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(2018年8月12日更新) [ 日本語 | English ]

植物形態学 (plant morphology)
形態用語 (terms for morphology)




有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ

[, 種子, シュート (), , , ]
[, 植物分類学, エングラー体系, ラテン語・ギリシア語, 野外調査道具]

植物形態学 Plant Morphology

細胞学 + 解剖学 + 組織学 + 器官学 = 形態学morphology (みたいな)

細胞 cell → 細胞学 cytology
組織 tissue / 組織系 tissue system → 解剖学 anatomy + 組織学
器官 organ → 器官学

索引

基本形

Urblatt --↑← 針状葉
(原葉) --↑← 葉状葉
_花弁 --↑←
___萼 --↑←
一次元(線状) + 二次元(面状) = 三次元(塊状): 塊状は[線状と面状]の組み合わせで構成される

Ex. 植物(塊状) = 葉(面状/線状) + 茎根(線状)
空気と水(土)への接触面積を大きくするには線状・面状の方が優れる → 光合成に有利

力学的関係 Ex. 根: 土中に発達するためには線形が適する
器官 organ
一応はある作用を営み一定の輪郭を示す植物体の一部 (熊沢 1979)

植物基本器官 basic organs: 茎、葉、根 → [ + 葉 = シュート (shoot)]

Morphology
体制(オーガニゼーション) organization
生物体が、細胞・組織・器官のように順次高次化する順位構造をとり、かつ部分間に密接な関係を保ち統合され個体性を成立させていること。体制は、順位関係のみを見るべきでなく、部分的構造のあるものが他構造に対し優位を占め、または体制的機能を有する関係も存在する
根 root + 葉 leaf + 茎 stem = 器官 organ → 組織

相似と相同

相似 analogy: 機能・形態は同じでも発生的に異なる。ex. ナギイカダ
相同 homology: 葉的器官のように形が違うが発生的に同じ

a1. 連続相同 serial homology: 1茎頂から相同器官ができる場合。1個体内での発生的相同。生理的問題
a2. 一般相同 general homology: 異なる種(類)間での器官の相同。系統的問題
b1. 同源相同 homogenetic homology: 共通祖先に既に相同器官存在
b2. 同型相同 homoplastic homology: 2系統別れた時点で相同器官存在せず、やがて別々に相同器官形成

Ex. 刺形成
spine
-----: 刺の形成

(flower)


1912 Potonie, 1914 Lignier), 1916 Bower, 1917 Kidston & Lang

体制の最も単純な維管束植物 = 二叉分枝 (furcate: (基本的に2つに)枝分かれした)

1930 Zimmermann

テローム理論 Telome theory: Rhynia (デボン中期 スコットランド産小形化石陸生シダ植物)

頂端apexに裸胞子嚢を具えたTelomeが立体的に密集し、外側Telome系は不稔となり相互合着し杯状体となり中心部胞子嚢にTelomeか杯状体が合着し珠皮を形成(説)

→ 1948以降 (after 1948)

1. 花器官の位置関係 - 例外がない

雌蕊群 gynaecium
雄蕊群 androecium
花被 perianth

2. 葉から花への構造変化

葉的器官: 不特定多数・螺旋性・離生
→ 花的器官: 一定少数・輪生・合成

→ この法則は広く成立

完全花 perfect flower: 萼、花冠、雄蕊、雌蕊全てが揃っている花

↔ 不完全花 Ex. ドクダミ (萼、花冠なし)

三形花: 同一種に3種の花がある

Ex. ミゾハギ: 雄蕊と花柱の長さを異にするものが3種類ある
(花をつけない adj. nonflowering)

Flower
小花 floret: 特に小さな花が集合している時の個々の花

≈ 穎花: イネ科では1小花が内外穎に包まれる

花柄 flower stalk (adj. peduncled) (花序柄 (花梗, 花序軸) peduncle, adj. pedunculate): 花が直に花軸につかず柄を持つ場合の柄 → 無柄花もある
花柄 (小花柄) pedicel(et) (adj. pedicelled): 小花の柄 (adj. pedicellate) (cf. 偽小花柄 pseudopedicel)

軸(花軸、葉軸、中肋、羽軸) rachis (pl. rachises, rachides)

蕾 bud: 花が咲く寸前の状態
花 (flower) の位置

頂生花 terminal flower: 花軸先端につく花 Ex. チューリップ → 無限花序に頂生花はない
腋花 axillary flower: 葉の付け根につく花 Ex. ハッカ、ヤハズソウ

開放花と閉鎖花

flower
図152. Commelina forkalaeiの開放花と閉鎖花
(Maheshwari & Maheshwari 1955)

開放花 chasmogamous flower: いわゆる通常の花
閉鎖花 cleistogamous flower: 蕾のまま開かず自家受精し結実 Ex. スミレ、キツリフネ、フタリシズカ

= 閉花受精 cleistogamy, chasmogamy (閉花受精する cleistogamous, chasmogamous, 閉花受精の cleistogamic, chasmogamic)

花形 flower form
筒状花(管状花) tubular flower: 花弁癒合し管状。花冠が5裂になる Ex. キリ
豆形花(マメ状花) papilionaceous flower = 蝶形 papilionaceous → マメ科 (Fabaceae)
唇弁(舌) labellum, lip: ラン科、カンナ等の中央にある1枚の大形の花弁
スミレ花弁: = 上弁(上部2枚並ぶ花弁) + 側弁(花側部2枚) + 下弁(唇弁): 中央にある距を持つ下弁

距 spur (adj. calcarate = having a supr): 花冠または萼の一部が細長く突き出したもの Ex. Viola (スミレ), ヒエンソウ

舌状花 ligulate: キク科特有
二形花 dimorphic flower: 同一種で2種類の花を作る場合 Ex. ヒマワリの舌状花と頭状花 capitulum (compound flower)
[用語] declinate (adj.) (花弁等が)下向きに湾曲した (Bot.)

The bill of the bird is declinate at the tip. その鳥の嘴は先の部分が下に曲がっている

雄蕊 (stamen, androphore)


= ♂: 雄蕊群 (androecium or androeceum) = 雄性生殖器官
= 雄蕊(おしべ) stamen (adj. staminal, staminate)

= 花糸 filament + 葯隔 connective [anther - 半葯 theca, pollen sac]

stamen
葯隔 connective: 葯室を連結している花糸先端部分
葯室 anther locule (= microsporangium): 葯の個々の袋 - 普通4つ

ウキクサ 1。ヤドリギ・リンドウ 30位 → 二次的なもので本来1 (小胞子が4より多いのは本来ない)

用語: 室 locule (adj. loculed 房・室になった, locular 室の), 単室の (adj.) unilocular, 2室(性) (n) bilocularis → 2室(性)の(adj.) bilocular, 小室のある (adj.) loculate, loculated

二強雄蕊(二長雄蕊) didynamous: 1花中4本の雄蕊 → 2本長、2本短 Ex. Lamium
四強雄蕊 tetradynamous: 6本の雄蕊 → 4本長、2本短 Ex. Brassica
五強雄蕊 pentadynamous: 10本の雄蕊 → 5本が他より長い Ex. Oxalis, Geranium

