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(2017年12月26日更新) [ 日本語 | English ]

保全 (conservation)






有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[ 自然度 | 絶滅危惧種 | サロベツ | RDB | 事例 ] [環境保全学特論 (advanced studies on environmental conservation)]

保全生物学 (conservation biology)

基礎生物学 + 社会科学 → 生物多様性保全について具体的成果を目指す

森林開発や野生生物の利用等、人間活動との関わりを分析
対象生物個体数回復や、その生態系回復等、具体的課題に焦点

必要性: 生物の多様性が直面している危機に呼応して発達した学際的科学であり以下の5つのコンセンサスを有する (Soulé 1985)
  1. 生物多様性の維持 (+)
  2. 人間活動による個体群および種の絶滅 (-)
  3. 生態学的複雑さの存在 (+)
  4. 進化 (+)
  5. 生物多様性は個々の価値を有する (+)
生物学原理・アプローチは自然資源管理に関する応用分野に適用 ⇔ 応用分野で得た経験は保全生物学分野にフィードバック (Temple 1991)

保全生態学 (conservation ecology)

動態 dynamics を知ることは自然保護に役立つ(だろう) → 方策施せる

野幌針葉樹林 → 混交林, 浜小清水の湿原 → 森林
その時点の人々には予測できなかった事柄: 直面問題を様々な角度から取り組み、生物学・生態学上の問題点だけでなく経済的・社会的問題(更には哲学的問題)の全てに精力を傾ける

Ex. マツ林 pine forest (本多 1992)

朝鮮の山
多雨(チェンマ): 日本の梅雨の比にならない位多 → 表土流出・冬季凍結
+ オンドル: 冬季暖房用燃料として木が使われる
→ 現在朝鮮半島の森林がハゲ山化、アカマツ林化している原因は主として人為(社会)要因による
→ 復旧 = 植林 日本の国立公園的なものは朝鮮では庭という感覚でとられられているようである

概念用語
ホットスポット (hotspot): 絶滅危惧種(RDB種)が特に多種生息する地域

Ex. 地域固有種多

キーストーン種 (keystone species): その種欠如 → 生態系構造・機能を大きく変化させる種

Ex. 食物連鎖最上位種(ラッコ) → ウニ捕食 → ケルプ(海藻)の森発達

⇔ ラッコ消滅 → ウニ藻場食害 → 海底裸地化

アンブレラ種(傘種) (umbrella species): 個体群維持に広大な生息地必要 → 保護 → 傘様に同時に多種保全 ≠ キーストーン種

その種が生態系から失われても他種に大きな影響及ぶとは限らない
Ex. ツキノワグマ、イヌワシ

基盤種 (foundation species): その種が優占し他生物生息環境提供 + 物理環境も変化させる影響

自然保護 nature protection

自然開発・利用には消費者(人間)の立場から離れることなく生態系平衡と調和を保ち進めなければならない
快適な生活をするための合理的な自然利用 = 人間生活上必要: 欲求

永続: 環境質の維持・産出・永久保障 → 自然保護 nature protection (protection of form)

索引

生態系保護 ecosystem conservation

仮説: 多様性維持keeping high diversity: 多様性把握 → 生態系管理可能

Ex. 遷移を多様性観点から理解し、より多様な又は生産性高い段階(群集)について維持機構を解明する → 農学・林学へ応用

→ 保護面積最低単位 = 景観単位 (landscape unit)

1景観単位を最低限守るべき
保護面積は最も多様性を高く維持出来るよう最小面積を設定すべき(やや広い方が適切)。現在の人間社会はmonoculture or monotonousなものとなっており多様性概念は自然ばかりでなく、人間社会への導入も必要

  1. 近代科学技術への反省
  2. 自然認識 = nature (primitive), sub-nature, semi-nature, artificial (+ pseudo-nature)
    1. 人間生活維持のために自然を「保護利用」
    2. 生態系: 多種生物からでき複雑 → 低効率だが安定性ある 生態系単純化 = 環境変化に対するブレーキをかかりにくくする
    3. 人間は生態系の仕組み全ては知らない。生態系は資源利用モデルになる? 最も能率的システムが他のシステムと共存した場合に必ずしも最も能率的ではない
    4. 自然には1度滅びたら2度と作れないものがある(個体数の少ない動・植物の保護.景観保全)
    5. 自然には弱い所と強い所がある。弱い所(高層湿原・高山お花畑等)ほど強く保護すべき
システム化保全
CARの原則: 保護区ネットワーク設計の基本概念 (久保田他 2017)

包括性 comprehensiveness
充足性 adequacy
代表性 representativeness
→ 代替不可能度 irreplaceability


