(2009年8月25日更新. 2022年2月12日追加) [ 日本語 | English ]
有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ
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[スミレ Viola | 分布 distribution | 北海道 Hokkaido | 三色菫 ]
エングラー体系 (Engler's syllabus) 15-20属, 800-900種 Subfam. FusispermoideaeFusispermumSubfam. LeonioideaeLeoniaSubfam. Violoideae |
Tribe Rinoreeae Subtribe Hymenantherinae Hymenanthera, MelicytusSubtribe Isodendriinae Isodendrion Subtribe Paypayrolinae Amphirrhox, Hekkingia, Paypayrola |
Srubtribe Rinoreinae Allexis, Decorsella, Gloeospermum, Rinorea, Rinoreocarpus Tribe Violeae Agatea, Anchietea, Corynostylis, Hybanthopsis, Hybanthus, Mayanaea, Noisettia Orthion, Schweiggeria, Viola |
450種程度 → 古赤道/大陸漂移 → 起源・分布(前川 1969) 草本 (稀低木) 葉: 互生(稀対生)、托葉 花: 両性左右/放射相称、多くは閉鎖果作る 萼: 5個宿存、しばしば基部凸出 花弁: 5個不同、下側1個は距がある |
花弁による分類
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類 | 花柱形 | 花弁地色 | 下弁距の形 | 地下茎 | 染色体数 (n) | |
キスミレ | ボーフラ | 黄 | 極短(半円) | 直立 | 6 | 托葉は鱗片状、殆ど離性 |
キバナノコマノツメ | 二又 | 黄 | 極短(半円) | 斜上 | 6, 24 | 托葉やや鱗片状、殆ど離性。上4弁は上向 |
ニヨイスミレ | 耳立 | 白(-淡紫) | 短 | 直立, 斜上, 横伏 | 12 | 托葉の縁は疎な櫛歯状 |
オオバタチツボスミレ | カマキリ | 紫 | 短 | 直立後横伏 | 48 | 大花。托葉被針形、殆ど全縁 |
ツクシスミレ | ヒサシ | 淡紫 | 短 | 横伏 | 13 | 托葉狭い被針形、縁に繊毛 |
ミヤマスミレ | カマキリ | 濃紫-淡紅-白 | やや短-長筒 | ない | 12, 24, 36 | 托葉 |
スミレサイシン | カマキリ変形(柱頭突出) | 紫・淡紅・白 | 短太 | ない | 12, 10 | 托葉鱗片状、殆ど離性。根茎が太く結節 |
ウスバスミレ | 耳立 | 白 | やや短 | ない | 24 | 果実は倒立した柄につく。根茎は細く分枝 |
シレトコスミレ | 棒(柱頭上向) | 白(基部黄) | 極短(半円) | 斜上 | 6 | 托葉鱗片状、殆ど離性。外見キバナノコマノツメ類的。側弁上を向かない |
タチツボスミレ | 棒(柱頭斜上上向) | 紫(稀白) | やや短-長筒 | 直立, 斜上, 横伏 | 20 | 托葉は櫛状に裂ける(イブキスミレのみ殆ど全縁) |
ニオイスミレ | 鍵棒 | 紫-淡紫 | やや短-筒(ぶくぶく) | 横伏(orない) | 10 | 果実球形で倒伏した柄につく |
ウラジロスミレ | カマキリ | 淡紫-白 | 短-筒 | 横伏(orない) |
A1. 葉分裂
B1. 葉主に5裂、各裂片は殆ど一か所から掌状にでる。花白色紫条。陽地性 _____ ヒゴスミレ
A2. 葉縁鋸歯状-中裂 _____ A1とA3の雑種
B1. 子房、果実、下弁(唇弁)の距の外側に短毛がある。やや乾いた草地に多い _____ アカネスミレ C1. 植物体無毛 D1. 花弁内部無毛
E1. 葉身ほぼ心臓形。亜高山 _____ ミヤマスミレ
D2. 上弁と禁の内側に毛がある。根は白(-緑色)。やや湿った低地 _____ アリアケスミレ E1. 根は茶-暗茶色。葉は長楕円状浅心-切形。葉柄に翼がある。陽地性
F1. 花は常に白色、紫条。下弁の距3-4 mm l。やや湿地 _____ シロスミレ E2. 根は白(-緑)色
F1. 葉身は長三角状倒卵形。花は濃紫か淡紅色。人家付近 _____ ヒメスミレ
