枝先端に胞子嚢
特殊な原生中心柱。葉状体立体(三次元)的。葉身なし(例外あり)
Aracnoxylaceae
Iridopteridaceae
Stauropteridaceae
Stauropteris: 異型胞子 - 大胞子嚢中に2-6個の大胞子
Zygopteridaceae
Botyopteridaceae: Botryopteris Renault
Anachoropteridaceae
Order Archaeopteridales* (アーケオプテリス) デボン紀 Devonian
分類上の位置不明(暫定 有節植物)
外見は現世植物的だが、葉の作りは羊歯
デボン紀に種子植物出現の証拠は今の所ない(石炭紀にはある)

単系説と多系説 monophyletic theory and polyphyletic theory


0) 葉集合説 phytonic theory

葉が集合し茎となった → Tmesipteris (マツバラン): 茎成長点見当たらぬ
Rhynia等原始的植物は葉がなく茎のみのため、この説では説明困難

1) 単系説 (単系で陸上植物進化説明可) =

テローム説(Zimmermann 1952, 1959) + 突起説(Bower 1935)

仮定: Rhynia 全陸上植物祖先系

a) テローム説 telome theory
テローム telome: 二叉分枝した末端小枝を植物体構成単位とみなしたもの
Rhynia: 葉がない → 大葉・小葉両方を統一的に説明しようとする
デボン紀原始的葉: 発生組織注目 → "葉は軸が変化した" = 植物本体は軸

Rhynia, Hicklingia: basic morphology = 二叉分枝 dichotomous branching, sympodial types (apical cells)

二叉分枝する基本形 telome ⇒
  1. 主軸形成 overtopping or over-topping: 軸と側枝の区別生じる
    叉状 dichotomy → 仮軸 sympodium → 単軸 monopodium
    (overtop, n, vt, adv. -より高く聳える、-に勝る。頭上に)
  2. 平面化(扁平化) planation
  3. 融合(癒合) fusion Ex. 膜が枝(小枝)間に生じる
  4. 退化縮小 reduction: 退化し枝数減少
  5. 湾曲(反転) incurvation: 枝先端が曲がり反転する - 下垂する胞子嚢
これらの順番と、どの要素が強く反映されたかで、植物進化の道筋決まる
シダ・トクサ: telomeで説明可能 ⇔ ヒカゲノカズラ: 化石上の知見もなく論争中

telome
Fig. Telome theory (Zimmermann 1959)

胞子嚢sporangiumの変遷 - Telomeによる説明

telome
Rhynia: terminal_______Taenioclada______Zosterophyllum: lateral
胞子嚢進化 = Telomeで説明可能 → Zosterophjyllumと他2群との系統が別とは断定できない

b) 突起説 enation theory
小葉起源の説明に適する

Rhynia_____Psilophyton____Asteroxylon_______Lycopodium
telome
Ex. ヒカゲノカズラ類: 小葉 = "茎の表面に新しく生じた突起"

Asteroxylonはヒカゲノカズラ類の起源?

2) 多系説

無葉類、小葉類、有節類の3者を形態的差の大きさから独立した祖先から陸上植物に進化したとする
成長遅滞原則 growth retardation: 植物成長条件↓ → 環境適応

植物体小型化 ⇒ セグメント(小枝・小羽片等の最小単位): 癒合、拡大、拡大癒合、減少、包囲、短化、沿化、脈集合
Ex. 癒合: セグメント大型化 → 枝は脈形成

Ex. シダ植物 = 有節類 + 小葉類 + 大葉類 – 1系統ではない
Ex. 裸子植物 = ソテツ系 + 針葉樹系: (デボン紀-)石炭紀出現

茎の構造: 球果系 = 多木質, 材固い ⇔ ソテツ系 = 多髄質, 材軟らかい

1960, 62, 70, 71 Beck: 古生裸子植物

Archaeopteris (上部デボン紀標準化石): 大型羽状複葉で同型胞子か異型胞子 = シダ植物
Callixylon: 材化石(1 m φ) - 裸子植物的二次組織 = 種子植物
Callixylon茎にArchaeopteris葉がつく化石発見[属統一]
生殖器官 = シダ ⇔ 栄養器官 = 裸子植物
裸子植物起源(?): この生殖器官が種子型に進化(= pteridosperm → seed) 証拠なし

1966 Carluccio et al.: Archaeopteris (Beck 1960)

2回羽状複葉の葉軸や羽片軸と考えた部分 → 二次木部形成
羽片軸と考えられていたものは枝と結論
telome
Fig. Cordaianthus → 針葉樹 (胚珠構造単徐々に純化)。1. Cordaianthus, 2. Lebachia, 3. Wallchiostrobus, 4. Ernestiodendron, 5. Pseudovoltzia, 6. Cryptolepis, 7 Hirmeriella, 8. Araucaria

ノエゲラシア群 Noeggeranthiales
古生代末期。シダ段階維管束植物化石 (系統関係未詳, 有節植物近縁?)
Noeggeranthiaceae: Noeggerathia Sternb.
Tingiaceae: Tingia Halle, Tingiostachya Kon'no