メモ: 生態学会アフターケア委員会委員選出方法
1)要望書採択時点で自動的にアフターケア委員会設置。自然保護専門委員会独自要望書提出でも、委員会設置する場合がある
2)要望書(案)提出を主体的に担当する自然保護専門委員会委員を世話人とし、委員長1名を含む約5名の委員を選出し、自然保護専門委員会に報告し承認を受ける。少なくとも1名は自然保護専門委員会委員。委員選出や解任はアフターケア委員会に一任

森林保護学 (forest conservation)


古くは造林afforestationの一分野
森林に加えられる種々な危害に対しする保護
目的 危害原因・性質を把握(基礎) + 防除、危害予防や駆除の理論と技術的方法確立(応用) (四手井 1976) + 森林生態系全体の保全

気象災害: 火災・風害・雪害・干害・凍害潮害
病虫獣害 (実質森林保護学主要研究分野)

(樹)病害: Ex. ブナ科樹木萎凋病
虫害 Ex. マツ材線虫病 ≈ 森林病理学(樹病学)
鳥獣害 Ex. シカ害

人為災害: 大気汚染・土壌汚染・伐採・林道設定・薬品害-増加

林縁保護植栽: 伐採樹林林縁修復 → 樹林内に生育する種等への影響低減

(石原 1976, 山根 1977)

マツクイムシ防除
マツクイムシ: マツ類害虫総称(石原) = カミキリムシ・ゾウムシ・キクイムシ科に属する昆虫総称(林野庁)

穿孔性害虫: 樹木や丸太の樹皮下か木質部に穿孔し発育・加害する昆虫の総称

マツノザイセンチュウ: 樹木材部に生息 → 媒介者: マツノマダラカミキリ

昭和10年代以降被害は増加後戦後一時減少しその後急増

被害増加原因 → 野鳥減少等による捕食者減少(説)

農薬散布(特に林野庁実施空中散布は他昆虫に効果 → マツノマダラカミキリに殆ど効果なし)

マツ枯れ: 被害木は晩夏-秋に急激に赤変枯死

原因: マツノザイセンチュウ = 樹脂道中で繁殖 - 樹液流を止める

対策: 抵抗性系統発見・育成 、餌木誘殺、混植、浸透性殺虫剤注入

※ 大規模マツ枯れ原因: 植生遷移、大気汚染やそれに伴う酸性雨や酸性霧をあげる人もいる

自然度 (naturalness)


価値 = 人間が決める → 当然人により区分見解異なる ⇒ 潜在自然植生
植生自然度区分: 人為物理的破壌状況区分を、植物群集種組成から行う
日本で昔々?、提案された自然度10段階区分(恣意的), 自然度: 特徴
  1. 市街地 = 造成地等、植生の殆ど残存しない地区
  2. 畑地 = 水田等の耕作地、緑の多い住宅
  3. 果樹園 = 桑園、茶畑、苗圃等の樹園地
  4. シバ群落等の背丈の低い草原
  5. ササ群落、ススキ群落等の背丈の高い草原
  6. 常緑針葉樹、落葉針葉樹、常禄広葉樹等の植林地
  7. クリ-ミズナラ群落、クヌギ-コナラ群落j等の二次林(代償植生地区)
  8. ブナ・ミズナラ再生林、シイ・カシ萌芽林等代償植生でも持に自然植生に近い地区
  9. エゾマツ-トドマツ群集、ブナ群集等自然植生のうち多層の植物社会を形成する地区
  10. 高山ハイデ、風衡草原、自然草原等自然植生のうち単層の植物社会を形成する地区
改法(5区分): 「自然環境保全法」= 意見統一のための基準
V 自然林: 高山帯(北海道800 m以上) 10, 安定した森林 9
IV 2次林(代償植生): ブナ林等 8, 伐期の高い人工林 7
III 植林(人工林)・半自然草原: 状況により 6-5
II 耕地: 状況により 4-3
I 造成地・住宅地等: 市街地 2-1
自然環境保全調査実施要領 (1973) 基礎調査(自然度調査):
植生自然度: 特に人間による物理的破壊状況を知るため群落種組成で判断
一般に認められた群集から判断し約200凡例の区分を行い現存植生図を作成

(亀山 1973)

道路
工事による直接的破壊
建設後の環境変化による影響
自動車交通による影響
利用者による影響
⇒ 道路からの距離と植生の関係

種数・種組成・生活型変化、指標種

絶滅危惧種 (endangered species)