G1. 花期の葉柄は有翼。花は紅紫色。山地、丘陵の陽地 _____ オカスミレ C2. 植物体は葉の低きょ歯の付け根あたりに少数の毛があるだけで他は無毛
D1. 葉身ほぼ円心形。やや乾いた山地 _____ フモトスミレ(西日本型) C3. 植物体は毛がある D1. 花弁内側は無毛
E1. 葉身ほぼ円心形。花白色、紫条、まれに淡紅色。山地林下 _____ マルバスミレ F2. 葉柄は無翼。葉身基部心臓形。花淡紫色、葉の表面、花柄などに短微毛がある。林下生 _____ シナノスミレ |
D2. 側弁内側に毛がある E1. 花は紅紫系
F1. 葉身三角状長卵形、先やや尾状に細まり基部広がり心臓形。ブナ帯林下 _____ ヒナスミレ
G1. 植物体に長さ1 mm内外の白毛。主な根は地面にほぼ平行に伸びる。高原草地 _____ サクラスミレ F4. 葉身ほぼ円心形
G1. 花弁ほぼ円形。萼片付属体は長く欠刻がある。葉等短毛散性。葉裏緑色。半日陰 _____ マルバスミレ E2. 花は紫-青紫系
F1. 根は茶色。花は濃紫色 _____ スミレ
G1. 葉身卵状三角形、基部切-浅心形。植物体に粗短毛散性。花色やや淡いが変化多い _____ コスミレ(九州に多い形) E3. 花は白色、紫条 F1. 根は茶-暗茶色
G1. 下弁の距長3-4 mm。高原のやや湿地 _____ シロスミレ F2. 根白色 G1. 下弁の距は短筒形(2-3mm l)。植物体は小形。2.5-5 cm h H1. ふく枝(ストロン)がある
I1. 葉身長 ≈ 1 cm、ぽぽ三角形。屋久島 _____ ヤクシマスミレ H2. ふく枝はない
I1. 葉身長約5 cm、ほぼ長三角形。屋久島の林下 _____ ヤクシマミヤマスミレ
J1. 葉の低鋸歯はやや突出、裏面緑色。林下 _____ ヒメミヤマスミレ G2. 下・弁の距は長筒形。葉身長 > 2.5 cm
H1. 葉身ほぼ円心形。半陰地 _____ マルバスミレ
I1. 植物体の毛は少ない。山地、道端など _____ コスミレ白花品
J1. 根の先に新株作る _____ ヒカゲスミレ I3. 葉身長卵状浅心形。山地日向 _____ オカスミレ白花品 |
キスミレ類V. alliariaefolia Nakai ジンヨウキスミレキバナノコマノツメとの関連性 花柱無毛。分布: 道大雪山一帯、ニセイカウシュペ、無意根山 V. brevistipulata (Fr. et Sav.) W. Becker オオバキスミレ 日当たり良い山地。多年草。道変異目立つ → 恵庭岳 (May 24 1980) 地下茎斜上 茎: 高さ10-20 cm。茎葉: 3-4個。葉: 卵心形、長さ1.5-4 cm、幅1-3 cm。通常上面細毛 花: 花数4-5 黄色。花弁 = 12-15 mm
var. laciniata (Boiss.) W. Becker フギレ(オオバ)キスミレ 夕張岳高山帯。蛇紋岩帯崩壊地で日当たりの良いところ オオバキスミレに似るがオオバキスミレとの中間型は観察されない V. orientalis (Maxim.) W. Becker キスミレ 低山地。日本西方の草地に広く分布 オオバキスミレとの区別: 花果実時であればキスミレは咢片の附属体が明瞭である キバナノコマノツメ類花柱先が二又状 bifurcate無毛西南シナ海高山に集中 花: 共に花弁中下弁が大 V. biflora L. キバナノコマノツメ 軟弱で植物全体に微毛がある 草地 2n = 12 |
V. crassa Makino タカネキバナノコマノツメ 全体が堅く無毛で光沢がある 高山砂礫地 2n = 48 ニヨイスミレ類日本産2種V. verecunda ニヨイスミレ 花: 普通白地に紫の筋 (ピンクもある) 花茎約1 cm。側弁と上弁の内側に毛 葉は心形-腎形。ほとんど無毛 やや湿った田畑の縁等に多 V. raddeana タチスミレ 花は殆ど白で薄紫色帯びる。葉が長いのですぐ判別 オオバタチツボスミレ類東亜北部とアラスカの湿地に分布V. langsdorfii オオバタチツボスミレ 道多 ツクシスミレ類V. diffusa ツクシスミレ東アジア4-5種(日1種) 葉質薄く、匐枝が匐枝状の先端に新株を作り増える 花柱は先が膨らみ両側に出っ張る ミヤマスミレ類スミレサイシン類日本-朝鮮、南満州、中国、ヒマラヤ 6-7種 (日本4種)無茎類 2n = 20, or 24 V. vaginata Maxim. スミレサイシン 地下茎は太く横臥。葉は花に遅れ伸びる。