仮雄蕊 staminode or staminodium: 葯退化し、普通の雄蕊より小さく発達しない雄蕊
起源
1. 小胞子葉説

幅の広い雄蕊 Ex. Magnoliales (モクレン科、スイレン科), Degeneria
小胞子嚢が葉の表につくか裏につくかが問題 → モクレン目には両方ある

Ex. モクレン科 - adaxial (Liliodendronはabaxial), スイレン科 - adaxial (Cabomba - abaxial)

→ 小胞子葉起源ならば、平たい雄蕊につく胞子嚢の位置は一方に集中するはず → 矛盾
柱状雄蕊が平たくなり、その表裏に機会的に決定されたとして説明

2. 枝説 (Corner 1946, Wilson 1974)

遠心雄蕊centrifugal stamen: シュート起源であれば遠心的とならない
Satina & Blakeslee (1941): キメラを用い雄蕊の形成過程を追う stamen

→ 雄蕊の発生は他の葉起源の花器官と異なり枝的
→ 原始的雄蕊はTilia, Enallagmaに求められる

葯 (anther)

雄蕊の一部で花粉が入った袋全体

stamen
a: introrse, b: latrorse, c: extrorse

葯が雄蕊に対し →
内向き = 内向(の) introrse
左右に開いた = 側向(の) latrorse
外向き = 外向(の) extrorse

葯開 (開葯) anthesis: 葯開いた状態 → 開花
花糸 filament (androphore): 雄蕊の一部で葯を抑える柄
他の花葉との合着(異類合着)
萼上生 episepalous: 萼と雄蕊が合着 Ex. Rosaceae: 萼筒に雄蕊がつく
花冠上生 epipetalous: 花冠と雄蕊が合着 Ex. 合弁花類の多くは花冠筒に雄蕊がつく
花被上生 epitepalous: 同花被花で花被と雄蕊が合着するもの Ex. Iris
雄蕊着生 epigynoecious: 雄蕊と雌蕊が合着 Ex. ウマノスズクサ科, センリョウ科 合着が極度に進んだもの

ラン科 → 蕊柱 gynostemium
ガガイモ科 → 肉柱体 gynostegium

弁開葯: 葯室の壁が突き上げ窓のように開いて穴が開く葯 Ex. クスノキ科、メギ科
孔開葯: 孔が開いて花粉を出す葯 Ex. ツツジ、ナス
内向葯: 花の中心に向かった面で裂開する葯 Ex. Ranunculus, Adonis, Viola
外向葯: 葯が花の中心から見て外に向かって裂開する葯 Ex. Iris, Parnassia

花糸

雄蕊融合 adhesion of stamens
単体雄蕊 monoadelphous stamen: 花糸が全て合着し1束となる Ex. ムクゲ、ツバキ
二体(両体)雄蕊 diadelphous st.: 花糸合着し2束となる Ex. マメ科の多くは10雄蕊中9本合着、1本離れる
n体雄蕊: 花糸が合着しn束になったもの

n = 3 → オトギリソウ
n = 5 → トモエソウ

集葯雄蕊 syngenesious st.: 一花中の雄蕊が合着し筒状になったもの。キク科

蜜腺(体) nectary

蜜(花蜜nectar)分泌器官 - 花内蜜腺 = 多くは花基部
維管束欠く。雄蕊起源

⇔ 花外蜜線 extrafloral nectary = 花以外の植物器官


[ 花粉分析 ]

花粉 (pollen)

雌蕊 (pistil)


= ♁: 雌蕊群gynoecium = 雌性生殖器官
雌蕊(めしべ) pistil: 心皮carpel → 雌蕊 = 子房 ovary (胎座 placenta) + 花柱 style + 柱頭 stigma

雌蕊は、ただ1つの単位ではなく雄蕊と形質的に大分異なる → 胎座様式

単心皮 (単心皮のadj. monocarpellary, monocarpous): 1本の雌蕊が1枚の心皮で作られる

(pistillate, adj. 雌蕊の(ある)、雌蕊だけある) → 雌花 pistillate flower

子房ovary (pl. -ies)

雌蕊の長い円柱状物下の膨らんだ部分の胚珠が入る所。1-数個の心皮が結合したもの
子房室 ovarian locule: 各心皮が作った部屋で1-多数の胚珠が入る
子房壁: 子房室を囲む壁
隔壁 septum (pl. -a) (adj. septate): 子房各部屋を仕切る壁 (↔ 無隔壁 aseptum, adj aseptate)

狭い隔壁がある angustiseptate ↔ 広い隔壁があるlatiseptate

子房柄 gynophore: 子房の元にある柄 Ex. 長いものでは落花生の柄
胚珠(卵子) ovule
花後種子 (seed) になる器官
種属間変化少。寄生植物 = 胚珠退化

直生胚珠: 胚孔が上にある真直ぐな胚珠
倒生胚珠: 胚珠の柄が曲がり珠孔のある上部が下の位置に来ているもの Ex. ユリ、サクラ、オトリギソウ
湾生胚珠: 発生始めは直生胚珠と同様だが、発生が進むにつれ1側が伸び湾生 Ex. アブラナ科、アカザ科、ナデシコ科、モクセイ科

胚孔: 胚珠頂上にある花粉管の入る孔
珠孔(発芽孔) micropyle: 胚珠自由末端部で珠皮の間にある小さな開孔
胚柄 suspencer: 胚と基部細胞との連絡部分 → 栄養供給
胚心 nucellus: 胚珠中で雌雄配偶体が発達する部分の組織
合点 chalaza: 胚珠内で胚珠と胚心の結合する部分
柱頭 stigma
雌蕊先端部分の花粉を受ける所。粘液分泌や羽状分裂し受粉しやすい機構の発達した種もある

心皮 carpel

雌蕊を構成する器官(葉が変形したものという説) → 胚珠が入る子房壁部分 (adj. 心皮があるcarpellate)。果実時: 心皮 → 果皮

心皮間柱 carpophore: 花軸が心皮間を伸びるもの (菌: 子実体)

離生心皮 apocarpy
合生心皮 syncarpy

心皮閉じる = 被子植物 → 不完全なものもある(不完全被子植物 conduplicate Ex. Degeneria, Drimys)

Drimysでも柱頭が、合着により限定されていく傾向
合着過程を見ていくと、2つ折りも筒状も発生上は同起源

Drimus
2つ折り______筒状

→ どちらも葉的ではなく筒状に発生している
→ 発生上からは、心皮の起源は葉とは考えられない
conduplicate, adj. (Bot.) 2つ折りの
connivent, adj. (Biol.) (花弁・羽等が)輻合の (輻合: 元で離れ先で接近し重なる)

Drimus
___(1)__________(2)__________(3)
(1) 子房上位 superior ovary (adj. hypogynous)

子房は花床の
子房は独立 子房が花床の上に位置し、蕚、花冠、雄蕊はその下

(2) 子房周位 half-inferior ovary (adj. perigynous)