絶滅の危機にある種 = 個体数が極めて少なくなった種
鳥・哺乳類: 約11%絶滅危機。特に、水鳥、オウム類、有袋類等30-50%種
魚類・両生類・爬虫類: 約3%絶滅危機。イグアナ、オオトカゲ、ボア等大型爬虫類は半数以上の種
昆虫類: 推定困難だが、熱帯林では発見されず既に絶滅した種も少なくない
植物: 乱伐で約10%の種が絶滅危機。裸子植物やヤシ類で約30%の種

→ 北海道の絶滅危惧植物 (endangered plant species in Hokkaido)

表2. 日本で植物が絶減危慎になった原因(1986-1988年調査) (出典不明)
                     絶滅種 絶滅   危急種 現状   合計
                            危惧種       不明種
  開発行為  森林伐採    5     23      97     1    126
            草地開発    1      7      28     2     38
            湿地開発    8     19     110     5    142
            石灰採掘    0      2       6     0      8
            ダム建設    1      2       8     0     11
            道路工事    0      1      17     1     19
            その他      1      9      33     0     43
  採集      園芸採集    3     71     178     2    254
            薬用採集    0      0       3     0      3
  その他    稀少        0     22     252     2    276
            踏みつけ    0      0       9     0      9
            食害        0      3       8     0     11
            火山噴火    3      0       1     0      4
            遷移進行    0      0       3     0      3
            不明       13      3       4    23     43
日本: 陸上植物 > 9300種 - 2700種(29%)が固有種

2445種(26%)が絶滅危惧種 (環境省 2020)

サロベツ湿原における絶滅危惧種ランク
絶滅危惧IB類 (EN)

シロミノハリイ (Eleocharis margaritacea): T

絶滅危惧II類 (VU)

ネムロコウホネ (Nuphar pumila): TR
ナガバノモウセンゴケ (Drosera anglica): TR

準絶滅危惧 (NT)

タヌキモ (Utricularia vulgaris var. japonica: T
カキツバタ (Iris laevigata): T
ヒメカイウ (Calla palustris): TR
タカネハリスゲ (Carex pauciflora): T
トキソウ (Pogonia japonica): TR
オオミズゴケ (Sphagnum palustre: T

T = 橘・伊藤 1980. R = RDB (利尻礼文サロベツ環境省指定)

[北海道の自然環境再考: その危機的現象をとらえる: 湿原の保全と復元 -サロベツ湿原を事例として-]

[ 天然記念物 ]

道内植物 特別天然記念物

道内植物 天然記念物
  • 幌満ゴヨウマツ自生地 (様似郡様似町)
  • 鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯 (檜山郡厚沢部町)
  • ヒノキアスナロ・アオトドマツ自生地 (檜山郡江差町)
  • 歌才ブナ自生北限地帯 (寿都郡黒松内町)
  • サカイツツジ自生地 (根室市落石岬)
  • オンネトー湯の滝Mg酸化物生成地 (足寄郡足寄町): 藻類等集合体含
  • 円山原始林 (札幌市)
  • 藻岩原始林 (札幌市)
  • 後方羊蹄山高山植物帯 (道央)
  • 女満別湿生植物群落 (網走郡大空町)
  • 焼尻自然林 (苫前郡羽幌町)
  • 登別原始林 (北海道登別市)
  • 霧多布泥炭形成植物群落 (北海道厚岸郡浜中町)
  • 夕張岳高山植物群落, 蛇紋岩メランジュ帯 (夕張市・空知郡南富良野町)

レッドデータブック (Red Data Book, RDB)


絶滅の危険がある種のリスト作成し、生息状況を取りまとめ編纂した本
世界: 国際NGOであるIUCN編纂
日本: 環境省中心に編纂 + 水産庁、各都道府県、NGO等が個別にまとめたものがある

グリーンリスト (GreenList)

= 日本野生維管束植物リスト: 主に環境省絶滅危惧種調査基本台帳とし作成

維管束植物RDB・Red Data List基本台帳: 矢原さん(九州大学)管理 →
新分類群発見、属定義見直し、APG III導入 →
新しく日本植物分類学会会員有志により編纂

表. 日本新RDBカテゴリ: IUCN版との対応
IUCN RDBカテゴリ日本版RDBカテゴリ
EvaluatedAdequate dataExtinct絶滅
Extinct in the wild野生絶滅
ThreatenedCritically endangeredIA類絶滅危惧I類
EndangeredIB類
Vulnerable絶滅危惧II類
Lower riskConservation dependent(カテゴリ設けず)
Near threatened準絶滅危惧
Least concern(カテゴリ設けず)
Data deficient情報不足
Not evaluated(カテゴリ設けず)

野生生物管理学 (wildlife management)