Division Progymnospermophyta 原裸子植物門

= Progymnospermopsida 原裸子植物 (> 上部デボン紀)
シダ類と比べ水依存性大きく低減
系統: Cordaites (コルダボク群)につながる(?)が、まだ胞子植物段階

新赤砂岩層: 植物化石含む

Order Aneurophytales (アニューロフィトン)
Aneurophytaceae: Tetraxylopteris, Rellimia, Aneurophyton, Eospermatopteris

telome
Fig. Aneurophyton sp. Part of branch system. (Kraesel & Weyland, from Banks)

Order Pityales (ピツス)
Archaeopteridaceae (Pityaceae)
Archaeopitys Scott et Jeffrey (Gr. archaeo = ancient, pteris = fern): 木本

少なくとも2種は異型胞子 [大胞子 8-16 spores, 35 μm φ, 小胞子 > 300 spores, 35 μm φ]

Archaeopteris Dawson (デボン紀末期)
Callixylon Zalessky: Callixylon: 仮導管(階紋仮導管 saulariform tracheid)

孔紋仮導管 pitted tracheid = ナンヨウスギ
放射仮導管 ray tracheid = マツ

Pitus Witham
⇒ 異型胞子植物はデボン紀上部以降出現 → 現世シダは全て同型胞子

茎 = 木本, 葉 = 羊歯, 異型胞子 = 維管束植物的

Order Protopityales (プロトピチス)
Protopitys Geopp.

羊歯的葉 fern-like foliage

羊歯植物化石分類: 分類・系統的位置付けできていない = 形態属

古生物・地質学上は各地地層対比から各化石器官の種属同定 ↔ 地層対比上、化石が重要な鍵

☛ 地質年代 中生代

中生代 (Mesozoic)


被子植物: 白亜紀初頭(140 Mya)突然出現

白亜紀末: 形態・分布現在に近い
裸子植物より世代交代早い、環境順応性高、動物と共進化
Ex. 福島県上北迫植物群化石: 山火事痕残る

被子植物の起源 origin of angiosperms

1877以後 Hooker, Joseph Dalton (1817-1911, 英)

北極起源説 [否定] 植物相: 東亜 ≈ 北米東海岸 → 北極起源で説明可

1940 Vavilov: 遺伝子中心説 = 作物起源
1966 Takhtajan AL: 東南アジア熱帯域起源説 - 地域の特徴

原始的植物多 + 植物相多様 + 環境複雑

1960 前川: 古赤道分布説 [否定]
1970 Axelrod: 赤道圏山地発生説 - 多様な環境下で突然変異率は高い
1976 Kreutzer: 南極起源説 [否定]

南極 - [移動] - パタゴニア・オーストラリア・南アフリカ

中生代ユーラシアフローラ: 植物群組成貧弱

Ex. シダ類、ソテツ葉類、Voltzia(球果綱), Schizoneura(トクサ綱)

三畳紀 Triassic 2.51-1.95 Bya

Pleuromeia: ヒカゲノカズラ綱 三畳紀初期ユーラシアフローラ表徴的種

茎分枝しない。2 m h, 9 cm φ
1973 Konno(今野): 宮城県下部三畳紀系から発見

ヤブレガサウラボシ植物群: 三畳紀中後期-ジュラ紀初期

≈ レートライアス型植物群(三畳紀中期未発見の頃の呼称)
ヤブレガサウラボシ Dipteridaceae: 多種多様(現生1属Dipteris8種)

葉身に網状脈: Thaumatopteris, Dictyophyllum, Clathropteris, Camptopteris, Hausmannia, Goeppertella

汎世界的分布 (↔ 三畳紀初期: 分布地域限定的)

ジュラ紀 Jurassic 1.95-1.35 Bya

白亜紀 Cretaceous 1.4-0.65 Bya

イネ科: 化石資料少

白亜紀後期恐竜糞化石中 - プラントオパール(イネ科特有)発見
→ 白亜紀後期に草食恐竜存在?

中生代のフローラと植生 flora and vegetation in Mesozoic


化石推定殆ど: 中生代地層は断片的だが世界各地に見られる
この時代には地球全体のフローラに相違が余りない
気候: 温暖安定(古生代後期、特に石炭紀以降)

→ Alps orogene, circum-Pacific orogene: 中生代(特にジュラ紀)

[内陸] 湿潤 → 乾燥 → (Variscan orogeny) → 温和
_________→ Gymnospermae, Ferns繁栄
多種が気候激変のため白亜紀下部-上部にかけて絶滅
逆に多くの被子植物現れる(1億2500万年前) - 動物との共進化重要

Cretaceousに確認され、現在まで続くグループ
Magnoliaephyllum (Magnolia), Platanus, Artocarpus, Palamae

Ex. 復元: 白亜紀の中国東北地方の湖

湖畔: シダ類・裸子植物
水面: Archaefructus - 原始的被子植物(鞘上の実)