子房は雄蕊・花被片の付根より
子房は独立 花床凹み底に子房。子房壁と花床合着せず、花床周辺に蕚・花冠・雄蕊

(3) 子房下位 inferior ovary

子房は雄蕊・花被片の付根より
子房は回りと合着 花床壺状に窪み子房完全に埋まる。花床内面-子房壁合着。蕚・花冠・雄蕊子房の上

(3') 子房中位(子房半下位)

花床が窪み子房が埋まる。花床内面と子房壁は合着(子房下位に含める)

胎座 placenta

子房中の胚珠が着生する場所(= 胚珠のつく所)
珠柄 funiculus: 胎座に胚珠を付着させている柄

臍(へそ, helium): 種子にある珠柄の痕

種阜(ストロフィオール) strophiole: 種子の臍(珠柄との接点付近にある珠孔付近)にある珠皮起源の付属物
胎座配列 placentation
1) 側膜胎座 parietal (and marginal) placentation
胚珠が心皮側方縁辺に位置し、縁辺が合着し胚珠は合わさった側に着く。前心皮pre-carpelは葉的で原始的様式と考える。3 carpels - 1 room エンドウ、スミレ、キュウリ
placenta
+ 縁辺胎座: 1個の心皮からなる1室の子房で、心皮の合わせ目に胚珠がつくもの
placentaViola
2) 中軸胎座 axial placentation (axially or axile)
胚珠をつける心皮縁辺が子房中心で合一する。子房の部屋は心皮数だけ存在。合一部分が子房の中軸を形成。Ex. Trillium, Lilium, Iris
placenta中軸胎座
3) 特立中央胎座 free-central (and basal) placentation
花托部分が子房部屋中央に棒状突出し胚珠がつく。Ex. Dianthus, Cerastium. 3 carpels - 1 room
中央の柱の起源

a) 軸
b) 中軸胎座の特殊化したもの → bが有力

placenta特立中央胎座
+) 基底胎座

心皮が合生して生じた1室の子房の基底に1胚珠があるもの Ex. ソバ、クルミ

花柱 style

雄蕊の子房と柱頭の間の部分 (花柱枝: 花柱が上部で分枝する時の枝)
蕊柱: 雄蕊と雌蕊が合着し一体となったもの Ex. ラン科、ガガイモ科

等花柱性 homostylous, homostyly: 雌蕊の長さ同じ (等花柱/同型花柱 homostyle)
異形花柱性 heterostylous, heterostyly: 雌蕊の長さ異なる

二形花柱性 distyly → 短花柱花 thrum type /長花柱花 pin type
三異形花柱性 tristyly

花冠 (corolla)


複数の花弁 (petal) が集まった器官 → 1つの花上にある花弁 petalの全て

花粉媒介者の標識
雄蕊・雌蕊の保護
副花冠(副冠) corona or paracorolla: 花冠喉の部分で雄蕊につき、托葉に相当するもので花弁に見える附属物

離弁花冠
合弁花冠
花冠形状
筒状花冠 disc corolla (disc floret)
高坏形花冠 hypocraterimorphous corolla (hypocrateriform): Primula ? 先端平開で細い筒部がある
離弁花冠 choripetal
舌状花花冠 ligule
車形花冠 rotate corolla: 大きな裂片が開出spreadingし花冠筒が短いもの Ex. キュウリグサ
Flower
車形 rotate, 盃形 cup-shaped, 漏斗形 funnel-shaped (infundibuliform) アサガオ (Ipomoea nil), 鐘形 campanulate サラサドウダン (Enkianthus campanulatus), 壺形 urceolate ドウダンツツジ, 巾着形 calceolate, 唇形 labiate (cf. 2唇形 bilabiate), 仮面形 personate, 十字形 cruciate, 高盆形 hypocrateiform クサギ (Clerodendrum trichotomum), 百合形 liliaceous, 薔薇形 rosaceous, 兜状 galeate, 撫子形 caryophylleous, 不整形 irregular

花托(花軸, 花床) (receptacle)

Receptacle 花柄先の花(束)の付着する部分
一般に短縮し花弁輪、雄蕊輪、心皮輪等の各花輪(floral formation)を同心円状に生じる

花盤: 花床の一部が盤状、環状になったもの

花托付随物 accessory
不稔付随物 sterile appendages: 種子形成に直接関与していない器官
1) calyx (pl. calyces)
萼片 sepals: small, leaf-like, (inconspicuous, not colorful)

合片蕚 gamosepalous calyx: 蕚片下部が互いに合着している → 筒状、皿状、盃状

萼筒 calyx tube: 下部の合着している部分
萼裂片: 上部の離れた部分
蕚歯: 蕚裂片が尖り歯状となるもの

離片蕚 chorisepalous calyx: 蕚片が1枚1枚離れている Ex. アブラナ、ケシ、スミレ

2) 花冠 corolla
花弁 petals: large, petaloides, (conspicuous, colorful)

花被 perianth

s.l. 雄蕊雌蕊を囲む萼(= 外花被)と花冠(= 内花被)

花被片 tepal: 花被の1つ1つ → 外花被片 outer tepal, 内花被片 innter tepal
機能的には生殖補助器官にすぎない = 生殖器官保護and/or受粉者誘導

裸花(無花被花) naked flower: 花被必要としない受粉(風媒介等)に多 Ex. ヒトリシズカ、ドクダミ、Salix
副萼(外萼) calyculus (pl. -i), calycle: 普通の萼外側にある包葉が萼状sepaloidにみえる場合

宿存性萼 persistent calyx: 花が終わっても落ちない萼 Ex. ナスのヘタやホウズキの袋
早落性萼 caducous calyx: 花が咲くのと同時位に落ちる萼
形態: antesepalous, antisepalous (adj)= 萼と対峙する opposite the sepals

s.s.: 萼と花冠の区別がない場合
= 花蓋: 外花蓋 = 蕚に相当、内花蓋 = 花冠に相当
1) 萼 sepals と花弁 petals が同形同質 → 花被片 = petals
2) 萼片 calyx と花冠 corolla

萼筒: 萼片が癒合し筒状になっている部分

花被 (perianth )の輪列が異なる場合

outer = 萼片, inconspicuous, not colorful, thick in texture
inner = 花弁, conspicuous, colorful, thin in texture Flower
花弁: 有無 = 無弁花 apetalous flowers (adj. 花弁がないapetalous)

退化弁花 apopetalous flower
離弁花 choripetalous flower
合弁花 sympetalous flower

花式図 (floral diagram)


花の構成要素(花被片・雄蕊・雌蕊・蜜腺等)の配列を規則に沿い模式化した図

構成要素の位置は付着点の位置で表す
構成要素断面は単純化し表す
基部で繋がる構成要素間は実線で結ぶ
雌蕊は複数の心皮の複合様式が分かるよう断面構造を示す

(Grisebach 1854)

花式 (floral formula)

Campanula Campanula mediumの花式図。黒破線部が断面。1: 主軸; 2: 横断面; 3: 小苞葉 (bracteole); 4: 外葉 (subtending bract)