≈ (欧米) 狩猟獣管理学 game management
管理学 management = 経営学 management
危機野生植物の特徴
  1. 固有種・特殊環境下でのみ生存
  2. 高有用度だが栽培困難
  3. 多年生で生殖能力弱
  4. 1年生、種子発芽期間短く同調的に休眠から醒める
  5. 人為的環境(撹乱・富栄養化等)に馴染めず人里植物的でない
危機野生動物の特徴
  1. 肉食性
  2. 狭い生息場所と分布域
  3. 商品価値ある
  4. ゲーム対象となる
  5. 広い地域を回帰・移動
  6. 人為環境に馴染まない
  7. 大型・少数の群れを作り繁殖
  8. 胎生動物では長い妊娠期間、子供少数、長期育児必要
野生生物保護の目的
  1. 狩猟 game hunting
    雷鳥 goose: heathに住む-雷鳥保護にはheath保護が必要
    ヒース heath は遷移進めばカンバ林やマツ林になる → 管理必要
  2. 遺伝子保全gene conservation
    遺伝子プール gene pool: 人間にとって何時必要になるか予測困難
    植物はIBPGR (International Board for Plant Genetic Resources)による遺伝子保存開始
  3. 学術(科学)的価値 scientific values
    貴重種・絶滅危惧種 Ex. カブトガニ・モウセンゴケ・レブンアツモリソウ - 保全のための根拠は弱い
  4. 生態系における役割: 極言すれば全種が生態系での何らかの役割
  5. 自然の美 → landscape cf. seasonal aspect
貴重種選定基準
個体数: 多 → 少
繁殖力: 旺盛 → 極乏
分布: 広 → 狭
植物群落の関係: 普通種 → 表徴種
景観との関係: 無意味 → 有
有用性: 無 → 有 (0, 1, 2, 3の4段階評定)

評価試案(客観的/学術的価値, 実現不可能) - 絶対的なものではない

餌付問題
特定動物保護や観光目的に動物餌付 → [問題] 動物が自ら餌を採る能力失う
Ex. Yellowstone国立公園のグリズリーベアー餌付

観光客誘致に餌付 → 観察できるまでグリズリー近づく(成功) → グリズリー必要以上に餌求める → 餌付中止 → 餌なく人間襲う

→ 野生を維持せよ keep wilderess という思想の原点
Ex. 日本: 日光の猿や知床の熊
鳥獣保護管理法, 森林経営管理法

北海道

エゾシカ Cervus nippon yesoensis
個体数管理(最重要) + 被害管理 + 生息地管理 (モニタリング必要)
アイヌ: 重要資源 (食料・衣料・交易)
1717 「松前蝦夷記」夕別で個体群密度低
1784 「東遊記」 豪雪によりエゾシカ個体数激減 - 飢饉
1792 「夷諺俗話」 激減
1830-1843 沙流・静内: 共にシカ皮3000枚産出
1863 「東蝦夷日記」「西蝦夷日記」 大繁殖

人為影響が小さくともシカ個体群変動は大きい

1876 開拓使: 鹿猟規制 - 資源保全目的 (ケプロン示唆の影響大)
1878 開拓使: 千歳美々に鹿肉缶詰工場 (1978年は76313個生産)

1879 記録的大雪 - シカ大量餓死 → 1881 工場廃止

1885 「開拓使事業報告」 1875: 76000枚のシカ皮産出(ピーク)
1889 北海道庁: 一時的だがシカ禁漁令
1895 狩猟法
1911 「札幌区史」 農作物のシカ食害報告
1941 太平洋戦争: 弾薬不足・青年男子減 → 狩猟減少 → 個体数回復傾向

1951 様似にシカ猟区設定
1955 農林業被害地でシカ駆除許可

(エゾ)オオカミ Canis lupus hodophilax
1717 「松前蝦夷記」 オオカミ記録なし - 本来、個体数少ない
1781 「松前志」 (エゾ)オオカミ被害初出
1877 本庁・函館支庁: オオカミ捕獲奨励金
1879 大雪でシカ激減 → オオカミが牧場の家畜を襲う

Ex. 新冠牧場(1872年開設): 毒餌(ストリキニーネ)により殲滅

再導入: 絶滅捕食者を導入し個体数管理 - データなし(机上の空論)

1995 イエローストーン国立公園(ワイオミング州) + アイダホ州

ヒグマ Ursus arctos yesoensis
1739 「北海随筆」 エゾヒグマによる人畜被害
1788 「東遊雑記」 知内付近のエゾヒグマによる被害

アイヌ: 和人に較べ羆を恐れない

クマ被害
1878 札幌丘珠事件: 3名死亡2名重傷
1915 三毛別羆事件(三毛別-、六線沢熊害-、苫前羆-、苫前三毛別-)