中生代種子植物

Division Spermatophyta 種子植物門

Subdivision Gymnospermae 裸子植物

Class Cycadopsida ソテツ綱
Subclass Pteridospermidae* シダ状種子植物
特徴: 羊歯状葉状体に裸子種子形成
Order Pteridospermales シダ状裸子植物
Order Bennettiales*: 中生代三畳紀-終期
Order Cycadales ソテツ
Nilssoniaceae*: ジュラ紀-白亜紀
Subclass Pentoxylidae ペントキシロン*
Order Pentoxylales*
Class Coniferopsida 球果植物綱
Order Cordaitales: 上部デボン紀-二畳紀。北半球多出
1957 Boxter: Carpannularia = イワヒバ型発生をする胞子嚢 sporangium

しかし、integument形成しない ≠ 種子

1931 Elias: Equisetumで種子報告

ムカゴと訂正 (現世も時々ムカゴつけるEquisetum発見される)

Eristophytaceae
Cordaitaceae* 石炭紀-二畳紀
Amyelon Williamson (根), Cordaianthus Grand'Eury (球果), Cordaicarpus Geinitz (種子), Cordaites Unger (葉), Mesoxyllon Scott et Maslen (茎)

Cordaites = 球果(石炭紀 3.5 Bya) ⇔ イチョウ・ソテツ(3(2.8) Bya)

球果: 雌雄別。葉: 樹冠部枝に螺旋状配置、平行脈
化石上は、この2系統は別系統

Poroxylaceae: 石炭紀-二畳紀下部
Order Coniferales (Pinales)
ジュラ紀 Jurassic: 化石豊富(日本はジュラ紀化石産出しない) - 南半球フローラは比較的均一。裸子植物繁栄
Angiospermae 被子植物: 白亜紀Cretaceous初期以降出現(化石産出) → 昆虫出現と密接に関連

裸子植物 → [乾燥適応] → 被子植物
分類基準: sepal, petal, stamen, carpel, 表皮系, 維管束系, 基本組織
被子植物起源は不明点多
被子植物の特徴自体に不明の点が多く、例外の多さ目立つ。Ex. 被子植物の決定的形質と考えられる重複受精は化石では確認できない。被子植物の殆どの科が、白亜紀のもので揃う
→ 化石上で系統関係を述べるのは極めて困難

1. 単純葉
Ginkgo, Conifer, etc.(現代)
a) ramification (branching)

venation
_____________Baiera - Ginkgoites - Czekanowskia
Female organ___×________×_________
Stoma__________________________

前2種がGinkgoの起源、Czekanowskiaのみが雌器官を有しており、前2種に非依存的である

b) linear-leaved plant with parallel venation

Elatides, etc.
Pinites (cf. Pinus) – one cone
マツ科とイチイ科の両方の中間的形質有する

2. 胚珠 ovule
閉じていないcarpelに囲まれる
Magnoliaceae, Cercidiphyllaceae, Nymphaeaceae – 隔離分布
表. モクレン目 Magnoliales および近縁の原始的被子植物の分布型 - 環太平洋を取り巻くよう分布

[北半球型]

モクレン科 Magnoliaceae
ヤマグルマ科 Trochodendraceae: 東アジア(日本-台湾、朝鮮南部)、固有
スイセイジュ科 Tetracentraceae: 東アジア(中国大陸南部-東ヒマラヤ)、固有
シキミ科 Illiciaceae: 東アジア-マレーシア西部(高地)、北米東部-中米高地、キューバ
マツブサ科 Schisandraceae: 東アジア-マレーシア西部、北米東部

[熱帯型]

センリョウ科 Chloranthaceae: 中南米、東アジア-マレーシア-太平洋南西部
バンレイシ科 Annonaceae: 汎熱帯、北米東部
ニクズク科 Myristicaceae: 汎熱帯
クスノキ科 Lauraceae: 汎熱帯-亜熱帯、北半球では温暖帯まで
カネラ科 Canellaceae: 熱帯アメリカ、アフリカ、マダガスカル

[南半球型]

シキミモドキ科 Winteraceae: マレーシア、豪州東部、NZ、南米-中米、マダガスカル
デゲネリア科 Degeneriaceae: フィジー(南西太平洋)
ヒマンタンドラ科 Himantandraceae: 東豪州、ニューギニア、モルッカ
エウポマチア科 Eupomatiaceae: 東豪州、ニューギニア
アウストロバイレヤ科 Austrobaileyaceae: 豪州(北東部)
モニミア科 Monimiaceae: 南米、アフリカ-マダガスカル、マレーシア-豪州
3. 花 flower
単純
One stamen – One ovule
Amentiferae: pollen = tricolpate - primitive (Engler 1879)
Magnoliaceae: monosulcate pollen

⇒ モクレン科が被子植物の起源(田村 1974)

4. 葉脈 vein
Cycadophyte(ソテツ状葉印象化石類)

平行脈 – 被子植物起源?(Bennetiales)