花序 (inflorescence)


花をつけた複数の茎の集団(花は植物体特定部分に1つずつ着くこともあるが、植物体の1部に多数が一群をなし着くことが多くその一群の配列) (熊沢 1979)
flower = (花序の1つ1つ)との違いに注意
→ イチジク・タンポポ等も花序構成
果序 infructescence
花序 → [成熟] → 果序

小花序 cymule: a small cyme, or one of very few flowers

花葉の配列と分化順序: 普通葉の葉序と大きな違いはない

螺旋葉序 vs 輪生葉序 + 花葉数減少/花床短縮/放射対称性消失

栄養枝 vegetative branch = 枝 branch
生殖枝 reproductive branch = 花序 inflorescence: 花のグループと考えても良い

A. 無限花序 (indefinite or indeterminate inflorescence)
= 求心性花序 centripetal inflorescence
= 総穂花序 botrys (総房花序 botrys inflorescence)
開花: 下 → 上
  • 総状花序 raceme (adj. racemiform, racemose, adv. racemosely)
    有柄花が多数、長い花軸に離れてつく Ex. Wisteria floribunda, Phytolacca americana
  • 穂状花序 spikate, spike
    無柄花が多数、長い花軸に互いに離れて連なってつく Ex. Plantago

    尾状花序 catkin, amant: 細長い花軸に無柄単性花が多数着き尾状下垂。雄花序は基部から花軸ごと脱落。Ex. Alnus, Betula, Juglans, Salix, Quercus (垂頭の adj. nutant)
    肉穂花序 spadix: 花軸が多肉質となり無柄花が表面密集. Ex. テンナンショウ (Arisaema)

  • 散房花序 corymb (adj. corymbiform, corymbose)
    長い花軸に少しづつ離れ有柄花つく Ex. コデマリ
  • 散形(傘形)花序umbel (adj. umbellate)
    花軸先端から何本も柄が出て先端に1花つく Ex. ヒガンバナ (小総苞: 複散形花序の小散形花序の総苞)
  • 円錐花序(複総状花序) panicle (adj. panicled, paniculata, paniculiform)
    花序の枝が何回も枝分かれし、花序中で軸上の位置が低い程大きく全体で円錐形
B. 有限花序 (definite or determinate inflorescence)

= 遠心性花序 centrifugal inflorescence
= 集散花序 cyme, cymose inflorescence

  • 単頂花序 uniflowered inflorescence
    頂端(花茎の先や葉腋)に1-複数花 (花序は頂生 inflorescences terminal)
  • 二出集散花序(二岐集散花序) dichasium (pl. -a)
    主軸頂端の花が開花 → 対生する側枝の頂端の花が開花 → 次第に下の花が開く

    輪状集散花序(輪散花序) verticillaster: 二出集散花序が葉腋に対生し輪生状になったもの (二出 adj. dichasial)

  • 単出集散花序(単散花序) monochasium

    扇形花序 rhipidium: Ex. ハンニチバナ
    鎌形花序(巻散花序) drepanium (pl. -a): Ex. Myosotis scorpioides
    蝸形花序 helicoid cyme, bostryx
    蠍形花序 scorpioid cyme (cincinnus)

  • 多出(多岐)集散花序 (多散花序) pleicohasium
    主軸頂端に1花、主軸から3個以上側枝を出し、個々の頂端で開花

    団散花序 glomerule: 枝が各節に3本以上生じ節間や花柄が短縮し不明瞭 Ex. Pilea, Adoxa
    隠頭花序(イチジク状花序) hypanthium: 花序軸多肉化 → 中央窪み壺状 → Ficusの特徴

C. 特殊な花序

有限花序、無限化序を基準としない特殊な花序群

  • 頭状花序 head, capitulum
    花序の軸が短縮し円板状となり、その上に無花柄の花が密生し、その周囲を総苞が取り囲む → 全体として1つの花のように見える花序

頭花(flower) head: 小花が頭状花序につく個々の花
Exp. オナモミ(キク科): 短日植物

ジベレリン処理により 2 + 3 (普通葉) → 3 + 5 (苞葉)

Meicenhecmer (1978): Ranunculus頂芽発達をSEM observation

↓ 心皮・雄蕊 8+3
↓ 花弁_____5+8
↓ 萼片_____3+5
↓ 普通葉____2+3

specific

  • 杯状花序 cyathium
    数個の総苞片合着により生じた杯状総苞中に1個の雄蕊からなる雄花が多数と、1個の雌蕊からなる雌花1個を入れている花序

複合花序 compound inflorescence

単一花序 simple inflorescence
1種類の花序が組み合わさる
複合花序 compound inflorescence
花序が2以上組み合わさったもの A + A, A + B, etc.
同形複合花序 isomorphous compound inflorescence: 同じ花序が組合わさる

複総状花序 compound raceme: 総状花序が組合わさる Ex. Saxifraga, Aucuba
複穂状花序 compound spike: 穂状花序が組合わさる Ex. Brachypodium
複散房状花序 compound corymb: 散房花序が組合わさる Ex. Sorbus, Spiraea
複散形(傘形)花序 compound umbel: 散形花序が組合わさる Ex. Apiaceae (特徴)
小散形花序 umbellet, umbellute: 特にApiaceaeの単散形花序を区別する際の呼称
複集散花序 compound cyme: 集散花序が組合わさる Rubiaceae, Valerianaceae
藺状花序 juncoid cyme: 単散花序が組合わさる Ex. Juncus
輪散(輪状集散)花序 verticillaster: 対生葉の葉腋に生じる2個の集散花序が組合わさる Ex. Lamium

D. 異形複合花序 heteromorphous compound inflorescence: 異なる花序が組合わさる

穂状総状花序 spike-raceme: 穂状花序が総状配列 Ex. Carex, Sasa, Calamagrostis
散形総状花序 umbel-raceme: 散形花序が総状配列 Ex. Aralia, Fatsia
頭状総状花序 capitulum-raceme: 頭状花序が総状配列 Ex. Ligularia
巻散総状花序 drepanium-raceme: 巻散花序が総状配列 Ex. Aesculus
密錐花序 thyrse (adj. thyrsoid): 二出集散花序が総状配列 Ex. Lysimachia
頭状穂状花序capitulum-spike: 頭状花序が穂状配列 Ex. Solidago
頭状散房花序 capitulum-corymb: 頭状花序が散房状配列 Ex. Nemosenecio
穂状頭状花序 spike-capitulum: 穂状花序が頭状配列 Ex. Schoenoplectus
頭状集散花序 capitulum-cyme: 頭状花序が集散状配列 Ex. Juncus

花・種子類似器官


Gnetales

3属
Ephedra (マオウ): 胚珠中にマツ属類似の蔵卵器を形成。他2属は作らない
Welwitschia (ベルベチア), Gentum (グネツム): 全て胚珠が子房で包まれていない