11 初: トウキビ被害
12.09: 太田三郎家 阿部マユと養子予定の蓮見幹雄(6歳)死亡
12.10: 明景家にヒグマ侵入 5名死亡3名重症
12.12: 北海道庁警察部は管轄羽幌分署に討伐隊組織指示
12.13: 歩兵第28連隊将兵30名出動
12.14: 射殺 - 解剖し雨竜、旭川付近、天塩で3女性殺害食害確認

1923 石狩沼田 村祭帰途 4名死亡3名重症
1970 福岡大学WV同好会羆襲撃事件: カムイエクウチカウシ登山 3名死亡
1976 風不死岳山麓 山菜取 2名死亡3名重症

分類

タンチョウ Grus japonensis

メタゲノミクス (metagenomics)

環境中から直接収集・抽出されるメタゲノムについての研究

生態系の構造や機能を推定
環境中の有用遺伝子の発見

メタゲノム (metagenome)
微生物集団から直接収集・抽出される遺伝情報(ゲノム)

[分類群同定 Claident] + [環境変数 environmental variables]
⇒ (データ統合) ⇒ 群集行列 (community matrix) ⇒ マスターデータ

OTU (operational taxonomic unit): 細菌必須遺伝子(一般に16S rRNA)塩基配列を類似度指標とした分類単位

Ex. 類似度 > 97% ⇒ 1分類群(しばしば属)
当然、これまでの分類群とは一致しないこともある

解析

1: 希釈法 rarefaction
2: 探索的解析 exploratory analysis
3. 仮説検定 hypothesis examined by statistics

環境DNA (environmental DNA, eDNA)
生物由来DNA → 生物相・個体数等(環境DNA ∝ 個体数)の推定

生物相の保護管理の基本情報

予測メタゲノム解析

16S rDNAアンプリコンシーケンス解析データ → 遺伝子機能推定
Tax4Fun (Tax4Fun)

[生物多様性ホットスポット (biodiversity hotspots), 多様性指数]

生物多様性 (biodiversity)


Def. 全ての生物間の変異性 = 種内多様性 + 種間多様性 + 生態系多様性 (地球サミット 1992)

生物多様性の3つのレベル

  1. 遺伝子多様性 genetic diversity: (同種でも)多様な遺伝子型
  2. 生息地多様性 habitat diversity (種多様性): 種数(多様な種の存在)
  3. 群集または生態系多様性 ecological diversity: 多様な生態系
生物多様性に迫る危機
遺伝子型 genetic type
遺伝的多様性: 純系 = 多様性低 ↔ 雑多 = 多様性高
Ex. 工業暗化 industrial melanism ☛ 進化

北海道: ハルニレ樹皮は比較的白いが市街地では黒い木肌が多

Ex. タンチョウとオオカミ

タンチョウ餌: ドジョウ・草・根・動物 + 人からトウモロコシ等 = 餌質単純化

捕食内容の広さがタンチョウ存続の1要因 (クマにも言える)

オオカミ: 餌獲得に集団生活 → 摂食内容は肉質限定 →

人為によるオオカミ滅亡要因の1つ

生物多様性保全の鍵になる地域
= key biodiversity area (KBA)

危機性 (Vulnerability): IUCNレッドリストの絶滅危惧種(CR, EN, VU)に分類された種が生息/生育 ___ CR, EN該当種が1個体でも存在するサイト / VUにあたる種が30個体、あるいは10ペア以上存在するサイト

非代替性 (Irreplaceability)
  1. 限られた範囲にのみ分布する種 ___ 世界で50,000km²以下の限られた範囲にしか分布しない種の個体数の5%が集中して分布するサイト
  2. 広範囲分布だが特定の場所に集中する種 ___ 世界的な個体数の5%以上が集まるサイト (Ex. ヌー分布域は広大 → 特定の場所に集中し分布)
  3. 世界的にみて個体が一時的に集中する重要な場所 ___ 世界的個体数の1%がある特定の季節(時期)に集まるサイト (Ex. 繁殖地や大集団が一時的に利用する場所=越冬地や摂餌場所。ある種が特定時期に集中し移動する場所)
  4. 世界的にみて顕著な個体の繁殖地 ___ 他の個体群への個体の供給数が、全世界の個体数の1%以上を占める個体群がいるサイト(メタ個体群維持に重要なサイト)
  5. バイオリージョンに限定される種群 ___ 基準定義中 (分類群・地域で様々)
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