(2019年11月14日更新) [ 日本語 | English ]
有珠山 / サロベツ泥炭採掘跡
1986年, 2006年の有珠山火口原. ワタスゲ・エゾカンゾウ
1999·2001·2003年·2005年 北教大学釧路校 (2単位分)
2007年 北教大学釧路校・函館校 (2単位分)
2011年 北教大学函館校 (1単位分)
以下は、これらの講義内容を1つにまとめたもの。実際は、単位数・対象者等に合わせて内容を取捨選択して講義している。
• 最新版
群集生態学(community ecology)は、「群集の構造とその機能を明らかにする」ことが研究の主眼である。そのための基礎となる生態系を構成する単位「個体、個体群、群集、生態系」について説明する。ついで、それらの調査測定法を具体例をもとに説明する。群集は、空間的・時間的に変化する。まず空間的な群集構造の変化を地球規模から地域規模について述べ、群集の階層性について考察する。時間的な変化を北海道になじみの深い火山(有珠山・駒ケ岳)や湿原等を事例に紹介し、そこに見られる群集や生態系の機能および変動要因について考察する。最後に、それらを基盤とした環境保全や生態系修復への応用可能性について触れる。 |
生態学とは個人的に好きな「>生態学」の定義 講義全体の構成とキーワード: 如何に増えるか? 到達目標
群集発達機構の理解 |
生態系を構成する単位 (包括)適応度 血縁度 淘汰の単位 赤の女王仮説 Red Queen hypothesis 走りなさい。そこにいたければ。 性淘汰 残された課題 |
個体動物における個体植物における個体(ラメート、ジェネット) シーダー vs スプルーター(seeder vs sprouter) 生活史・生活環 (life history) 春植物 (spring ephemerals) 生存: 生存・成長・繁殖年輪変遷学: 方法と応用 光合成: 水・光・温度
植物と水 → 根
低温耐性 |
成長: 地上部・地下部 - 分配 効率
消費効率 r-K戦略 個体標識とセンサス個体群 (population)出生・死亡・移入・移出内的自然増加率 繁殖率 環境収容力と密度効果 生存曲線 個体群ピラミッド 個体群推定 メタ個体群 コアとサテライト 個体群サイズと安定性 (MVP) |
種間関係種間競争 (competition)
地上部競争と地下部競争 菌根菌 (mycorrhizal fungi)
菌根菌-植物 植物群集調査法野外調査 (野外調査における安全と事故の防止)野外調査道具
野帳は忘れない! 日付・場所・標高 ... |
植物社会学的調査 (余り話さない) 個体数測定法・推定法被度測定法 樹高・胸高直径 バイオマス 優占度 (dominance) 等成長 (isometry)と相対成長 (allometry) 複合要因 → データ解析(多変量解析入門)
統計学: 群馬大学社会情報学部 青木繁伸 |
群集(plant community)植物群集の見方
植物相(フロラ)・相観・環境
群集単位とは(実在するのか?) |
環境
環境勾配 (environmental gradient) 地球規模から地域規模へ、そして[足元]地球レベル(グローバルレベル) - バイオーム日射と降水量 より小さなスケール - 例えば、公園の芝生 リモートセンシングと地理情報システム (基礎) |
植生指数 (NDVI)
森林 (forest)
日本の気候の特徴 日本での様々な群集(国立・国定公園) |
シダの分布
垂直分布 土壌 (soil)
形成過程 |
食物網 (食物連鎖)
北極圏での食物網 |
エネルギー循環 エネルギーピラミッド 生産力(productivity)
総一次生産力 |
純生態系生産力
栄養・窒素・リン・炭素・水 |
自然撹乱と人為撹乱
砂漠化について 自然撹乱
氾濫原 |
倒木更新
酸性雨 |
森林伐採 - スキー場造成
帰化植物 |
島の例 種数-面積曲線 絶滅率 |
移入率 島における平衡状態での種数 |
回廊(コリドー) 緩衝帯 |
トポシークエンス(toposequence) クロノシークエンス(chronosequence) 桜島 永久調査区(permanent plot)以降2007年北教大(函)は講義せず(事件発生) 遷移(succession)群集動態生物学的侵入(biological invasion) 一次遷移 |
湿性遷移 火山遷移
フローラ 種子休眠 |
有珠山(Mount Usu)の火山遷移の特徴(characteristics) グライムの三角形湿性遷移
湿原 (wetland) 平衡仮説と非平衡仮説 |
地球温暖化
温暖化ガス |