Coniferales

イチイを除くと花の形態に大きな相違はない 雄花: 短枝上に鱗片葉類似物が集合し松掬状生殖器官を持つ。無花被だが全体を1つの花と見なせる
雌花: 各鱗片の中に種子がつく
鱗片scale: 生物体表面に生じた鱗状のもの (adj. scaly 鱗状の, 鱗片に覆われた)

種鱗(退化することがある)
包鱗: 鱗片のうち種鱗の外側にあるもの
小鱗片scutellum (pl. -a)

Ginkgoales

= Ginkgo: 受粉後精子を生ずることで有名
雄花: 葉腋から出た短い軸に雄蕊が多数着生し穂状となる - 花序あるいは1つの花
種子は乾燥による休眠期を持たない - 種子としては失格

Cycadales

成長様式は羊歯類に似る
雄花: 構成上はマツ類と大差ない
雌花: マツに似るが苞鱗と種鱗の区別はない

Bennettiales (ベネチテス類)

シダ種子類Pterydospermae: 化石種 - 種子を生じるが花は生じない
ヒカゲノカズラ類・トクサ類: 胞子嚢穂は頂端に生じる - 胞子嚢穂を1つの花とみることができる

[ 内部形態 ]

(leaf)


群葉 foliage
1個体あるいは1シュートにおける全ての葉(とその配置)
葉頂端近くの側面: 外生的に隆起。始め = 頂端成長、後 = 比較的基部の細胞の増殖成長

同時に葉縁分裂組織活動により平面的に葉拡大 ? 葉最先端部分: 葉全体では最古の永存組織

向軸分裂組織adaxial meristem: 葉で向軸的に存在する分裂組織 → 葉柄・葉脈厚さ成長

無限伸長成長は行わなず背腹構造がみられる

機能 → 光合成、呼吸、蒸散等 - 針化や痕跡化した葉もある

葉の起源 origin of leaf: 大葉シダ O ↔ 小葉シダ × leaf morphology
図. 葉の形態 (無葉, 葉がない adj. leafless)
葉柄 (leaf)stalk, petiole: 葉身-茎間の細い部分 ↔ 無柄

adj. 葉柄の petiolar, 有柄の petiolate, 無柄の stalkless

貫穿葉 perfoliate: 葉中央部を茎が貫通したような葉

葉鞘 (leaf) sheath: 葉基部の茎を囲み鞘状となる部分 Ex. イネ, カヤツリグサ

adj. ochreate 葉鞘がある, adj. basifixed 基部で付着した
adj. amplexicaul 茎を抱いた

托葉鞘 ochrea (pl. -e) (adj. 托葉鞘がある ocreate)

葉舌(小舌) ligule: 葉身-葉鞘の境にある舌状の小片 Ex. イネ
葉腋 axil: 茎から葉のでる分かれ目の部分。芽は普通ここにできる
葉枕 pulvinus: 葉柄(小葉柄)基部の茎につくところ → Albizia julibrissin葉の開閉運動部分
托葉 stipule: 葉柄基部にある葉の付属体

葉間托葉(柄間托葉): 托葉のある葉が対生した際に輪生状に並んだ托葉
仮托葉 pseudostipule: 葉柄基部の托葉を生ずる位置にある托葉状の小片

粉白 bloom: 白粉を塗したような白さ。こするとはげ落ちる。 Ex. Macleaya cordata, Dicentra peregrinaの葉裏

機能分類

茎生葉(茎葉) cauline leaf (cauline adj. 茎の)
根生葉(根出葉) radical leaf (radicular leaf): 根元から出る葉。真の根から葉は出ない
ロゼット rosette (adj. rosulate ロゼット状になった): 根生葉重なり合い、地面に平たく放射状に広がる葉群

Capsella bursa-pastoris栄養葉

浮水葉(浮葉): 水面に浮かぶ葉
沈水葉: 水生植物において水面下の葉

ヒルムシロ、サンショウモ等は浮水葉、沈水葉両方を持つ

捕虫葉 insectivorous leaf: 食虫植物が動物を捕まえ消化吸収作用をする葉
捕虫嚢(捕虫袋): 動物を捕える袋

タヌキモ、ウツボカズラ

苞 bract (adj. bracteate, bracteal)

= 苞葉 bract leaf: 花・花序下部にあり蕾を包んでいた葉 (↔ 苞葉のないebracteate, bractless)
苞片: 個々の苞 → 花序の部分にある葉が変形

高出葉: 茎上部(花付近)に出る葉 = (一般に)苞葉
花葉: 花構成する萼片・花弁・雄蕊・心皮は葉が変形したものと見なせる

小苞 (小苞葉bracteole, bractlet, adj. bracteolate): 花柄の最も花に近い部分にある
総苞 involucre (adj. involucrate, involucral): 花序基部の苞

総苞片 phyllary (pl. -ies), involucral scale or scale: 総苞の1枚1枚
萼状総苞 epicalyx: Ex. カーネーション蕾の最外被
小総苞 involucel: 複合花序 → 大花序の苞 = 総苞、小花序の苞 = 小総苞

小総苞片 involucel segment: 小総苞の1枚1枚

殻斗 cupule (adj. capular): 多数の苞葉が合着した杯状か袋状の総苞 Ex. ナラ類の基部包む椀状のもの

葉的器官 foliar organ phyllome

子葉 cotyledon      子葉
普通葉 foliage leaf 普通葉
鱗片葉 scale leaf   低出葉 cataphyll  | Shootの相対的
苞葉 bract          高出葉 hypsophyll | 位置による
萼片 sepal  |
花弁 petal  | 花葉 floral leaf
雄蕊 stamen |
心皮 carpel |
用語
foliaceous 葉のある、葉状の
leafy 葉に覆われた、葉が茂った。葉からできている、葉で構成される。葉に似た、葉状の

leafy plant 葉の多い植物、観葉植物

-phyllous (connective) -の葉を持つ
decurrent 沿下の(葉が茎に流れる等) ↔ nondecurrent 沿下しない

全形 (leaf shape)


leaf shape
leaf shape
leaf shape
1: 糸状 filiform (filamentous), 2: 針形 subulate, 3: 線形 linear, 4: 広線形 broad linear (sword-shaped → 等幅), 5: 披針形 lanceolate (< 線状披針形 linear-lanceolate < 狭披針形 narrow lanceolate < 長楕円状皮針形 lanceolate-oblong, 楕円状披針形 elliptic-lanceolate), 6: 倒披針形 oblanceolate, 7: 長楕円形 oblong (線状長楕円形 linear-oblong, 近長楕円形 oblong-elliptic, 長楕円状卵形 oblong-ovate, 長楕円状倒卵形 oblong-obovate), 8: 楕円形 elliptic(al), 9: 卵形 ovate (広卵形 oval ↔ 狭卵形 narrow-ovate, 卵状披針形 ovate-lanceolate, 卵形倒披針形 ovate-oblanceolate, 卵状三角形 ovate-triangular), 10: 倒卵形 obovate, 11: 篦(へら)形 spathulate (spatulate), 12: 心形 cordate, 13: 倒心形 obcordate, 14: 菱形 rhombic, rhombate (偏菱形 rhomboid), 15: 菱状卵形, 16: 円形 orbicular, orbiculate) (卵円形 orbiculate-ovate), 17: 偏円形(平円形) oblate, depressed orbicular, 18: 腎(臓)形 reniform, 19: 三角形 deltoid (倒三角形 obtriangular, 鈍頭広三角形 deltate), 20: 三日月形(半月状) lunate, 21 不等形 unequal, 22 鎌形(左右不整三日月形) falcate (adj. 鎌状に曲がった sickle). [補] 半円の semicircular