Ginkgophyte: 叉状脈
Coniferophyta

被子植物は様々な所に雑草的に出現 → 徐々に広がる

被子植物の特徴

  1. vessels: 広葉植物進化に大きく関与(Ginkgo, Cycas: 仮導管 tracheis)
  2. 気孔stoma: 光合成能力増加
  3. 胚珠中の種子
    大胞子嚢を胚珠が完全に包む ⇒ formation of ovule
    種皮carpel発達 – integumentを包む
    昆虫-種子(果実)共進化 (昆虫出現はシルリア紀 = 約4億年以上前)
  4. 花粉管: 様々な環境下での受粉を行なうことが可能となる
被子植物の遷移(被子植物定義は複数): 種子植物発生時期は定義で異なる
花粉 pollen
被子植物花粉化石 + 白亜紀中期出現(多様性低 - 以降多様な花粉産出)
表面網目模様 areolate ⇒

1) 虫媒  2) 花粉が柱頭に付着しやすい  という2つの利点を得た進化

受粉: 受粉完了し柱頭着床検知するにはmonosulcateよりもtricoplate, tricolporateの方が優れる

pollen → tetrad
Monosulcate: 溝が横を向くと着床を検知しても花粉管が到達しにくい

花粉孔の形態 縦/横 > 2 = 溝型

長口型 sulcate type__溝型 calpate type__孔型 porate type
pollen

網目模様のない花粉出現: 風媒、花粉が小さくなる → 当時の気候が一時的に乾燥? – 虫媒効率低下

動物 (animal)


古生代: 三葉虫 trilobite・サンゴ coral・腕足類 brachiopod
三葉虫 Class Trilobita (Fortey 1997): カンブリア紀-ペルム紀(二畳紀)末
Order Agnostida; カンブリア紀-オルドビス紀
Order Redlichiida: カンブリア紀
Order Corynexochida: カンブリア紀前期-デボン紀中期
Order Asaphida: オルドビス紀-デボン紀中期
Order Phacopida: カンブリア紀末-デボン紀後期
Order Proetida: オルドビス紀-ペルム紀末
Order Ptychopariida: カンブリア紀-デボン紀後期
Order Lichida: カンブリア紀後期-デボン紀中期
ウミユリ (棘皮動物), sea lily
最古化石: バージェス頁岩中(カンブリア爆発時出現)、破片化石多、浅海底

= 銭石(赤坂金生山)、千貫石(東北)、梅花石(九州)

シルル紀: 5 bya 無顎類(≈ 甲冑魚類)出現 → 4.4-4 bya 化石多産

鎧状の甲羅 - ウミサソリ(Eurypterus)に対する防御?

シルル紀後期: 有顎類出現 → デボン紀発展放散(板皮類 - デボン紀末絶滅)
デボン紀: 総鰭そうき類 - 上陸 → 古生代末期衰退

シーラカンス (総鰭類) - 生きた化石

デボン紀末期: 両生類 - 古生代後期繁栄

デボン紀化石: 側線器官 - 魚類的

Class Reptilia 爬虫綱 (爬虫類 reptiles)

単弓類 Synapsida: 哺乳類起源
Superorder Dinosauria 恐竜 (s.s.), dinosaur
古生代(石炭紀), 3 bya - 双弓類(≠ 恐竜)起源
中生代: 爬虫類時代
三畳紀 (P/T境界後): 恐竜出現 → 爬虫類繁栄 - 乾燥(砂漠時代)
ジュラ紀: 巨大化
白亜紀: 最盛期 [被子植物出現] → 終期: 衰退 → 昆虫、小型動物に代わる

1923 ゴビ砂漠で恐竜卵化石 → Protoceratops

以下2目(竜盤・鳥盤)が分類学上の恐竜
Order Saurischia 竜盤
Suborder Theropoda 獣脚類
二足歩行 (≠ ヒト二足歩行) + 前肢退化

草食恐竜 + 大型化
Tyrannosaurus Osborn 1905 暴君竜: 白亜紀末期、北米

Suborder Sauropodomorpha 竜脚形類
Saturnalia: 中生代三畳紀後期、南米
Thecodontosaurus: 三畳紀後期、グレートブリテン島
Infraorder Prosauropoda 原竜脚類

Anchisauridae: Anchisaurus
Plateosauridae: Plateosaurus
Melanorosauridae: Melanorosaurus

Infraorder Sauropoda 竜脚類

Omeisauridae: Mamenchisaurus Dicraeosauridae
Diplodocidae: Apatosaurus, Diplodocus
Camarasauridae: Camarasaurus
Brachiosauridae: Brachiosaurus ブラキオサウルス
Titanosauridae: Titanosaurus), Saltasaurus

Order Ornithischia 鳥盤
恒温動物説: 現世爬虫類 = 変温動物 → 動き遅い

骨格構造 → 恒温動物(全恐竜にあてはまるわけではない)

Anatotitan Chapman et Brett-Surman 1990, syn. Trachodon (廃棄)
Nipponosaurus Nagao 1936
1924 ニッポン竜: 樺太、白亜紀後期
1962 長崎高島炭鉱地下917 m、当初カモノハシ竜 → 哺乳類