成葉基部心形で深い 山地の木陰 (May 7, 1980 宮城の沢) 本州多雪地方林下(温帯・暖帯・本州(日本海側山地))、道南西部、千島・択捉 2n = 24 var. satomii サンインスミレサイシン: 茎やや長く、花後その傾向はっきりする V. bisseti ナガバノスミレサイシン2n = 24: 太平洋寄りのブナ帯(群馬県南部、茨城県南部から西の日本)V. rossi アケボノスミレ 2n = 24 V. yazawana ヒメスミレサイシン 2n = 20: 本州中部(フォッサマグナ地帯)の亜高山帯樹林下特産 V. shikokiana シコクスミレ: ウスバスミレ類に入れる見解ある ウスバスミレ類無茎類周極的分布 V. blandaeformis ウスバスミレ 本州中部以北と道亜高山帯針葉樹林に生える小型種 V. hultenii チシマウスバスミレ V. repens タニマスミレ 2n = 14 シレトコスミレ類研究段階であり分類学的位置づけ不明瞭V. kitamiana シレトコスミレ |
タチツボスミレ類 (s.l.)= タチツボスミレ類(s.s.) + エゾノタチツボスミレ類 + イブキスミレ類日本産全て2n = 20 V. rostrata ナガハシスミレ(テングスミレ) 下弁距 > 長さ1 cm (普通2-3 cm) 隔離分布: 日本海側山地(桧山-石川県江沼郡/福井県敦賀郡 → 太平洋側稀)と北米東側(ケベック-ジョージア)
異名:
var. rhizomata ツルタチツボスミレ 托葉形がタチツボスミレより荒い V. grypoceras A. Gray タチツボスミレ 地下茎有 茎斜上し7-20 cm 根出葉花時に有する 托葉欠刻ある V. ovato-oblonga ナガバノタチツボスミレ 北限函館山。花芳香 V. grayi イソスミレ 葉光沢、厚く、普通無毛。托葉タチツボ、ニオイタチツボに比べて幅が広い 海辺に生える性質上、地下茎が良く発達 f. glabra ケナシイソスミレ V. utchiensis オキナワスミレウラジロスミレ類に属す 花柱先膨らみ、太い根茎からふく枝を出す V. sachalinensis H. Boiss.アイヌタチツボスミレ
f. alpina アポイタチツボスミレ 地下茎有。茎直立20-40 cm。明らかな根出葉ない 葉: 心形-卵形。托葉鋭羽状欠刻 萼片長く付属帯はっきりしている。側弁有毛
f. glaberrina (Hara) Kitam.ケナシエゾノタチツボスミレ タデの葉 cf. V. websteri コウライタデスミレ V. mirabilis L. var. subglabra Ledeb.イブキスミレ ニオイスミレ類V. hondoensis アオイスミレV. teshioensis エゾアオイスミレ 地上茎なし |
自然雑種多。既知のみ(破線は判然としない) → 問題: 雑種数多くできる事実とその機構 1) ミヤマスミレ類 |
2) タチツボスミレ類 |
I | Aa | 日本本土中心 | タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、アオイスミレ、シハイスミレ、コスミレ、フモトスミレ |
Ab | 上同だが不連続的 | ヒカゲスミレ | |
B | 西日本 | コタチツボスミレ、シハイスミレ(s.s.)、ナガバノタチツボスミレ | |
C | 太平洋側 | コミヤマスミレ、ヒメミヤマスミレ、エイザンスミレ、シコクスミレ、ナガバノスミレサイシン | |
D | 日本海側 | イソスミレ、テリハノタチツボスミレ、オオバキスミレ、スミレサイシン、オオタチツボスミレ | |
E | 道高山帯 | シレトコスミレ、ジンヨウキスミレ、シソバキスミレ、エゾキスミレ | |
F | フォッサマグナ | ヒメスミレサイシン | |
G | 南西諸島 | ヤクシマスミレ、ヤエヤマスミレ、オキナワスミレ | |
III | A | 南アジア亜高山帯、冷温帯 | エゾアオイスミレ、エゾノタチツボスミレ、アイヌタチツボスミレ、ウスバスミレ、タニマスミレ、シロスミレ |
B | 南アジアの高山帯 | タカネスミレ | |
II | A | 満鮮共通、比較的普通 | ヒゴスミレ、マルバスミレ |
B | 満鮮共通、日本で隔離的 | ゲンジスミレ、イブキスミレ、キスミレ、アケボノスミレ、サクラスミレ、タチスミレ | |
C | 満鮮共通、朝鮮で隔離的 | ヒナスミレ | |
D | 満鮮共通、両者に隔離的 | タデスミレ | |
IV | A | 東アジアの温-暖温帯 | スミレ、ノジスミレ、アカネスミレ |
B | 東アジアの暖温帯-暖帯 | ヒメスミレ、ニヨイスミレ | |
V | 東アジアの亜熱帯 | ツクシスミレ、リュウキュウシロスミレ | |