異形葉性 heterophylly

1個体中に形態の異なる複数の型が存在 → 差異の程度に明瞭な基準はない
Ex. Morus, Ilex aquifolium: 分裂しない葉から分裂葉まで変異
Ex. ヒノキ型・スギ型・イブキ・コウゾリナ

芽発生時の生理的問題が関与?(推測)

Ex. キンケイ: leaf, inflorescenceは茎頂が変化したもの(?)
二型性 dimorphism: 2型が明瞭に区別化

Ex. Parthenocissus tricuspidata → 単葉 + 三出掌状複葉
leaf

不等葉性 anisophylly: 1シュートにつく葉の間で異形葉性がある

Ex. ヒノキはシュートに背腹性があり、上面・下面・側面の葉がそれぞれ異なる形を示す
Ex. クサギは大きさの異なる葉が組になり十字対生

葉の特性
陰葉/陽葉 shade and sun leaves: 同一個体でも環境により葉形態異なる
春葉/夏葉 spring and summer leaves: 落葉樹にみられる開葉が春と夏で異なる葉形態を有する

葉先端 (leaf top)


leaf top
0: 鋭先形 apiculate, 1: 鋭尖頭 accuminate, 2: 鋭頭 acute, 3: 鈍頭 obtuse (adv. -ly), 4: 円頭 rouundate (先が円い end-rounded), 5: 凹頭 emarginate (> 小凹形 retuse), 6: 凸頭 cuspidate, 7: 円頭凸端, 8: 尾状 caudate, 9: 芒形 aristate, 10: 噛切れた形bitten, 11: 漸鋭形attenuate-acuminate (adj. acuminate 先端の尖った) 鋭先形apiculate

葉縁 (leaf margin)


Leaf margin
1 全縁 (entire), 2 波形(間隔広め) (undulate, corrugated), 3 細波状 (repand), 4 円据歯状 (crenate), 5 据歯状 (serrate), 6 小据歯状 (serrulate), 7 歯状 (dentate), 8 小歯状 (denticulate), 9 毛縁 (ciliate), 10 長毛縁 (fimbriate) (房状縁がある), 11 二重据歯状 (double serrate), 12 鋭浅裂 (incised) (牧野 1977)
全縁 entire: 葉縁に切れ込みがない
鋸歯 teeth (adj. toothed, serrate, serrate, serrated): 葉縁で形や大きさが大体揃い斜め前方を向く切れこみ
重鋸歯 biserrate (複鋸歯, 二重鋸歯 double serrate): 鋸葉に大小あり、大小が繰り返され見られるもの

Leaf teeth
鋸歯_________歯牙

形状:
小鋸歯 serrulation (adj. serrulate, serrulated. 鋸歯状の切れ込みserrature)
円鋸歯状 crenation (adj. crenate) → 小円鋸歯crenulation (adj. crenulate)
細鋸歯状 serrulate
鋭鋸歯状 argute

歯牙 dentation (adj. dentate): 葉縁のギザギザ erose (ギザギザになった adj. lacerate/notched, ギザギザのある laciniate)。歯先前方に傾かず山形な場合

細歯牙(小歯牙) denticulattion (adj. denticulate): 細鋸歯に似るが二等辺 2歯の(ある) (歯が2本ある、歯状突起が2つある) bidentate

欠刻 indentation: 葉縁が不揃いに切れ込み、その縁に大小の鋸葉がある

葉基部 (leaf base)


Leaf base 1: 漸鋭尖形(漸先形) attenuate: 段々細くなる, 非常に細い真っ直ぐな楔形 (adj. cuspidate 先端が尖った, pointed 尖った/鋭い, acutish 尖り気味, blunt 尖っていない), 2: 楔形 cuneate, 3: 切形 truncate (ほぼ切形sub-), 4: 心形 obcordate (heart-shaped), 5: 耳形 auriculate, 6: 鏃(やじり)形 sagittate, 7: 鉾(ほこ)形 hastate (spear-shaped)* [*: 全形にも用いる用語]
leaf
1: 有葉柄 petiolate. 2: 有葉鞘 sheathing. 3: 無柄 sessile. 4: 抱茎 amplexicaular. 5: 突抜 perfoliate. 6: 茎に流れる decurrent. 7: 突抜葉からなる connate-perifoliate. 8: 盾型 pelate, shield-shaped

形容

葉質 (leaf quality)


膜質 membranaceous, membranous < 草質 < 洋紙質 < 皮(革)質 [硬]

乾膜質
紙質の chartaceous, 紙のような papery

しわが多い rugose (しわしわの/縮れたcrinkled) → 皺の寄った corrugate
(表面が)ビロード状の velutinous
脈がある vined, nerved (脈が目立つ veiny), 筋(脈) nerve

3脈がある trinerved

網になった/網で覆われた netted
粘着質の adherent (粘着性がある adhesive, mucilaginous, 粘着性の glutinous, viscid, sticky)

托葉・小葉 (stipule and leaflet)


裸子植物 双子葉植物 単子葉植物
______普通一対___?

托葉のつき方
stipule stipule
____複葉___________斜行枝_____サンショウ
________腋芽の着く位置_______葉の平面性
複葉____托葉は全体に対し一対__平面
斜行枝__各葉に托葉がつく______立体

横断面 例外 = ヤツデ・フキ
ユリノキ・エンドウなどの場合托葉が大きな光合成能を有する
サンショウ: 托葉ならば葉柄より発生するはずであるが葉より後に発生する → 托葉ではない(熊沢)
イヌザンショウ: 托葉様の葉が一枚しか出ない → 明らかに托葉ではない
ニセアカシアの刺は托葉の変態

Robinia

葉柄 (petiole)


petiole
ニレ、カバノキ、ブナ科: 対で鱗片ができ真中の何もない所から葉柄形成

petiole
カナメモチ

前川説 (前川 1969)
仮葉 (偽葉) phyllode or phyllodium
葉身がなく葉柄が葉身に変化した葉
仮葉説 (phyllode hypothesis) Kapler (1973)
高山植物の葉 leaf of alpine plants
ガンコウラン___ツガザクラ________Erica (Ericaceae)
petiole
1953 Hagerup: Erica, ツガザクラ、ガンコウランで1科
1970 Stevens: 上記3種は全く別系統で生態的適応として同じような形態ができたと考えた方がよいと主張

葉の変形


(刺針)

1. 葉針: 起源 = 葉。サボテンの刺は機能的に同じではない

leaf (矢野 1976)