Archosauria (恐竜群/主竜群, s.l. 絶滅)

心臓2心房2心室
Order Ichthyosauria 魚竜
2億5千万年前出現-9000万年前絶滅
Elasmosauridae
Futabasaurus suzukii Sato, Hasegawa et Manabe 2006
1968 化石発見 (フタバスズキリュウ/双葉鈴木竜) - 首長竜日本初確認

福島県双葉層群玉山層入間沢部層河岸露頭

2006 新属新種として記載
Order Protosauria 原竜
Order Mesosauria 中竜, mesosaur (middle lizards)
古生代後半。この分布をもとにゴンドワナ大陸復元
Order Paraspida
三畳紀初期から出現
(Super)Order Sauropterygia 鰭竜
Order Nothosauria 偽竜, nothosaur
三畳紀 (→ 首長竜に分岐)

Nothosaurus Hunter 1834
Plesiosaurs Blainville 1835
Elasmosaurus Cope 1868

稲井竜 Metanothosaurus Yabe et Shikama 1948 (M. nipponicus)
1939 宮城県本吉郡柳津町北上川岸中生代三畳紀地層から化石

体の大部分保存 (頭骨、四肢骨不明) - 戦後紛失。全長 ≈ 1.3 m
アンモナイト、腕足類、二枚貝化石 → 魚食

Order Eosuchia 始鰐
Order Thecodontia 槽歯
恐竜群で最も原始的 - 原始的が共通なだけで有効分類群ではない
Protosuchus, Telosaurus, Alligatosaurus

爬虫類の起源?

Order Pterosauria 翼竜, wing lizard
1784 Cosimo Alessandro Collini (1727-1806, 伊): 化石初記載
Rhamphorhynchus: ジュラ紀
Pterodactylus: ジュラ紀後期
Pteranodon 翼手竜(プテラノドン): 白亜紀、北米
Quetzalcoatlus: 白亜紀、北米
Order Therapsida 獣形
Order Ictidosauria イクチドザウルス
爬虫類-哺乳類中間形態

節足動物

鳥類

1861 始祖鳥(ドイツで発見): 三畳紀, 爬虫類-鳥類中間

鳥類特徴: 前足が翼。体表に羽
爬虫類特徴: 3本爪。尾骨ある長い尾。口に歯あり、胸骨は竜骨突起なし

哺乳類

有袋類(哺乳類): ジュラ紀
ウマ (horse)
化石連続的変化 (ウマの進化 ♠: 草食, ♥: 木の実食)

×                Equus 150, 1/1 ♠ 最新世              × └───┬────┘                                 ┌────┘
Pliohippus 120, 1/1 鮮新世 ♠        Hippidion ♠           ×
 ↑ パラヒップス ──────────────┘     ┌─────┘
 ↑ Merychippus 90, 3/3 中新世 ♠    Anchitherium 中新世 ♥
 ↑ Miohippus 3/3 漸新世     ┌────────┘
 ↑ Mesohippus 60, 3/3 漸新世 ♥
 ↑ Eohippus (Hyracotherium) 30-40 cm(体長), 4/3(前/後足)
        始新世 ♥ 欧州絶滅-北米発展

horse
Hyracotherium (Cope ED). 肩高30 cm。背丸く首短い。指前4本後3本。奇蹄類共通祖先とも思われる。A-D: 全て右後足(大きさは同じに描く)。A: Hyracotherium, B: Miohippus, C: Merychippus, D: Equus.

(*: 絶滅) ☛ ゾウ(現存)

Elephantidae (ゾウ, elephant)
瀬戸内海: 象化石の宝庫
Palaeoloxodon (ナウマンゾウ): P. naumanni, Naumann's elephant

20000年前 第四氷期(ウルム氷期)絶滅
P. aomoriensis アオモリゾウ(青森)、インバゾウ(= ナウマンゾウ, 千葉)

Stegomastodon ステゴマストドン*
Mastodon マストドン*
Stegodon ステゴドン*
S. aurorae (アケボノゾウ), syn. S. akashiensis (アカシゾウ)

S. kwantoensis (カントウゾウ), S. sugiyamai (スギヤマゾウ), S. akashiensis (アカシゾウ), S. infrequens

S. orientalis (トウヨウゾウ)
Loxodonta africana africana アフリカゾウ
Elephas maximus アジアゾウ(インドゾウ)
Mammuthus Brookes 1828 マンモス*
M. africanavus アフリカ-, M. armeniacus アルメニア-, M. columbi コロンビア-, M. exilis コビト-, M. hayi, M. jeffersonii ジェファーソン-, M. lamarmorae, M. meridionalis メリジオナリスゾウ, M. primigenius ケナガ-, M. protomammonteus ムカシ-, M. subplanifrons, M. sungari ショウカコウ-, M. trogontherii ステップ-