種子散布 (seed dispersal)
風散布 |
気候変動予測に必要な情報 生態系の移動 |
保全生態学 (conservation ecology)景観生態学 (landscape ecology)
景観単位 |
薪炭林 パッチ動態 ネットワーク保全 復元生態学 (restoration ecology) |
ファシリテーション(facilitation)
ナースプラント |
特に指定しない
生態学レポート(露崎担当分)課題 (2011/09/20-21, 函館校)以下の通り、レポート課題を課すので、本講義履修者は、10月末日までに提出すること。各課題とも2,000字以内にまとめること。図や表があっても良いが、それらは字数に入れなくてよい。 課題1, 2の両方のレポートを作成して提出せよ。 課題1. 環境省が指定する絶滅のおそれのある種の中から、種子植物で道南に分布(*)する種を1種選べ。その種の分布と生活史の特徴を整理した上で、絶滅のおそれが生じた原因を推定し、そう推定した理由を説明せよ。ついで、生態学的手法をもとに選んだ種の保全対策を考案し、その対策を考案した理由を説明せよ。 絶滅危惧種リストは、http://www.biodic.go.jp/J-IBIS.htmlからダウンロードできる。 *: 分布については、道南に分布していればよい。即ち、道南のみに分布する種に限らない。 課題2. 函館山の森林は、20XX年9月21日の台風により樹木の80%が倒壊する壊滅的な被害を受けた。管理担当者は、緊急に函館山森林復元計画を策定する必要にせまられ、あなたに相談に来た。復元目標は、(1)大気中CO2の吸収率が高く、(2) 生物多様性が高い(種数が多い)、という2点である。復元にかかる予算に上限はないと仮定して、この2つの目標を両立できる生態学的な復元手法を考案し、その手法を採用すべき理由を管理担当者が納得できるように説明せよ。提出方法: e-mail添付 (送付方法は「諸注意」参照) 課題は、https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/lecture/envcons-j.html(このページ)に掲示してある。 [諸注意]
問合せ: 露崎史朗(北大院・地球環境) 生態学試験・レポート(2007年)生態学試験問題 (2008/02/15, 函館校)以下の問から4問を選び答えよ。
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2007年度課題レポート上記試験において、成績が奮わなかった学生には以下のレポートを課すので、2008年7月31日までに提出せよ。なお、レポート提出形式については、「レポート・試験 諸注意」に従うこと。ただし、ワープロ原稿・手書き原稿の場合には、長谷教官(生物学教室)に提出せよ。課題上記試験問題から4問を選び、各問の内容について「生態学キーノート」等の参考書をよく読み整理し、その整理した内容を書け。ついで、それをもとに100点満点で80点以上と言える解答例を作成せよ。なお、参考にした参考書の著者・発行年・書名・出版社をを各問毎に明記すること(1冊以上であること)。生態学レポート (2005年)レポートによる評価を行う。レポート内容については講義の最後に説明した。2005年度は10月31日までに、必ず神田先生に提出すること。 生態学試験 (1999年·2001年·2003年)2003年8月7日 釧路講義の最後に30分程度の質疑を受けた後に60分程度の筆記試験を行なう。 問1. 省略問2. 以下の問A, Bに答えよ。 A. 講義中、より詳しく学んでみたいと思った部分を理解した範囲でよいから、わかりやすく説明せよ。 B. なぜ、その部分をより詳しく学びたいのかをできるだけ生態学的に理由を説明せよ。 2001年生態学試験問題 担当 露崎史朗 解答用紙に名前、所属、学生番号を忘れる学生がよくいるので再三確認すること。1. 既出(用意した解答レポートを名前、所属、学生番号があることを確認した上で答案用紙と一緒に提出せよ) (最大ボーナス60点) 2. あなたは、某国国立公園管理責任者に指名されました。あなたは、以下の業務を限られた予算の中で実施しなければなりません。以下のa-cのうち2つを選び、あなたならどのように対処するかを論理的に説明しなさい。(各35点)
a. 「帰化植物が河畔で増えていて、景観上好ましくない。」という苦情が寄せられた。帰化植物が広範に定着してしまっているため、手作業ですべて除去することは現実的に不可能である。また、護岸改修は法的に禁止されているため実施できない。帰化植物の対策を中心に、公園管理計画を作成せよ。 |