2. 茎針: 起源 = 茎。ハリエニシダ = 普通葉作らない。ムレスズメ, ヒイラギ

Citrus trifoliataの刺 (熊沢 1969): 鱗片葉の1つが刺 → 茎針
leaf
長枝の葉 = 葉針、短枝の葉 = 普通葉

機能
  1. 蒸散抑制 - 光合成能は低下 (CAM plants)
  2. 防御。Ex. サボテン果肉は美味でゾウガメが良く食べる
  3. 栄養生殖 - 動物に刺さって運ばれる
逆刺 Ex. アカネ、カナムグラ
(英語では多様)

毬(いが) bur: 棘状外皮
棘 prickle
棘 spine (adj.spinescent, spiny, spinose棘がある)
小棘 spinule (adj. spinulose小棘がある)

巻きひげ

枝や葉の一部が細長い蔓に変形したもの

枝 = ブドウ、キュウリ
葉 = エンドウ
托葉 = サルトリイバラ

吸盤 sucker: 植物体の一部が円盤状に肥大し、他物に付着したり養分吸収を行なう器官

Ex. ツタ巻髭先端

葉脈 (vein)


葉脈vein: 1本1本の脈, venation: (葉)脈系 - 葉全体に走る葉脈

小葉脈veinlet: a small or secondary vein

[用語] percurrent (adj.) (葉脈が)全体に走っている extending from base to apex, such as a well-developed primary axis
1. 網状脈reticulate venation
葉脈が網目のように結ばる(reticulate 網状の/網目に覆われた, reticulation網目状)
細脈: 側脈と側脈の間を結ぶ細い葉脈
深裂 (partite, incised, adv. -ly): 縁が深く切れ込み、中央近くまで達していること ↔ 浅裂lobed

二(浅)裂したbilobed (二裂のbifid) 三(浅)裂したtrilobed (三裂のtrifid) < 三深裂したtripartite

a. 羽状脈
網状脈のうち、葉の中央に太い主(中央)脈があり、その両側に側脈が走っているもの
羽状裂: 羽状脈を持つ葉の裂け方
全縁 entire (≈ 無裂 unlobed ) < 羽状浅裂 lobate (pinnatilobate, pinnatilobulate) < 羽状中裂 cleft (pinnatifid, pinnatilobed) < 羽状深裂parted (pinnatipartite, pinnatisect) < 羽状全裂(中央脈まで裂ける)

3つに分かれた (adj.) triparted

b. 掌状脈 palmatifid (digitate) venation
葉柄先端から数本の太い脈がでている
掌状裂: 掌状脈を持つ葉の裂け方 (深い掌状 palmatisect)
掌状浅裂palmately lobate (Acer mono) < 掌状中裂 palmatilobed (Cacalia delphiniifolia) < 掌状深裂palmetely parted (Acer palmatum) < 掌状全裂 (Acer palmatum, Sanicula chinensis f. dissecta)

(鳥)足状pedate (adv. -ly)

vein
2. 平行脈
原則として葉基部から数条の葉脈が平行して走る
3. 叉状脈
二股に分かれる分岐を繰り返す

[用語]
主脈のある costate
平行脈のある(線のある) lineate

Ginkgo: 葉脈が2本1枚の葉に入る。脈を良く見ると二叉脈の先の方で再び連絡しているものがある。しかし、これが双子葉植物の葉との関係である証拠にはならない(Arnott 1950)

二叉脈: シダ植物に多い

Ex. コウヤワラビ: 二叉脈系だが分枝が結び付き網目状(原 1964)

vein
コウヤワラビの羽片における
網状脈の発達

Goebel 1922

脈分裂組織: 葉の周縁分裂組織中に葉脈を作る
脈間分裂組織: 葉脈の間の葉肉組織mesophyll tissueを作る
[結論] 葉脈の3種類はそれぞれ別系統。生理的に葉形に適した葉脈ができるという説もあるが、実際の植物系統と葉脈関係を考えると否定的。葉脈形からは双子葉植物から単子葉植物が分化したと考えられる

葉身の集合形 (Collective form of leaf blade)


1. 単葉 simple leaf (adj. unifoliate): 葉身1枚 Ex. サクラ、ヤツデ、キク
2. 複葉 compound leaf: 葉身が複数の小葉からなる

小葉 leaflet (foliole, lobule): 複葉を構成する個々の葉 (adj. lobulated 分葉状の, 葉が分かれた)

頂小葉 terminal leaflet: 軸の先端にある小葉
側小葉 lateral leaflet: 左右に並ぶ小葉
単小葉 unifoliolate: 小葉が1枚からなる場合

小葉柄 petiolule: 小葉につく柄 (adj. petiolulate)
小托葉 stipel: 小葉基部にある托葉
葉軸: 羽状複葉の葉柄に続く部分で左右に小葉をつける

a. 羽状複葉 pinnate compound leaf, pinnately compound leaf: 小葉が葉軸両側に羽状に並ぶ (adj. pinnatiparted)

奇数羽状複葉 impari-pinnate, odd-pinnate: 頂小葉がある Ex. フジ
偶数羽状複葉 paripinnate (pari-pinnate), even-pinnate: 頂小葉を欠く Ex. ソラマメ
数回羽状複葉

2回羽状複葉(再羽状複葉) bipinnate/two times pinnately compound (深2回羽状 bipinnatisect)
3回羽状複葉 tripinnate, three times pinnately compound
(3出 trifoliolate, ternate, 2回3出 biternate, 逆羽状(逆向き羽状分裂の Ex. Taraxacumの葉) runcinate, 頭大羽状 lyrate, 櫛歯状 pectinate)

3出葉 trifoliate

4回羽状 tetrapinnate

巻きひげ羽状複葉 cirrhiferous pinnate leaf: 頂小葉が巻きひげとなる複葉 Ex. Vicia, Lathyrus

b. 掌状複葉 palmate compound leaf, palmately compound leaf: 葉柄先端から数個の小葉がでる - アケビ

三出掌状複葉 palmately trifoliolate leaf、五出掌状複葉、多出掌状複葉
鳥足状複葉 pedately compound leaf: 葉柄先端から3小葉を、両側小葉は更に外側に1小葉を出す Ex. ヤブガラシ、アマチャヅル

羊歯植物では複葉化が著しい (leaflet - シダ用語)

fern
鱗片葉 scale (scaly) leaf: 地上茎、基部、地下茎等についている鱗状の葉
鱗形: 葉が縮小し鱗状になったもの (ヒノキ、アスナロでは葉全体を指す)

複葉の進化

California: 夏 = 乾期 ↔ 冬 = 雨期
落葉樹は複葉多 → 個々の小葉 - 光合成最適表面積
春急速に開葉, 秋急速に落葉 → 単葉より有利
系統関係 = シダ植物: 複葉 → 単葉, 裸子植物: ?