北広島マンモス: ケナガマンモスとナウマンゾウの臼歯発見 = (可能性) 4.5万年前共存 + 針葉樹林帯生息 (≠ 定説) (北広島マンモス大復活プロジェクト, 北海道博物館・北広島市エコミュージアムセンター企画)

ビラフランキアン期 Villafranchian age: イタリア北部陸成層に示される時期

ゾウ,ウマ,レイヨウ出現
その基底は第四紀始まりに一致すると考えられた

. 欧州におけるビラ・フランカ期の動物
  • 早期: ボルソニイマストドン、アルベルネンシスマストドン繁栄 (エレファスゾウ出現しない)
  • 中期: アルベルネンシスマストドン、プラニフロンスゾウ、メリジオナリスゾウ共存
  • 後期: mastodon(Mammut)絶滅、Mammuthus meridionalis繁栄
  • 晩期: Merck rhino (Stephanorhinus kirchbergensis)出現

mastodon 第三紀型ゾウ、他 第四紀型ゾウ

Order Desmostyliformes 束柱
デスモスチルス。海牛類や長鼻類と近縁(desmos束 + stylos柱) (! = 絶滅)
中生世前-中期の北太平洋沿岸のみ
切歯円束形。臼歯高歯冠柱状歯。大臼歯水平交換。側頭骨頬骨突起が上顎骨と接触
パレオパラドキシアから分布北に偏り寒流系種。日本: 岐阜・島根以北産出
Order Desmostylida
中新世!
Order Condylartha 顆節
原始的有蹄動物 !
Order Notoungulata 南蹄
原始的有蹄動物 !。南米
Suborder Notioprogonia 南祖
Suborder Hegetotheria ヘゲトテリウム
Suborder Typotheria ティポテリウム
Suborder Toxodontia トクソドン
Order Litopterna 滑距
原始的有蹄動物 !。南米
Macraucheniidae マクラウケニア科
Proterotheriidae プロテロテリウム科
Order Pantodonta 汎歯
大型有蹄動物 !。バクに似た草食動物
Order Dinocerata 恐角
ウインタテリウム類。巨大有蹄動物 !
Order Pyrotheria 火獣
巨大動物 !。南米
Order Xenungulata 異蹄
大型有蹄動物 !。南米
Order Embrithopoda 重脚
アルシノイテリウム類。大型有蹄動物 !。エジプト地方
霊長類 primates
第三紀 = 霊長類時代
暁新世中期: ツパイ 北米大陸に多くの化石 - いずれも極めて原始的

食虫類(ツパイ) → 樹上生活 → 霊長類
被子植物繁栄 → 昆虫 → 食虫動物 → 霊長類

_____後期: 種間差(分化)明瞭となる
始新世: 現世哺乳類種の半数の化石

後期: 類人猿(様)化石 (Amphipithecus mogaungensis) - 原始的狭鼻類

洪積世前期-中期における日本の哺乳類動物群の由来(大陸と陸続き)

泥川湾動物群 柳城動物群 万県動物群 周口店動物群

第四紀 = 人類の時代

新生代 (Cainozoic)


メタセコイア: 白亜紀-新第三紀繁栄-第四紀氷河期衰退
1941 三木: メタセコイア(Metasequoia)命名
1945 生きたメタセコイア発見 - 生きている化石

中国四川省磨刀渓上流祠近く。幹2.3 m φ - 各地に播種・移植

古環境復元 (reconstruction of paleoenvironment)


地球の歴史や気候条件の変遷と、それに伴う生物進化と移動を、現在を含め地史学的に探求(花粉分析、珪藻)

珪藻

珪酸質殻 = 堆積物中残りやすく化石から湖・湿原化学環境(一次生産)推定
一般的手順
  1. 堆積物0.5 mlを100 mlビーカーに入れ、30%過酸化水素水(H2O2)と濃硝酸(HNO3) 5:1混合液3 mlを加える(HFは決して使用しない)
  2. 有機物が酸化するまで待ち、その後3回蒸留水により遠心分離洗浄する
  3. 粗砂が多いときは網で濾し、500 mlビーカーに移し蒸留水を加えビーカーを回転させ砂をビーカー底部に沈殿させる。上層部の水を他のビーカーに流出し、遠心分離法で珪藻を少量の水中に濃縮する
  4. ハイラックス(Hyrax, 屈折率1.65)に封して検鏡する
A. 第三紀以前
気候的環境変化を考える際の基礎概念
  1. 大陸移動 continental drift
  2. 極移動 polar migration
  3. 地球外部(特に太陽活動)変化
  4. 地球内部変化
  5. 地球表面変化(造山運動による地形変化等)
⇒ 恐竜絶滅・石炭
B. 更新世の環境
地磁気と絶対年代の対比による時代考証
植生変遷: 花粉分析 pollen analysis

後期: 北海道 – マンモス。東北地方花泉(=花泉階) – ナウマンゾウ、ヤギュウ等。新潟 – トナカイ

暖帯要素出現
大型哺乳類絶滅始まる(特に北米大陸で顕著)