VI | 北アメリカと共通 | ナガハシスミレ、オオバタチツボスミレ | |
VII | 北半球の冷温帯 | キバナノコマノツメ、ミヤマスミレ |
こんなにあるんかい! (佐竹他 1982)
白花V. kitamiana Nakai (シレトコスミレ), rareV. yezoensis Maxim. (ヒカゲスミレ), 林床, 多毛 f. discolor (Nakai) Hayama (タカオスミレ) V. keiskei Miq. (マルバスミレ): 近年分布確認 V. blandaeformis Nakai (ウスバスミレ), 高層湿原(道全域), 葉無毛var. pilosa Hara (チシマウスバスミレ), 葉微毛 V. patrinii DC. (シロスミレ)V. verecunda A. Gray (ツボスミレ, ニョイスミレ) var. semilunaris Maxim. (アギスミレ) V. mandshurica W. Becker (スミレ) var. crassa Tatewaki (アナマスミレ) V. japonica Langad. (コスミレ) [southern part]V. phalacrocarpa Maxim. (アカネスミレ) var. glaberrima W. Becker (オカスミレ): no hair throughout V. hirtipes S. Moore (サクラスミレ)var. rhodovenia Nakai (チシオスミレ) V. takedana Makino (ヒナスミレ) [southern part]V. selkirkii Pursh. (ミヤマスミレ) V. epipsila Ledeb. ssp. repens (Turcz.) W. Becker (タニマスミレ) V. vaginata Maxim. (スミレサイシン) [S part] V. collina Bess. (エゾノアオイスミレ) V. acuminata Ledeb. (エゾノタチツボスミレ) |
V. sacchalinensis H. Boiss. (アイヌタチツボスミレ)
var. miyakei (Nakai) Ohwi (イワマタチツボスミレ) V. grayi Franch. et Savat. (イソスミレ, 磯菫 / セナミスミレ, 瀬波菫), SW part
分布: 日本固有種(北海道西南部-鳥取以北) V. grypoceras A. Gray (タチツボスミレ) V. obtusa (Makino) Makino (ニオイタチツボスミレ) [SW part] V. langsdorfii Fisch. ssp. sachalinensis W. Becker (オオバタチツボスミレ) V. biflora L. (キバナノコマノツメ) V. crassa Makino (タカネスミレ) V. brevistipulata (Franch. et Savat.) W. Becker (オオバキスミレ)
var. laciniata (H. Boiss.) W. Becker (フギレオオバキスミレ) |
var. hidakana (Nakai) S. Watanabe (エゾキスミレ) 帰化 exoticV. odorata L. (ニオイスミレ)V. palmata L. (クワガタスミレ) V. sororia Willd. (アメリカスミレサイシン) cv. freckles (フキカケスミレ) |
異名: Viola tricolor L. var. hortensis DC. 1800年代に交雑により作成された園芸種 耐寒性高い 日本でパンジーは、欧州原産 Viola tricolor, V. lutea, V. cornuta, V. altica, V. calcarata等を交配したガーデン・パンジー種。西フランス自生V. cornuta種を中心にした改良種をタフテッド・パンジー(ビオラ)という。英国は、V. tricolor種選抜交配を中心にブロッチ(中心に大斑)が入る園芸品種を作出パンジー pansy: 草丈 10-30 cm、花径 5-12 cm ビオラ viola: 草丈 < 20 cm、花径 < 4 cm (パンジーより原種に近い形質) ⇒ 同種だが園芸上の区分、品種は数千といわれる 2022年2月6日、大阪市鶴見緑地公園にて |
ビオラ。2014年7月23日、豊富町サブレンの館の側の荒地でブタナと 共に生えていた。逸出であることは疑いない 2019年6月/18日、札幌市東区北27条西2丁目路傍にて。着々と逸出中。 |