(Givnish 1978)

(root)


母体器官皮層・表皮を突抜け外部に表れる内生的endogenous発生を行う(茎葉は外生的exogenous発生)

背腹性ない (プシロフィトン、マツバラン類のような原始的シダ植物には全く根がない → 根の寿命は様々)

機能
植物体固定、物質吸収、貯蔵、輸送等

主根 taproot, tap root: 支持器官

カブラ形 napiform: 主根で長さより幅の方が広い形態

側根・髭根: 土壌栄養吸収

外向き定根 root (s.s.): 胚の幼根から直接発達したもの
不定根 adventitious root: 定根以外の根すべて

節根 nodal root: 茎の節から生じる不定根

根系 root system

拡張根系 extensive root system

根系 root system

主根系 primary root system (taproot system)
髭根型根系 fibrous root system

根の変態
  • 貯蔵根: 貯蔵用に肥大した根の部分
    • 直根 axial root, tap root: 主根発達するものは胚軸由来部を有すること多 Ex. Daucus carota, サトウダイコン(糖類), Arctium lappa (イヌリン)
    • 塊根 tuberous root (一部球根 bulb): 養分を蓄え塊状に肥大した根 Ex. サツマイモ: 不定根発達 (デンプン粒), ダリア (イヌリン)
  • 同化根: 緑葉持たず根が葉緑体を有し葉を代行 Ex. クモラン (カワゴケソウ科に多)
  • 着生根(付着根): 茎から出る髭状の茎をよじ登らせる根 Ex. Hedera rhombea, Euonymus fortunei
  • 気根 aerial root: 空中に露出したままの根全て。気根表面に多数の皮目 → そこから酸素を地下茎に供給すること多
    • 支柱気根: 茎支持 Ex. マングローブ (mangrove)
    • 吸水気根: 水分吸収 Ex. ナゴラン
    • 保護気根: 茎表面覆い保護 Ex. タコノキ
    • 寄生根: 寄生植物の特殊根で宿主組織内に侵入し栄養分吸収 Ex. カナビキソウ、Euphrasia寄生根 → 吸盤により他個体の養分吸収
  • 収縮根(伸縮根) contractile root: 根のある部分が収縮し植物体を下に下げる Ex. グラジオラス、クロッカス、ユリ、スイセン、フリージア
    root
排気組織 pneumatophore: 湿地に育つ植物に背地的に作られる気根の突起 (ガス交換) Ex. ヌマスギ
退化した根
根の機能は他の器官が果たす
浮葉植物のサンショウモ、タヌキモ等は根持たない
無葉ラン科植物は根毛状の毛を持つ根茎のみ 根生不定芽

裸子植物・単子葉類 = 稀
双子葉類 = 普通

(古 毛茸) (hair, adj = hairy)


トリコーム (trichome)

植物表皮細胞が伸びたもの = 表皮組織(のみ)の一部

毛状体 emergence: 基本組織や維管束等も含む突起物

乳頭(突起) papillae
腺毛 glandular hairs
塩類腺・石灰腺 salt and chalk glands
蜜腺 nectaries
腺 (gland)
油点 oil spot: 極小さな点

明点 (pale gland): 光に透かすと良く見える点
黒点 (dark gland) Ex. Hypericum erectum. ミカン科は果皮にもある

拡がって線状になっていたり斑状になっていたりする場合もある
種に特徴的なこと多い → 同定基準に利用

由来:
表皮細胞の突起(腺状突起 = 分泌毛、腺毛)
巨大化した細胞含有物
腺点(腺体) glandular spot (pellucid dot)
分泌に関係する腺 (極小さな分泌腺) ≈ 分泌組織 (↔ nonglandular 腺がない)

形態学的: 分泌細胞に取り囲まれた細胞の間隙(または細胞が壊れたもの)に分泌物や排泄物が大量に蓄積されている状態の場合が多い
組織学的: 表皮細胞層の内側に作られる基本組織に属す
Ex. ナギナタコウジュ, Agrimonia pilosa, ヒヨドリバナ等葉裏

分泌物の種類による分類:

油室(油腺)

精油腺: 精油

樹脂嚢: 樹脂
粘液嚢: ペクトースなどの粘液

分泌物には暗赤色のヒペリシンその他の化合物が含まれる場合があり(Ex. Hypericum)、含量や成分により特有の発色(黒や赤褐色など)をする。植物-動物間や、植物間の情報伝達、食害防御機能への関与(タンニンやアルカロイド、シュウ酸カルシウム等)、代謝でできた不要物質貯蔵や排泄の役割を担う等が考えられるが未詳

有毛度 = 個人差大 → 記載と標本照合し理解する

量・位置

無毛 glabrous: 全くない(殆ど毛ない glabrate, glabrescent = ほぼ無毛、やや無毛)
粗毛 hirsute
密毛 tomentose: 短くやや軟らかい極めて密生した毛
羊毛 woolly, lanate: (羊)毛に覆われた
氈毛: 極短毛が密生しビロード状
剛毛 setaceous, setose, strigose (adj. bristly, hispid): 小剛毛 setulose, hispidulous, strigillose
縁毛 ciliate: 縁にある毛

長さ・大きさ

微毛 < 短毛 < 毛 < 長毛
微毛 sub-glabrous: 殆ど見えない小毛
短毛 pubescent (短軟毛ciliolate): 短く(軟らかい)割に密毛
長毛(長疎毛の pilose, 長剛毛の hispid)

柔毛(絨毛) villus, villose, villous ≈ 長軟毛 (微柔毛 villosulous)

細毛(繊毛) cilium (ajd. ciliate): 軟かで細短毛 ↔ eciliate: 細毛がない
絹毛floccose, sericeous: 絹様光沢あり真直ぐな細毛
綿毛: 細く軟らかく波打った毛 Ex. ヤマハハコ
軟毛 puberulent, puberulous: 軟かい毛 Ex. トマト茎毛 (細軟毛 pilose, 微軟毛 pilosulous)
羽毛 plumose
鱗毛: 平面をなす多細胞性の毛 → 葉面を覆うと光反射し光沢強い Sasa
形容詞
柔微腺毛に覆われた glandular-pilose
細堅毛で覆われた hirtellous

特性

  • 腺毛 glandular (adj. tentacled) = 先端球状に膨らみ液体分泌する Ex. ユキノシタ, Drosera、タバコ
  • 刺毛(棘毛) stinging hair (螫毛 barbed) = 長くて脆い毛で皮膚に刺さると痛み Ex. Urtica
  • 逆毛(下向毛) retrorse = 下を向く毛。伏毛(圧毛) = 茎葉等の面に密着し寝る
  • 鉤毛(鉤状毛) glochidium (pl. -a) = 先が編物の鉤針の様に曲がる
  • 開出毛 patent hair: 茎葉等の面から直角に出る
    Ex. Geranium thunbergii
  • 蜘蛛毛 cobwebby: クモ巣様
    星状毛 stellate = 一ヶ所から多方向に分岐し放射状
    Ex. アザミ総苞
    Ex. ガマズミ、アカメガシワ

decumbent (adj.) 横になった、傾伏の (Bot.)、(毛が)寝ている (Zoo.)

傾伏する(寝ているが先端持ち上がる)

フッター