中期: ナウマンゾウ、ニッポンムカシジカ、楊子シカ、マチカネワニ

出現、滅亡の時期は断定しにくく、繁栄、衰退の判断も難しい。例えば、種類数で判断するのか、個体数で判断するのかなどという化石化の問題がある。始祖鳥 Archaeopteryx の化石は5片しか見つかっていない

パレオソル(古土壌)

2r + 2H2O > 2rO2 + H2

古生物地理区 paleobiogeogrpahy

生態群集を遺骸群集から復元

(生物)群集 Biocoenosis
↓ 古群集 Thanacoenosis
↓ 堆積群集 Thaphrocoenosis
↓ 化石群集 Oryctocoenosis
貧弱な情報

生活型 habitat type
生活型によって古環境を推定復元する (functional morphology)

化石の配列dimensionの方向等の化石形成因子を考慮する必要がある
Ex. Lyell, Charles (古生物学の祖): イタリアで火山近くの神殿の柱の穴 → 穿孔貝が作った = 穴がある部分まで1度は海中に没した

地質学(geology)との関連 (relationships to geology)
珊瑚礁 – 遷移段階と対応(地質学的遷移及び生態学的遷移)
植物群集、動物群集が基盤(地形)形成 → その上に群集発達 + 垂直分布にも注目すべき
石灰岩 sparite

バイオスパーライト biosparite: 生物の堆積 spar
ミクライト micrite: 生物より下の単位の堆積

古赤道 paleoequator
古い時代(特に白亜紀から第三紀)の赤道の位置 - 地軸が現代と異なる
古赤道に沿い分布: ドクウツギ (Coriaria japonica)・スミレアケビ科

paleoequator
ドクウツギの分布。斜線: 現分布。点線: 化石産地 (前川 1960)
⇒ 現代は隔離分布 - 古赤道上に並ぶ [現在否定的]

花粉学 (palynology)


多くの湖底・泥炭堆積物: 花粉・胞子遺体含む
他遺体・化学成分・同位体測定結果等とあわせ古環境復元計る

(岩波 1965, 高橋 2014)

花粉分析 pollen analysis

(堆積物中の)花粉の種類と量を調べること
花粉胞子分析 pollen-spore analysis: 羊歯類・蘚苔類胞子も調べた場合
層順が明らかなことが不可欠(+ 絶対年代)。湖底堆積物を5 mm間隔で調べれば遷移解析可能

花粉 (1)模様(表面・断面)、(2)孔(発芽孔)、(3)構成物質、 (4)花粉管、等の特性利用
古生態学で発達: 種判別低 - より上(属)段階の分類で高

仮定: 花粉集団 ⇔ 植生 ⇔ 気候
野外サンプリング
コンタミ避ける Ex. サンプリング用SS型ピンセットは頻繁にクリーニング
原理と方法
花粉・胞子は10% KOH溶液、48%HF錯化液acetolysis solutionに無反応
→ 目的物以外の基質を化学的除去(HF処理 - 花粉10%小さくなる)
  1. 1 ml堆積物を遠心管(10-15 ml)に入れ3 ml 10% KOH加え攪拌
  2. 5-10分間ウォーターバス中で煮沸
  3. 7-8 ml蒸留水を加え攪拌
  4. 10分間1200-1300 rpmで遠心
  5. 遠心分離後、沈殿物をl mmの真鍮網で濾過
  6. 通過液(花扮胞子含む)を3回然留水で遠心分離洗浄(遠心管内沈殿物に、水か他溶液を加え攪拌後、遠心分離にかけ上澄を棄てる操作で沈殿物を洗う)し完全にKOH除去
  7. 100%アセトン(CH3COCH3)で3回遠心分離洗浄
  8. 3 mlブロモフォーム重液(CHBr3アセトンで希釈し比重2.28に調節。アセトン蒸発し貯め置き不可)を沈殿物に加えよく攪拌
  9. 約4分間遠心分離 - 花粉胞子含む有機物破片が重液上層部に浮上
  10. 浮上物を約7 mlアセトン入遠心管に静かに注ぎ遠心分離し上澄廃棄
  11. 7-9換作を最低4回反復 - 全有機破片抽出
  12. 7-10操作で集められた有機残留物を3回アセトンで遠心分離洗浄
  13. 蒸留水で3回遠心分離洗浄
  14. 有機残留物をプラスチック遠心管に移し1-2 mlの48%HF加えよく攪拌し、湯浴上で約15分間煮沸(HF有毒発煙 - ドラフト中でゴム手袋はめ操作)
  1. 最低3回、蒸留水による遠心分離洗浄しHF除去(最終洗浄時に有機残留物を遠心管に移す)*
    *上澄はブロモフォーム含み回収再利用可能。回収液に同量蒸留水を加え激しく振り、アセトンをブロモフォームから分離し下層回収。操作数回くり返し得た比重2.5以上のブロモフォームを濾過。ブロモフォームは高価で、ZnCl2,SnCl470%水溶液を使用してもよいが(6)-(11)のアセトンは蒸留水におき換える
  2. 氷酷酸液で1回遠心分離洗浄
  3. 残留物に1 ml酢化液(9 ml無水酢酸 + 1 ml濃硫酸)を加え、かき混ぜ湯浴上で3分間煮沸
  4. 氷酷酸で1回遠心分離洗浄。蒸留水で4回遠心分離洗浄
  5. 50%グリセリン液で適当量に希釈
  6. 毛細ピペットで一定量(0.05-0.1 ml)をスライドグラス上に滴下し検鏡

(15)から(18)の操作を錯化処理acetolysis treatmentという
泥炭など少鉱物成分堆積物では、6-12 (6-14)段階を無視し5から13 (15)処理へ移行してよい。現生花粉漂本のために葯や花粉を使う場合も5から15へ移行してよい

遺体同定: 文献に頼るより、現生花粉を10% KOHと錯化液で処理した花粉スライド作り参考にした方がよい
日本第四紀堆積物調査で知るべき花粉: モミ、トウヒ、ツガ、マツ、カラマツ、ビャクシン、ナギ、コウヤマキ、スギ、イチイ、ブナ、カシ、ナラ、カンバ、ハンノキ、ハシバミ、シデ、ヤマモモ、ヤナギ、ケヤキ、ニレ、シナノキ、クルミ、サワグルミ、ヨモギ、ブタクサ、カラマツソウ、オオバコ、ワラビ、ヤマドリゼンマイ、ヒカゲノカズラ、イワヒバ各属とイネ、スゲ、キク、アカザ、キツネノボタン各科
現植生花粉分析による情報
表面試料: 湖底堆積物や腐食土極表層花粉集団 = 過去10数年堆積物 → 過去花粉構成解釈時の基礎資料
温暖帯: 照葉樹林 laurelled forest, Lauriginosae に特徴づけられる

クスノキ科花粉: 外膜発達しない = 分解し易い - 普通遺体とし残らない
虫媒種は花粉産出量少ない → 照葉樹林の決手: 風媒花粉であるシイ属やカシ亜属の花粉

温帯: 古生態学ではクリ帯と呼ぶことがある
冷温帯: ブナ帯 - ブナ、ミズナラ、シラカンバ花粉
亜高山帯: ハイマツ花粉

大絶滅 (extinction event)


= 大量絶滅 (great extinction, or mass extinction)

1) オルドビス紀末 (O/S境界)
4.431-4.429億年前 - 雲南省永善県におけるO/S地層境界面分析
2) デボン紀末 (F/F境界)
3.74億年前
寒冷化 + 海洋無酸素事変
3) ペルム紀末 (P/T境界)
Permian (古生代ペルム紀) - Triassic (中生代三畳紀) 境界
2.51億年前 → 地球上の90%以上の生物絶滅

[地球史上最大の絶滅] 三葉虫・筆石・紡錘虫(フズリナ)
[原因] 洪水玄武岩噴出説(シベリア)、小惑星衝突説、海水準変動説、気候変動説、火山活動説

4) 三畳紀末
火山活動説。隕石説
5) 白亜期末 (K/T境界, C/T境界)
Cretaceous-Tertiary boundary (K-T boundary)
6500万年前(白亜期末) → 約50%が絶滅

恐竜 + アンモナイトや海洋原生生物 → 絶滅
魚、ワニやトカゲ、昆虫、鳥類は殆ど絶滅の影響受けなかった

隕石衝突説 = 短期絶滅

アルヴァレツ(地質学者) → K/T境界発見
1970年代: ガビオ地層(伊) → イリジウムIrを通常の20倍も集中し含む
→ 地球にあまり存在せず隕石等が多く含む → 隕石衝突説

イタリア以外にIrを多く含むK/T境界層見つかる + クレーター発見
→ K/T境界層が隕石によること疑いない
→ 地層が恐竜大量死の時期に一致

絶滅を逃れた恐竜類もいただろう

緩やかな気候変化説 = 長期絶滅

海洋化石: 原生動物やアンモナイトの絶滅は、短期間にほぼ同時に起こった → 隕石衝突説支持
陸上化石: 海洋と逆で、長期間かけ徐々に絶滅 → 隕石衝突説不支持
→ 火山活動やプレート運動による緩やかな気候変化による絶滅

火山噴火 → 冷蔵庫効果 → 陸上環境徐々に変化 プレート運動 → 大陸配置変化 → 海流変化 → 海環境徐々に変化
火山活動とプレート運動は関係する運動

[支持傾向] 古生物学者 = 長期絶滅説 ⇔ 天文学者・物理学者 = 短期絶滅説

両説でも説明できない点もある
Ex. 選択的大量死: なぜ一部生物で大量死おき、他生物で殆ど影響ない
→ 恐竜等の生態を明らかにする必要

[ 絶滅危惧種 ]

6) そして現代
現代の絶滅速度は、化石記録の1000倍の速さ
将来の絶滅速度は、現在の予測速度の10倍の速さ → 化石記録の10000倍
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